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タビオの平均年収573万円は本社234名のみ|靴下屋の求人と評判の実像

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 年収573.2万円の対象:有報の平均給与は本社側234名のみの数字です
  • 販売職413名は外書:店頭スタッフの待遇はこの平均に入っていません
  • 労働時間は良好:口コミでは残業月5.4時間・有給消化81.9%の傾向
  • 応募先が4通り:本社・直営店・FC加盟店・子会社で条件が変わります

この記事は、靴下ブランド『靴下屋』『Tabio』の商品レビュー記事ではありません。タビオ株式会社(証券コード2668・東証スタンダード市場)で働くことを検討している人のための、転職・就職判断用の記事です。「タビオ バンド きつい」「レーシングラン 口コミ」といった検索で出てくる情報は靴下そのものの履き心地に関する話で、労働環境の評価ではありません。また、まったく別物である食用油ブランド「オッタビオ」とも無関係です。ここでは有価証券報告書(第49期=2026年2月期)の実額と、OpenWork等の口コミ傾向、そして公開情報からの推定を明確に分けて整理します。とくに重要なのは、ネット上で「タビオの年収573万円」として流通している数字が、実は誰の給与を指しているのかという点です。ここを取り違えると、応募判断そのものがずれてしまいます。

タビオ株式会社の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず判断の土台になる数字を一覧で確認します。以下はすべて公式情報(第49期有価証券報告書・2026年5月20日近畿財務局長宛提出)に記載された実額です。あとで詳しく解体しますが、平均年間給与の行にある「対象範囲」の注記が、この記事で最も重要な一点になります。

項目内容
会社名タビオ株式会社(Tabio Corporation)
証券コード・市場2668/東京証券取引所スタンダード市場
本社所在地大阪市浪速区難波中二丁目10番70号(ほかに東京支店:東京都渋谷区渋谷二丁目15番1号)
設立1977年3月(株式会社ダンとして設立/2006年9月にタビオ株式会社へ商号変更)
代表者代表取締役社長 越智 勝寛(2008年5月就任)
平均年間給与5,732千円(約573万2千円)※対象は提出会社の従業員234名。販売職社員およびパート・アルバイト等413名は外書=対象外
平均年齢41.5歳(前期41.2歳)
平均勤続年数15.1年(前期15.0年)
従業員数連結268名(ほか平均臨時雇用者546名)/提出会社234名(ほか平均臨時雇用者413名、社外出向者4名を除く)
売上高168億12百万円(連結・前期比0.2%減)/提出会社単体164億44百万円
営業利益8億83百万円(連結・前期比19.5%増)/経常利益9億16百万円/当期純利益5億69百万円
財務指標自己資本比率60.3%/ROE11.2%/1株当たり当期純利益83.87円/年間配当30円
店舗数266店(直営154店=海外4店含む/フランチャイズ112店=海外代理商37店含む)
労働組合結成されていない(有価証券報告書「労働組合の状況」)
出典第49期(2025年3月1日〜2026年2月28日)有価証券報告書/公式IR資料

数値はすべて2026年2月28日現在または第49期実績です。離職率・職種別の給与レンジ・新卒総合職の採用人数は、有価証券報告書では開示されていません。この記事でもそれらを推測で数値化することはしません。

「タビオ=靴下屋」の会社構造|応募先が4通りある点に注意

結論から言うと、「タビオで働く」といっても入口が4つあり、どこに応募するかで雇用主も条件もまったく別物になります。求人も口コミも『靴下屋』というブランド名で流通するため、ここが読者にとって最初の難所です。まずこの地図を持ってから年収の話に進むと、後の理解が一気に速くなります。

タビオ株式会社は、靴下・パンスト・タイツの企画から製造(国内協力工場網)、卸、小売までを一貫して手がける靴下専門企業です。東証33業種の分類上は「卸売業」ですが、実態は自社ブランド靴下の製造小売(SPA)+フランチャイズチェーン本部という二層構造です。有価証券報告書上は「靴下に関する事業の単一セグメント」とされ、事業部門は次の4区分になっています(第49期売上)。

