Delta-Fly Pharmaの年収594.8万円は12名の平均値|徳島発ラボレス創薬
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:徳島発・従業員12名の抗がん剤特化型ラボレス創薬ベンチャー
- 年収:有報の平均年間給与594.8万円。ただし母数は12名のみ
- 財務:事業収益ゼロが4期連続、2026年6月末は債務超過(GC注記はなし)
- 働き方:実験も製造も外部委託。社内は「試験を設計・管理する人」の集団
Delta-Fly Pharma株式会社(デルタフライファーマ/証券コード4598・東証グロース)を検索する人の大半は、株価や掲示板を目的とした投資家です。この記事は投資判断のための記事ではなく、転職・就職の判断材料として同社の実態を整理した記事です。株価予想や売買の推奨は一切扱いません。代わりに、「この会社に入ると何をする仕事になるのか」「給与はいくらで、その数字はどれだけ信頼できるのか」「雇用の前提となる財務基盤はどうなっているのか」を、第16期(2026年3月期)有価証券報告書と2027年3月期第1四半期決算短信という一次情報だけで組み立てます。同社は口コミサイトに実質的なデータが存在しない稀な企業であり、評判を口コミから読むことができない代わりに、公式開示から読むしかない会社です。その読み方そのものが、この記事の中身になります。
Delta-Fly Pharmaの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
まず、この記事で扱う数値の土台を一覧にします。すべて第16期(2026年3月期)有価証券報告書および2027年3月期第1四半期決算短信という公式情報で、二次サイトの推計値は含みません。転職検討時にまず確認すべき数字が、この表に集約されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | Delta-Fly Pharma株式会社(デルタフライファーマ)/英訳名 Delta-Fly Pharma, Inc. |
| 証券コード・市場 | 4598/東京証券取引所グロース市場(2018年10月東証マザーズ上場、2022年4月グロースへ移行) |
| 設立 | 2010年12月6日 |
| 代表者 | 代表取締役社長 江島 淸 |
| 本店所在地 | 徳島県徳島市川内町宮島錦野37番地の5 |
| 最寄りの連絡場所 | 東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 日本橋ライフサイエンスビルディング2 6階 |
| 平均年間給与 | 約594.8万円(5,948千円・賞与および基準外賃金を含む/2026年3月31日現在) |
| 平均年齢 | 51.9歳(2026年3月31日現在) |
| 平均勤続年数 | 9.6年(2026年3月31日現在) |
| 従業員数 | 12名(提出会社・就業人員/子会社がないため単体=全社。パートおよび嘱託社員の年間平均人員は該当なし) |
| 事業収益 | 0円(第16期/第13期〜第16期の4期連続で計上なし) |
| 営業利益 | 営業損失 △16億05百万円(第16期/前期は△17億08百万円) |
| 当期純損益 | 当期純損失 △16億25百万円(1株当たり△140.45円) |
| 研究開発費 | 13億29百万円(第16期/前期比7.5%減) |
| 純資産・自己資本比率 | 33百万円・12.6%(2026年3月31日)→ △1億96百万円・△131.8%(2026年6月30日) |
| 労働組合 | なし(有価証券報告書に「労使関係は安定」と記載) |
| 女性管理職比率・男性育休取得率・男女賃金差異 | 「公表義務の対象ではないため記載省略」として未開示 |
| 出典 | 第16期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月24日提出)/2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月7日開示) |
この表を見ただけで、Delta-Fly Pharmaが一般的な製薬会社とはまったく異なる組織であることが分かります。従業員12名で研究開発費13億29百万円、つまり1人あたり年間1億円超の開発費を動かしている計算になります。この比率こそが、同社の事業モデルを最も端的に表しています。
Delta-Fly Pharmaとはどんな会社か|徳島発・12名の「ラボレス」抗がん剤創薬
結論から書くと、Delta-Fly Pharmaは自社の研究所も工場も持たない、抗がん剤専業の創薬ベンチャーです。読者にとっての意味は明快で、「白衣を着て実験する研究職」を期待して入社すると確実にミスマッチが起きる、ということです。以下でその構造を分解します。
「モジュール創薬」という独自アプローチ
有価証券報告書によると、同社は既存の抗がん活性物質を「モジュール(構成単位)」として捉え、用法用量や結合様式を工夫して組み立て直すことで、有効性と安全性のバランスを高めた新規抗がん剤を創製する手法を採用しています。ゼロから新規化合物を探索するのではなく、既に一定の知見がある物質を再設計する発想です。パイプラインはDFP-10917(再発・難治性の急性骨髄性白血病、米国で開発)、DFP-14323、DFP-17729、DFP-11207、DFP-14927、DFP-10825などで、いずれもがん領域に集中しています。事業セグメントは医薬品事業の単一セグメントであり、子会社がないため連結財務諸表そのものを作成していません。
