スーパーバッグの評判と年収539万円|レジ袋有料化で消えた売上70億円の現在地
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 売上:レジ袋有料化を挟む10年で約70億円縮小し、281億円規模
- 年収:有報の平均年間給与は539.5万円、前期比+7.1%
- 勤務地:本社は東京だが、人員の中心は埼玉(所沢・鶴ヶ島)
- 判断軸:安定志向なら候補、成長性を求めるなら要検討
スーパーバッグ株式会社(東証スタンダード・証券コード3945)は、1905年創業の紙袋・ポリ袋メーカーです。この会社を転職先として調べるとき、他社の記事ではほとんど触れられない決定的な論点が3つあります。2020年7月のレジ袋有料化で1期に約56億円の売上が消えたこと、有価証券報告書の平均年収539.5万円とクチコミ平均年収372〜382万円のあいだに150万円以上の差があること、そして「東京の会社」に見えて従業員の勤務地の中心が埼玉県だということです。この記事では、第89期(2026年3月期)有価証券報告書と最新の四半期決算をもとに、この3点を数字で分解します。
スーパーバッグの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
まず判断の土台になる数値を一覧で確認します。以下はすべて第89期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書および決算開示にもとづく公式情報です。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数は提出会社(スーパーバッグ単体335名)の数値で、連結子会社の従業員は含みません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | スーパーバッグ株式会社(Superbag Company, Limited) |
| 証券コード・市場 | 3945/東京証券取引所スタンダード市場(パルプ・紙) |
| 創業・設立 | 1905年創業(東京・音羽「福田紙袋店」)/1947年10月設立 |
| 代表者 | 代表取締役社長執行役員 樋口肇(2021年6月就任) |
| 本店所在地 | 東京都豊島区西池袋5-18-11(2026年10月に同区西池袋3-28-13へ移転予定) |
| 平均年間給与 | 5,395千円(約539万5千円/対前事業年度増減率+7.1%) |
| 平均年齢 | 41.0歳 |
| 平均勤続年数 | 18.3年 |
| 従業員数 | 連結381名〔臨時年間平均54名〕/提出会社335名〔臨時52名〕 |
| 売上高 | 連結28,162百万円(約281億62百万円/前期比+2.1%) |
| 営業利益 | 連結758百万円(前期比△15.9%) |
| 経常利益・純利益 | 経常828百万円(△19.0%)/親会社株主帰属当期純利益800百万円(△18.0%) |
| 自己資本比率 | 40.3%(第85期17.7%から改善) |
| 労働組合 | スーパーバッグ労働組合(組合員234人・UAゼンセン総合製造部会加盟) |
| 人的資本データ | 女性管理職比率9.2%/男性育児休業取得率100.0%/男女賃金差異 全労働者60.7% |
| 出典 | 第89期(2026年3月期)有価証券報告書/2027年3月期第1四半期決算短信/公式IR |
レジ袋有料化で売上70億円が消えた10年|業績で見る現在地
この会社を理解する最短ルートは、売上高の長期推移を見ることです。結論から言うと、スーパーバッグは政策変更によって事業モデルの一部を失った実例であり、その傷から回復途上にあります。転職検討者にとっては「どん底を脱したタイミングで入るのか、まだ底が見えていないのか」を見極める材料になります。
2016年からの売上推移|10年で約70億円が消えた
IRバンクが集計する有価証券報告書ベースの連結売上高推移は次のとおりです(公式情報の集計値)。
| 決算期 | 連結売上高 | 前期比 |
|---|---|---|
