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三愛オブリの年収823万円と評判|1年で178万円減った有報5期の実額推移

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 平均年収:有報第95期は823万円。前期1,001万円から△17.8%
  • 利益構造:売上84%の石油関連より、売上2.7%の航空関連が最大の利益源
  • 働き方:公式は残業5時間56分・有給75.1%、口コミ側は残業22.4時間
  • 数字の範囲:823万円は単体388名の値。連結1,914名の水準ではない

三愛オブリ(証券コード8097・東証プライム)の年収を検索すると、多くのページに「約1,001万円」という数字が並びます。しかし最新の有価証券報告書(第95期・2026年3月期)に載っている平均年間給与は8,232,781円、つまり約823万円です。1年で178万円、率にして17.8%の減少が起きています。この記事では、この年収の振れ幅がどういう性質のものなのか、そして「売上の84%を占める石油関連より、売上2.7%の航空関連のほうが稼いでいる」という同社の利益構造の変化を、有価証券報告書と決算短信の実額だけを使って分解します。旧社名「三愛石油」で記憶している方も、転職先として評価する材料がひととおり揃うように整理しました。

三愛オブリの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず、本記事で扱う数値の出所を先に示します。以下はすべて公式情報で、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は第95期(2026年3月期、2026年6月24日提出)の有価証券報告書「従業員の状況」に記載された提出会社(単体)の値です。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
商号三愛オブリ株式会社(2022年4月1日に「三愛石油株式会社」から商号変更)
証券コード/市場8097/東京証券取引所プライム市場
本店・本社機能本店:東京都品川区東大井五丁目22番5号/本社機能:東京都千代田区大手町二丁目3番2号(2019年4月移転)
設立1952年6月9日(資本金101億2,715万円)
代表者代表取締役社長 隼田 洋
平均年間給与8,232,781円(約823万円)/第95期・提出会社単体・賞与および基準外賃金を含む
平均年齢39.9歳(第95期・2026年3月31日現在・提出会社単体)
平均勤続年数15.0年(第95期・2026年3月31日現在・提出会社単体)
従業員数提出会社(単体)388名/連結1,914名(ほかに臨時従業員1,322名)
売上高6,115億7,000万円(第95期・連結・前期比6.5%減)
営業利益123億5,600万円(第95期・連結・前期比4.6%増)/経常利益134億4,200万円
当期純利益91億9,600万円(親会社株主に帰属する当期純利益・連結)
離職率有価証券報告書では開示されていない
職種別・役職別年収有価証券報告書では開示されていない
出典第95期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」/2026年3月期決算短信/公式会社概要・公式採用サイト

平均年収が1年で178万円下がった|有報5期の実額推移

この記事で最初に押さえてほしいのは、三愛オブリの有報平均年収は直近1年で△17.8%動いたという事実です。年収を理由に応募を検討している方にとって、参照している数字が1期古いかどうかで判断がまるごと変わります。以下は有価証券報告書に記載された平均年間給与の5期推移(いずれも提出会社単体)です。

決算期平均年間給与前期比
2022年3月期(第91期)約675万円—
2023年3月期(第92期)約748万円+73万円
2024年3月期(第93期)約959万円+211万円
2025年3月期(第94期)約1,001万円+42万円
2026年3月期(第95期)約823万円△178万円(△17.8%)

4年で+326万円、その次の1年で△178万円という振れ幅

2022年3月期の675万円から2025年3月期の1,001万円まで、4年で326万円(+48%)上昇しました。そして第95期に823万円へ戻っています。5期を通して見ると、2022年3月期比では+148万円(+21.9%)のプラス圏にあり、直近の減少は「長期的な下降トレンド」ではなく、短期間の大きな振れとして現れているのが実際の形です。

この急変動の理由は、決算短信・有価証券報告書・IRリリースのいずれからも特定できていません。推定情報としては、賞与の変動幅が大きい給与体系である可能性、対象となる従業員の構成(出向者の受入・送出、新卒採用の増加による年齢構成の変化など)が変わった可能性などが考えられますが、いずれも公表資料で裏付けが取れていないため、本記事では理由を断定しません。読者側の実務的な対応としては、面接や内定時に「賞与の支給実績(月数)」と「モデル年収」を必ず確認することが最も確実です。

ネット上に「1,001万円」が残っているのはなぜか

求職者
求職者

別のサイトでは1,001万円と書いてあったのに、823万円が正しいの?