この手法は、探索研究に必要な大規模ラボを持たなくても創薬に参入できるという利点があります。一方で、既存物質の再設計である以上、臨床試験で「既存治療に対する優越性」を示せるかどうかが勝負になります。実際に、主力のDFP-10917は米国での第3相比較試験について、安全性独立委員会(DSMB)から「治験実施計画書で設定されていた優越性が検証されなかった」として試験中止の報告を受けたことが2026年5月に公表されています。会社は安全性に問題はなく特定のサブグループで有効性の示唆があったとして、FDAとの条件付き承認申請の可能性を含めた協議の準備に入っているとしていますが、承認取得の可否や時期は現時点で確定していません。
研究所も工場も持たない=社内に「実験する人」はいない
同社は実験も製造もCRO(開発受託機関)・CMO(製造受託機関)といった外部委託先に全面的に依存する、いわゆるラボレス/ファブレス型の運営です。有価証券報告書は同社の人員構成を「抗がん剤開発経験が豊富な少人数の専門家集団であり、研究開発のマネジメント機能に特化」と明記しています。
転職検討者にとって、この一文の重みは非常に大きいものがあります。具体的に社内で発生する仕事は次のような性質になります(職務内容の具体像は推定情報を含みます)。
- 治験実施計画書(プロトコル)の設計と、当局・専門医との議論
- CRO・CMOの選定、契約、進捗管理、品質と費用のコントロール
- 米国FDA・国内PMDAとの規制対応、照会事項への回答作成
- ライセンス契約先(日本新薬・日本ケミファなど)との共同開発の調整
- 適時開示・有価証券報告書・株主対応といったIR実務
逆に、社内に存在しない職種も明確です。MR・営業組織、生産技術、品質管理の現場、大規模な基礎研究チーム、そして一般的な意味での新卒育成部門。「実験がしたい人」ではなく「試験を回す人」の会社である、と理解するのが正確です。この点は医薬品・バイオ業界に共通する懸念でもあり、販売を提携先に導出するモデルの企業では、社内での職種転換の選択肢が構造的に限られます。
本社は徳島、連絡窓口は東京という二拠点構造
勤務地についても正確に押さえる必要があります。有価証券報告書の表紙によれば、【本店の所在の場所】は徳島県徳島市川内町宮島錦野37番地の5です。一方で【最寄りの連絡場所】は東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 日本橋ライフサイエンスビルディング2 6階と記載されており、IR問い合わせや事務連絡はこの東京事務所が窓口になっています。沿革を見ると、2012年4月に東京事務所(千代田区)を開設し、2016年5月に中央区へ移転しています。
つまり「本社は徳島、実務上の連絡窓口は東京」という構造です。推定情報として、12名という規模を踏まえると、職務によって実際の就業場所が徳島と東京のいずれになるかは個別に異なる可能性が高く、応募時に必ず確認すべき項目といえます。求人票や内定時の労働条件通知書で就業場所を明示的に確認しないまま進めるのは避けたいところです。
創業経営陣を読む|大鵬薬品の徳島人脈がそのまま会社になった
従業員12名の会社を評価するとき、経営陣のプロフィールは会社そのものの説明になります。読者にとってのメリットは、「誰と働くことになるのか」が上場企業の中では例外的に具体的に把握できる点です。
有価証券報告書によると、代表取締役社長の江島 淸氏は1949年8月20日生まれ。1976年4月に大鵬薬品工業へ入社し、2005年9月に同社取締役 開発センター長、2007年9月に同社取締役 徳島研究センター長を歴任、2010年8月から徳島大学産学官連携推進部の客員教授(現任)を務め、2010年12月に同社を設立して代表取締役社長に就任(現任)しています。所有株式数は832,000株で、発行済株式総数の6.32%を保有する筆頭株主です。取締役で研究開発部門を担当する飯塚健蔵氏も大鵬薬品工業の出身、管理部門担当の黒滝健一氏は旧日本勧業角丸証券・みずほ証券の出身です。
大鵬薬品工業は徳島に研究拠点を持つ抗がん剤に強い製薬会社であり、同社の設立地が徳島であることと、経営陣の出自は直結しています。「大鵬薬品の徳島人脈が、抗がん剤という一点に絞って独立した会社」という理解が、この企業を最も短く説明する言い方です。設立目的も有価証券報告書の沿革に「安心して家族のがん患者に勧められる治療法の提供」と記されています。
一方で、ガバナンス面の事実も併記しておく必要があります。役員構成は男性9名・女性0名です。また女性管理職比率・男性育児休業取得率・男女賃金差異は「公表義務の対象ではないため記載省略」とされており、有価証券報告書では開示されていません。ダイバーシティ関連の指標を重視する読者にとっては、判断材料が乏しい状態であると認識しておく必要があります。
平均年収594.8万円をどう読むか|母数はわずか12名
結論を先に書きます。Delta-Fly Pharmaの平均年間給与は594.8万円(5,948千円)です。ただしこの数字は、12名の平均であり、一般的な上場企業の平均年収と同じ感覚で扱ってはいけません。ここを誤読すると、転職判断そのものを間違えます。
公式の平均年間給与と、その前提条件
有価証券報告書「第1 企業の概況 従業員の状況」によると、2026年3月31日現在の平均年間給与は5,948千円で、賞与および基準外賃金を含みます。前事業年度(第15期)は約5,758千円(約576万円)で、前期比+3.3%の増加です。対象は提出会社の従業員12名全員で、同社は子会社を持たないため単体=全社の数字になります。持株会社形態でもないため、この数字は現場で働く社員の実額をそのまま反映しているという点では、むしろ素直なデータです。