  • 国内専門店事業:124億92百万円(構成比約74%)/連結従業員133名(ほか臨時535名)
  • 国内EC事業:20億76百万円/連結従業員27名(ほか臨時1名)
  • 海外事業:13億90百万円(前期比6.6%増)/連結従業員23名(ほか臨時5名)
  • スポーツ卸事業:8億53百万円(前期比15.6%増)/連結従業員6名
  • 全社共通:連結従業員79名(ほか臨時5名)

売上の約4分の3を国内の店舗が稼いでいる一方、そこで働く人の大半は正社員ではなく臨時雇用者に分類されています。この非対称が、後述する「平均年収の落とし穴」の正体です。

入口1:タビオ株式会社の本社・本部(総合職)

大阪・難波の本社および東京支店で、商品企画(MD)、生産管理、EC、経営企画、管理部門などを担うポジションです。有報の平均年間給与573.2万円が指しているのは、実質的にこの層だと読めます(推定情報:有報は職種別の内訳を開示していないため、対象人数234名から販売職413名が外れているという事実にもとづく解釈です)。ただし、後述するとおり提出会社の従業員数は5期で242名→234名とわずかに減っており、ポストの空きは多くないと考えられます。

入口2:『靴下屋』『Tabio』の店舗スタッフ

コーポレートサイトの採用情報から実際の応募フォームに進むと、ページは「ショップスタッフ募集」に遷移し、募集区分は契約社員・アルバイトが中心という構成になっています(公式情報:公式採用ページの記載)。本社総合職・新卒総合職の常設募集ページは公開されていません。つまり、「タビオ求人」で検索してたどり着ける求人の多くは店舗職であり、有報の573万円とは別の待遇体系だと考えるのが自然です。

入口3:フランチャイズ加盟店/入口4:グループ子会社

2026年2月末時点で直営154店に対しフランチャイズチェーン店は112店(うち海外代理商37店)、国内『靴下屋』のFC加盟店は75店あります。街の商業施設にある『靴下屋』で募集されている求人が、タビオ本体ではなくFC加盟企業の従業員募集であるケースは構造的に少なくありません。加盟条件は加盟金・加盟保証金がそれぞれ原則150万円、ロイヤリティなしと有報「重要な契約等」に記載されています。さらにグループには連結子会社のタビオ奈良株式会社(奈良県北葛城郡広陵町・物流/検品/靴下の企画・加工・機械製造)があり、2025年5月には非連結子会社のタビオファクトリー株式会社も新設されています。「タビオ奈良 求人」という検索がある通り、奈良側にも別法人としての雇用があります。ただしタビオ奈良・タビオファクトリーの従業員数や給与水準は、有価証券報告書では開示されていませんので、条件は個別の求人票で必ず照合してください。

タビオの平均年収573万円は誰の数字か|有報「外書」注記の読み方

この記事で最も伝えたい結論はここです。有価証券報告書の平均年間給与5,732千円は、提出会社の従業員234名を対象にした数字であり、販売職社員およびパート・アルバイト等413名は「外書」=集計対象外です。つまり、『靴下屋』の店頭に立つ人の給与は、この573万円に1円も含まれていません。求人サイトや年収まとめサイトで「タビオの平均年収は約573万円」と紹介されているのを見て店舗職に応募すると、期待と実態が大きくずれる可能性があります。

求職者
求職者

「平均年収573万円」って書いてあったから応募したのに、提示された条件が全然違う……ということはありますか?

平均年間給与5,732千円の正確な定義

公式情報として、有価証券報告書(第49期)の「従業員の状況(2)提出会社の状況」には、平均年間給与5,732千円と記載されています。この金額には賞与支払額および基準外賃金が含まれ、社外出向者4名は除かれています。前期(第48期)は5,561千円だったため、1年で3.1%の増加です。金額そのものは、東証スタンダード市場の中堅企業として妥当なレンジにあります。

提出会社の従業員数と平均給与の推移を並べると、次のようになります。

期提出会社 従業員数平均年間給与
第45期242名有価証券報告書の該当実額は本記事では未参照
第46期237名同上
第47期242名同上
第48期236名5,561千円
第49期(2026年2月期)234名5,732千円(前期比3.1%増)