年収比較サイトや経済メディアの年収ページは、更新のタイミング上、第94期(2025年3月期)の1,001万円を掲載したままになっているものが複数あります。どちらかが誤りというより「参照している期が違う」だけです。有価証券報告書によると、最新の第95期(2026年3月期)の平均年間給与は8,232,781円で、公式採用サイトの数値ページでも会社自身が平均年収823万円・平均年齢39.9歳・平均勤続15.0年を掲示しており、有報の値と一致しています。面接や条件交渉で年収の話をするなら、823万円を前提に話すのが最新の事実に沿っています。

この823万円は「誰の」年収か|単体388名と連結1,914名の二層構造

年収の数字以上に重要なのが、その適用範囲です。有価証券報告書によると、三愛オブリの従業員数は提出会社(単体)388名に対し、連結1,914名(ほかに臨時従業員1,322名)。単体が連結に占める比率は約20.3%にすぎません。

三愛オブリは純粋持株会社ではありませんが、実態としては本体が商社機能・管理機能を担い、現業はキグナス石油、三愛オブリガス各社、三愛リテールサービス、三愛オブリカスタマーサービスなどグループ24社(2025年4月時点)が担う二層構造になっています。したがって823万円は本体(提出会社)の総合職を中心とした平均であり、グループ会社に所属するサービスステーション現場、航空機給油のオペレーション、LPガスの配送・保安といった職種の給与水準を示すものではありません。応募先が「三愛オブリ株式会社」なのか「三愛オブリ○○株式会社」なのかで、参照すべき数字はまったく別になります。求人票の雇用主名は必ず確認してください。

平均年齢39.9歳・勤続15.0年が示す組織の変化

有価証券報告書によると、第95期の平均年齢は39.9歳、平均勤続年数は15.0年です。ここで効いてくるのが過去との比較で、2014年3月期は平均年齢43.2歳・平均勤続18.4年、2016年3月期は42.9歳でした。10年強で平均年齢は3.3歳若返り、勤続年数は3.4年短くなっています(勤続年数は2021年3月期15.7年→2023年3月期17.0年→2025年3月期15.4年と単調ではなく、長期トレンドとしての短縮です)。

「石油=重厚長大で年功的」というイメージとは逆方向の動きで、推定情報としては、新卒採用の継続とシニア層の退職・出向による世代交代が進んでいる可能性が考えられます。転職者にとっては、40歳前後がボリュームゾーンの組織に中途で入る形になるため、同世代のプロパー社員が既に主要ポジションを占めている前提でキャリアを設計する必要があります。

売上84%の石油関連より、2.7%の航空関連が稼いだ|利益の逆転

三愛オブリを転職先として見るとき、年収の次に効いてくるのが「どの事業で食べている会社なのか」です。結論から言うと、第95期は売上の84%を占める石油関連の経常利益を、売上比2.7%の航空関連が上回りました。決算短信によると、セグメント別の実額は以下のとおりです。

セグメント売上高(前期比)売上構成比経常利益(前期比)売上高経常利益率
石油関連5,164億円(△7.8%)約84.4%56.7億円(△23.1%)約1.1%
ガス関連585億円(△4.6%)約9.6%23.0億円(+8.8%)約3.9%
航空関連167億円(+16.1%)約2.7%57.1億円(+55.7%)約34.2%
化学品関連128億円(+0.8%)約2.1%11.3億円(△1.6%)約8.8%
その他71.7億円(+24.7%)約1.2%11.8億円(+36.1%)約16.5%

売上高・経常利益は決算短信の公表値、売上構成比と売上高経常利益率は公表値をもとに編集部が算出した数値です(セグメント経常利益の単純合計は全社経常利益134億4,200万円と一致しません。全社共通費等の調整額があるためです)。

石油は「回す事業」、航空は「守る事業」

この表から読み取れるのは、同じ会社の中に収益構造がまったく違う2つの事業が同居しているということです。石油関連は5,164億円を動かして経常利益56.7億円、利益率は約1.1%。大量の玉を仕入れて売る卸売型で、市況と数量に損益が強く連動します。一方の航空関連は167億円の売上で経常利益57.1億円、利益率は約34%に達します。