ただし決定的な留保があります。母数が12名しかないため、1〜2名の入社・退職や役職構成の変化だけで、平均値が数十万円単位で動きます。実際に従業員数は第12期12名→第13期11名→第14期13名→第15期13名→第16期12名と推移しており、毎期1〜2名の増減が起きています。前期比+3.3%という伸びも、昇給の結果なのか構成変化の結果なのかは、有価証券報告書の開示からは判別できません。「平均年収が3.3%上がった会社」と読むのは、推定情報としても踏み込みすぎです。
平均年齢51.9歳・平均勤続9.6年が示す人材構成
年収を理解するうえで欠かせないのが、年齢と勤続年数です。同じく第16期有価証券報告書によると、平均年齢は51.9歳、平均勤続年数は9.6年です。
- 平均年齢51.9歳:新卒や第二新卒を採って育てる組織ではなく、大手製薬などで経験を積んだベテランが中心の構成であることを示唆します(推定情報)。
- 平均勤続9.6年:設立が2010年12月で社歴は約15年です。その中で平均勤続9.6年ということは、初期メンバーの多くが在籍を続けていることを意味します。少人数ベンチャーとしては定着率が高い部類です。
- この2つを掛け合わせると:50代前半・勤続10年前後の専門家が中核という像が浮かびます。594.8万円という金額は、この年齢層の「大手製薬の給与水準」と比べれば控えめですが、大手のような組織インフラを持たない代わりに一人で開発全体を見られるポジションと引き換えの水準である、という読み方ができます(推定情報)。
二次サイトの年収情報との付き合い方
年収を調べると、複数の二次アグリゲータが同社の数字を掲載しています。日本経済新聞の企業情報では576万円、Yahoo!しごとカタログでは594万円といった値が確認でき、いずれも有価証券報告書の実額と整合しています(掲載時点の対象期の違いにより差が生じます)。本記事が採用しているのは一次ソースである有価証券報告書の実額594.8万円であり、二次情報はあくまで参照にとどめています。
注意点として、年収まとめ系の記事の中には2020年前後の古い数値をそのまま掲載しているものがあります。同社のように毎期の構成変化が大きい少人数企業では、数年前の数値と最新の有価証券報告書の値が大きく乖離します。転職判断に使う数字は、必ず最新期の有価証券報告書を直接確認するのが原則です。

平均594.8万円なら、自分のオファーもそのくらいと考えていいですか?
この問いへの誠実な答えは「参考にはなるが、そのまま当てはめるのは危険」です。12名の平均には代表取締役を除く従業員全員が含まれ、開発責任者クラスから管理部門の担当者までが1つの数字に丸められています。推定情報として、職種・役職・入社時のグレードによって実際の提示額は上下に大きく振れる可能性があります。転職時に確認すべきは次の5点です。
- 基本給と賞与の内訳(有価証券報告書の数字は賞与・基準外賃金を含む総額)
- 賞与の算定根拠(同社は創業以来通期黒字化しておらず、業績連動の設計だと変動幅が読みにくい)
- ストックオプション等のインセンティブの有無と条件
- 就業場所(徳島/東京)と、それに伴う住宅補助・転居費用の扱い
- 雇用形態と契約期間(少人数組織では有期契約の可能性も含めて確認する)
業績を5期分並べる|事業収益ゼロが4期連続という構造
雇用の安定性を考えるうえで、業績の「形」を理解することは年収以上に重要です。結論として、Delta-Fly Pharmaは製品売上を持たず、事業収益が0か数億円かに極端に振れる構造にあり、直近は4期連続で事業収益ゼロが続いています。
収益がゼロになる理由と、5期の推移
同社には市販されている製品がありません。収益はライセンス契約の一時金・マイルストーン収入・開発協力金で構成されるため、契約や開発の節目が来た期だけ収益が立ち、それ以外の期はゼロになります。有価証券報告書によると、過去5期の事業収益は第12期が300百万円、第13期から第16期まではいずれも計上なしです。2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)も事業収益はゼロでした。
| 期 | 事業収益 | 営業損益 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 第12期 | 300百万円 | — | 直近5期で唯一収益を計上した期 |
| 第13期 | 計上なし | — | — |
| 第14期 | 計上なし | — | — |
| 第15期 | 計上なし | 営業損失 △17億08百万円 | — |
| 第16期(2026年3月期) | 0円 | 営業損失 △16億05百万円 | 研究開発費13億29百万円(前期比7.5%減) |
| 2027年3月期 第1四半期 | 0円 | 営業損失 △4億20百万円 | 前年同期は営業損失△3億58百万円 |
| 2027年3月期 通期会社予想 | — | 営業損失 △13億30百万円 | 当期純損失予想△13億50百万円(1株当たり△102.47円) |
第16期の内訳を見ると、事業費用16億05百万円のうち研究開発費が13億29百万円を占めます。費用の8割超が研究開発費であり、これは12名という人員構成と整合します。人件費よりも外部委託した臨床試験費用が支出の中心である、というラボレス型の特徴がそのまま数字に出ています。研究開発費は前期比7.5%減で、開発ステージの推移に伴って支出が調整されている様子がうかがえます。
2027年3月期は赤字幅が拡大している
