株式会社プラッツ(7813)は福岡の介護ベッドメーカー|年収632万円と評判の実像
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:証券コード7813のプラッツは福岡県大野城市の介護ベッド専業メーカー
- 年収:有報の平均年間給与は632.2万円(単体108名・39.6歳・勤続8.1年)
- 業績:2026年6月期は売上82.9億円・営業利益2.53億円で期初計画には未達
- 注意:同名の別会社・別施設が非常に多く、口コミと求人は業種表記での照合が必須
「プラッツ」という社名で情報を集めようとすると、まず最初にぶつかるのが「そもそもどのプラッツを見ているのか分からない」という問題です。検索結果には千葉県習志野市の商業施設、トヨタの旧車種名、岡山のホームセンター、静岡のプラモデルメーカー、佐賀の再開発ビル、そして別の上場企業まで並びます。この記事が扱うのは、そのどれでもありません。証券コード7813・福岡県大野城市に本社を置く、医療・介護用電動ベッドの専業メーカーである株式会社プラッツです。転職・就職の判断に必要な「会社の同定」から、有価証券報告書ベースの年収と業績、口コミ傾向、業界内での立ち位置までを、公式情報・口コミ傾向・推定情報に分けて整理します。
株式会社プラッツ(7813)の正体|福岡県大野城市の介護ベッド専業メーカー
最初に、この記事の読者にとって最も実用価値が高い情報を確定させます。公式情報として、証券コード7813の株式会社プラッツは、福岡県大野城市仲畑2-3-17に本社を置く、医療・介護用電動ベッドの専業メーカーです。1992年7月に有限会社九州和研として福岡県春日市で設立され、1995年6月に株式会社プラッツへ改組、1997年4月に介護用電動ベッドの販売を開始しました。2003年1月に福岡工場を開設し、2015年3月に東証マザーズと福岡証券取引所Q-Boardへ同時上場、2025年3月27日に東証スタンダード市場へ区分変更されています。
なお、ネット上には本社所在地を「福岡県久留米市」とする記述が見られることがありますが、7813のプラッツの本社は久留米市ではありません。取引銀行である筑邦銀行が久留米に本店を置いていることとの混同が起きやすい点に注意してください。
「プラッツ」で検索すると別の対象が上位に来る理由
これは検索需要の実態を見ると一目で分かります。キーワード単位の検索ボリュームを比較すると、社名としての「プラッツ」より、まったく別の対象のほうが桁違いに大きいのです。
- プラッツ習志野(千葉県習志野市の商業・公共複合施設):月間1万件規模
- トム・プラッツ(米国の著名なボディビルダー):月間数千件規模
- エスプラッツ(佐賀市の再開発ビル):月間数千件規模
- プラッツ(トヨタ):1999年から2005年まで販売された乗用車の車種名
- リョービプラッツ(岡山県を中心とするホームセンター各店)
- ビープラッツ株価:これは7813ではなく、別の上場企業(ビープラッツ)の株価KWです
- 府中市市民活動センター プラッツ、パピアプラッツ、三宮プラッツ など施設名多数
一方で、7813のプラッツに確実にたどり着く検索語は「株式会社プラッツ」(月間1,000件規模)とその複合語だけで、「株式会社プラッツ 評判」は月間40件、「求人」30件、「福岡」「ベッド」各20件、「株価」「上場」各10件という規模感です。会社を探している人の数より、無関係な対象を探している人の数のほうが圧倒的に多い——これがこの社名の構造的な特徴です。
同名の別法人が複数ある|口コミ・求人を読む前に確認すべきこと
さらにやっかいなのが、「プラッツ」という商号の別法人が実在することです。静岡県のプラモデル・ミリタリー模型メーカー(PLATZ)、旅行・不動産系の同名企業、有限会社プラッツなどが並立しており、その結果として口コミサイト上にも「プラッツ」という社名のページが複数併存しています。エン カイシャの評判では社名「プラッツ」のページがID違いで3つ以上ヒットしますし、OpenWorkでは「ビープラッツ」「プラットワークス」といった類似社名も検索結果に混ざります。
つまり、「プラッツの評判は悪い/良い」と書かれた口コミを読んでいても、それが7813の会社の話とは限らないということです。これは年収情報でも同じで、別会社の給与レンジを7813のものと誤認するリスクがあります。
7813のプラッツを口コミサイトで特定する3ステップ
実務的な確認手順はシンプルです。次の3点をページ内で照合してください。
- 業種表記:「メーカー」「精密機器/医療機器」に分類されているか。模型メーカーや不動産・旅行業になっているページは別会社です
- 所在地表記:「福岡県」になっているか。静岡県・東京都表記のページは別会社の可能性が高いと考えられます
- 上場区分・従業員数:東証スタンダード上場・従業員100名台であるか。非上場表記なら7813ではありません

求人サイトで見つけた「プラッツ」、これって上場している介護ベッドの会社で合ってる?
