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ヤマタネの評判と年収710万円|営業利益+55%の主因はコメ価格高騰

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 正体:証券コード9305・東証プライム。米卸+物流+不動産+ITの4カンパニー複合企業
  • 年収:有報710万円。ただし提出会社404名の平均で連結1,087名の実態ではない
  • 業績:営業利益58.6億円(+55.1%)。主因はコメ価格高騰による販売単価上昇
  • 口コミ:休日・有給の評価は高く、昇給と評価制度に不満が集中する傾向

株式会社ヤマタネ(証券コード9305・東証プライム市場・本社は東京都江東区越中島)は、1924年に廻米問屋として創業し、2024年7月に創業100周年を迎えた老舗企業です。ただし「米の会社」という一言では正体をつかみにくく、実態は食品(米卸)・物流・不動産・情報の4カンパニーを抱える複合企業です。2026年3月期は営業利益が前期比55.1%増と急伸しましたが、この増益がなぜ起きたのかを理解しないまま「業績好調な会社」として転職判断をすると、入社後の賞与や昇給の見通しを読み違えます。この記事では、有価証券報告書と決算短信の一次データを起点に、年収710万円という数字の母集団、増益の中身、口コミが指摘する昇給の薄さという3つの論点を分解します。

ヤマタネ(9305)とは何の会社か|4カンパニー複合企業の正体

結論から言うと、ヤマタネは「米卸」でも「倉庫会社」でもなく、その両方に不動産賃貸とITを足した4事業の複合体です。転職検討者がまず押さえるべきは、応募するカンパニーによって仕事内容も評価軸もキャリアの出口も別会社レベルで異なる、という点です。ここを理解しないまま「ヤマタネの評判」を読むと、自分と関係のない部門の口コミで判断してしまいます。

東証分類は「卸売業」、証券コードは倉庫の番号帯というねじれ

公式情報として、ヤマタネの東証33業種分類は「卸売業」です。売上886億74百万円(2026年3月期・連結)のうち食品カンパニーが563億円と約6割を占めるため、分類上は卸売業になります。一方で証券コード9305は、本来「倉庫・運輸関連業」に割り当てられる番号帯です。このコードと業種分類のねじれは、同社が上場した1950年当時からの事業の重心変化を映したものと考えられます(推定情報/証券コード協議会は主要事業の変更に応じて分類を見直すため、変更時期の断定は避けます)。

このねじれは転職活動では実利のある話です。転職サイトの業種フィルターで「倉庫・運輸」を選んで探している人には、ヤマタネの求人が表示されないことがあります。逆に「卸売・商社」で検索している人は、実際には都市型倉庫の3PL提案営業やビル賃貸の仕事に出会うことになります。物流志望なら「卸売業」側も検索対象に入れておく——これが最初の実務的なアドバイスです。

4カンパニーの売上と役割(2026年3月期)

2025年4月にカンパニー制へ移行し、現在は物流・食品・不動産・情報の4カンパニーと管理本部という体制です。公式情報ベースの内訳は次のとおりです。

カンパニー売上高(2026年3月期)主な事業内容
食品563億円(約63%)祖業のコメ卸売販売、加工食品卸。2023年子会社化のショクカイにより産業給食で1日100万食超
物流261億円(約29%)首都圏・近畿圏の都市型倉庫を核とする3PL、機密文書保管・アーカイブ(国内業務85%/国際業務15%)
不動産46億円(約5%)越中島・門前仲町・新宿・池袋の自社オフィスビル賃貸
情報17億円(約2%)グループのシステム開発・DX支援

拠点としては、本社のある江東区越中島のほか、深川・箱崎・門前仲町といった自社ビル、市川の営業所などが知られています。口コミ傾向としては「本社は駅近で利便性が高いが、営業所は駅から遠い」という具体的な指摘があり、配属先による通勤負荷の差は事前に確認しておく価値があります。

本体とグループ子会社を混同しない(求人検索の注意点)