従業員の内訳も対照的です。連結セグメント別のおおよその人員はガス関連約659名、石油関連約545名、航空関連約441名とされています(二次集計サイトによる有報読み取り値のため推定情報として扱ってください)。仮にこの人数で見ると、石油関連は1人あたり売上が9億円超なのに対し、航空関連は1人あたり4,000万円弱。石油はトレーディング型、航空は人が現場で回すサービス型という違いが、そのまま働き方の違いになります。

羽田空港の給油という参入障壁

航空関連の中身は、東京国際空港(羽田空港)における航空機給油業務です。同社は1955年に日本で初めてハイドラントシステム(地下配管から直接給油する方式)を導入したとされ、現在も羽田の航空機給油を事実上ほぼ一手に担っているとされます(「独占」と明記した一次資料までは確認できていないため、二次情報にもとづく推定情報として記載します)。近年はSAF(持続可能な航空燃料)の受入・給油も実施しています。

転職先として見た場合の意味は明確です。空港内の給油設備は、安全管理・許認可・24時間体制の運用ノウハウが一体になっており、新規参入が容易ではありません。インバウンドと国際線の回復がそのまま売上に効き、かつ競争にさらされにくいという、エネルギー商社としてはかなり特殊なポジションを持っています。仕事内容としても「空港のエプロンで航空機に給油する」という、他のエネルギー商社では経験できない現場が存在します。

業績5期推移と2027年3月期の減益予想|将来性をどう見るか

「三愛オブリ 将来性」で検索している方に向けて、業績の実額から評価軸を提示します。結論としては、売上は石油需要の縮小を受けて減少しているが、利益は増えている(減収増益)というのが第95期の姿です。

決算期連結売上高備考
2022年3月期5,987億円—
2023年3月期6,478億円増収
2024年3月期6,596億円5期中の最高
2025年3月期6,544億円微減
2026年3月期6,115億7,000万円△6.5%/営業利益は+4.6%

決算短信によると、第95期の営業利益は123億5,600万円(+4.6%)、経常利益134億4,200万円(+4.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益91億9,600万円です。直近5期の範囲では赤字期は確認できていません。売上が430億円近く減っても営業利益が増えたのは、前掲のとおり石油関連の減益を航空関連(+55.7%)とガス関連(+8.8%)が上回って補ったためです。

2027年3月期は減益予想、ただし第1四半期は大幅増益

会社予想は売上6,200億円(+1.4%)に対し、営業利益120億円(△2.9%)・経常利益130億円(△3.3%)・当期純利益△10.8%と減益見通しです。一方で第1四半期の実績は売上1,445億78百万円(△6.1%)に対し営業利益34億65百万円(+239.4%)と大幅増益で進捗しています。四半期は在庫評価などの期ずれ要因が入りやすいため単純に通期換算はできませんが、会社計画が保守的に置かれている可能性は読み取れます(推定情報)。

石油需要の縮小というリスクと、それを補っている事業

エネルギー商社業界に共通する構造課題として、ガソリンを中心とする国内燃料油需要が人口減・燃費改善・電動化を背景に長期減少基調にあり、サービスステーション数もピーク時の6万か所超から3割程度の水準まで減り続けている点があります。三愛オブリの石油関連が第95期に△7.8%・経常△23.1%となったのは、この業界全体の流れと整合的です。

ただし、リスクだけを取り出すと実態を誤ります。同社の場合、その減少分を航空関連とガス関連が補って全社では増益になっているのが第95期の結果です。転職先としての将来性は、次の3点をどう評価するかに集約されます。

  • 航空関連:国際線需要とSAF転換が追い風。参入障壁が高く利益率も約34%と高い。全社利益の柱として今後も伸びる余地があるか
  • ガス関連:LPガスは世帯数減少で数量は縮小基調。一方で液石法の省令改正により賃貸住宅の設備費用をガス料金に上乗せする商慣行の是正・料金透明化が2024年以降段階的に義務化され、料金体系の再設計とM&Aによる顧客基盤獲得が競争軸になっている。2026年8月には佐賀ガスと三愛オブリガス三神の合併が公表されており、再編は実際に進んでいる
  • 石油関連:売上規模は最大だが利益率約1.1%。数量減が続く前提で、1SSあたりの採算改善や油外収益の拡大にどこまで踏み込めるか