この3点さえ押さえれば、別会社の情報を根拠に転職判断をしてしまう事故は防げます。逆に言えば、この確認をしないまま集めた「プラッツの評判」は、判断材料としての信頼性が大きく下がります。
株式会社プラッツの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。年収・平均年齢・勤続年数・従業員数は第33期(2025年6月期)有価証券報告書「従業員の状況」の提出会社単体値、業績は第34期(2026年6月期)の連結値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社プラッツ(PLATZ Co., Ltd.) |
| 証券コード・市場 | 7813/東証スタンダード市場(2025年3月27日にグロース市場から区分変更)・福岡証券取引所 |
| 本社所在地 | 福岡県大野城市仲畑2-3-17 |
| 設立 | 1992年7月(1995年6月に株式会社プラッツへ改組) |
| 代表者 | 代表取締役社長 河内谷忠弘(2023年7月就任・営業畑出身) |
| 事業内容 | 医療・介護用電動ベッド、マットレス・サイドレール等の企画・製造・販売 |
| 平均年間給与 | 6,322,000円(約632.2万円)/提出会社単体 |
| 平均年齢 | 39.6歳(提出会社単体) |
| 平均勤続年数 | 8.1年(提出会社単体) |
| 従業員数 | 提出会社単体108名/連結149名 |
| 売上高 | 82億9,400万円(2026年6月期・連結/前期比約1.5%減) |
| 営業利益 | 2億5,300万円(2026年6月期・連結) |
| 経常利益 | 2億9,400万円(2026年6月期・連結/期初計画4.2億円に対し未達) |
| 当期純利益 | 2億3,547万円(2026年6月期・連結) |
| 拠点 | 本社(福岡県大野城市)+営業7支店(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福山・福岡)、物流拠点6か所 |
| 連結子会社 | やまと産業株式会社(奈良県山添村・ウレタンフォーム加工)ほか |
| 離職率 | 有価証券報告書では開示されていません |
| 職種別年収 | 有価証券報告書では開示されていません |
| 出典 | 第33期(2025年6月期)有価証券報告書「従業員の状況」/2026年6月期決算発表・公式IR資料 |
プラッツの年収632.2万円をどう読むか|有報の実額と現場の体感差
結論から書きます。有価証券報告書によると、第33期(2025年6月期)の平均年間給与は6,322,000円(約632.2万円)です。従業員数100名台の地方発メーカーとしては明確に高い水準ですが、この数字をそのまま「入社したらもらえる額」と読むのは危険です。理由は2つあり、どちらも会社の構造から説明できます。
平均年齢39.6歳・勤続8.1年という母集団の中身
同じ有報の「従業員の状況」によれば、平均年齢39.6歳、平均勤続年数8.1年、提出会社単体の従業員数は108名です。平均年齢が40歳手前で勤続8年ということは、新卒・若手の大量採用で平均が押し下げられている構成ではないことを意味します。管理職や勤続の長い層が平均を押し上げやすい母集団だと考えられます(推定情報)。
実際、口コミ傾向としては、営業職の中途入社で年収400万円前後という書き込みも見られます。632万円という平均と400万円前後という体感値のギャップは、母集団の年齢・役職構成で説明がつく範囲です。転職時に見るべきは平均値ではなく、提示される等級・役割と、そこからの昇給カーブだと考えられます。
単体108名と連結149名の差=製造子会社が平均に入っていない
ここが最も重要な補正ポイントです。有報の平均年間給与は提出会社単体108名の数値であり、連結149名との差である約41名——主に2024年4月に子会社化したやまと産業株式会社(奈良県山添村・ウレタンフォーム加工/ウレタンマットレス製造)などの従業員は、この平均に含まれていません。