「ヤマタネ 求人」「ヤマタネ 採用」で検索すると、ヤマタネロジスティクス、ヤマタネロジワークス、ヤマタネシステムソリューションズといったグループ子会社の求人が混ざって表示されます。連結従業員1,087名に対して提出会社(本体)は404名で、グループの約6割は子会社に所属しています。倉庫現場のオペレーション、配送、産業給食などの実務は子会社が担う構造です。

これは待遇面で決定的な意味を持ちます。後述する平均年間給与710万円は本体404名の数値であり、子会社の給与テーブルとは別物である可能性が高いと考えられます(推定情報)。応募時には「株式会社ヤマタネ本体の募集か、グループ会社の募集か」を求人票の雇用主名で必ず確認してください。

ヤマタネの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
会社名株式会社ヤマタネ(Yamatane Corporation)
証券コード/上場区分9305/東証プライム市場(東証33業種分類は「卸売業」)
本社所在地東京都江東区越中島一丁目2番21号
創業/設立1924年創業/1937年8月15日設立/1950年上場(2024年7月に創業100周年)
代表者代表取締役社長 河原田 岩夫
資本金105億5,500万円
平均年間給与約710万円(提出会社404名の平均)
平均年齢41.0歳(提出会社ベース)
平均勤続年数12.9年(有報表記12.92年・提出会社ベース)
従業員数提出会社404名(男性253名・女性151名)/連結1,087名
売上高886億74百万円(連結・前期比9.6%増)
営業利益58億64百万円(連結・前期比55.1%増)
経常利益/当期純利益54億81百万円(+50.2%)/54億98百万円(+77.8%)
有給休暇取得率71.9%(公式採用サイト)
対象決算期第127期(2026年3月期・2025年4月1日〜2026年3月31日)
出典第127期 有価証券報告書「従業員の状況」/2026年3月期 決算短信/公式採用サイト

なお平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数の4項目は、有価証券報告書の転記データ、日経会社情報DIGITALの掲載値(404人・41歳・7,109千円)、公式採用サイトの記載(404名・平均勤続12年11ヶ月・男253名/女151名・有給取得率71.9%)の3系統が一致することを確認した数値です。二次アグリゲータ1社だけを根拠にした数値ではありません。

ヤマタネの年収710万円をどう読むか|5期推移と「404名の平均」という前提

結論を先に言うと、710万円という数字は正しいが、そのまま自分の年収見込みに置き換えると誤差が大きいというのが実態です。理由は2つ——母集団が本体404名に限られること、そして直近の上昇分に一過性の要素が含まれる可能性があることです。順に見ていきます。

平均年間給与は5期で約100万円上昇している

有価証券報告書「従業員の状況」によると、平均年間給与の推移は次のとおりです(公式情報)。あわせて業績の推移も並べます。

決算期平均年間給与連結売上高連結営業利益
2022年3月期611万円467億65百万円30億02百万円
2023年3月期624万円510億90百万円35億88百万円
2024年3月期657万円645億12百万円34億83百万円
2025年3月期660万円809億22百万円37億80百万円
2026年3月期(第127期)710万円886億74百万円58億64百万円

ここから読み取れる編集部の分析は次の3点です。

  • 売上は5期で約1.9倍、営業利益は約1.95倍に伸びた一方、平均年間給与の伸びは611万円→710万円=約1.16倍にとどまります。業績の伸び幅と給与の伸び幅は明確に非対称です。
  • 年収の上昇ペースが最も大きいのは2025年3月期→2026年3月期の1年で約50万円増。この期は営業利益が37.8億円→58.6億円と急増した期と一致します。
  • 逆に2024年3月期→2025年3月期は、売上が645億円→809億円と大きく伸びたのに年収は657万円→660万円と横ばい。増収そのものは年収に直結していないことが分かります。

つまり、賞与原資に効くのは売上ではなく利益であり、その利益が何によって動いているかを見ないと年収の持続性は判断できない、ということです(推定情報)。

710万円は「提出会社404名」の平均であり、連結1,087名の実態ではない

ヤマタネは純粋持株会社ではなく事業会社本体がカンパニー制を敷く形態ですが、それでも提出会社404名は本社・管理・営業機能が中心です。連結1,087名に対する提出会社の比率は37.2%にとどまり、残りの約6割を占める子会社所属の従業員——倉庫現場、配送、産業給食などの実務を担う層——の給与はこの710万円には反映されていません。