| 2016年3月期 | 351.70億円 | — |
| 2017年3月期 | 334.95億円 | △4.8% |
| 2018年3月期 | 330.82億円 | △1.2% |
| 2019年3月期 | 329.95億円 | △0.3% |
| 2020年3月期 | 318.95億円 | △3.3% |
| 2021年3月期 | 262.53億円 | △17.7% |
| 2022年3月期 | 251.34億円 | △4.3% |
| 2026年3月期(第89期) | 281.62億円 | +2.1% |
注目すべきは2020年3月期から2021年3月期の1期です。318.95億円から262.53億円へ、約56億円(△17.7%)が1年で消えています。2020年7月にプラスチック製レジ袋の有料化が全国一律で始まったのが、まさにこの期です。そして2016年3月期の351.70億円と第89期の281.62億円を比べると、10年で約70億円が失われた計算になります。企業規模の2割に相当する売上が、市況ではなく制度変更によって消えたという点が、この会社の特殊性です。
会社自身がリスクとして明記している「脱プラ」
この打撃は外部の推測ではありません。第89期有価証券報告書の「事業等のリスク」には、会社自身の言葉として次の記載があります。「わが国では『プラスチック資源循環戦略』が策定され、2020年7月よりプラスチック製レジ袋の有料化が開始し、レジ袋の販売が大きく落ち込みました。今後、同戦略による廃プラスチック規制の強化が進められた場合に、化成品事業における需要は更に減少し」——つまり、レジ袋事業の縮小は終わった話ではなく、規制強化が進めばさらに減りうるものとして会社が自ら位置づけています。公式情報として、この点は転職判断で最初に押さえるべき事実です。
営業利益の長期推移|直近10年で3期が赤字
業績のブレは利益側により強く出ています。有価証券報告書によると、営業利益の推移は次のとおりです。
- 2019年3月期:△206百万円(営業赤字/当期純損失△933百万円)
- 2020年3月期:477百万円
- 2021年3月期:△137百万円(営業赤字/当期純損失△383百万円)
- 2022年3月期:△496百万円(営業赤字/当期純損失△642百万円)
- 2023年3月期:450百万円
- 2024年3月期:1,034百万円
- 2025年3月期:901百万円
- 2026年3月期(第89期):758百万円
直近10年のうち3期で営業赤字・当期純損失を計上しています。一方で2024年3月期には10億円台まで回復し、自己資本比率も第85期の17.7%から第89期40.3%へ改善しました。なお、第89期の有価証券報告書に継続企業の前提に関する重要な不確実性の注記はありません(監査報告書は定型記載のみ)。財務体質は明確に立て直されており、赤字期の記憶だけで評価するのは正確ではないというのが数字の示すところです。
直近の減速をどう読むか|増収なのに減益、営業CFはマイナス
回復基調にある一方で、直近の指標には注意すべき変化が出ています。転職検討者が見るべきは「売上が増えた」ではなく「利益とキャッシュがどう動いたか」です。
第89期は連結売上高281.62億円(+2.1%)と5期連続の増収でしたが、営業利益は758百万円(△15.9%)、経常利益828百万円(△19.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円(△18.0%)と、いずれも二桁減益でした。公式情報として、会社は減益要因に「生産設備の整備・メンテナンス実施に伴う工場利益率の低下」と「インフレによるコスト上昇への価格転嫁の遅れ」を挙げています。値上げが原価上昇に追いついていない状態を、会社自身が認めている形です。
もう一つ見落とせないのが資金繰りの動きです。第89期は営業キャッシュ・フローが△91百万円とマイナスに転落し、現金及び現金同等物は2,780百万円から1,558百万円へ約44%減少しました。利益は出ているのにキャッシュが減った期であり、運転資本や設備投資の負担が重かったことがうかがえます(推定情報)。
