栄電子(7567)の評判と年収507万円|秋葉原・従業員81名、半導体サイクルで揺れる商社
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 同定が最初の関門:秋葉原・千代田区外神田の証券コード7567。似た社名の会社とは別法人
- 年収:有価証券報告書の平均年間給与は約507万円(第59期・従業員81名)
- 業績:売上は108億→64億→73億円と半導体サイクルで変動、ただし直近10期に赤字期なし
- 働き方:残業は少なめという口コミ傾向、一方で給与納得度への不満が集まる
「栄電子」で検索すると、株価情報のページと、名前のよく似た複数の会社が入り混じって表示されます。転職先として検討している会社が本当にこの記事の対象なのか、まずそこから確かめる必要があるほど社名が紛らわしい企業です。この記事では、東京都千代田区外神田(秋葉原)に本社を置く株式会社栄電子(証券コード7567・東証スタンダード市場)について、第59期(2026年3月期)有価証券報告書の実額をもとに年収・業績・働き方・将来性を整理します。軸に置いたのは、納品先の50%超が半導体製造装置向けという事業構造が、売上と利益をどれだけ大きく振らせているかの分解です。
まず整理:証券コード7567の「株式会社栄電子」と、名前が似た別法人
結論として、転職先を調べるときは証券コード7567・本社が東京都千代田区外神田2-9-10という2点で会社を特定してください。これを最初に確認しておくと、以降の年収情報や口コミを取り違えずに読めます。
株式会社栄電子(英文社名 SAKAE ELECTRONICS CORPORATION)は、1967年創業・1971年に株式会社化された、秋葉原発の独立系電子部品商社です。1997年10月に店頭登録、2004年12月にジャスダック上場、2013年7月に東証JASDAQを経て、2022年4月の市場再編で東京証券取引所スタンダード市場に移行しました(公式情報/EDINETコード E02878)。本社は2008年12月竣工の自社ビルで、秋葉原の電気街に隣接する立地です。時価総額はおよそ30億円規模の小型株にあたります。
検索で混ざりやすい「別法人」を先に切り分ける
「栄電子」を含む社名の企業は国内に複数存在し、検索候補にも同時に並びます。以下はいずれも証券コード7567の株式会社栄電子とは資本関係のない別法人です。求人サイトや口コミサイトを見るときは、社名の一致だけで判断しないでください。
- 三栄電子/三栄電子株式会社
- 共栄電子
- 協栄電子株式会社
- 栄電子工業株式会社(新潟・東松山などの地名と一緒に検索されることが多い)
- 松栄電子研究所
- 山栄電子
- 東海神栄電子工業
本記事ではこれら別法人の評判・年収・事業内容には立ち入りません。「同名ではないこと」を確認するための一覧です。なお読み方は、公式英文社名が SAKAE ELECTRONICS であることから「さかえでんし」です。
「なんの会社か」を一文で言うと

秋葉原の会社みたいだけど、結局なにを売っている会社なんですか?
ひとことで言えば、産業機器メーカー向けに電子部品を仕入れて売る独立系の専門商社で、その納品先の半分以上が半導体製造装置メーカーとそのサプライヤーです。自社で部品を製造するメーカーではなく、特定の大手メーカーの系列にも属していません。次の章で事業構造を具体的に分解します。
株式会社栄電子の公式データ一覧(第59期・2026年3月期 有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。第59期は2025年4月1日から2026年3月31日までの事業年度で、有価証券報告書は2026年6月25日に提出されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社栄電子(SAKAE ELECTRONICS CORPORATION) |
| 証券コード/市場 | 7567/東京証券取引所スタンダード市場(EDINETコード E02878) |
| 本社所在地 | 東京都千代田区外神田2-9-10(秋葉原・自社ビル) |
| 創業/株式会社化 | 1967年創業/1971年株式会社化 |
| 代表者 | 代表取締役社長 津田 百子 氏(2020年10月就任) |
| 平均年間給与 | 5,066,831円(約507万円)/第59期・提出会社 |
| 平均年齢 | 41.0歳/第59期・提出会社 |
| 平均勤続年数 | 11.2年/第59期・提出会社 |
| 従業員数 | 提出会社(単体)81名・連結85名(第59期末。臨時従業員6名は別途)。公式サイトの会社概要は「91名(2026年3月末現在)」と表記 |