人数は5期を通じて230〜240名台で安定し、給与は直近1年で3.1%上がっています。母集団が小さく安定しているため、平均値は数名の入退社で動きやすい点にも留意が必要です(推定情報)。

外書413名という「見えない多数派」

提出会社の従業員234名に対し、外書の販売職社員およびパート・アルバイト等は年間平均で413名。連結ベースでは正社員268名に対し臨時雇用者546名です。正社員より臨時雇用者のほうが人数が多いという構造が、この会社の実像です。事業部門別に見ると国内専門店事業は正社員133名に対し臨時雇用者535名で、店舗運営はほぼ臨時雇用者が担っていることが数字から読み取れます。

この構造を踏まえると、「タビオの年収」という一語には少なくとも2つの水準が併存していることになります。

  • 本社・本部の正社員層:有報の平均年間給与573.2万円が代表値(公式情報)
  • 店舗の販売職・パート・アルバイト層:有報の対象外。公式の給与レンジは開示されていないため、求人票と労働条件通知書で個別に確認する必要がある

口コミに出てくる年収額との落差をどう読むか

口コミ傾向としては、給与に関する投稿で年収180万〜200万円台といった低い金額が書かれていることがあります。ただし、これらは投稿者本人の申告であり第三者検証ができません。また、投稿者の多くが店舗スタッフ(契約社員・アルバイト)だと推定されるため、フルタイム正社員の年収と単純比較できる数字ではありません。573万円と200万円前後という一見矛盾する2つの数字は、対立しているのではなく「別の集団の数字」だと理解するのが正しい読み方です(推定情報)。

参考として、アパレル販売職全体の給与水準は、業界統計では販売スタッフの年収中央値が300万円台前半、店長クラスで400万円台前半とされることが多く、全産業平均を下回りやすい傾向が指摘されています。タビオの店舗職も、この業界水準の枠内で検討するのが現実的でしょう(推定情報)。一方で近年は初任給を引き上げるアパレル企業も増えているため、入社時点の条件と昇給カーブ、店長昇格後の実額を分けて確認することが重要です。

平均年齢41.5歳・勤続15.1年が示すキャリアの現実

結論として、タビオの本社側は「超・長期定着型の小所帯」です。この事実は、応募者にとって安心材料であると同時に、キャリア設計上の制約でもあります。

平均年齢41.5歳(前期41.2歳)、平均勤続年数15.1年(前期15.0年)。従業員234名という規模で勤続15年超という数字は、アパレル業界の一般像(若年層中心・短期離職が多い)とはほぼ真逆です。定着率の高さは、働きやすさと会社への愛着を裏づける材料です。一方で、裏返せば新陳代謝が緩やかで、本社ポストの空きが出にくいことも意味します(推定情報)。中途で本社総合職を狙う場合、募集が出るタイミング自体が限られると考えておくべきでしょう。

従業員数の推移から見る「緩やかな縮小」

連結従業員数は第45期から第49期にかけて279名→274名→279名→274名→268名と推移し、外書の臨時雇用者も602名→613名→581名→568名→546名と緩やかに減っています。ここで大事なのは、希望退職の募集や整理解雇の開示・報道はいずれも確認されていないという点です。同期間にFC店を12店退店していることから、店舗ポートフォリオの入れ替えと自然減・採用抑制による緩やかな減少と読むのが妥当です(推定情報)。根拠のない「リストラ」という理解は事実に合いません。

男女の賃金差異55.5%が語る職種構成

公式情報として、提出会社の労働者の男女の賃金の差異は全労働者55.5%(前期53.4%)、正規雇用労働者69.6%(前期67.2%)、パート・有期労働者64.4%(前期67.4%)と開示され、会社は「2029年度末までに60%」を目標に掲げています。女性管理職比率は26.9%(前期23.7%、目標30%)、男性労働者の育児休業取得率は前期0.0%から当期100.0%へ1年で大きく変わりました。