なお同社は2024年5月14日の取締役会で2024〜2026年度の中期経営計画を決議しており、2026年8月6日には自己株式取得に係る事項も決定しています。編集部の見解として、「石油の会社だから先細り」という単純な図式では評価を誤る一方、「航空が伸びているから安泰」と言い切るのも早計で、航空関連は売上167億円という規模である点は踏まえるべきです。

口コミ評価2.82と公式開示のギャップ|残業・有給・法令順守

次に評判です。三愛オブリの評判を調べると、公式が開示している働き方データと、口コミサイトの集計値に無視できない差があることに気づきます。ここを分解しておくと、面接で何を聞くべきかが明確になります。

公式開示と口コミ集計の突き合わせ

項目公式開示(公式情報)OpenWork集計(口コミ傾向)
月平均残業時間5時間56分(2025年度)22.4時間
有給休暇取得率75.1%(2025年1〜12月)66.0%
育児休業取得率女性100%・男性86.7%(2025年度)—
産休からの復職率100%—

残業時間で約3.8倍、有給取得率で9ポイントの差があります。どちらかが虚偽という話ではなく、集計範囲が違うと読むのが自然です。公式開示は提出会社(単体)の全社平均である一方、口コミは投稿者が偏ります。加えて同社は本体・グループ会社・現場部門が混在する構造のため、部署による繁忙度の差が大きく、全社平均が体感とずれやすい会社である可能性が高いといえます(推定情報)。面接では「配属予定部署の直近の平均残業時間」を部署単位で確認するのが実効的です。

評価スコアが二極化している

OpenWorkの総合評価は2.82/5.0(社員クチコミ全体310件、うち評価回答は59件規模)です。注目すべきは項目別スコアの散らばりで、口コミ傾向としては次のような分布が見られます。

  • 法令順守意識 4.4:突出して高い。危険物・航空燃料・高圧ガスを扱う事業特性上、安全とコンプライアンスの管理が組織に根づいていると読める
  • 待遇面の満足度 2.9/風通しの良さ 2.7
  • 人事評価の適正感 2.4/社員の士気 2.3
  • 20代成長環境 2.2:最も低い項目

「ルールは守られるが、評価と成長実感は伸びていない」という形です。編集部の見解として、法令順守4.4と20代成長環境2.2という2.2ポイントもの開きは、安定志向の人には強み、裁量とスピードを求める人には弱みとして、そのまま反転して効くタイプの評価分布だと考えられます。

口コミで繰り返し出てくるテーマ

OpenWork・転職会議・エン カイシャの評判などに投稿された内容の口コミ傾向を整理すると、次のようなテーマが繰り返し登場します。いずれも個人の投稿であり、会社全体の事実として断定できるものではありません。

  • 月給の水準に対して賞与の比重が大きいという声(年収の変動要因として、前述の有報年収の振れ方とも整合的に読めます)
  • 男性比率が高く、女性社員が少ないという指摘
  • 人手不足により1人あたりの担当範囲・負担が重いという声
  • 石油需要の減少を背景に、会社の将来性への不安を挙げる投稿
  • 給油部門は身体を使う業務が中心で、それが退職検討の理由になったという投稿

口コミの母数は、転職会議179件、エン カイシャの評判が本体188件(総合3.1/正社員33人回答)、キャリコネ18件。加えて三愛オブリガス東日本68件、三愛オブリカスタマーサービス13件(総合3.4)とグループ会社側にも別ページで蓄積されています。読むときは、そのページが本体のものかグループ会社のものかを必ず確認してください。会社名が似ているため、待遇も職種もまったく違う会社の口コミを本体の評判として読み違えやすいポイントです。

三愛オブリはホワイト企業か|離職率と働き方の実データ

「三愛オブリ ホワイト」「三愛オブリ 離職率」で検索している方に向けて、判断材料になる事実だけを短く整理します。まず離職率は有価証券報告書では開示されていません。したがって数値で断定することはできません。代わりに使える公式データは次の3つです。

  • 平均勤続年数15.0年(第95期・単体):新卒入社が30代半ばまで残る計算になり、短期離職が常態化している組織像とは整合しません。ただし長期的には2014年3月期の18.4年から3.4年短縮しています
  • 公式開示の月平均残業5時間56分・有給取得率75.1%:数字としては良好な水準です。一方でOpenWork集計は残業22.4時間・有給66.0%で、部署差の存在が示唆されます
  • 男性育休取得率86.7%・産休復職率100%(2025年度):制度の実運用が進んでいることを示す公式数値です