さらに2027年3月期の出足も鈍く、第1四半期(2026年4〜6月)は売上高6,675百万円(+0.1%)に対し営業利益41百万円(△72.3%)、経常利益72百万円(△61.7%)でした。通期予想は売上高290億円(+3.0%)・営業利益920百万円(+21.3%)ですが、Q1の実績からすると下期に大きく取り返す前提であり、達成のハードルは高い状態です(推定情報)。面接や条件交渉の場では、この通期予想の進捗をどう説明するかを確認しておくと、社内の温度感が見えます。
「レジ袋の会社」ではない|第89期の事業構成を分解する
社名が「バッグ」で、レジ袋有料化の影響を受けた会社——という印象から、ポリ袋メーカーだと思われがちですが、決算の中身は違います。結論として、売上の主力は紙製品で、次に大きいのは包装用品などの一括受注納品事業です。応募する職種によって、関わる事業がまったく変わります。
| セグメント | 第89期売上高 | 構成比 | セグメント利益 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| 紙製品事業 | 152.48億円 | 約54% | 1,085百万円(△180百万円) | 紙袋124.20億円・紙器18.94億円・その他紙製品9.32億円。所沢/鶴ヶ島工場と北海道スーパーバッグで自社製造 |
| その他事業(S・V・S) | 71.61億円 | 約25% | 207百万円(+6百万円) | 包装用品・清掃用品・事務用品などを一括受注納品するベンダー事業 |
| 化成品事業 | 57.52億円 | 約20% | 169百万円(+51百万円) | ポリ袋49.46億円。レジ袋の輸入比率93.2%で、国内外の協力工場に製造委託 |
この表から読み取れる論点は3つあります。第一に、利益の柱である紙製品事業のセグメント利益が前期から180百万円減っており、減益の主因はレジ袋ではなく主力の紙の側にあります(セグメント利益は全社費用704百万円配分前)。第二に、化成品事業は輸入比率93.2%で、実質的には自社工場ではなく仕入・販売の機能です。有価証券報告書では円安による輸入コスト上昇がリスクとして挙げられており、為替が採算を直接左右します。第三に、S・V・S(スーパーバッグ・ベンダー・システム)は包装以外の消耗品まで一括で納める事業で、モノづくりというより流通・提案の色が濃い領域です。
主要販売先は百貨店・専門店・スーパー・コンビニ・飲食チェーンなど国内流通業で、近年はEC拡大を背景に宅配袋・紙器が成長ドライバーになっています。包装資材業界全体では、プラスチック資源循環促進法やEUの包装規制を背景に緩衝材・トレー・容器の「紙化」提案が広がっており、紙製品を持つこと自体は追い風の側面もあります(推定情報)。
スーパーバッグの年収は539万円|有報と口コミの150万円差の正体
年収についての結論を先に言うと、公式の平均年間給与は539.5万円、クチコミベースは372〜382万円で、両者には150万円以上の開きがあります。この差は矛盾ではなく、この会社の給与カーブの形を示しています。ここを理解しないと、オファー額を見誤ります。
有価証券報告書の実額|539.5万円・平均年齢41.0歳・勤続18.3年
第89期有価証券報告書「従業員の状況」によると、提出会社(単体335名)の平均年間給与は5,395千円=約539万5千円で、対前事業年度増減率は+7.1%です。前期は約5,037千円と逆算でき、1年で約36万円上がったことになります。平均年齢は41.0歳、平均勤続年数は18.3年です。この数値は賞与および基準外賃金を含む全社平均で、営業・管理部門と工場現業職を合算したものです。連結子会社(北海道スーパーバッグ35名、台湾超級包装材料)の従業員は含まれません。
ここで重要なのは、この会社が持株会社ではなく事業会社本体だという点です。持株会社の有報では「本社の少数精鋭だけの平均年収」が出てしまい現場実態と乖離しますが、スーパーバッグは連結381名に対して単体335名(カバー率約88%)と、有報値がほぼ全社の実態を示しています。公式情報としての信頼性は高い数値です。