また平均年齢41.0歳・平均勤続12.9年という属性も重要です。41歳・勤続13年の集団の平均が710万円である以上、20代・30代前半でこの水準に届くと考えるのは無理があります(推定情報)。年齢と勤続の情報を外して「平均年収710万円の会社」とだけ理解すると、オファー提示額とのギャップに驚くことになります。

加えて、平均勤続年数は2022年3月期の14.8年から12.9年へ短期化しています。これは離職の増加だけでなく、2022年以降に10社超のM&Aを実施し、中途採用を拡大したことによる母集団の変化が背景にあると考えられます(推定情報)。買収した企業の従業員が加われば、平均勤続は構造的に下がります。

口コミの「基本給が低い」と有報710万円のズレをどう解釈するか

ここがこの記事の核心です。口コミ傾向として、エン カイシャの評判やOpenWorkに寄せられる声で最も繰り返されるのが「昇給はわずかな額」「基本給が低い」という指摘です。年収・給与の納得度は65%、実力主義の浸透度は2.7点(5点満点)と低めの評価が並びます。一方で有価証券報告書の平均年間給与は710万円で、決して低い水準ではありません。

この乖離について、編集部としては次の3つの要因が重なっている可能性が高いと考えます(いずれも推定情報であり、会社が公表した説明ではありません)。

  • 賞与比率が高い:基本給の絶対額は控えめでも、業績連動の賞与で年収総額が押し上げられる給与設計であれば、「月給は少ないのに年収は高い」という体感が生じます。
  • 管理職層による押し上げ:404名という少人数の提出会社は、本社・管理・営業の管理職比率が相対的に高くなりやすく、平均値が上方に引っ張られます。
  • 直近はコメ価格高騰による特需の影響:2026年3月期の増益は後述のとおり価格要因が主因で、賞与増もその年限りの可能性があります。

求職者
求職者

結局、自分のオファーはいくらになるの?

その答えを出すために、面接・内定段階で確認すべきポイントを整理します。

  • 雇用主が本体かグループ会社か:710万円は本体404名の数値。子会社採用なら別テーブルの可能性があります。
  • 基本給と賞与の内訳:想定年収だけでなく、月次固定給がいくらかを必ず分けて聞く。賞与連動比率が高いほど、米価反落局面での振れ幅が大きくなります。
  • 昇給ルールと評価制度:口コミの不満が最も集中しているのは昇給ペースです。等級ごとの昇給幅、評価から昇給への反映方法を確認してください。
  • 配属カンパニー:食品・物流・不動産・情報で事業環境も収益性も異なります。カンパニー別の業績評価が処遇にどう効くかを聞いておくと差が出ます。

なお二次アグリゲータ各社の「ヤマタネ 平均年収」は611万円・657万円・711万円などバラつきがあります。これは参照している有報の年度が異なるためで、最新の公式情報は第127期(2026年3月期)の710万円です。古い年度の数値を見て判断しないよう注意してください。

営業利益+55.1%の中身|増益の主因はコメ価格高騰による単価上昇

この記事で最も重要なパートです。結論を先に置きます。2026年3月期の大幅増益は、数量成長や構造改革の成果ではなく、コメの需給逼迫による販売単価上昇(価格転嫁)が主因です。増収についても、価格上昇に加えてM&Aによる連結範囲の拡大が寄与しており、既存事業の数量が伸びた結果ではありません。この前提を置かずに「成長企業だから年収も上がり続ける」と読むのは危険です。

セグメント別に見ると、稼ぎ方の非対称が一目で分かる

決算短信によると、2026年3月期のセグメント別業績は次のとおりです(公式情報)。営業利益率は編集部が売上高と営業利益から算出した参考値です。

カンパニー売上高営業利益前期の営業利益営業利益率(参考)
食品563億円40.3億円23.5億円(+71%)約7%
物流261億円23.7億円16.3億円(+45.8%)約9%
不動産46億円20.4億円19.1億円約44%
情報17億円0.68億円0.46億円約4%