2027年3月期第1四半期決算短信によると、同四半期は営業損失△4億20百万円、経常損失△4億22百万円、四半期純損失△4億22百万円でした。前年同期はそれぞれ営業損失△3億58百万円、四半期純損失△3億67百万円だったため、赤字幅は拡大しています。一方で通期の会社予想は営業損失△13億30百万円・経常損失△13億40百万円・当期純損失△13億50百万円と、第16期実績(営業損失△16億05百万円)より縮小する見通しが示されています。
累積では、創業以来一度も通期黒字化しておらず、繰越利益剰余金の欠損は2026年3月31日時点で115億57百万円に達しています。配当は創業以来無配で、有価証券報告書にも会社法上の配当可能な財政状態にない旨が明記されています。推定情報として、転職検討者の視点では「業績連動の賞与設計は当面機能しにくい」「ストックオプションの価値は株価とパイプラインの進捗に強く依存する」と読むのが現実的です。
継続企業の前提の注記はないのに債務超過|この状態を正確に理解する
ここが本記事の核心です。同社は「継続企業の前提に関する注記がない」にもかかわらず、2026年6月30日時点で債務超過に転落しているという、開示上めずらしい状態にあります。この2つは矛盾しません。理由を順番に説明します。読者にとってのメリットは、この読み分けができるようになると、他のベンチャー企業の求人を見るときにも同じ判断軸が使えることです。
継続企業の前提(GC)の3段階と、同社の位置
会計上、企業の存続可能性に関する開示は大きく3段階に分かれます。
- ①継続企業の前提に関する注記あり:重要な不確実性が認められ、監査上も明示される最も重い段階
- ②継続企業の前提に関する重要事象等の記載あり:不確実性を解消する対応策があるため注記には至らないが、事象自体は記載される段階
- ③いずれの記載もなし:上記に該当しない状態
Delta-Fly Pharmaは③に該当します。第16期有価証券報告書に「継続企業の前提に関する注記」はなく、「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載も確認できなかったためです。2027年3月期第1四半期決算短信にも「(継続企業の前提に関する注記)該当事項はありません」と明記されています。監査法人は三優監査法人で、監査意見は無限定適正意見です。ただし監査報告書には強調事項として、①第11回新株予約権の行使(2026年4月1日〜6月23日)、②資本金・資本準備金の額の減少および剰余金の処分、の2件が付されています。強調事項は監査意見に影響を及ぼすものではない旨も併記されています。
重要なのは、「GC注記がない=財務が安全」ではないという点です。Delta-Fly Pharmaは、その好例といえます。
2026年6月末に債務超過へ転落した事実
決算短信および有価証券報告書によると、純資産と自己資本比率は次のように推移しています。
| 時点 | 総資産 | 純資産 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月31日(第16期末) | 246百万円 | +33百万円 | 12.6% |
| 2026年6月30日(2027年3月期1Q末) | 150百万円 | △1億96百万円 | △131.8% |
わずか3か月で純資産がプラスからマイナスへ転じ、債務超過の状態になりました。第1四半期の純損失△4億22百万円が、期末時点で33百万円しかなかった純資産を上回ったことが直接の要因です。
債務超過と上場廃止基準の関係を誤読しない
ここは断定を避けるべき最重要ポイントです。東京証券取引所の上場廃止基準は「事業年度の末日に債務超過であり、かつ1年以内に解消しない場合」という趣旨のものであり、四半期末時点の債務超過が直ちに上場廃止につながるわけではありません。したがって焦点は、2027年3月31日という事業年度末の時点で債務超過が解消されているかどうかにあります。現時点で「上場廃止になる」と結論づけられる材料はなく、本記事もそのような断定はしません。なお同社が「上場維持基準の適合状況に関する計画書」を提出した事実は確認できなかったため、その点についても推測を述べることは避けます。
会社自身の対応は、2027年3月期第1四半期決算短信に記載されています。同短信は「当第1四半期会計期間末においては、上記のとおり債務超過となっておりますが、当該債務超過の早期解消に向けて」第12回新株予約権を2026年8月7日に発行したこと、および「2026年7月23日付で第3回無担保社債150百万円の払込が完了」したことを説明しています。会社は債務超過の事実を認識したうえで、その解消策を具体的に開示しているという点は、転職検討者が公平に評価すべき事実です。
もう一つ、規模に関する事実も併記します。2026年8月24日時点の株価は106円、時価総額は約15.2億円です。東証グロース市場の現行の上場維持基準には「上場から10年経過後の事業年度末に時価総額40億円以上」という趣旨の要件があり、同社は2018年10月上場のため適用は2029年3月期末以降になりますが、現在の水準はその基準を大きく下回っています。なお東証はグロース市場の上場維持基準の引き上げを進めていますが、具体的な基準値や適用時期については一次情報で確定できなかったため、本記事では断定しません。
資金調達の構造|新株予約権への依存と、115億円の無償減資
財務の話をもう一段掘ります。読者にとっての意味は、「この会社の給与や雇用が、何によって支えられているか」を知ることです。結論として、同社の運転資金は行使価額修正条項付新株予約権(いわゆるMSワラント)を中心とした継続的な資金調達によって支えられています。