女性従業員が多い職場でありながら全労働者ベースの賃金差異が55.5%と大きいのは、本社の正社員層と店頭の販売職層で職種構成が偏っていることの反映と考えられます(推定情報)。これは「男女で同じ仕事の賃金が違う」という話とは別の論点で、職種構成の偏りが指標に出るタイプの数字です。制度面では、育児短時間勤務・就業地域限定勤務制度・時間単位の年次有給休暇・テレワーク勤務・時差出勤制度の導入が有報に明記されています。就業地域限定勤務制度がある点は、転勤の範囲を気にする人にとって確認価値の高い情報です。

卸売業4社との比較で見るタビオの立ち位置

タビオは東証33業種で「卸売業」に分類されますが、同じ分類の他社と並べるとまったく違うビジネスモデルであることが数字ではっきり出ます。以下は各社の直近有価証券報告書の実額です。5社は決算期がすべて異なるため、必ず年度を確認してください。また売上規模には最大で830倍以上の開きがあるので、単純な優劣比較ではなく「構造の違い」を見る表として使ってください。

企業名(コード)対象決算期連結売上高営業利益従業員数平均年間給与
タビオ(2668)2026年2月期168.12億円8.84億円(利益率5.3%)連結268名(臨時546名)/提出会社234名(臨時413名)573.2万円
伊藤忠食品(2692)2025年3月期7,202.17億円105.62億円(利益率1.47%)連結1,188名/提出会社897名688.0万円
オルバヘルスケアHD(2689)2025年6月期1,265.95億円16.79億円(前期比15.2%減)連結1,393名/提出会社50名705.9万円
高千穂交易(2676)2026年3月期295.11億円20.98億円(経常利益24.09億円は上場来最高)連結482名/提出会社269名751.9万円
イメージ ワン(2667)2025年9月期8.67億円(前期比44.6%減)営業損失4.10億円42名642.8万円

なお伊藤忠食品は2026年5月19日付で東京証券取引所を上場廃止となっており、上表は上場廃止前の最終開示にもとづく数値です。

この表から読み取れる、タビオの特徴は3つあります。

  • 利益率の構造が食品卸と正反対:伊藤忠食品の営業利益率1.47%に対し、タビオは5.3%。さらにタビオの売上総利益率は58.1%(前期56.3%)で、これは自社ブランド製造小売の粗利構造です。仕入れて流す卸ではなく、企画・生産・販売を自社で握るSPAだからこそ成立する数字です。
  • 平均給与は5社中で最も低い:573.2万円は高千穂交易751.9万円、オルバHD705.9万円、伊藤忠食品688.0万円を下回ります。ただし比較対象の3社はいずれもBtoB法人営業中心で、タビオは小売業態という違いがあります(推定情報)。
  • 従業員あたりの構造が独特:タビオは正社員268名に対し臨時雇用者546名。オルバHDのように提出会社50名(純粋持株会社型)とも、伊藤忠食品のように提出会社897名とも違う、「小さな本部+大きな店頭」型です。

転職先として比較する際に、より実感が近いのは同じレッグウェア・アパレル領域の企業です。靴下・インナー領域では株式会社ナイガイ(8013)と2023年に資本業務提携しており、タビオがナイガイの筆頭株主となる一方、ナイガイもタビオの大株主第5位(2026年2月末で180千株・2.65%)に入っています。ほかにグンゼ(3002)、ワコールホールディングス(3591)、SC・駅ビル型の小型店を多数運営するパルグループホールディングス(2726)などが、店頭販売職の働き方という点で比較しやすい相手です。

口コミ傾向|残業月5.4時間・有給81.9%の「ホワイトだが上がりにくい」型

結論として、タビオの口コミは労働時間・コンプライアンス面が高評価、評価制度と賃金カーブが低評価という形で、きれいに二分されています。読者にとってのメリットは、「何が良くて何が課題か」がはっきりしているぶん、自分の優先順位と照合しやすいことです。