つまり632.2万円は、本社の管理部門・開発部門・営業部門を中心とした数値という性格を持ちます。製造現場・工場職での応募を検討している場合、この平均値と実際の提示額が乖離する可能性は十分にあります(推定情報)。応募職種が単体側なのか子会社側なのかを、求人票の雇用主名で確認しておくと判断を誤りません。
二次サイトに残る541万円・554万円・529万円は最新値ではない
年収系のまとめサイトや転職メディアでは、プラッツの平均年収として「541万円」「554万円」「529万円(従業員81人・36.5歳・6.0年)」といった数字が並んでいることがあります。これらは過去の期の有報数値が更新されずに残っているもので、最新値ではありません。特に「従業員81人・平均年齢36.5歳」という条件は、現在の108名・39.6歳とは明確に異なる期のデータです。
年収を比較検討する際は、必ず「第何期・何年何月期・単体か連結か」までセットで確認する——これは規模の小さい上場企業ほど重要になります。
事業の中身|在宅介護ベッドとレンタル卸ルートというビジネスモデル
プラッツで働くイメージを持つには、「誰に売っているか」を理解するのが近道です。公式情報によれば、同社は介護施設・医療施設向けおよび在宅介護向けの電動ベッドと、マットレス・サイドレールなどのベッド周辺用品を企画・製造・販売しています。国内売上の柱は福祉用具レンタル卸事業者への販売で、代理店・卸を経由してケアマネジャーや介護施設に製品が届く、BtoB色の強い構造です。
製品ブランドと「高品質を子や孫が買える価格で」という戦略
製品は在宅向けの「ヨカロ」「ミオレット」、医療施設向けの「アスピーノ」、介護施設向けの「アーデル」といったブランドで展開されています。同社が掲げてきたのは「高品質なものを子や孫が買える価格で」という考え方で、中国・ベトナムなどアジアの生産ネットワークを活用した低コスト調達を武器にしてきました。国内首位のパラマウントベッドが圧倒的なシェアを持つ市場に、価格競争力で挑んできた会社と位置づけられます。
会社側は累計出荷約70万台・全国約1万施設への納入実績を公表しており、在宅介護ベッド分野では業界2位級のポジションにあるとされます。ただし「国内シェア約30%」といった具体数値は二次情報ベースであり、有価証券報告書等の一次資料では裏づけが取れていないため、本記事では「主要メーカーの一角・在宅分野で2位級」という表現にとどめます。
拠点構成から見える職種と勤務地
拠点は本社(福岡県大野城市)に加えて営業7支店(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福山・福岡)、物流拠点6か所(札幌・鹿沼・高崎・野田・大東・福岡)という構成です。ここから読み取れる転職上の含意は次の通りです。
- 営業職:レンタル卸・代理店・施設への提案営業。全国7支店のいずれかに配属される可能性がある
- 技術・開発職:本社(福岡)中心。中途では機械設計(次世代リーダー候補)といった募集実績があります
- 生産・物流:福岡工場および全国6か所の物流拠点、子会社やまと産業(奈良)
- 管理部門:本社(福岡)に集約。上場企業の開示実務を経験できる規模感です
従業員数100名台の会社で全国7支店を持つということは、1拠点あたりの人数が少なく、一人あたりの担当範囲が広いことを意味します(推定情報)。これは裁量の大きさと同時に、業務の属人化しやすさも示唆します。
業績5期推移で読むプラッツの収益構造|売上の段差はM&Aによるもの
転職判断で最も誤読されやすいのが、この会社の売上推移です。公式IRによると、連結ベースの業績は次のように推移しています。
| 決算期 | 売上高(連結) | 営業利益(連結) | 局面 |
|---|---|---|---|
| 2022年6月期 | 63.79億円 | 1.01億円 | 営業利益率1.6% |
| 2023年6月期 | 63.13億円 | △1.09億円 | 営業損失(赤字)を計上 |