第16期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが△15億57百万円、投資活動が0、財務活動が+13億63百万円でした。財務キャッシュフローのうち13億60百万円が新株予約権の行使による株式発行収入です。営業で出ていく資金を、株式の発行でまかなう構造が数字として明確に表れています。
現金の残高推移も押さえておきましょう。現金及び現金同等物は2024年3月末14億17百万円、2025年3月末3億38百万円、2026年3月末1億45百万円と減少し、2026年6月末の現金及び預金は83百万円となっています。第16期の営業キャッシュフロー△15億57百万円は月あたり約1億30百万円の支出に相当するため、推定情報として単純計算すれば手元資金は数か月に満たない水準です。実際、同社は2026年7月23日に第3回無担保社債150百万円、2026年8月7日に第12回新株予約権と、短い間隔で調達を重ねています。
調達に伴う希薄化の規模も具体的です。発行済株式総数は第12期末5,419,600株から第16期末13,175,000株、2026年6月末には14,305,000株へと増加しました。1株当たり純資産は第12期の227.41円から第16期には2.35円まで低下しています。2026年8月7日にEVO FUNDへ割り当てた第12回新株予約権の潜在株式数は10,000,000株で、当時の発行済株式総数の約70%相当、当初行使価額127円・下限行使価額64円、調達上限は約12.7億円です。第11回はマッコーリー・バンク・リミテッド割当で2026年2月2日発行(当初行使価額246円)、第9回とあわせて2026年7月31日に取得・消却されています。
さらに2026年5月15日の取締役会決議・6月26日の定時株主総会付議を経て、8月3日効力発生予定で無償減資が行われる予定です。資本金は5,804,268千円から31,296千円へ、資本準備金5,784,268千円は全額0円へ減少し、生じたその他資本剰余金11,557,239千円を繰越利益剰余金に振り替えて欠損をてん補します。資本金が58億円から3,100万円になるという規模の会計処理です。これは資本の払い戻しではなく、貸借対照表上の内訳の組み替えであり、会社の現金が減るわけではありません。ただし、それだけの累積損失が積み上がっていることを示す事実でもあります。
雇用の観点で読むと、推定情報として次のように整理できます。同社の人件費は12名分であり、費用構造の中では研究開発費に比べて小さい部分です。したがって資金繰りが直接的に人件費の削減へ結びつくとは限りません。実際、人員削減については①希望退職・早期退職の募集、②整理解雇、③自然減・採用抑制のいずれについても、開示や報道は確認できなかったのが事実です。従業員数は13名から12名へ1名減っていますが、その理由は開示されておらず、人員削減と結びつけて解釈することはできません。同様に、不祥事・行政処分・訴訟についても、公表資料や報道からは確認できなかったことを付記しておきます。
口コミが存在しない会社をどう評価するか
転職検討時に多くの人が最初に見るのが口コミサイトです。しかしDelta-Fly Pharmaについては、評価できるだけの口コミが事実上存在しません。この「データがないこと」自体が、この会社を理解するうえでの重要な情報です。
口コミ傾向として確認できた状況は次のとおりです。
- OpenWork:同社の企業ページは社員クチコミ0件で、残業時間・有給消化率・待遇満足度・風通しといった評価項目はいずれも未スコアです。総合評価も算出されていません。採用情報ページにも掲載求人はありませんでした。
- Yahoo!しごとカタログ:クチコミ件数・総合満足度がいずれも「–」表示で、集計対象となる投稿がない状態です。
- 転職会議・エン カイシャの評判:公開されたクチコミ件数や回答者数を示す情報は確認できなかったため、参照できるデータがありません。
なぜ投稿が集まらないのか。推定情報として最も合理的な説明は、従業員12名という規模にあります。この人数で「残業時間」「上司との関係」といった具体的な内容を投稿すれば、投稿者本人が容易に特定されてしまいます。匿名性が担保されない環境では、口コミサイトへの投稿はそもそも成立しにくい、と考えられます。これはあくまで推測であり、投稿が存在しないことをもって職場環境の良し悪しを判断することはできません。
では何を見ればよいのか。答えは有価証券報告書とIR資料です。本記事がここまで扱ってきた数字は、口コミの代わりに使える一次データです。整理すると次のようになります。
| 知りたいこと | 口コミサイトでは | 有価証券報告書・IRで読めること |
|---|---|---|
| 給与水準 | データなし | 平均年間給与594.8万円(賞与・基準外賃金込み、12名平均) |
| 定着率 | データなし | 平均勤続9.6年、従業員数12→11→13→13→12名の推移 |
| 組織の年齢構成 | データなし | 平均年齢51.9歳 |
| 労使関係 | データなし | 労働組合なし・「労使関係は安定」との記載 |
| 雇用の前提となる財務 | データなし | 営業損失△16億05百万円、2026年6月末に債務超過、調達手段の開示 |
| 仕事の中身 | データなし | 「研究開発のマネジメント機能に特化」との記載、外部委託中心の運営 |
| 残業・有給・社内制度 | データなし | 有価証券報告書では開示されていない(面接で直接確認する領域) |