まず件数と母数を明示します(いずれも口コミ傾向=二次情報、閲覧時点)。OpenWorkは総合評価3.31(上位7%)・回答者数74人・クチコミ件数315件。エン カイシャの評判は口コミ624件・総合評価3.4点ですが、この3.4は「正社員23人の回答」ベースと表示されており母数は小さめです。Yahoo!しごとカタログは181件。消費者向けブランドの知名度が全国区であるのに対し、正社員の回答者は74人・23人と少なく、投稿の大半は店舗スタッフ(契約社員・アルバイト)由来と推定されます。この点を踏まえずにスコアだけを見ると、本社総合職の実感とはずれる可能性があります。

高く評価されている項目

OpenWorkの項目別スコアでは法令順守意識4.2、社員の相互尊重3.9が突出しています。さらに定量値として月間残業時間5.4時間、有給消化率81.9%という数字が出ています。アパレル小売としては異例に低い残業水準で、当シリーズで扱った企業のなかでも際立って低い部類です。投稿の傾向としては、次のような声が繰り返し見られます。

  • 残業がほとんどなく、勤務時間が読みやすい
  • 有給が取りやすく、申請にストレスがない
  • 販売員に個人ノルマが課されない
  • 未経験からでも始めやすく、教育のハードルが低い
  • 社員同士が尊重し合う雰囲気があり、商品と会社への愛着が強い

「土日祝シフト・繁忙期の休みづらさ」がアパレル業界共通の懸念として挙がりやすいなか、有給消化率81.9%という数字が出ているのは、業界内では相対的に恵まれた条件だと考えられます(推定情報)。

低く評価されている項目

一方で、人事評価の適正感2.6、人材の長期育成2.8、待遇面の満足度3.0、20代成長環境3.0、風通しの良さ3.0と、評価・育成・給与に関わる項目は伸びていません。投稿傾向としては次のような指摘が集中しています。

  • 給与水準が小売販売職の平均並み、あるいはそれ以下だという声
  • 昇給・賞与はあるが幅が小さいという指摘
  • 役職手当が限定的だという声
  • 評価基準が分かりにくく、納得感が持ちにくいという指摘
  • 長期的な育成の仕組みが弱いという声

総合すると、「労働時間はホワイト、賃金カーブは伸びにくい」型という整理になります。時間的余裕を最優先する人には合いやすく、短期での年収上昇を最優先する人には物足りなさが残りやすい構図です。

口コミを読むときの3つの注意点

タビオの口コミを読む際は、以下を分けて考えると誤読を避けられます。

  • 商品レビューと会社評判を混同しない:「タビオ バンド きつい」「ノンスリップバンド きつい」「外反母趾 口コミ」「ビジネスソックス 評判」「レーシングラン 口コミ」といった検索語で出てくるのは靴下の履き心地の話であり、労働環境の評価ではありません。
  • 回答者の雇用区分を確認する:正社員の回答は74人・23人と少なく、スコアの多くは店舗スタッフの体感です。
  • 雇用主が本体かFCかを確認する:同じ『靴下屋』でも直営店とFC加盟店では雇用主が異なり、待遇も別に決まります。

業績と将来性|増益なのに翌期は減益予想というねじれ

結論を先に言うと、タビオの直近業績は「売上は横ばい、利益は改善、ただし翌期は会社自身が減益を見込む」という状態です。転職判断としては、財務的な危険はほぼない一方、成長ドライバーが見えにくいという読み方になります。

第49期(2026年2月期)の実績

公式情報として、連結売上高は168億12百万円で前期比0.2%減(前期168億52百万円)。一方で営業利益は8億83百万円と19.5%増、経常利益9億16百万円で21.4%増、親会社株主に帰属する当期純利益は5億69百万円で9.5%増と、利益は明確に改善しました。牽引したのは採算の改善で、売上高営業利益率は4.4%から5.3%へ、売上総利益率は56.3%から58.1%へ改善しています。有価証券報告書によると、値引き販売の抑制がこの粗利率改善に寄与しました。ただし同期には固定資産の減損損失1億23百万円も計上されています。