| 売上高 | 連結73億30百万円(2026年3月期・前期比+14%) |
| 営業利益 | 連結1億39百万円(前期比2.2倍・営業利益率1.9%) |
| 経常利益/純利益 | 経常1億54百万円/親会社株主に帰属する当期純利益1億13百万円(前期比3.1倍) |
| 自己資本比率 | 65.5%(2026年3月期末) |
| 翌期会社予想 | 2027年3月期:売上90億円(+22.8%)・営業利益1億76百万円(+26.6%)・純利益1億30百万円(2026年5月公表値) |
| 事業セグメント | 電子部品販売の単一セグメント。連結売上の約93%を提出会社単体が占める |
| 拠点 | 本社(秋葉原)+全国9営業所体制(宮城・長野・山梨・埼玉・西東京・神奈川・大阪・熊本など) |
| 子会社 | 国内子会社1社(1977年設立)/台湾子会社1社(2026年4月設立) |
| 出典 | 第59期 有価証券報告書「従業員の状況」および決算数値/公式サイト会社概要/公式IR |
1点だけ出典の性格を明記しておきます。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数は有価証券報告書「従業員の状況」に記載された数値ですが、本記事の執筆にあたってはEDINETの原本PDFではなく、日経電子版の企業概要(有価証券報告書由来)と企業情報データベースの有報転記値を突き合わせて確認しています(平均年間給与は507万円と506万円で一致、平均勤続年数は転記値のみに記載)。数値の一致は取れていますが、二次経由の確認である点はご承知おきください。応募・内定の判断に使う際は、EDINETで第59期有価証券報告書の原本を直接ご確認いただくのが確実です。
何を売っている会社か|納品先の50%超が半導体製造装置向けという事業構造
この章の結論は、栄電子の売上は「電子部品」という商材で決まっているのではなく、「誰に売っているか」で決まっているということです。ここを理解すると、次章の業績変動が一気に腑に落ちます。
取扱商材:電源・コネクタを軸に、EMSと新商材で付加価値を積む
主力商材は、スイッチング電源(TDKラムダ)、コネクタ(日本圧着端子製造、ハーティング、山一電機など)、抵抗・コンデンサといった一般電子部品です。加えて英国TTエレクトロニクスの国内総代理店を2014年から務めており、独立系ながら特定商材で代理店ポジションを持っています。
さらに、部品を売るだけでなく次の付加価値サービスを持っているのが同社の特徴です(公式情報/公式サイト事業紹介)。
- EMS/アッセンブリ:ボード・ケーブルハーネス・ユニットの受託組立
- 新商材:Raspberry Pi、各種センサなど従来の受動部品とは異なる領域
- 通販サイト:小口・少量ニーズへの対応
電子部品商社業界では、部品単価の下落と価格情報のオープン化により、仕入と販売の差額(口銭)だけで利益を確保しにくくなっています。中堅・独立系がケーブルハーネスやユニット組立、電源・コネクタの選定支援、キッティングといった「モノ+サービス」で差別化を図るのは業界共通の動きで、栄電子のEMS・新商材もこの流れの中にあります。推定情報ですが、営業職として入社した場合、単なる価格取次ではなく電源やコネクタの技術知識を前提にした提案を求められる比重が、今後さらに高まる可能性があります。
顧客構造:半導体製造装置サプライヤーへの集中
最大の特徴は、納品先の50%超が半導体製造装置メーカーおよびそのサプライヤーとされることです。半導体製造装置は、装置1台に大量の電源・コネクタ・制御部品を使う一方、装置メーカーの受注は世界の半導体設備投資動向にそのまま連動します。つまり栄電子の売上は、半導体メーカーの設備投資判断から数四半期遅れて動く構造になっています。
この集中は諸刃です。好況期には少人数でも売上が跳ね上がる一方、調整局面では受注が一斉に止まります。実際にどれだけ振れたのかを、次章で5期分の実数で確認します。
拠点構造:顧客工場のそばに置く少人数の営業所
半導体製造装置や産業機器のメーカー・サプライヤーは、東北・甲信・関東北部・九州など地方に工場が分散しています。そのため部品商社は顧客工場の近くに営業所を置くルート営業型のモデルを取ります。栄電子も本社に加えて宮城・長野・山梨・埼玉・西東京・神奈川・大阪・熊本などに営業所を構える9営業所体制で、公式にはU・Iターン採用の受け皿としても紹介されています(公式情報/公式採用サイト)。