ここから読める構造は次の3点です。

  • 赤字セグメントはゼロ。4カンパニーすべてが黒字で、かつ全カンパニーが増益という珍しい年でした。財務の安定性という観点ではポジティブな材料です。
  • 売上構成比約5%の不動産カンパニーが、全社営業利益58億64百万円に対し20.4億円。単純比較で全社利益の3割超に相当する規模を、越中島・門前仲町・新宿・池袋の自社ビル賃貸だけで稼いでいます。営業利益率は約44%で、食品の約6倍です(各セグメント利益の合計は全社費用調整前の値のため、構成比は目安としてご覧ください)。
  • 食品は売上563億円に対し利益40.3億円で利益率約7%。業務用食品流通としては標準的ですが、相場に左右される事業構造である点は変わりません。

この「売上の小さい不動産が利益のクッションになっている」構造は、老舗複合企業に共通して見られる形です。転職者にとっての含意は明確で、本業(米卸・物流)の稼ぐ力だけで会社の安定性を評価すると過大評価になるということです(推定情報)。逆に言えば、不動産という安定収益源があるおかげで、米相場が悪化しても即座に人件費圧縮に向かうリスクは相対的に低いとも読めます。

米価が反転する局面で何が起きるか

業界文脈として、2024年秋に高騰したコメ価格は、令和7年産の大幅増産と政府備蓄米の継続放出を受けて反転局面に入っています。民間在庫は直近10年で最高水準となり、輸入米の流通も広がりました。米卸は高値で仕入れた在庫を下落局面で売り切る必要があり、集荷価格と販売価格の時間差が損益に直結する典型的な相場業です。

したがって、2026年3月期の食品カンパニー営業利益+71%という数字を「実力が上がった証拠」と読むのは適切ではありません。編集部の見解として、この水準が継続する前提で年収や賞与を見込むのは避けるべきです。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」でも食品カンパニーは売上535億円・営業利益18億円という、直近実績を下回る堅めの目標が置かれており、会社自身が価格要因の剥落を織り込んでいると考えられます(推定情報)。

面接で「業績好調ですね」とだけ言うのは、この構造を理解していないことの表明になりかねません。むしろ「価格要因が剥落した後、数量と付加価値でどう利益を作るか」に踏み込めると、志望動機の解像度が一段上がります。

コメ騒動報道・自主回収・行政処分|検索されやすい3点を事実ベースで整理

ヤマタネを調べていると、コメ価格をめぐる報道や商品回収に関する情報に行き当たることがあります。ここは誤解が生まれやすい領域なので、確認できた事実と、確認できなかったことを明確に分けて整理します。

1. 2025年の国会での「米卸大手」発言について。 2025年6月5日の衆議院農林水産委員会で、当時の農林水産大臣が社名を伏せたうえで「営業利益が前年比500%ほどの米卸大手がいる」という趣旨の発言を行い、米卸各社に注目が集まりました。ただしヤマタネの当時の実績は2025年3月期の営業利益37億80百万円・前期比+8.5%であり、この発言が指す水準には該当しません。報道でも該当しないものとして整理されています。「ヤマタネが名指しで批判された」という理解は事実誤認ですので、この点は明確にしておきます。

むしろ2025年は、備蓄米放出で精米工場がフル稼働となるなど、社会インフラとしての米卸の役割が可視化された年でもありました。志望動機を作るうえでは、価格の話よりも「安定供給を担う機能」という側面のほうが本質的です。

2. 商品の自主回収に関する検索について。 銘柄米の自主回収に関する検索が一定数見られますが、本記事の調査ではその具体的な事実関係(時期・対象・理由・規模)を確認できませんでした。存在する/存在しないのいずれも断定しません。なお一般論として、自主回収は企業が自発的に行う措置であり、行政処分とは法的性格がまったく異なります。この2つを混同した情報を見かけた場合は注意してください。