クチコミ平均年収372〜382万円|なぜ150万円も違うのか
一方、クチコミサイトの数値は次のとおりです。OpenWorkではクチコミベースの平均年収382万円(口コミ傾向/回答19人と母数は少数)、エン カイシャの評判ではクチコミ平均年収372万円・平均年齢31歳・年収レンジ250〜600万円(正社員30名回答/掲載口コミ167件)となっています。
150万円超の差が生まれる理由として、次の2つが考えられます(推定情報)。
- 回答者の年齢層:クチコミ回答者の平均年齢は31歳で、有報の41.0歳より10歳若い。若手中心のサンプルであれば平均は下がります。
- 年功カーブの急さ:平均勤続18.3年という長期定着は、22〜23歳入社の新卒がそのまま20年近く在籍する構造を示します。勤続に応じて給与が積み上がる設計であれば、40代の水準が全体平均を押し上げ、20〜30代の実感値との乖離が大きくなります。
つまり「若手のうちは市場水準に対して物足りないが、長く在籍すると上がっていく」という典型的な年功型のカーブが推定されます。実際、エン カイシャの評判では「年収・給与の納得度50%」、OpenWorkでは待遇面の満足度2.5と、給与への評価は厳しめです(口コミ傾向)。中途入社で30代の場合、オファー額が539.5万円という平均を下回る可能性は十分にあるため、内定時の労働条件通知書で基本給・賞与月数・想定年収を必ず確認してください。
2025年4月の人事制度改定と2026年度5%以上の賃上げ
ここが、この会社の年収を語るうえで最も新しく、かつクチコミがまだ反映していない部分です。有価証券報告書によると、会社は人事制度について「従来の『年功序列』から脱却し、『早期活躍・成果重視』の環境を整備」と記載し、2025年4月に人事制度を改定・導入しています。さらに同報告書には「2026年度において5%以上の賃上げを決定しています」と明記されています。平均年間給与の+7.1%という伸びも、この方向性と整合します。

口コミの年収が低めなのは、制度が変わる前の話ということ?
その可能性は高いと考えられます(推定情報)。クチコミの投稿は数年前のものが混在するのが通常で、2025年4月の制度改定・2026年度の賃上げ決定はまだ反映されにくい時期にあります。逆に言えば、クチコミの年収レンジをそのまま自分の想定年収にするのは適切ではありません。面接では「2025年4月の人事制度改定で等級と評価がどう変わったのか」「中途入社はどの等級から入るのか」を具体的に聞くのが、最も実利のある質問になります。
勤務地は東京ではなく埼玉が中心|所沢・鶴ヶ島と2026年10月の本社移転
求人票では本社所在地が東京都豊島区西池袋と書かれますが、実際の人員配置を見ると従業員の多数派は埼玉県で働いています。生活設計に直結する論点なので、有価証券報告書の拠点別人員をそのまま示します。
拠点別の人員配置|東京98名に対し埼玉237名
| 拠点 | 所在地 | 従業員数〔臨時〕 |
|---|---|---|
| 本社・6支店営業所 | 東京都豊島区ほか | 98名〔3名〕 |
| 本部(管理本部) | 埼玉県所沢市 | 60名〔1名〕 |
| 所沢工場 | 埼玉県所沢市(土地34,049㎡) | 112名〔35名〕 |
| 鶴ヶ島工場 | 埼玉県鶴ヶ島市(土地22,950㎡) | 54名〔2名〕 |
| 所沢物流センター | 埼玉県入間市 | 11名〔11名〕 |
単体335名のうち、埼玉県内の拠点に237名が在籍しています。しかも管理本部は1995年12月から所沢工場内に置かれており、有価証券報告書の【最寄りの連絡場所】も埼玉県所沢市若狭1丁目2602番地です。公式情報として、この会社の実質的な中枢は所沢にあります。「所沢工場」「鶴ヶ島工場」という検索が実際に発生しているのも、この実態を反映していると考えられます(推定情報)。
転職判断への含意は明快です。営業・管理系で応募する場合でも、配属が池袋なのか所沢なのかで通勤圏がまったく変わります。所沢第5工場はFSSC22000(食品安全システム)の認証を取得しており、食品向け包装の品質管理を担う機能も所沢に集約されています。生産技術・品質保証・設備保全といった職種を志望するなら、勤務地は埼玉と考えるのが現実的です。