この表の最終行が示すとおり、労働時間・有給取得・評価制度といった項目は、口コミにも有価証券報告書にも情報がありません。これらは面接・カジュアル面談で直接質問して埋めるしかない領域だと割り切るのが現実的です。なお、同社について匿名掲示板の書き込みが一定数存在しますが、それらは投資家の売買に関する内容であり、就業環境の情報源にはなりません。本記事では出典として扱いません。
創薬ベンチャー5社を並べて見る|Delta-Fly Pharmaの位置
単体の数字だけでは水準感が掴めないため、東証グロースに上場する医薬品・創薬ベンチャー5社を並べます。読者にとってのメリットは、「赤字が続くこと自体は業界の常態か、それとも同社固有か」を判断できることです。5社はすべて決算期が異なるため、必ず年度とあわせて読んでください。
| 企業名(コード) | 対象期 | 売上・事業収益 | 営業損益 | 従業員数 | 有報の平均年間給与 |
|---|---|---|---|---|---|
| Delta-Fly Pharma(4598) | 2026年3月期 | 事業収益ゼロ(4期連続) | △16億05百万円 | 12名 | 594.8万円 |
| セルソース(4880) | 2025年10月期 | 売上37.11億円 | +1.67億円 | 連結148名(提出会社148名) | 663.2万円 |
| ステムリム(4599) | 2025年7月期 | 事業収益ゼロ | △19.7億円 | 45名 | 687.4万円 |
| ソレイジア・ファーマ(4597) | 2025年12月期 | 売上収益4.29億円 | △8.61億円 | 連結22名・単体17名 | 1,480万円 |
| ファンペップ(4881) | 2025年12月期 | 事業収益31.4万円 | △16.49億円 | 連結15名(提出会社15名) | 1,006万円 |
この表から読み取れることを、転職判断に直結する形で整理します。
- 赤字は業界の常態である:5社中4社が営業損失です。上市製品を持たない創薬ベンチャーでは、開発費が先行して営業赤字が続くのが通常の姿であり、営業損失そのものを異常事態と捉える必要はありません。
- Delta-Fly Pharmaは規模が最小:従業員12名は5社中で最少です。組織インフラ・制度・教育体制を期待する転職には向きません。
- 平均年収は5社中最も低い水準だが、母数の性質が違う:ソレイジア・ファーマの1,480万円は単体17名、ファンペップの1,006万円は15名の平均で、いずれも役員に近い層が平均を押し上げている可能性があります。一方セルソースの663.2万円は連結148名=提出会社148名の平均で、5社の中では最も母集団が大きく安定した数字です。少人数企業の平均年収は、金額だけを横並びで比較しても意味が薄いことがこの表から分かります。
- 財務状態には差がある:同じ「事業収益ゼロ・営業赤字」でも、2026年6月30日時点で債務超過となっているのはDelta-Fly Pharmaです。赤字の有無ではなく、手元資金と調達手段で見るのが正しい比較軸です。
業界全体の文脈も補足します。国内には1,000社を超えるバイオベンチャーが存在する一方、年間の新規上場は2〜3社程度にとどまり、上場後も時価総額100億円未満で推移する企業が少なくありません。開発費先行で営業赤字が続き、新株予約権の発行など資本市場からの調達に依存する局面が生じやすいのは、業界構造に由来する共通事情です。政府・AMEDによる創薬ベンチャーエコシステム強化事業など支援策の拡充も進んでいます。したがって入社検討時には、四半期決算・キャッシュポジション・パイプラインの開発フェーズを自分で確認する習慣が、この業界では必須のリテラシーになります。
この会社で働くと、どんなキャリアになるか
結論として、Delta-Fly Pharmaでのキャリアは「オンコロジー領域の臨床開発を、企画から当局対応まで一気通貫で経験する」方向に振り切ったものになります。読者にとってのメリットと引き換えのリスクを、両面から整理します。
得られる可能性が高い経験(推定情報を含みます):
- プロジェクト全体を見る経験:12名の組織では、プロトコル設計から治験実施、当局対応、パートナー折衝までが分業されず1人の担当範囲に含まれます。大手製薬で細分化された職務では10年かかる視野が、短期間で得られる可能性があります。
- オンコロジー・希少疾患の専門性:がん領域の開発経験、とりわけ米国を含む国際的な開発の経験は、転職市場で希少価値が高く、後に大手製薬・外資系バイオ・CROへ移る際に評価されやすい専門性です。
- ライセンス・アライアンスの実務:同社は日本新薬(DFP-10917の国内独占ライセンス/2017年3月)、日本ケミファ(DFP-17729/2020年3月、DFP-14323/2022年3月)、三洋化成工業(DDSの共同研究開発/2018年3月)、ヤクルト本社(オプション権付与契約/2013年4月)と提携しています。日本ケミファ(3.27%)と三洋化成工業(1.14%)は大株主でもあり、資本と事業が結びついた提携関係の実務に触れられます。
- 上場企業のIR実務:少人数のため、開示・株主対応に関わる機会も相対的に大きくなります。
一方で、構造的に得られないもの:
- ラボでの実験・基礎研究の実務経験(外部委託のため社内に機能がありません)
- MR・マーケティング・生産・品質といった商業側/製造側のキャリア
- 体系的な研修・メンター制度(12名規模で整備されている可能性は低いと考えられます)
- 社内での職種転換の選択肢(部署そのものが存在しないため)