3. 行政処分・不祥事について。 金融庁・国土交通省・公正取引委員会等による行政処分、リコール、重大訴訟、労働基準監督署の是正勧告といった公表事例は、公表ベースでは確認できませんでした。ただしこれは「不祥事が一切ない」ことの証明ではなく、公開情報の範囲で見つからなかったという意味です。TOB・非公開化の動きについても確認できていません。

ヤマタネの働き方と口コミ傾向|「休みは取れるが、昇給は薄い」で一貫

ヤマタネの口コミ傾向は、評価が高い項目と低い項目がきれいに分かれるのが特徴です。エン カイシャの評判74件(総合3.1/5)、転職会議71件、OpenWork総合評価3.01(上位42%)が主な参照元ですが、従業員1,000人超・東証プライム企業としては口コミ総数が少なめである点は先に断っておきます。個々の投稿を絶対視せず、傾向として読んでください。

評価が高いのは休日・有給・安定性

ポジティブ側は「休みの取りやすさ」と「安定性」に集中しています。具体的には次のような数値・声が見られます。

  • 休日・休暇の納得度82%、有給休暇取得率71.8〜71.9%(OpenWorkの集計値と公式採用サイトの公表値がほぼ一致)
  • 月間残業時間はOpenWorkで21.8時間。物流を含む事業構成としては軽めの水準です
  • 「有給は比較的取れる」「振替休日は必ず取得できる環境」「安定している企業」といった声
  • 「取引先は市場的にも評価が高く勉強になる」という、大手荷主・量販店と向き合う環境への評価
  • 仕事を通じた社会貢献3.4点が全項目中の最高スコア。食と物流という生活インフラを担う実感が背景と考えられます

注目すべきは、有給取得率について口コミサイトの集計値と公式採用サイトの公表値がほぼ一致している点です。会社が発表する数字と現場の体感が乖離していない領域であり、休暇の取りやすさについては信頼度の高い情報と判断できます。

評価が低いのは昇給・評価制度・育成

一方でネガティブ側は、給与制度と評価にほぼ一極集中しています。

  • 「昇給はわずかな額」「基本給が低い」という指摘(エン カイシャの評判)
  • 実力主義の浸透度2.7点、イノベーションへの挑戦2.9点
  • 社員の士気2.6点、人材の長期育成2.5点——全項目のなかで最も低いスコア
  • 年収・給与の納得度、勤務時間の納得度はいずれも65%

その一方で20代の成長環境は3.3点、会社の成長性・事業の独自性は各3.2点と平均以上です。これらを合わせると、「若手のうちは学べるが、上に行くほど報われ感が薄い」という老舗安定企業の典型的なパターンが浮かびます(推定情報)。平均勤続12.9年という長さは、裏を返せば「辞めないが、強い上昇インセンティブもない」状態を示している可能性があります。

部門差・勤務地差は口コミからも読み取れる

残業時間についてはOpenWorkの平均21.8時間に対し、退職者コメントでは月46時間という指摘も見られます。この差は、本社管理系と営業・現場系の部門差が大きいことを示唆します(推定情報)。倉庫現場はシフト勤務や繁忙期の負荷が発生しやすく、平均値だけで働き方を判断するのは危険です。

勤務地についても「本社は駅近で利便性が高いが、営業所は駅から遠い」という具体的な声があります。首都圏・近畿圏の倉庫拠点やグループ会社への出向可能性を含め、面接段階で異動・転勤の範囲を確認しておくことを強くおすすめします。

ヤマタネの就職難易度・選考で見られるポイント

「ヤマタネ 就職難易度」という検索は一定数あります。結論としては、提出会社404名という少人数体制である以上、採用枠は限られており、難易度は決して低くないと考えられます(推定情報)。ただし採用倍率・採用大学といったデータは有価証券報告書でも公式サイトでも開示されていないため、具体的な数値での難易度提示はできません。