| 2024年6月期 | 63.87億円 | 0.37億円 | 黒字化するも薄利 |
| 2025年6月期 | 84.23億円 | 1.83億円 | やまと産業の連結化で売上急増 |
| 2026年6月期 | 82.94億円 | 2.53億円 | 減収・増益。経常は計画未達 |
63億円台から84億円台への飛躍は「連結範囲の拡大」
2024年6月期の63.87億円から2025年6月期の84.23億円へ、売上は約20億円増えています。しかしこれは既存事業が3割伸びたわけではありません。2024年4月18日に開示され同月30日に取得が完了した、やまと産業株式会社の全株式取得(取得価額5億5,600万円)による連結範囲の拡大が主因です。国内大手寝具メーカーの製造委託先だった会社を取り込み、マットレスの内製化に踏み込んだ買収でした。
したがって「売上が急拡大している成長企業」という読み方は正確ではありません。実力ベースの売上は60億円台で数年横ばい、そこにM&Aで20億円が乗った——これが構造の実態です。
営業利益率1〜3%台という薄さ
より重要なのは利益率です。売上60〜80億円規模に対して営業利益は1〜2億円台にとどまり、営業利益率は概ね1〜3%台で推移しています。2023年6月期には営業損失1億874万円を計上しました。為替、鋼材・ウレタン原料価格、海外生産コストの変動を受けやすい構造で、価格競争力を武器にしてきたぶん、原価上昇が利益を直撃しやすいと考えられます(推定情報)。
この収益構造は、賞与や昇給の原資という観点で転職者に直結します。単体平均632.2万円という給与水準は、この利益規模に対してはむしろ高めに見えるという読み方も成り立ちます。
2026年6月期は増益だが計画未達
直近の2026年6月期(第34期)は、連結売上82億9,400万円(前期比約1.5%減)、営業利益2億5,300万円、経常利益2億9,400万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億3,547万円でした。営業利益は前期比で改善しています。ただし期初計画の経常利益4.2億円に対しては未達であり、減収での着地です。会社の収益力が構造的に切り上がったと判断するには、あと数期の推移を見る必要があると考えられます。
パラマウントベッドとの特許権侵害訴訟|2023年2月に和解で終結
プラッツを調べると必ず出てくるのが、業界首位パラマウントベッドとの訴訟です。転職判断に関わる情報なので、開示されている事実のみを時系列で整理します。
- 2017年7月:パラマウントベッドが特許権侵害を理由にプラッツを提訴
- 東京地裁:プラッツ製品が特許を侵害するとして、約3億8,122万円および遅延損害金の支払いを命じる判決
- 2023年2月27日:知的財産高等裁判所の和解勧告を受け、全面和解が成立
- 和解内容:プラッツがパラマウントベッドへ1億5,300万円を支払う
- 会計処理:積んでいた訴訟損失引当金から和解金を差し引いた約3億8,100万円を「訴訟損失引当金戻入益」として2023年6月期第3四半期の特別利益に計上。弁護士費用約1,000万円を特別損失に計上
ここで誤読しやすいのが会計面です。特別利益が立ったのはあらかじめ引当金を積んでいたぶんが戻ったためであって、訴訟に勝って利益が出たわけではありません。実際のキャッシュアウトは1億5,300万円です。
この件はすでに終結した事案です。当否の評価や企業体質の断定は本記事では行いません。転職検討者にとって意味があるのは、価格競争力で首位に挑む中堅メーカーは、知的財産面で首位企業と衝突するリスクを構造的に抱えるという業界構造の理解のほうです。開発職・設計職で応募する場合、知財リスクへの社内体制がどう整備されているかは面接で確認する価値があると考えられます。
プラッツの口コミ傾向|件数の少なさそのものが情報になる
先に事実を書きます。プラッツの口コミは絶対数が非常に少ない会社です。これは評価の良し悪し以前の、母集団の問題です。