次のキャリアとしては、内資・外資大手製薬やバイオベンチャーの臨床開発・薬事・メディカルアフェアーズ、CROのプロジェクトマネージャー、ライフサイエンス特化のコンサルティングファーム、ヘルスケア領域のベンチャーキャピタルや証券アナリストなどが接続先になり得ます。パイプライン評価・ライセンス契約・薬事規制の知見は、業界外にも転用しやすい資産です。「この会社で定年まで」ではなく「ここで専門性を積み、次に活かす」という設計であれば、合理性のある選択肢になり得ます(推定情報)。
採用ルートと応募前に確認すべきこと
応募方法についても、事実を整理しておきます。公式サイトのナビゲーションは「事業と理念/IR情報/研究開発/会社概要/お問い合わせ」で構成されており、採用(リクルート)専用ページは確認できなかったのが実情です。OpenWorkの採用情報ページにも掲載求人はありませんでした。一方、有価証券報告書には人材確保について「外部の人材紹介企業を有効活用」する旨の記載があります。
ここから導かれるのは、推定情報として「求人は公開されず、人材紹介経由で必要なときだけ出る」という採用の形です。12名の組織で毎期1〜2名の増減という規模を踏まえれば、常時募集が出る性質の企業ではないと考えられます。したがって現実的な接触方法は次の3つに絞られます。
- 医薬品・バイオ領域に強い人材紹介会社に登録し、非公開求人として情報が回ってきたときに検討する
- 公式サイトの問い合わせフォームから直接コンタクトを取る(採用専用窓口ではない点に留意)
- 業界内の人脈・学会等を通じたリファラル
そして応募前に必ず確認したい項目を挙げます。口コミにも有価証券報告書にも答えがない領域だからこそ、面接で聞くべき質問として準備しておく価値があります。
- 就業場所(徳島/東京)と、リモート勤務の可否
- 担当することになるパイプラインと開発フェーズ、そのプロジェクトの予算措置
- 実際の1週間の業務配分(CRO管理/当局対応/社内会議の割合)
- 賞与の算定方式と直近実績、ストックオプションの有無と条件
- 労働時間管理の運用(裁量労働制の有無、実際の残業時間)
- 債務超過の解消計画に対する会社の説明(IRで開示されている内容と整合するか)
Delta-Fly Pharmaへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向・推定情報を踏まえ、適性を整理します。この表は優劣ではなく、期待値の合致度を示すものです。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 抗がん剤の臨床開発経験があり、CRO・CMOを動かして試験を回した実績がある人 | 自分の手で実験・基礎研究をしたい人(社内にラボがありません) |
| 制度や前例がない環境で、自分で判断し自走できる人 | 研修・メンター制度など体系的な育成を前提にキャッチアップしたい人 |
| 財務諸表と適時開示を自分で読み、リスクを織り込んで意思決定できる人 | 雇用・給与の安定性を最優先し、業績変動の影響を受けたくない人 |
| FDA・PMDAとの規制対応やライセンス交渉に踏み込みたい人 | MR・マーケティング・生産など商業側/製造側のキャリアを描いている人 |
| 徳島または東京での就業条件が自分の生活設計と合う人 | 大企業型の福利厚生・組合・明文化された評価制度を重視する人 |
| 専門性を積んで次のキャリアへ接続する前提で数年単位のプランを描ける人 | 社内での職種転換・異動によるキャリアの幅出しを期待する人 |
編集部の見解|評価は「何を優先するか」で反転する
編集部の見解として、Delta-Fly Pharmaは評価が読み手の優先順位で正反対に振れる企業だと考えられます。事実は1つでも、そこから導かれる判断は一様ではありません。
専門性を最優先する人にとっては、12名の組織で抗がん剤の国際開発に一気通貫で関われる機会は、他ではほぼ代替できない価値を持ちます。大手製薬で同じ経験を積もうとすれば、部門横断の異動を何度も重ねる必要があるでしょう。平均勤続9.6年という数字は、実際に初期メンバーが定着し続けていることを示しており、少なくとも「人がすぐ辞める職場」という像とは異なります。
一方、安定性を最優先する人にとっては、事業収益ゼロが4期連続、2026年6月末時点で債務超過、資金調達を新株予約権に依存という財務構造は、明確なリスク要因です。これは会社の良し悪しの問題ではなく、事業モデルの性質です。上市製品を持たない創薬ベンチャーは、原理的にこの構造から逃れられません。
総合すると、「オンコロジー開発の専門性という無形資産を、財務リスクと引き換えに取りに行く選択」として整理するのが実像に近いと考えられます。その取引が自分にとって割に合うかどうかは、現在のスキル・年齢・家族構成・貯蓄状況といった個別事情で決まります。少なくとも「平均年収594.8万円」という数字だけで判断できる企業ではないことは確かです。
Delta-Fly Pharmaに関するよくある質問
転職・就職を検討する人が実際につまずきやすい論点に絞って回答します。
Delta-Fly Pharmaの平均年収はいくらですか
第16期(2026年3月期)有価証券報告書によると、平均年間給与は5,948千円(約594.8万円)です。賞与および基準外賃金を含み、2026年3月31日現在の数値です。前事業年度は約576万円で、前期比+3.3%となっています。ただし対象は従業員12名のみで、1〜2名の入退社や役職構成の変化で平均が大きく振れる点に注意が必要です(公式情報/解釈は推定情報)。
従業員は何名で、採用は行っていますか