公表情報から言えるのは次の点です。新卒採用は「物流カンパニー/食品カンパニー/不動産カンパニー/デジタルイノベーション部」という部門別の募集になっており、入社時点でキャリアの方向が分かれます。つまり、選考では「なぜこのカンパニーか」を語れるかが問われる構造です。中途採用の場合も同様で、4事業それぞれに求められる経験がまったく異なります。推定情報として、評価されやすい経験を整理すると次のようになります。

  • 食品カンパニー:産地との集荷・調達交渉、量販店/業務用ルートの営業、精米・加工の生産管理、給食・中食のオペレーション経験
  • 物流カンパニー:庫内オペレーション改善、WMS・自動化機器の導入、3PLの提案営業、荷主業務の設計経験
  • 不動産カンパニー:オフィスビルの賃貸管理・リーシング、PM/AM業務、不動産流動化や共同開発の経験
  • 情報カンパニー:業務システムの開発・運用、社内DX推進、データ活用の企画経験

4事業を横断できる会社は多くありません。「相場を扱う食品」「装置と人を扱う物流」「資産を扱う不動産」が同じ会社にあるという点を理解し、自分の経験がどこに接続するかを言語化できれば、選考での説得力は大きく変わります。

ヤマタネと比較検討されやすい企業|4社との構造比較

ヤマタネは「米卸」としても「都市型倉庫」としても比較対象が変わる珍しい会社です。年収の単純比較は各社の母集団(提出会社か連結か、持株会社か事業会社か)が異なり成立しないため、ここでは事業構造の違いで整理します。平均年収の具体値は各社の有価証券報告書でご確認ください。

企業名事業構造ヤマタネとの違い比較する意味
ヤマタネ(9305)食品(米卸)63%+物流29%+不動産5%+情報2%—4事業複合。不動産が利益クッションになる
木徳神糧(2700・東証スタンダード)米穀卸売を中核とする食品卸物流・不動産の柱を持たない「米卸専業だと相場変動をどう受けるか」の対照群になる
澁澤倉庫(9304・東証プライム)都市型倉庫+不動産賃貸食品卸の比重が小さい証券コードが隣接し、倉庫+不動産という収益構造が最も近い
三井倉庫ホールディングス(9302・東証プライム)総合物流・国際輸送を含む大手3PL規模・海外比率が大きい持株会社物流志望者の第一比較対象。国際業務の量が桁違い
住友倉庫(9303・東証プライム)倉庫・港湾運送+不動産不動産の規模がより大きい「倉庫+不動産の高収益モデル」の上位版としてヤマタネの位置を相対化できる

この比較から見えるヤマタネの立ち位置は、倉庫系4社のなかでは食品卸の比重が突出して高く、米卸各社のなかでは物流・不動産という非食品の収益源を持つという、どちらの業界からもやや外れた独自ポジションです(推定情報)。この独自性は「安定」と「わかりにくさ」の両方を生んでいます。物流のスケールを求めるなら三井倉庫や住友倉庫、米の専門性を極めたいなら米卸専業という選択肢もあるなかで、複数事業を横断できる環境を評価するかどうかが判断の分かれ目になります。

ヤマタネの将来性|「ヤマタネ2028プラン」と3つの変数

将来性を判断するうえで、ヤマタネには追いやすい材料と読みにくい材料の両方があります。まず公式情報として、2025年4月から3か年の中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」では、営業利益47億円・ROE6.5%以上といった目標が掲げられました。ところが初年度の2026年3月期にすでに営業利益58億64百万円と目標を超過したため、2026年5月13日に財務目標の一部見直しが公表されています。長期ビジョンは「ヤマタネ2031ビジョン」です。