| 口コミサイト | 総合評価 | 件数・回答者数 |
|---|---|---|
| OpenWork | 3.06 | 回答者3人 |
| エン カイシャの評判 | 3.0 | 正社員10人回答/口コミ39件 |
| 転職会議 | — | 8件 |
| 就活会議 | — | 10件 |
OpenWorkの総合3.06は全企業中で上位3割程度に相当する数値ですが、回答者はわずか3人です。この規模では、1人の投稿が全体スコアを大きく動かします。したがって本記事では、スコアの高低を評価の根拠としては扱いません。
数値で見える働き方|残業は穏当、有給消化率は低め
口コミ傾向として集計されている数値のうち、比較的読み取りやすいものを挙げます。
- 平均残業時間 23.5時間/月:メーカーの営業・管理職としては穏当な水準です
- 有給休暇消化率 24.3%:これは明確に低い水準の投稿傾向です。年20日付与なら年5日程度の消化にとどまる計算になります
- 人材の長期育成 2.8/20代成長環境 2.9:教育・育成面の評価は他項目より低めです
- 待遇面の満足度3.1/社員の士気3.1/風通しの良さ3.1/社員の相互尊重3.2/法令順守意識2.9/人事評価の適正感3.1
残業時間は抑えられている一方で有給が取りにくいという組み合わせは、人員に余裕がなく、1人が抜けると業務が回りにくい組織で起きやすいパターンだと考えられます(推定情報)。従業員100名台で全国7支店・物流6拠点という体制を踏まえると、この解釈は不自然ではありません。
肯定的な投稿と、留保つきの投稿
投稿内容の傾向は、中小メーカーらしい特徴が出ています。肯定側では「若手営業にも裁量があり、頑張った分だけ売れるのでやりがいがある」「女性が多く風通しが良い」「トップダウンとボトムアップのバランスが良い」といった声が見られます。裁量の大きさと意思決定の距離の近さが評価されている構図です。
一方で「部署によって差がある」という留保も見られます。人材の長期育成2.8という数値と合わせると、体系的な研修より現場でのOJT中心で、配属先の上司や部署の状況に左右されやすい可能性が読み取れます(推定情報)。未経験分野へ挑戦したい人ほど、面接段階で配属部署の育成体制を具体的に確認しておくべきだと考えられます。
介護ベッド・福祉用具メーカーとしての将来性と業界内ポジション
将来性を考えるうえで、この業界には他業種にない特徴が2つあります。需要基盤の安定性と、価格決定権の弱さです。
介護保険レンタル市場という需要基盤
介護用電動ベッドの国内需要の相当部分は、介護保険の福祉用具貸与(レンタル)制度を通じて発生します。要介護高齢者数の増加は中期的に続く見通しであり、需要そのものが急減するリスクは小さいと考えられます。プラッツの売上の柱がレンタル卸事業者向けであることは、この安定した需要にアクセスできる位置にいることを意味します。
ただし裏返しでもあります。介護保険制度の対象品目や貸与価格の上限設定は行政の運用に左右され、メーカー側の価格決定権は限定的です。原材料や為替のコスト上昇を製品価格に転嫁しにくい構造が、営業利益率1〜3%台という数字の背景にあると考えられます(推定情報)。
首位パラマウントベッドとの規模差という構造
この業界を語るうえで避けられないのが、パラマウントベッド(7817・東証プライム)との規模差です。国内の医療介護用ベッド市場では同社が圧倒的シェアを持ち、プラッツは在宅介護ベッド分野で2位級という位置づけにあります。売上規模でも上場市場区分でも差は大きく、前述の特許訴訟はこの構造がそのまま表面化した事例でした。
転職者にとっての意味は明快です。首位企業の安定性を求めるならプラッツではない一方、少人数で製品企画から販売まで一気通貫に関われる環境を求めるなら、規模の小ささはむしろ利点になり得ます。同じ介護・福祉用具業界では、歩行車・シルバーカー中心の幸和製作所(7807・東証スタンダード)も地方発の小型上場メーカーとして近い構造を持っており、「介護・福祉用具メーカーで働く」という軸で比較すると判断がしやすくなります。