2026年3月31日現在で12名です(提出会社の就業人員。子会社がないため単体=全社)。公式サイトに採用専用ページは確認できなかった一方、有価証券報告書には「外部の人材紹介企業を有効活用」する旨の記載があります。推定情報として、求人は公開されず人材紹介経由で必要時に出る形が中心と考えられます。
本社は徳島ですか、東京ですか
有価証券報告書の表紙によると、【本店の所在の場所】は徳島県徳島市川内町宮島錦野37番地の5です。【最寄りの連絡場所】として東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 日本橋ライフサイエンスビルディング2 6階が記載されており、IR問い合わせや事務連絡はこの東京事務所が窓口になっています。実際の就業場所は職務により異なる可能性があるため、応募時に個別確認が必要です。
債務超過とありますが、上場廃止になるのですか
2026年6月30日時点で純資産△1億96百万円・自己資本比率△131.8%となり、債務超過の状態にあることは公式情報です。ただし東京証券取引所の上場廃止基準は「事業年度の末日に債務超過であり、1年以内に解消しない場合」という趣旨のものであり、四半期末時点の債務超過が直ちに上場廃止となるわけではありません。焦点は2027年3月31日時点で解消されているかどうかです。会社は2026年7月23日の第3回無担保社債150百万円の払込完了、2026年8月7日の第12回新株予約権発行を、債務超過の早期解消に向けた対応として決算短信で説明しています。本記事は上場廃止の可否について断定しません。
口コミサイトに情報がないのはなぜですか
OpenWorkは社員クチコミ0件で全評価項目が未スコア、Yahoo!しごとカタログもクチコミ件数・総合満足度が「–」表示です。推定情報として、従業員12名という規模では投稿内容から個人が特定されやすく、匿名性が担保されないため投稿が集まりにくいと考えられます。あくまで推測であり、投稿がないこと自体から職場環境の良否を判断することはできません。
研究職として入社すれば実験ができますか
有価証券報告書は同社を「研究開発のマネジメント機能に特化」した専門家集団と記載しており、実験や製造はCRO・CMOなど外部委託先が担う体制です。したがって社内で実験に従事するポジションは想定しにくく、業務は試験の設計・委託先管理・当局対応が中心になると考えられます(推定情報)。ここが最大のミスマッチ要因です。
未経験や新卒でも入社できますか
平均年齢51.9歳・平均勤続9.6年・従業員12名という構成から、推定情報として新卒採用や未経験者の育成を前提とした組織ではないと考えられます。有価証券報告書も「抗がん剤開発経験が豊富な少人数の専門家集団」と記載しており、即戦力の中途採用が中心とみるのが自然です。
転職判断まとめ
ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と内定時の労働条件通知書、および最新のIR開示を自分で確認したうえで行ってください。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報実額594.8万円。母数12名のため個別提示額との乖離は大きくなり得る(公式情報+推定情報) |
| 仕事の中身 | 実験ではなく試験設計・委託先管理・当局対応。ラボレス型に納得できるかが分岐点 |
| 専門性の獲得 | オンコロジー開発を一気通貫で経験できる希少な環境。転職市場での評価につながりやすい |
| 組織・制度 | 12名・労働組合なし・育成制度は開示なし。自走できる人向け |
| 財務基盤 | 事業収益ゼロが4期連続、2026年6月末に債務超過。継続企業の前提に関する注記はなし |
| 雇用の前提 | 資金調達は新株予約権・社債に依存。四半期ごとのIR確認が事実上必須 |
| 情報の透明性 | 口コミは実質ゼロだが、有報・短信の開示は具体的。判断材料は一次情報に集約されている |
| 勤務地 | 本店は徳島、連絡窓口は東京。就業場所は要個別確認 |
| 次のキャリア | 大手製薬・CRO・コンサル・投資分野へ接続しやすい。腰を据える前提より積み上げ前提が現実的 |
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
- Delta-Fly Pharma株式会社 公式サイト
- Delta-Fly Pharma株式会社 IRページ
- Delta-Fly Pharma株式会社 有価証券報告書一覧(第16期・2026年3月期)
- Delta-Fly Pharma株式会社 決算短信一覧(2027年3月期第1四半期)
- Delta-Fly Pharma株式会社 お問い合わせ窓口(採用専用ページは設置されていません)
- EDINET(金融庁・有価証券報告書検索)
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。株価・投資判断に関する情報は扱っていません。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第16期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。財務データは同有価証券報告書および2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月7日開示)に基づきます。匿名掲示板の書き込みは出典として使用していません。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