ここから読める変数は3つです。

  • 変数1:米価の反転。前述のとおり増益は価格要因が主因です。中計の食品カンパニー目標(売上535億円・営業利益18億円)が直近実績より低いことは、会社自身が反落を前提にしていることの表れと考えられます(推定情報)。中計では米卸売事業の収益改善、新商品開発と販路拡大、生産分野(川上)への進出が方針として示されています。
  • 変数2:M&Aの統合フェーズ。2022年以降、産業給食のショクカイ、文書電子化領域、農産関連など10社超を買収しています。物流カンパニーは中計で売上270億円・営業利益24億円、業界特化型物流プラットフォームとコールドチェーン事業への参入を掲げ、不動産カンパニーは売上54億円・営業利益24億円と流動化事業の開始・外部デベロッパーとの共同事業を打ち出しました。成長の絵は明確な一方、制度・文化の統合は途上であり、買収先出身者と本体プロパーの処遇差が生じ得ます。
  • 変数3:資本政策。大株主は公益財団法人山種美術財団8.8%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)6.5%、スノーボールキャピタル5.4%、三井住友銀行4.9%、PERSHING-DIV. OF DLJ SECS. CORP. 4.2%、LIM JAPAN EVENT MASTER FUND 3.2%、ゴールドマン・サックス3.1%、SMBC日興証券2.9%、清水建設2.8%などで、上位10名の合計は約46.3%(前期の約50%から低下)。親会社・支配株主は存在しない独立企業ですが、アクティビスト・外資系ファンドが上位に食い込む構図であり、資本効率改善への外部圧力は続くと考えられます(推定情報)。

転職者にとっての意味を整理すると、「不動産という安定収益源があるため会社が急に傾く可能性は低いが、賞与や昇給は米相場と資本効率改善の圧力の両方に影響を受けやすい」という読み方になります。安定と変動が同居しているのがこの会社の特徴です。

ヤマタネへの転職が向いている人・向いていない人

これまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。

向いている人向いていない人
休日・有給の取りやすさを重視し、生活リズムを安定させたい人成果に応じた短期の昇給・昇格を強く求める人
相場・在庫・物流・不動産といった複数の変数を扱う仕事に面白さを感じる人単一領域の専門性を最短距離で深めたい人
食と物流という生活インフラを担う社会的意義に価値を置く人華やかな成長ストーリーや急拡大の環境を求める人
M&A後の統合や制度整備といった、整っていない部分を自分で作る仕事を楽しめる人制度・仕組みが完全に整備された環境で働きたい人
創業100年の取引基盤と大手荷主との関係を土台に、提案の質で勝負したい人意思決定のスピードや裁量の大きさを最優先する人

特に重要なのは1行目です。休日・有給の評価が高く、昇給・評価の評価が低いという口コミの構造がそのまま適性の分岐点になっています。何を優先するかが明確な人ほど、この会社の判断はしやすいはずです。

ヤマタネへの転職|編集部の見解

編集部の見解として、ヤマタネは「守りの安定性は高いが、攻めの報酬期待は置きにくい会社」と整理できます。根拠は3つです。

第一に、財務・事業の安定性は実データに裏付けられています。4カンパニーすべてが黒字で赤字セグメントがなく、売上比5%の不動産が全社利益の3割超に相当する規模を稼ぐ収益クッションを持ちます。有給取得率71.9%は公式値と口コミ値がほぼ一致しており、休暇の取りやすさは信頼できる情報です。

第二に、報酬の上振れ期待は慎重に見るべきです。5期で売上約1.9倍・営業利益約1.95倍という伸びに対し、平均年間給与の伸びは約1.16倍。しかも直近の増益は価格要因が主因で、口コミでは昇給の薄さが最大の不満として繰り返されています。「業績が伸びた分だけ自分の年収も伸びる」構造ではないと考えるのが妥当です。

第三に、キャリアの可搬性という観点では悪くありません。産地との調達交渉、業務用チャネルの知見、庫内オペレーション改善、WMSや自動化機器の導入、ビルの賃貸管理といった経験は、総合食品卸・米卸専業・倉庫系3PL・荷主企業の物流部門・不動産PM/AMなど、社外の複数方向に持ち出せます。4事業のどこに配属されても、外に出せるスキルは積めるという点は正当に評価してよいでしょう。

総合すると、年収の絶対額より働き方の安定と学べる環境を優先する人、相場と資産の両方を扱う複合企業の面白さを理解できる人にはおすすめできます。逆に、短期での年収最大化や急速な裁量拡大を求める人には、他の選択肢のほうが合う可能性が高いと考えられます。

ヤマタネに関するよくある質問(FAQ)

ヤマタネへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。

ヤマタネはどんな会社?何をしている会社ですか?