不祥事・行政処分・重大訴訟については、今回の調査範囲では確認できなかったというのが正確な言い方です(自治体サイトに社名が掲載されている例がありますが、これは地球温暖化対策計画書の提出に関するもので、処分ではありません)。「一切ない」と断言できる材料は持っていないため、断定は避けます。

編集部の見解として、公式データだけを見れば労働時間・休暇・育休の面は良好な部類に入ります。ただし口コミ側で低いのは労働時間ではなく「評価の納得感」と「成長実感」です。ホワイトかどうかを労働時間だけで判断すると、入社後に感じるギャップの中身を取り違える可能性があります。

三愛オブリの就職難易度・採用大学・選考の実際

「就職難易度」「採用大学」「倍率」「インターン」といったキーワードで調べている方向けに、公開情報からわかる範囲を整理します。採用倍率・採用大学の実数は同社が公式に開示しているものではなく、以下は就活情報サイト等の二次情報にもとづく推定情報です。

新卒採用|「普通〜穴場」とされる理由

就活系サイトでは、選考難易度は「普通〜穴場」、採用倍率は約16倍、学歴フィルターは設けられていないとする記述が複数見られます(いずれも二次情報のため断定はできません)。プライム上場・平均年収823万円という条件に対して倍率16倍という水準は、同格の総合商社系・エネルギー系と比べて突出して高いわけではありません。

その背景として推定情報ながら挙げられるのは、①2022年の社名変更により「三愛石油」という知名度の高い旧社名から検索が分散していること、②BtoBかつ最終消費者との接点が薄く、企業名が学生に届きにくいこと、③本体採用の人数枠が単体388名という規模に見合った限定的なものであること、の3点です。つまり「難易度が低い会社」というより「認知の非対称性が残っている会社」と捉えるのが実態に近いと考えられます。

インターンシップについては公式採用サイトで案内が行われています。募集職種・時期は年度により変わるため、公式採用サイトの最新情報を直接確認してください。

中途採用|求められる経験と押さえるべき論点

中途採用の要件は職種によって大きく異なるため一律には言えませんが、事業構造から推定情報として次のような整理ができます。

  • 石油・ガスの卸売営業:特約店・系列店対応、法人向け燃料営業、需給・受発注の実務経験。エネルギー元売・商社・LPガス事業者からの転職と親和性が高い領域です
  • 航空関連:空港内オペレーション、危険物・保安管理、設備管理。物流・プラント・空港関連からの転換が想定されます
  • 化学品関連:128億円規模と小さいものの、化学品商社としての取引経験が活きる領域です
  • コーポレート:単体388名という規模のため、経理・財務・法務・人事は少数精鋭。1人あたりの守備範囲が広くなる可能性が高い

選考で必ず確認しておきたいのは、雇用主が三愛オブリ株式会社本体なのかグループ会社なのか、そして転勤の有無です。同社は全国にガス事業・SS網を持つため、拠点間の異動が発生しうる前提で条件を確認してください。

「三愛石油」からの社名変更とグループ構造・株主構成

旧社名で記憶している方が多いため、同定の情報を整理します。公式情報として、同社は2022年4月1日、創立70周年を機に「三愛石油株式会社」から「三愛オブリ株式会社」へ商号変更しました。転職会議などの口コミサイトが今も「三愛オブリ(旧:三愛石油)」表記を残しているのはこのためです。1952年6月9日にリコー創業者がスタンダード・ヴァキューム石油会社の代理店として発足させたのが起源で、1961年に東証二部上場、1968年に一部指定替え、2022年4月にプライム市場へ移行しています。

親会社を持たない独立系|リコー系の株主構成

有価証券報告書「大株主の状況」(第95期・2026年3月31日現在)によると、上位株主は次のとおりです。

順位株主持株比率
1公益財団法人リコー創業者新技術財団13.38%
2日本マスタートラスト信託銀行(信託口)12.70%
3日本カストディ銀行(株式会社リコー退職給付信託口)9.37%
4NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE FIDELITY FUNDS6.71%
5日本カストディ銀行(信託口)4.09%
6光通信KK投資事業有限責任組合3.26%
7株式会社リコー1.80%
8三愛オブリ持株会1.74%
9ENEOSホールディングス株式会社1.56%
10みずほ信託銀行 退職給付信託 佐賀銀行口1.55%