2026年10月、池袋駅C4出口直結ビルへ本社移転
もう一つ、求職者に直接関わる新しい事実があります。同社は2026年5月15日の開示で、2026年10月に本社オフィスを新築ビル「IT tower TOKYO」(東京都豊島区西池袋3丁目28番13号)の17・18階へ移転すると公表しました。JR・地下鉄の池袋駅C4出口直結という立地で、再生可能エネルギー100%電力のビルです。東京側の勤務環境は2026年秋を境に大きく変わることになります。応募のタイミングによっては旧本社での勤務期間が短く、入社後すぐ移転を経験する形になるため、面接時に自分の配属拠点と移転対象かどうかを確認しておくと安心です。
働き方・社風の口コミ傾向|残業24〜25時間、休日と人間関係は好評
働き方については、公開されている数値と口コミの傾向を分けて見ると輪郭がはっきりします。結論として、労働時間は過重とは言えない水準で、休日・人間関係の評価は高い一方、給与と将来性への評価が低いという分かれ方をしています。
まず口コミ傾向の数値です。OpenWorkでは総合評価2.85(回答19人と母数が少ない点に注意)、月間残業時間24.5時間、有給消化率48.5%。項目別では待遇面の満足度2.5、社員の士気2.7、風通しの良さ3.0、社員の相互尊重3.1、20代成長環境2.9、人材の長期育成2.3、法令順守意識3.5です。エン カイシャの評判では総合2.8(正社員30名回答/掲載口コミ167件)、月間残業25時間で、良い点として「休日・休暇の納得度82%」「職場の人間関係70%」が挙がる一方、「会社の成長性や将来性2.3」「経営陣の手腕2.2」「イノベーションへの挑戦2.2」「年収・給与の納得度50%」が低評価となっています。いずれも回答者19〜30名と母数が少ないため、クチコミによればという前提で読む必要があります。
この分布から見えるのは、「働きやすさはあるが、伸びしろへの納得感が弱い」という構図です(推定情報)。月24〜25時間の残業は製造業として突出して長いものではなく、法令順守意識3.5という数字とも整合します。一方、成長性・経営陣・イノベーションが2.2〜2.3に沈んでいるのは、レジ袋有料化以降の業績経緯を社内から見ている人の実感と考えるのが自然です。
公式データ側では、人的資本の開示として女性管理職比率9.2%、男性育児休業取得率100.0%、男女賃金差異は全労働者60.7%・正規雇用72.3%・パート有期28.9%が有価証券報告書に記載されています。男性育休100%は明確な強みですが、女性管理職比率9.2%・役員は男性8名で女性0名という構成は、女性の管理職キャリアを重視する人にとっては確認が必要な点です。労働組合はスーパーバッグ労働組合(組合員234人、UAゼンセン総合製造部会加盟)で、有価証券報告書は「労使関係は安定」と記載しています。
なお、連結従業員数は第85期458名→第86期416名→第87期399名→第88期389名→第89期381名と5期連続で減少しています(単体は390→356→340→340→335名)。これは有価証券報告書に記載された公式情報としての事実です。ただし、この減少の要因を説明する記載は有価証券報告書にはありません。要因を特定できる開示がない以上、本記事では減少という事実のみを示し、背景についての推測は行いません。定年退職の集中、採用ペース、事業構成の見直しなど複数の要因が重なりうる領域なので、気になる場合は選考の場で採用計画や職種別の人員体制を直接確認するのが確実です。人員が減る局面は、裏を返せば一人あたりの担当範囲が広がりやすい局面でもあり、幅広く経験を積みたい人には合致する可能性もあります(推定情報)。
スーパーバッグとザ・パックの比較|同じ紙袋業界で明暗が分かれた理由
転職検討者が最も比較しやすいのが、同じ紙袋・紙器を主力とするザ・パック(3950・東証プライム)です。両社を並べると、同じ業界でもレジ袋(ポリ)比率の違いで結果が正反対になったことが分かります。決算期が異なるため、年度を明記して比較します。
