三谷セキサンの年収699万7千円|5期で経常利益2.26倍の中身
※本記事にはプロモーションを含みます。
三谷セキサンについてネット上で見かける数字は、多くが古いままです。「平均年収621万円」「売上637億円」といった記述を見かけたら、それは数年前のものです。
最新の有価証券報告書(第93期/2026年3月期)に載っている数字はこうです。提出会社の平均年間給与6,997千円、連結売上高998億5,400万円。
そのうえで、この会社を見るときにいちばん面白いのは年収ではありません。売上が5期で1.29倍にしかなっていないのに、経常利益が2.26倍になっていることです。
結論|売上より利益が伸びている。財務は極めて強い
| 評価項目 | 判定 | 根拠(第93期/2026年3月期) |
|---|---|---|
| 売上の伸び | ○ | 連結998億5,400万円。5期で+29.1% |
| 利益の伸び | ◎ | 連結経常利益189億2,300万円。5期で2.26倍 |
| 収益性 | ◎ | 売上高経常利益率19.0%(5期前は10.8%) |
| 財務の安全性 | ◎ | 自己資本比率71.9%、ROE14.5% |
| 年収水準 | ○ | 提出会社の平均年間給与6,997千円(前期比**+4.39%**) |
| 人員 | △ | 連結1,117名 → 1,095名。臨時従業員は385名 → 429名 |
| 女性管理職比率 | × | 0.0% |
向いている人:福井・北陸で腰を据えて働きたい人。財務の安定を重視する人。情報関連事業があるためITの仕事もある会社です。
慎重に考えたい人:女性管理職を目指す人。提出会社の管理職に女性は0.0%です。
この記事の調査条件
使ったのは有価証券報告書の原本だけです。
- 第93期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月25日提出/EDINET書類管理番号 S100YJGQ、北陸財務局長宛)……主要な経営指標等の推移(第89期以降の5期)、従業員の状況等、事業等のリスク
- 同一性の確定:証券コード5273 / EDINETコード E01169 / 法人番号 9210001004020 / 本店 福井県福井市豊島1丁目3番1号
- 確認日:2026年9月6日
- 口コミサイトの推定年収は根拠に使っていません
判定の手順は臨時雇用を含めた従業員数の読み分けにまとめています。

売上より利益が伸びている
連結の5期推移です。
| 決算期 | 売上高 | 経常利益 | 経常利益率 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期(第89期) | 773億2,000万円 | 83億7,300万円 | 10.8% | 53億2,200万円 | 64.7% |
| 2023年3月期(第90期) | 860億7,500万円 | 109億円 | 12.7% | 82億100万円 | 66.5% |
| 2024年3月期(第91期) | 831億1,600万円 | 134億1,700万円 | 16.1% | 92億5,100万円 | 68.9% |
| 2025年3月期(第92期) | 877億6,500万円 | 149億4,800万円 | 17.0% | 101億7,500万円 | 70.7% |
| 2026年3月期(第93期) | 998億5,400万円 | 189億2,300万円 | 19.0% | 137億8,200万円 | 71.9% |
売上は5期で+29.1%ですが、経常利益は2.26倍、純利益は2.59倍です。
いちばん重要なのは経常利益率が10.8%から19.0%へ、8.2ポイント上がっていることです。売上を伸ばしたから利益が出たのではなく、同じ売上からより多くの利益を残せるようになったということです。
自己資本比率も64.7%から**71.9%**へ上がりました。自己資本利益率(ROE)は14.5%です。利益率が高く、借金が少なく、それでいて資本効率も落ちていないという、かなり珍しい組み合わせです。
なお2026年4月1日付で、普通株式1株につき4株の株式分割を行っています。
従業員は減っている。ただし臨時は増えている
ここが読みどころです。連結従業員数の推移を見てください。
| 決算期 | 連結従業員数 | 臨時従業員(外数) |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 1,117名 | 385名 |
| 2023年3月期 | 1,138名 | 373名 |
| 2024年3月期 | 1,147名 | 408名 |
| 2025年3月期 | 1,174名 | 417名 |
| 2026年3月期 | 1,095名 | 429名 |
就業人員は前期の1,174名から1,095名へ79名減り、臨時従業員は417名から429名へ12名増えています。
有報には減少の理由が書かれていないため、**当サイトは推測を書きません。ただし、「従業員数1,100名超の会社」として見るときは、この429名が外数であることを知っておく価値があります。**臨時従業員には季節工・パートタイマー・嘱託契約社員が含まれ、派遣社員は含まれません。
提出会社(単体)の状況
| 項目 | 2026年3月31日現在 |
|---|---|
| 従業員数 | 359名(臨時90名は外数) |
| 平均年齢 | 40.06歳 |
| 平均勤続年数 | 11.00年 |
| 平均年間給与 | 6,997千円 |
| 平均年間給与の対前事業年度増減率 | +4.39% |
**平均年間給与6,997千円は、連結1,095名ではなく提出会社359名の数字です。**この359名のうち341名がコンクリート二次製品関連事業、18名が全社共通です。
有報の人材戦略には、賃金について次のように書かれています。
市場動向を踏まえて決定する定期昇給およびベースアップを継続的に実施することで、従業員の処遇向上および安定的な賃金水準の向上に努めております。
+4.39%という実績は、この記述と整合しています。
コンクリート会社の中にIT部門がある
連結従業員1,095名の内訳を見ると、この会社の形が分かります。
| セグメント | 連結従業員数(臨時は外数) |
|---|---|
| コンクリート二次製品関連事業 | 657名(208名) |
| 情報関連事業 | 164名(11名) |
| その他事業 | 256名(207名) |
| 全社(共通) | 18名(3名) |
| 合計 | 1,095名(429名) |