上位10名の合計は56.18%です。ここから読み取れる転職判断上のポイントは2つあります。第一に、親会社は存在せず、独立経営です。エネルギー商社には親会社の持分が過半を占める親子上場の会社もありますが、三愛オブリはリコー三愛グループの常任理事企業という位置づけで、リコー関連(財団13.38%+退職給付信託9.37%+リコー本体1.80%)を合算しても支配的な比率ではありません。処遇や人事が特定の親会社の方針に直接連動する構造ではない点は、この業界では特徴的です。

第二に、仕入先であるENEOSホールディングスが1.56%の株主でもあり、光通信系のファンドが3.26%を保有しています。推定情報ですが、自己株式取得(2026年8月6日決定)を含め、資本効率への市場からの要請を受けやすい株主構成であるとは言えます。

卸売業6社の有報年収比較|「単体比率」で見え方が変わる

三愛オブリの823万円が高いのか低いのかを判断するには、同じ有価証券報告書「従業員の状況」ベースで並べるのが最も公平です。ここでは同じ2026年3月期決算の卸売業(専門商社)6社を、平均年間給与と単体従業員が連結に占める比率で比較します。すべて公式情報(各社有価証券報告書の実額)です。

企業名(証券コード)平均年間給与前期比単体/連結の人員比率
稲畑産業(8098)約1,005.8万円+2.2%約14.4%
明和産業(8103)約935.5万円前期810万円から増加約33.2%
極東貿易(8093)約868.7万円+12.1%約23.4%
ニチモウ(8091)約841.8万円△1.1%約19.4%
三愛オブリ(8097)約823.3万円△17.8%約20.3%
GSIクレオス(8101)約767.8万円+3.3%約38.1%

この表の読み方には2つのコツがあります。

  • 水準そのもの:三愛オブリの823万円は6社の中位です。減少後の数字でも、卸売業の中で低位に沈んでいるわけではありません。前期の1,001万円であれば首位級でした
  • 単体比率:三愛オブリの約20.3%は、有報年収がカバーしている人数が連結の5分の1にとどまることを意味します。単体比率が38.1%のGSIクレオスと比べれば、有報年収の「代表性」は相対的に低いということです。単体比率が低い会社ほど、有報の平均年収と現場の実感が離れやすいと考えてください

編集部の見解として、有報の平均年間給与は短期間で大きく動くことがある指標です。実際、同じ2026年3月期でも明和産業のように前期810万円から935.5万円へ上振れた会社と、三愛オブリのように1,001万円から823万円へ下振れた会社が同時に存在します。1期だけの数字で会社を評価せず、複数期の推移と単体比率をセットで見るのが実務的な読み方です。

エネルギー商社としての比較対象

職種・事業内容の観点で三愛オブリと比較検討されやすいのは、石油製品・LPガス・電力を扱う伊藤忠エネクス(8133)、LPガス国内最大手で水素にも展開する岩谷産業(8088)、規模感の近いシナネンホールディングス(8132)、そして仕入先かつ株主でもある元売最大手のENEOSホールディングス(5020)です。これらの平均年収は各社の有価証券報告書で確認できますので、必ず同じ決算期・同じ「提出会社(単体)」の値で並べて比較してください。

事業構成の違いも押さえておく価値があります。伊藤忠エネクスは2026年3月期の売上収益8,512億円のうちカーライフ事業が約5,847億円(約69%)を占め、給油所・カーディーラーという小売現場の比重が大きい構造です。推定情報ですが、三愛オブリの場合は航空関連という高収益の専門領域を抱えている分、「現場運営型」と「専門特化型」の中間に位置すると整理できます。

三愛オブリへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式データと口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。

向いている人向いていない人
安全・保安・コンプライアンスを重んじる職場を評価できる人(法令順守意識4.4)スピード重視で裁量を早く得たい人(20代成長環境2.2)
売上規模ではなく利益構造で会社を選べる人。航空・ガスという非石油領域に関心がある人「石油関連が売上84%」というイメージのままエネルギー商社の花形を期待する人
賞与変動を織り込んだうえで年収を設計できる人月給ベースで固定的に年収が積み上がることを重視する人
単体388名という少数精鋭の環境で、守備範囲の広い仕事を歓迎できる人職務範囲が明確に切られた大組織の分業を望む人
全国のガス事業・SS網に関わる異動を受け入れられる人勤務地を固定したい人