| 比較項目 | スーパーバッグ(3945) | ザ・パック(3950) |
|---|---|---|
| 市場 | 東証スタンダード | 東証プライム |
| 直近売上高 | 281.62億円(2026年3月期) | 1,000億円超(2024年12月期に初) |
| 10年間の売上変化 | 2016年3月期351.7億円から約70億円縮小 | 同期間に増収を継続 |
| 直近10期の営業損益 | 3期が営業赤字(2019/3・2021/3・2022/3) | 10期すべて営業黒字 |
| 平均年間給与(有報) | 539.5万円(単体335名) | 709.0万円(単体850名) |
| 連結従業員数 | 381名(5期連続で減少) | 1,223名 |
| レジ袋(ポリ)の位置づけ | 化成品事業57.52億円・売上の約20%。輸入比率93.2% | 紙製手提袋・紙器が中心 |
| 向いている人 | 小規模組織で幅広く関わりたい人 | 規模と安定性を優先する人 |
差の本質は、ポートフォリオにおけるレジ袋の比率です。スーパーバッグは化成品事業(ポリ袋)が売上の約2割を占め、2020年7月の有料化がそのまま業績の断層になりました。ザ・パックは紙製手提袋・紙器を中心に構成していたため、同じ政策変更の影響を相対的に受けにくく、増収を続けて2024年12月期に初の1,000億円超えに到達しています。推定情報として、この差は経営努力の巧拙というより、政策リスクにさらされた事業の構成比の違いによるところが大きいと考えられます。
年収面では有価証券報告書の平均年間給与で539.5万円対709.0万円と約170万円の差があります。ただしザ・パックは単体850名に対し臨時従業員が438名と多く、スーパーバッグは連結381名に対し単体335名と乖離が小さいため、数値の性格が同じではない点は割り引いて見る必要があります。規模と給与水準を最優先するならザ・パック、小さい組織で担当範囲を広く持ちたい・自宅から埼玉の拠点に通えるといった条件が合うならスーパーバッグ、という整理が現実的です。
スーパーバッグの将来性|追い風と逆風を数字で分ける
将来性について一言でまとめると、「紙化」の追い風と「脱プラ・円安・小型株」の逆風が同時に存在する状態です。どちらか一方だけを見て評価するのは適切ではありません。
追い風の側から見ていきます。第一に、プラスチック資源循環促進法やEUの包装規制を背景に、緩衝材・容器の紙化提案が広がっており、紙袋・紙器を自社工場で作れることは価値になります。第二に、EC拡大で宅配袋・紙器の需要が伸びており、実際に第89期は5期連続の増収でした。第三に、財務は明確に改善しており、自己資本比率は第85期17.7%から第89期40.3%へ回復しています。第四に、中期経営計画『環境と共に歩む次世代パッケージ企業〜創業120年の誇りを胸に〜』(2024〜2026年度)を推進し、2026年5月20日には温室効果ガス排出削減目標のSBT認定を取得しています。配当も第87期90円→第88期105円→第89期110円と増配基調です(配当性向25.6%)。
逆風の側は次のとおりです。
- 脱プラ規制の進展:会社自身が「規制の強化が進められた場合に、化成品事業における需要は更に減少」と有価証券報告書に記載しています。
- 円安による輸入コスト:レジ袋の輸入比率93.2%で、為替が採算に直結します。
- 価格転嫁の遅れ:第89期の減益要因として、会社が価格転嫁の遅れと工場利益率低下を明示しています。
- キャッシュの減少:第89期の営業CFは△91百万円、現金及び現金同等物は約44%減少しました。
- 小型株としての課題:発行済株式1,686,154株(自己株式201,005株)で時価総額は40〜50億円規模。第89期有価証券報告書の「取締役会の主な検討事項」に「上場維持基準適合に向けた計画に関する事項」が挙げられています。具体的にどの基準項目を指すか、適合期限がいつかまでは公開資料からは特定できていないため、断定は避けます。