財務面は堅く、自己資本比率60.3%、純資産53億64百万円、現金及び現金同等物19億78百万円。継続企業の前提に関する注記も、重要事象等の記載もありません(第49期有報の連結・単体いずれの監査報告書にも該当記載なし)。倒産リスクを心配して検索している人にとっては、この点は明確な安心材料です。

2027年2月期予想と国内店舗の逆風

注意すべきは翌期です。会社予想は売上高170億円(1.1%増)に対し、営業利益7億18百万円=18.8%の減益とされています。増益直後に会社自身が減益を見込むという珍しいねじれです。背景には国内店舗の苦戦があり、国内専門店事業は前期比1.9%減。有価証券報告書は「地方店舗では物価高騰による生活防衛意識の高まりが購買意欲に影響を与え、客数が減少するという厳しい状況が続いた」と明記しています。売上は3期連続で横ばい〜微減という状態です。

成長側の材料もあります。海外事業は前期比6.6%増(中国のライブコマース、米国が前年比130%超)、スポーツ卸事業(ブランド「TABIO SPORTS」)は15.6%増と、規模は小さいながら伸びています。またエントリー価格帯の再構築や新ライン『靴下屋fam』の投入など、客数回復に向けた手も打たれています。ただし海外事業の従業員は23名、スポーツ卸事業は6名と人員規模が極小であり、これらのポジションは裁量が大きい反面、狭き門である点は理解しておくべきです(推定情報)。

業界文脈も押さえておきましょう。国内アパレル総小売市場は2024年に8兆5,010億円と4年連続で前年を上回りましたが、成長の主因は数量ではなく単価です。靴下に限れば国内流通の8割超が輸入品で、価格競争の主戦場は海外生産にあります。そのなかでタビオは国内協力工場網と店頭POS連動の多品種小ロット生産という垂直統合モデルを維持しており、「最安値」ではなく品質・生産リードタイム・産地ストーリーで戦う立ち位置です。国内最大産地である奈良県広陵町の工場数は最盛期の200軒規模から40軒ほどまで減っており、この産地基盤をどう維持するかが中長期の論点になります。

有報が挙げる8つのリスクと、求職者にとっての意味

第49期有価証券報告書の「事業等のリスク」は次の8項目です。(1)フランチャイズ契約に関するリスク (2)出店政策に関するリスク (3)市況変動等 (4)災害等 (5)商品仕入(国内協力工場が財務上の問題に直面すると提携維持が困難になる可能性) (6)人材に関するリスク (7)情報管理 (8)パンデミック。

このうち求職者に直結するのが(6)です。有報は「販売員をはじめ人材の確保・育成が経営に大きな影響を与える」と明記し、労働人口の減少、人材獲得競争の激化、人件費の高騰を挙げています。会社自身が販売員の確保を経営課題として公式文書に書いているという事実は、応募者側から見ればプラス材料です(推定情報:採用意欲の強さを直接示すものではありませんが、人材投資の必要性を経営が認識していることの根拠にはなります)。

なお、タビオ株式会社に対する行政処分、課徴金納付命令、景品表示法・下請法違反の措置命令、個人情報漏えい事案、重大訴訟については、公開情報を調べた範囲でいずれも見当たりませんでした。有価証券報告書にも「重要な訴訟事件等」に相当する記載はありません。

勤務地と店舗網|本社は大阪・難波、直営増/FC減という流れ

「タビオ本社」という検索が一定数あるとおり、勤務地は判断の重要な要素です。公式情報として、本店の所在地は大阪市浪速区難波中二丁目10番70号(2010年3月に現在地へ移転)。ほかに東京支店(東京都渋谷区渋谷二丁目15番1号)があります。本部機能は大阪に集中しており、東京は支店という位置づけです。グループでは奈良県北葛城郡広陵町にタビオ奈良株式会社があり、物流・検品・靴下の企画・加工・機械製造を担っています。

店舗網は入れ替えが進んでいます。第48期末268店(直営149店/FC119店)から、第49期末は266店(直営154店/FC112店)へ。当期の動きはFC新規5店・FC退店12店に対し、直営新規10店・直営退店5店でした。直営を増やしFCを絞る方向がはっきり出ています。