三愛オブリに関するよくある質問

三愛オブリへの転職・就職を検討する人からよく寄せられる質問と、公開情報にもとづく回答をまとめました。

三愛オブリの平均年収はいくらですか

有価証券報告書によると、第95期(2026年3月期)の平均年間給与は8,232,781円(約823万円)です。提出会社(単体)388名の値で、賞与および基準外賃金を含みます。前期・第94期は約1,001万円で、対前年△17.8%となっています。ネット上には1,001万円と記載したページが残っていますが、これは1期前の数値です。

「三愛石油」と「三愛オブリ」は同じ会社ですか

同じ会社です。2022年4月1日、創立70周年を機に「三愛石油株式会社」から「三愛オブリ株式会社」へ商号変更しました。証券コードは8097のまま、東証プライム市場に上場しています。口コミサイトによっては現在も旧社名を併記しています。

三愛オブリの就職難易度・採用倍率はどのくらいですか

採用倍率は公式には開示されていません。就活情報サイトでは「選考難易度は普通〜穴場、採用倍率は約16倍、学歴フィルターは設けられていない」とする記述が複数見られますが、いずれも二次情報のため推定情報として扱ってください。社名変更とBtoB中心の事業特性により、企業規模のわりに認知が広がりきっていない可能性があります。

三愛オブリは残業が多いですか

公式開示では月平均残業5時間56分(2025年度)、有給取得率75.1%(2025年1〜12月)です。一方でOpenWorkの集計は月平均残業22.4時間・有給取得率66.0%となっており、口コミ傾向と公式平均には差があります。部署による繁忙度の違いが大きい可能性が高いため、配属予定部署の実績を面接で確認するのが確実です。

連結1,914名なのに単体388名なのはなぜですか

三愛オブリは純粋持株会社ではありませんが、本体が商社機能・管理機能を担い、現業をキグナス石油、三愛オブリガス各社、三愛リテールサービス、三愛オブリカスタマーサービスなどグループ24社(2025年4月時点)が担う構造になっているためです。有報の平均年収823万円は本体388名の値であり、グループ各社の給与水準を示すものではありません。

従業員数が資料によって違うのはなぜですか

基準が異なるためです。有価証券報告書(第95期)の提出会社は就業人員388名、公式採用サイトによると単体494名(2026年4月時点)、公式会社概要では514名(2025年4月1日現在)と記載されています。出向者の扱いや基準日の違いによる差と考えられます(推定情報)。年収と対応するのは有報の388名です。

三愛オブリに不祥事や行政処分はありますか

今回の調査範囲では、行政処分・課徴金・重大訴訟は確認できなかったというのが正確な回答です。「一切ない」と断定できる資料は持っていません。なお自治体サイトへの社名掲載が見られる場合がありますが、地球温暖化対策計画書の提出に関するもので、処分ではありません。

三愛オブリへの転職判断まとめ

最後に、ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と労働条件通知書、そして自分の経験・志向を照らし合わせて行ってください。

判断軸評価と根拠
年収水準有報第95期823万円は卸売業6社比較で中位。ただし前期比△17.8%で振れ幅が大きく、賞与比率の確認が必須(公式情報+推定情報)
年収の適用範囲単体388名の値で、連結1,914名の約20.3%のみをカバー。グループ会社は別水準(公式情報)
収益構造売上84%の石油関連は経常△23.1%、売上2.7%の航空関連が経常+55.7%で最大の利益源に。稼ぎ頭が入れ替わった(公式情報)
将来性石油需要の構造的縮小はリスク。ただし航空・ガスが補い第95期は減収増益。2027年3月期会社予想は減益だが第1四半期は営業+239.4%(公式情報+推定情報)
働きやすさ公式は残業5時間56分・有給75.1%・男性育休86.7%と良好。口コミ集計は残業22.4時間で部署差が示唆される(公式情報+口コミ傾向)
組織風土法令順守意識4.4が突出。一方で20代成長環境2.2・人事評価の適正感2.4と低調(口コミ傾向)
選考難易度採用倍率約16倍・学歴フィルターなしとの記述が複数(いずれも二次情報=推定情報)
資本の独立性親会社なし。リコー関連が実質11%超、ENEOS HDが1.56%(公式情報)

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第95期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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