プラッツと同業・近接企業の比較
比較の目的は優劣づけではなく、自分がどのタイプの環境を求めているかを言語化することです。各社の平均年収は本記事では横並びの一次データを揃えていないため掲載せず、事業構造とキャリアの観点で整理します(推定情報を含みます)。
| 企業名 | 市場・規模 | 事業の軸 | プラッツとの関係 | 転職検討時の見方 |
|---|---|---|---|---|
| 株式会社プラッツ(7813) | 東証スタンダード/連結149名 | 医療・介護用電動ベッド専業 | 本記事の対象 | 少人数・全国展開。裁量は大きいが利益率は薄い |
| パラマウントベッド(7817) | 東証プライム/大手 | 医療・介護用ベッド国内首位 | 直接競合かつ特許訴訟の相手方 | 安定性・ブランド力を重視するならこちら |
| フランスベッドHD(7840) | 東証スタンダード | 家庭用ベッド+福祉用具レンタル卸 | 販売チャネル側でも接点がある | レンタル卸・コンシューマー領域まで見たい人向け |
| 幸和製作所(7807) | 東証スタンダード/小型 | 歩行車・シルバーカー等の福祉用具 | 同じ介護・福祉用具の地方発小型上場企業 | 製品カテゴリは違うが組織規模・課題構造が近い |
| シーホネンス(非上場) | 非上場 | 介護用ベッド専業 | プラッツと直接競合 | 上場企業ならではの開示を重視するかで分かれる |
この5社を並べると、プラッツの立ち位置がはっきりします。ベッド専業でありながら上場しており、かつ従業員100名台という組み合わせは、業界内でもかなり特異です。開示義務がある透明性と、少人数ゆえの距離の近さを同時に持つ環境だと整理できます。
プラッツへの転職|編集部の見解と確認すべきポイント
編集部の見解として、プラッツは「合う人には非常に合うが、条件を確認せずに入ると期待とずれやすい会社」だと考えられます。判断を分ける論点を、事実に紐づけて整理します。
向いていると考えられる人
- 介護・医療という社会性のあるプロダクトに関わりたい人。製品が高齢者の生活に直結するため、仕事の意味を実感しやすい環境です
- 少人数の会社で担当範囲を広く持ちたい人。従業員100名台で全国7支店という構成上、一人の裁量は大きくなりやすいと考えられます
- 福岡を拠点にキャリアを築きたい人。本社機能・開発機能が福岡にある上場メーカーは選択肢として貴重です
- 上場企業の開示実務や、M&A後の統合プロセスに関われる管理系のキャリアを求める人
慎重に検討したほうがよいと考えられる人
- 体系的な研修・育成プログラムを前提にキャリアを積みたい人(人材の長期育成2.8という投稿傾向を踏まえて)
- 有給を計画的に消化する働き方を最優先する人(有給休暇消化率24.3%という投稿傾向を踏まえて)
- 賞与・昇給の伸びを重視する人。営業利益率1〜3%台という収益構造は原資の制約になり得ます
- 大手の安定基盤とネームバリューを重視する人。時価総額約30億円規模の小型株です
面接で確認すべき具体項目としては、①提示等級と昇給テーブル ②配属部署の人員体制と有給取得の実績 ③応募している職種の雇用主が本体か子会社か ④原材料高・為替変動時の価格転嫁の考え方の4点を推奨します。特に③は、本記事で繰り返した「単体108名/連結149名」の構造から直接導かれる論点です。
株式会社プラッツに関するよくある質問(FAQ)
検索されている疑問のうち、7813のプラッツについて事実で答えられるものをまとめました。
プラッツの本社は福岡県久留米市ですか?
いいえ。公式情報として、株式会社プラッツ(7813)の本社は福岡県大野城市仲畑2-3-17です。2001年7月に大野城市へ本社を移転し、2016年3月に同市内の現社屋へ移っています。創業地は福岡県春日市です。久留米市に本社があるという記述は誤りで、取引銀行の筑邦銀行が久留米に本店を置くことによる混同と考えられます。
「株式会社プラッツ 京都」で出てくる会社は7813のプラッツですか?