資本構成も理解しておくべき論点です。筆頭株主は福田産業株式会社で30.08%を保有し、有価証券報告書上「その他の関係会社」に位置づけられています。第2位株主は王子ホールディングス4.61%、第3位が明治安田生命3.94%で、上位10名で53.52%を占めます。王子ホールディングスが株主に入っていますが比率は支配的ではなく、王子グループ入りを意味するものではありません。海外は上海の子会社2社が第89期に清算結了し、残るのは台湾超級包装材料(89.8%)とタイのNARAI SUPERBAG(持分法31.7%)で、海外展開は拡大より整理の局面にあります(推定情報)。
包装業界全体では、人手不足を背景とした自動製函機・AI外観検査・自動倉庫などの省人化投資、2026年4月施行の改正物流効率化法による輸送コスト構造の変化が共通テーマです。生産技術・設備保全・IE・物流設計といったスキルは社外でも通用しやすく、包装資材商社、軟包装メーカー、消費財メーカーの資材購買・パッケージ開発、3PL・EC企業の梱包設計といった転職先につながります(推定情報)。将来性を不安視するなら、社内で「持ち出せるスキル」が身につくポジションを選ぶという発想が有効です。
スーパーバッグに向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。年収の絶対額よりも、勤務地と会社規模への納得感が分かれ目になります。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 埼玉県(所沢・鶴ヶ島・入間)または池袋への通勤に無理がない人 | 全国転勤なしで大都市圏のオフィス勤務だけを希望する人 |
| 従業員381名規模の組織で、担当範囲を広く持ちたい人 | 大手の分業体制・充実した研修制度を求める人 |
| 残業月24〜25時間・休日重視の働き方を優先したい人 | 短期間で高年収を実現したい人(若手層のクチコミ年収は372〜382万円) |
| 2025年4月の制度改定後の成果重視の評価で勝負したい人 | 年功的に積み上がる旧来型の処遇を前提にしたい人 |
| 紙化・環境対応という業界テーマに関心がある人 | 市場拡大を前提にした急成長企業でキャリアを積みたい人 |
| 包装の生産技術・品質保証で専門性を蓄えたい人 | 会社の成長性への評価(クチコミ2.3)が気になる人 |
スーパーバッグに関するよくある質問(FAQ)
検索されている疑問のうち、公開情報から答えられるものに絞って回答します。
スーパーバッグの年収はいくらですか?
第89期(2026年3月期)有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は5,395千円(約539万5千円)で、前事業年度比+7.1%です(公式情報)。平均年齢41.0歳・平均勤続年数18.3年の全社平均であり、賞与と基準外賃金を含みます。一方、クチコミベースの平均年収はOpenWorkで382万円、エン カイシャの評判で372万円(平均年齢31歳)と低めに出ています(口コミ傾向)。年齢層の違いと年功カーブの影響が大きいと考えられます。
所沢工場ではどんな仕事をしていますか?
所沢工場(埼玉県所沢市、土地34,049㎡)は同社最大の生産拠点で、有価証券報告書によると従業員112名〔臨時35名〕が在籍しています(公式情報)。紙袋・紙器を中心とした紙製品の製造を担い、所沢第5工場はFSSC22000(食品安全システム)の認証を取得しています。同じ所沢市内には管理本部(60名)と、隣接する入間市に所沢物流センター(11名)もあり、生産・管理・物流が所沢周辺に集約された構造です。
鶴ヶ島工場の規模はどのくらいですか?
鶴ヶ島工場(埼玉県鶴ヶ島市)は土地22,950㎡、従業員54名〔臨時2名〕で、所沢工場に次ぐ生産拠点です(公式情報・第89期有価証券報告書)。所沢工場と合わせると製造現場だけで166名となり、単体335名の約半数が工場勤務という構成になります。工場系職種を志望する場合、勤務地は埼玉県内と考えるのが現実的です。
本社が移転すると聞きましたが本当ですか?