この流れは求職者にとって実務的な意味を持ちます。

  • FC加盟店で働いている人:加盟店が退店・転換すると、雇用主そのものが変わる可能性があります(推定情報)。
  • これから応募する人:同じ『靴下屋』の求人でも、直営店ならタビオ本体(または本体との契約)、FC店なら加盟企業が雇用主になります。求人票の「会社名」欄を必ず確認してください。
  • 転勤の範囲を気にする人:直営店は全国と海外にまたがるため、就業地域限定勤務制度の適用可否を面接段階で確認する価値があります。

あわせて、株主構成も押さえておくと会社の意思決定スタイルが見えます。公式情報として、有限会社越智産業27.32%、エム・エス・エヌ株式会社14.69%、越智ホールディングス株式会社9.23%と、上位3社だけで51.2%を占めます。代表取締役社長の越智勝寛氏は2008年5月就任で在任17年超。創業家の持株比率が高く、経営が長期安定している一方、短期的な方針転換は起きにくい体制だと考えられます(推定情報)。取締役11名のうち女性は1名(9.1%)です。

タビオへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。ポイントは「時間の余裕」と「賃金の伸び」のどちらを優先するかです。

向いている人向いていない人
残業の少なさ・有給の取りやすさを最優先したい人(口コミでは月5.4時間・消化率81.9%)短期間で年収を大きく引き上げたい人(昇給幅が小さいという口コミが多い)
個人ノルマのない環境で接客・販売の経験を積みたい人成果に応じたインセンティブや明確な評価連動を求める人(評価の適正感2.6)
『靴下屋』『Tabio』の商品や国内生産のものづくりに愛着を持てる人ブランドへの関心が薄く、扱う商材にこだわりがない人
長く同じ会社で腰を据えたい人(平均勤続15.1年)3〜5年でポジションを駆け上がりたい人(本社は234名でポストが限られる)
大阪本社勤務、または全国の店舗勤務を許容できる人東京中心のキャリアを前提にしたい人(本部機能は大阪に集中)
多品種小ロットの在庫コントロールやMDの知見を深めたい人大規模組織の分業された専門職として働きたい人(連結268名の小所帯)

タビオへの転職|編集部の見解

編集部の見解として、タビオは「働く環境の安定性」で選ぶ会社であり、「年収の伸び」で選ぶ会社ではないと考えられます。判断材料を3点に絞ります。

第一に、数字の読み違えを避けることが何より重要です。有報の573.2万円は提出会社234名の数字で、販売職413名は外書です。店舗職として応募する人がこの数字を基準に期待値を作ると、ほぼ確実にずれます。逆に本社総合職を狙える経歴があるなら、573.2万円という水準と平均勤続15.1年という安定性は、十分に検討に値します。

第二に、時間資源を重視する人には合理的な選択肢です。月5.4時間の残業と81.9%の有給消化率は、アパレル小売としては明確な強みです。育児・介護と両立したい、副業や学び直しに時間を充てたいといった目的があるなら、この条件は年収差を補って余りある可能性があります。

第三に、成長ストーリーには慎重さが必要です。第49期は増益でしたが売上は3期連続で横ばい〜微減、翌期は会社自身が18.8%の営業減益を見込んでいます。財務は自己資本比率60.3%と堅く、継続企業の前提に関する注記もないため経営の安定性そのものへの懸念は小さいものの、「伸びる会社に乗って自分も伸びる」タイプの転職先とは性格が異なると考えられます。海外事業やスポーツ卸、ECといった成長領域はありますが、いずれも人員規模が20名前後以下と小さく、狙って入れるポジションとは限りません。

総合すると、「安定した時間の使い方」と「ものづくりへの共感」を報酬の一部として受け取れる人にはおすすめできる一方、金銭的リターンの最大化を主目的にする人には、他の選択肢と並行検討することをおすすめします。

タビオに関するよくある質問(FAQ)

タビオへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。いずれも公開情報にもとづく回答です。

タビオの平均年収はいくらですか?