その可能性は低いと考えられます(推定情報)。公式サイトに記載された拠点は本社(福岡県大野城市)と営業7支店(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福山・福岡)、物流拠点6か所(札幌・鹿沼・高崎・野田・大東・福岡)で、京都に事業所は含まれていません。京都所在として表示される「プラッツ」は同名の別法人である可能性が高いため、業種表記と所在地で照合してください。
プラッツはどんなベッドを作っていますか?
医療・介護用の電動ベッドが主力です。在宅介護向けの「ヨカロ」「ミオレット」、医療施設向けの「アスピーノ」、介護施設向けの「アーデル」などのブランドを展開し、マットレスやサイドレールといった周辺用品も手がけています。2024年4月にウレタンフォーム加工のやまと産業を子会社化し、マットレスの内製化に踏み込みました。なお2013年1月に在宅介護用ベッド「ミオレット・フォーユー」について、2012年3月〜9月販売分1,502台を対象としたリコール(訪問によるボードの無償交換)を実施した記録があります。
プラッツは上場企業ですか?株価はどこで確認できますか?
はい。証券コード7813で東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、福岡証券取引所にも上場しています。2015年3月に東証マザーズと福証Q-Boardへ同時上場し、2022年の市場再編でグロース市場へ、2025年3月27日にスタンダード市場へ区分変更されました。時価総額は約30億円規模の小型株です。なお検索で上位に出やすい「ビープラッツ 株価」は別の上場企業のもので、7813とは無関係です。株主優待としてQUOカードが実施されています。
プラッツの求人はどこで探せますか?中途採用はありますか?
公式採用ページのほか、リクナビ・engage・リクルートエージェント等での募集実績が確認されています。過去には機械設計(次世代リーダー候補)などの中途募集が出ています。採用窓口として公式サイトにメールアドレス(saiyo@platz-ltd.co.jp)と電話番号(092-584-3434)が掲載されています。求人サイトで探す際は、本記事の冒頭で示した業種・所在地・上場区分の3点照合を必ず行ってください。
プラッツの評判・口コミが少ないのはなぜですか?
従業員数が提出会社単体108名・連結149名と小規模であることが最大の理由と考えられます(推定情報)。OpenWorkの回答者は3人、転職会議は8件、就活会議は10件、エン カイシャの評判で39件という水準です。加えて同名企業のページが分散していることで、実際の在籍者の投稿が複数ページに分かれている可能性もあります。口コミ傾向を読む際は、件数の少なさを前提に「参考程度」として扱うのが妥当です。
株式会社プラッツへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価と根拠 |
|---|---|
| 会社の同定 | 証券コード7813・福岡県大野城市・介護ベッド専業。同名の別会社・別施設が多いため照合必須 |
| 年収水準 | 有報単体632.2万円は100名台の地方メーカーとして高め。ただし本社中心の母集団で、中途営業職の投稿は400万円前後 |
| 業績の安定性 | 売上60〜80億円台で横ばい+M&Aによる段差。営業利益率1〜3%台、2023年6月期は営業赤字 |
| 直近業績 | 2026年6月期は増益だが減収かつ経常は期初計画未達 |
| 働き方 | 残業23.5時間/月は穏当。有給消化率24.3%は低めという投稿傾向 |
| 育成体制 | 人材の長期育成2.8・20代成長環境2.9。OJT中心の可能性があり配属依存が示唆される |
| 裁量・やりがい | 若手営業にも裁量があるという投稿が複数。少人数ゆえの意思決定の近さは強み |
| 業界の将来性 | 介護保険レンタル需要は中期的に堅調。一方で価格決定権が弱く利益率が上がりにくい構造 |
| リスク要因 | パラマウントベッドとの特許訴訟は2023年2月に和解で終結済み。時価総額約30億円の小型株 |
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第33期(2025年6月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として用い、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。同名企業が多い社名であるため、引用元が証券コード7813の株式会社プラッツを指しているかを個別に照合したうえで記載しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