はい、同社は2026年5月15日の開示で、2026年10月に本社オフィスを「IT tower TOKYO」(東京都豊島区西池袋3丁目28番13号)17・18階へ移転すると公表しています(公式情報)。JR・地下鉄池袋駅C4出口に直結する新築ビルで、再生可能エネルギー100%電力を使用します。ただし移転対象は東京本社機能であり、所沢・鶴ヶ島の工場や所沢の管理本部は従来どおりです。
求人ではどんな職種を募集していますか?
募集職種は時期によって変動するため、最新情報は公式採用サイトおよび各求人媒体で確認するのが確実です。事業構成から見ると、紙製品事業(271名・連結)が最大の人員を抱え、営業、生産技術・品質保証・設備保全などの製造系、S・V・S事業の提案営業、管理本部の管理系という職種構成になります(推定情報)。応募時は職種名だけでなく、配属拠点が東京本社か所沢・鶴ヶ島かを必ず確認してください。
評判が良くないという口コミを見ましたが実態はどうですか?
クチコミによれば、OpenWorkの総合評価は2.85(回答19人)、エン カイシャの評判は総合2.8(正社員30名回答)で、いずれも母数が少ない点に注意が必要です(口コミ傾向)。評価が低いのは「年収・給与」「会社の成長性や将来性」「人材の長期育成」に集中しており、逆に「休日・休暇の納得度82%」「職場の人間関係70%」「法令順守意識3.5」は相対的に高い評価です。総合スコアだけで判断せず、自分が重視する項目のスコアを見るほうが実態に近づきます。
スーパーバッグへの転職判断まとめ|編集部の見解
ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と内定時の労働条件通知書、そして自分の通勤圏で確認してください。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報539.5万円・前期比+7.1%。2026年度に5%以上の賃上げ決定。ただし若手層のクチコミ年収は372〜382万円で、入社時オファーは平均を下回る可能性あり |
| 働き方 | 月間残業24〜25時間、休日・休暇の納得度82%(クチコミ)。有給消化率48.5%は改善余地あり |
| 勤務地 | 単体335名中237名が埼玉県の拠点。東京勤務は98名。2026年10月に東京本社が池袋駅直結ビルへ移転 |
| 業績・安定性 | 5期連続増収・自己資本比率40.3%へ改善。一方で第89期は二桁減益、営業CFはマイナス、Q1営業利益△72.3% |
| 将来性 | 紙化・EC需要は追い風。脱プラ規制の進展と円安による輸入コストは会社自身がリスクとして明記 |
| 企業規模 | 連結381名・時価総額40〜50億円規模の小型株。有報に上場維持基準適合に向けた計画が検討事項として記載 |
| キャリアの汎用性 | 生産技術・品質保証・包装設計・物流企画のスキルは包装資材商社・軟包装・EC物流などへ横展開しやすい |
編集部の見解として、スーパーバッグは「安定した働き方と地に足のついた製造業のキャリアを、埼玉圏で積みたい人」に合う会社だと考えられます。1905年創業・平均勤続18.3年という定着性は、腰を据えて働きたい人にとって明確な価値です。加えて2025年4月の人事制度改定と2026年度5%以上の賃上げは、クチコミにまだ反映されていない変化であり、いま検討する人にとっては情報の非対称性がある局面と言えます。
一方で、市場そのものが拡大する会社ではありません。レジ袋有料化で失った約70億円は戻っておらず、直近も価格転嫁の遅れによる減益と営業CFのマイナス転落という課題が出ています。成長スピードや報酬の伸びを最優先するなら、同じ紙袋業界でもザ・パックのような規模の大きい企業と並行して検討するほうが納得感のある選択になるでしょう。どちらが正解かは、通勤圏・希望職種・キャリアの時間軸によって変わります。
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
数値の一次情報は第89期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書(2026年6月25日提出、EDINETコードE00675)、および2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月7日)です。2016年3月期以降の長期推移はIRバンクによる有価証券報告書ベースの集計値を参照しています。
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第89期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として使用し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。クチコミスコアは媒体名と回答者数を併記し、母数が少ない場合はその旨を明示しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