有価証券報告書(第49期=2026年2月期)によると、平均年間給与は5,732千円(約573万2千円)です。賞与支払額および基準外賃金を含みます。ただし対象は提出会社の従業員234名で、販売職社員およびパート・アルバイト等413名は外書=対象外です。店舗スタッフの給与はこの数字に反映されていないため、店舗職に応募する場合は求人票の条件を基準にしてください。

タビオの本社はどこにありますか?

大阪市浪速区難波中二丁目10番70号です(有価証券報告書 第49期の表紙に記載)。ほかに東京支店が東京都渋谷区渋谷二丁目15番1号にあります。本部機能は大阪に集中しており、2010年3月に現在の本社所在地へ移転しています。

『靴下屋』の店舗求人は、すべてタビオ株式会社の直接雇用ですか?

いいえ。2026年2月末時点で直営154店に対しフランチャイズチェーン店112店(国内『靴下屋』のFC加盟店は75店)という構成で、FC店の求人は加盟企業による募集になります。応募前に求人票の会社名欄を確認してください。

「タビオ奈良」の求人はタビオ本体の求人ですか?

タビオ奈良株式会社は、奈良県北葛城郡広陵町に所在する連結子会社で、物流・検品・靴下の企画・加工・機械製造を担っています。タビオ株式会社とは別法人です。なお同社の従業員数や給与水準は有価証券報告書では開示されていないため、条件は個別の求人票でご確認ください。2025年5月には非連結子会社としてタビオファクトリー株式会社も設立されています。

残業時間や有給休暇の実態はどうですか?

口コミ傾向として、OpenWorkでは月間残業時間5.4時間、有給消化率81.9%という数値が示されています(回答者数74人)。法令順守意識のスコアも4.2と高めです。ただしこれは二次情報であり、回答者の多くは店舗スタッフと推定されるため、配属先や役職によって実態は異なる可能性があります。

新卒採用や本社総合職の募集は行われていますか?

コーポレートサイトの採用情報から進む応募ページは「ショップスタッフ募集」(契約社員・アルバイト)が中心で、本社総合職・新卒総合職の常設募集ページは公開されていません。提出会社の従業員数は5期で242名→234名と横ばい〜微減、平均勤続年数15.1年と定着率が高いため、本社ポジションの募集機会は限られると考えられます(推定情報)。転職エージェント経由の非公開求人も含めて情報を集めるのが現実的です。

タビオは人員削減を行っているのですか?

希望退職の募集や整理解雇について、公開情報を調べた範囲では開示・報道は見当たりませんでした。連結従業員数は5期で279名→268名、臨時雇用者は602名→546名と緩やかに減っていますが、同期間にFC店を12店退店しており、店舗の入れ替えと自然減・採用抑制による緩やかな減少と読むのが妥当です(推定情報)。

タビオへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性、そして内定時の労働条件通知書まで含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準(本社正社員)平均年間給与573.2万円・前期比3.1%増。卸売業比較5社のなかでは低めだが、小売業態としては相応の水準(公式情報+推定情報)
年収水準(店舗職)有価証券報告書では開示されていない。有報の573.2万円は対象外のため、求人票で個別に確認が必要
労働時間・休暇口コミでは残業月5.4時間・有給消化率81.9%。アパレル小売としては良好な傾向(口コミ傾向)
評価・昇進人事評価の適正感2.6・人材の長期育成2.8と低め。昇給幅が小さいという投稿が目立つ(口コミ傾向)
雇用の安定性自己資本比率60.3%、継続企業の前提に関する注記なし。平均勤続15.1年(公式情報)
成長性売上は3期連続で横ばい〜微減、2027年2月期は営業利益18.8%減の会社予想。海外・スポーツ卸・ECは伸びるが人員規模は小さい(公式情報)
勤務地本社は大阪・難波、東京は支店。直営店は全国・海外。就業地域限定勤務制度あり(公式情報)
応募前の必須確認応募先が本体/FC加盟店/子会社のいずれか、雇用区分(正社員・契約社員・アルバイト)、就業地域の範囲

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。とくに平均年間給与については、集計対象が提出会社の従業員234名であり販売職413名が外書である点を、原典の注記にもとづいて明示しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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