証券コード9305・東証プライム市場に上場する、1924年創業の複合企業です。東証33業種の分類は「卸売業」ですが、実態は食品(米卸・加工食品卸・産業給食)563億円、物流(都市型倉庫の3PL・機密文書保管)261億円、不動産(自社オフィスビル賃貸)46億円、情報(システム開発・DX支援)17億円の4カンパニー体制です(2026年3月期・公式情報)。2025年4月にカンパニー制へ移行しました。

ヤマタネの本社はどこですか?勤務地は本社だけですか?

公式サイトによると、本社は東京都江東区越中島一丁目2番21号です。ただし勤務地は本社に限られません。物流拠点は首都圏・近畿圏に広がり、自社ビルは越中島・門前仲町・新宿・池袋などにあります。口コミ傾向としては「本社は駅近で利便性が高いが、営業所は駅から遠い」という指摘があるため、応募前に配属拠点と転勤範囲の確認をおすすめします。

ヤマタネの平均年収はいくらですか?

第127期(2026年3月期)の有価証券報告書「従業員の状況」によると、平均年間給与は約710万円です(提出会社404名・平均年齢41.0歳・平均勤続12.9年)。前期は660万円で、5期前の2022年3月期は611万円でした。公式情報ですが、これは提出会社の数値であり、連結1,087名の約6割を占める子会社所属の従業員は含まれていません。

ヤマタネロジスティクスなどのグループ会社の求人は本体と同じ条件ですか?

雇用主が異なるため、同一の条件とは限りません(推定情報)。ヤマタネロジスティクス、ヤマタネロジワークス、ヤマタネシステムソリューションズなどはグループ子会社であり、有価証券報告書で開示される平均年間給与710万円は株式会社ヤマタネ本体(提出会社404名)の数値です。求人票の雇用主名を必ず確認し、給与テーブル・評価制度・転勤範囲を個別に確認してください。

米卸事業(食品カンパニー)の仕事はどんな評判ですか?

口コミ傾向としては「取引先は市場的にも評価が高く勉強になる」といった、大手荷主・量販店との取引環境を評価する声が見られます。一方で、コメは相場に左右される商材であり、集荷価格と販売価格の時間差が損益に直結します。2026年3月期の食品カンパニー営業利益は前期比+71%でしたが、これは価格転嫁が効いた結果であり、数量成長ではありません。産地との契約設計・在庫回転を含む「仕入れと販売の設計力」を身につけられるかが、この事業で長く価値を出せるかの分かれ目になると考えられます(推定情報)。

ヤマタネへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準有報710万円(提出会社404名・平均41.0歳)。水準は悪くないが母集団と年齢の前提を要確認
昇給・評価口コミの不満が最も集中する領域。実力主義の浸透度2.7点、昇給幅への指摘が繰り返される
働き方休日・休暇の納得度82%、有給取得率71.9%、月間残業21.8時間。ただし部門差は大きい
業績・安定性4カンパニーすべて黒字。売上5%の不動産が全社利益の3割超に相当する規模を稼ぐ
成長の質営業利益+55.1%の主因はコメ価格高騰。数量成長ではないため継続前提は置けない
キャリアの可搬性食品流通・3PL・不動産PM/AM・社内DXなど、社外に持ち出せる経験を積める
組織の状態10社超のM&Aで平均勤続14.8年→12.9年へ短期化。制度・文化の統合は途上
情報の透明性有報・決算短信・公式採用サイトの数値が一致。一方で口コミ総数は規模の割に少なめ

求職者
求職者

安定はしていそうだけど、給与の伸びが読めないのが不安です

その不安は、この会社を正しく理解した結果として自然なものです。だからこそ、内定時の労働条件通知書で基本給と賞与の内訳・昇給ルール・配属カンパニー・雇用主(本体かグループ会社か)の4点を確認することが、後悔しない判断につながります。

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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