**情報関連事業に164名。連結従業員の15%です。**連結子会社に福井システムズ株式会社があり、この事業を担っています。
コンクリートパイルのメーカーを探していてこの会社に行き着いた人には見えにくい部分ですが、IT系の仕事もある会社ということです。求人がどのセグメントのものかで、働く内容はまったく変わります。
なお「その他事業」は256名に対して臨時従業員が207名と、ほぼ同数です。セグメントによって雇用の形が大きく違います。
会社自身がリスクとして挙げていること
有報の【事業等のリスク】には、次のように書かれています。
当社グループの主力のパイル部門の全体需要は、**民間需要に大きく影響される状況にあります。**想定以上に需要が落ち込んだ場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが展開する事業において、価格競争の熾烈化や、新しい競合先の市場参入によって当社グループの製品及びサービスが厳しい価格競争にさらされることで当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
利益率19.0%という現在の水準は、価格競争が起きれば維持できないと会社自身が書いているということです。転職を検討するなら、この前提は押さえておいてください。
数字で見える弱点|女性管理職比率0.0%
有報には、女性活躍推進法などに基づく開示義務項目があります。会社が良く見せられない部分も出さなければならない欄です。
| 指標(提出会社) | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 61.9% |
| 男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 72.8% |
| 男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 63.7% |
**提出会社の管理職に女性は1人もいません。**製造業・建設資材という業種特性はありますが、事実として押さえておく必要があります。
男女の賃金差異について、会社は有報に次の注記を付けています。
同一労働の賃金に差はなく、職階別人員構成の差によるものであります。
**この説明は、女性管理職比率0.0%と整合しています。**同じ仕事なら賃金は同じだが、上位職階に女性がいないため全体では61.9%になる、という構造です。
なお連結子会社では、セキサンピーシー株式会社が女性管理職0.0%、福井システムズ株式会社が4.0%です。
転職先として見たときの判断材料
3つの数字の組み合わせ
年収↑(+4.39%)・勤続11.00年・連結従業員↓(1,174→1,095名)。会社の状態を判定するための対照表の判定表でいう「採用を絞っている」に近い形ですが、臨時従業員は増えているため単純には当てはまりません。就業人員と臨時従業員を分けて見る必要があります。
同じ「従業員数」でも中身が違う例は、正社員より臨時従業員が多い会社の記事でも扱っています。
財務は文句なく強い
自己資本比率71.9%、経常利益率19.0%、ROE14.5%。**この3つが同時に成立している会社は多くありません。**倒産リスクを心配する種類の会社ではありません。
セグメントを確認する
コンクリート二次製品657名・情報関連164名・その他256名。求人票がどのセグメントのものかは必ず確認してください。
よくある質問
三谷セキサンの平均年収はいくらですか
有価証券報告書の「従業員の状況」に記載された提出会社の平均年間給与は、2026年3月期で6,997千円(約699万7千円)です。賞与および基準外賃金を含みます。**この数字に含まれるのは三谷セキサン単体の359名で、連結子会社の従業員は含まれません。**ネット上でよく見る「621万円」は、これより古い期の数字です。
従業員数は何人ですか
2026年3月31日現在で、連結1,095名(臨時従業員429名は外数)、提出会社359名(臨時90名は外数)です。「約1,179名」という記述を見かけたら、それは古い数字か、臨時従業員の扱いが違う数字です。
残業時間や離職率はわかりますか
**有価証券報告書に残業時間・離職率の開示はありません。**当サイトでは推定値を掲載していません。わかるのは平均勤続年数が11.00年であること、男性の育児休業取得率が50.0%であることです。
業績は好調ですか
**5期連続で経常利益が伸びています。**第93期は売上998億5,400万円・経常利益189億2,300万円で、経常利益率は19.0%です。ただし会社自身が有報で「民間需要に大きく影響される」「価格競争の熾烈化」をリスクとして挙げています。
コンクリート以外の仕事もありますか
あります。連結従業員1,095名のうち情報関連事業に164名が在籍しています(連結子会社の福井システムズ株式会社)。ほかに「その他事業」が256名です。
まとめ
- 平均年間給与6,997千円(提出会社359名)、前期比+4.39%。ネット上の「621万円」は古い数字
- 連結売上は5期で**+29.1%**だが、経常利益は2.26倍、純利益は2.59倍
- 経常利益率が10.8%→19.0%へ8.2ポイント改善。売上より利益の伸びが大きい
- 自己資本比率71.9%、ROE14.5%。財務は極めて強い
- 連結従業員は1,174名→1,095名と減少。一方臨時従業員は417名→429名と増加
- 情報関連事業に164名(連結の15%)。コンクリート会社だがIT部門がある
- **女性管理職比率0.0%。**男女賃金差異61.9%について、会社は「職階別人員構成の差」と説明している
- 会社自身が民間需要への依存と価格競争をリスクに挙げている
**財務と収益性で見るなら、当サイトが扱ってきた会社のなかでも上位です。**一方で、女性管理職0.0%という数字は、キャリアの見通しに関わる人にとって無視できません。どちらも同じ有報に書いてあります。
※本記事の数値は2026年9月6日時点で公開されている有価証券報告書に基づきます。最新の情報は必ず公式のIR資料でご確認ください。
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参考・出典
- 三谷セキサン株式会社 第93期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月25日提出/EDINET書類管理番号 S100YJGQ):https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100YJGQ.pdf
- 金融庁 EDINET(有価証券報告書等の電子開示システム):https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/