転職検討者にとって実務的に重要なのは、従業員81名を9営業所+本社に配分している点です。1拠点あたりの人数は非常に少なく、営業所勤務なら営業活動だけでなく在庫・納期調整・顧客対応まで幅広く担う働き方になると推定情報として考えられます。裁量を得やすい反面、業務が属人化しやすい可能性も併せて見ておきたい点です。
売上108億→64億→73億円|半導体サイクルで振れる業績を5期で分解する
この章がこの記事の中心です。結論を先に言うと、栄電子の業績変動は「大きい」が「赤字にはなっていない」という二つの事実をセットで理解することが、転職判断の分かれ目になります。片方だけを見ると評価を誤ります。
連結売上高・営業利益の5期推移
公式情報として、有価証券報告書・決算短信ベースの推移は次の通りです。
| 決算期 | 連結売上高 | 連結営業利益 | 局面 |
|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 90.1億円 | — | 回復・拡大局面 |
| 2023年3月期 | 108.0億円(ピーク) | 8.81億円(ピーク) | 半導体設備投資の好況 |
| 2024年3月期 | 83.7億円 | 3.19億円 | 調整入り |
| 2025年3月期 | 64.3億円(ボトム) | 0.63億円 | 調整の底 |
| 2026年3月期 | 73.3億円(+14%) | 1.39億円(2.2倍) | 回復の入口 |
| 2027年3月期(会社予想) | 90億円(+22.8%) | 1.76億円(+26.6%) | 2026年5月公表の予想値 |
数字を並べ替えると、変動の大きさがはっきりします。売上はピークの108.0億円からボトムの64.3億円まで約40%減、営業利益は8.81億円から0.63億円まで約93%減しています。売上の減少率に対して利益の減少率が3倍近く大きいのは、商社の固定費(人件費・拠点維持費)が短期的には減らないためです。逆に回復局面では、2026年3月期のように売上+14%に対して営業利益2.2倍というレバレッジが効きます。
「赤字期はない」という、もう一方の事実
ここを見落とすと評価を誤ります。直近10期(2017年3月期〜2026年3月期)に営業赤字・最終赤字の期はありません。業績のボトムだった2025年3月期でさえ、営業利益0.63億円・純利益0.37億円で黒字を確保しています。2026年3月期末の自己資本比率は65.5%で、卸売業としては厚めの自己資本を保っています。
この2点が意味するのは、栄電子の変動リスクは「会社の存続」の水準ではなく、「賞与・昇給・採用の勢い」の水準で現れやすいということです(推定情報)。転職検討者が想定すべきは倒産リスクよりも、入社タイミングによって処遇の伸び方が変わる可能性のほうだと考えられます。
営業利益率1.9%という薄さをどう読むか
2026年3月期の営業利益率は1.9%です。回復局面に入ってなおこの水準であること、ピーク期の2023年3月期でも8.81億円÷108.0億円=約8.2%だったことを踏まえると、好況期でも一桁台後半、平常時は1〜3%台という収益構造と見るのが妥当です。商社は在庫と与信を負って口銭を得る業態なので、この薄さ自体は業界としては珍しくありません。ただし利益率が薄いほど、原価上昇・在庫評価・為替の影響が利益を押し下げやすくなります。
なお2027年3月期については、2026年5月に公表された会社予想(売上90億円・営業利益1億76百万円)を本記事の基準値として使用しています。四半期決算の進捗に応じて業績予想が見直される可能性はありますが、修正の有無を一次資料で確認できていないため、本記事では2026年5月公表値のみを用いています。応募前には最新の適時開示・決算短信で必ず最新の会社予想をご確認ください。
半導体設備投資は世界的にAI・データセンター向け先端半導体が需要をけん引する一方、成熟プロセス向けや中国向けには不透明感が残るというのが業界共通の見方です。栄電子のように装置サプライヤー向け比率が高い商社を受ける場合、面接で確認すべきは次の3点だと考えられます(推定情報)。
- 売上構成のうち、半導体製造装置向け以外(産業機器・その他)をどこまで伸ばす方針か
- 調整局面の2024〜2025年に、人員・拠点・賞与をどう扱ったのか(過去の実績=将来の目安になる)
- EMS・新商材・通販といった付加価値領域が、粗利にどれだけ寄与しているか
栄電子の年収|有報507万円と口コミ280〜395万円の差はどこから来るか
結論から言うと、公式の平均年間給与は約507万円、一方で口コミサイトの自己申告平均は280〜395万円と、100万円以上の開きがあります。この差は「どちらかが嘘」ではなく、母集団の違いで説明できます。年収を判断材料にするなら、この構造を理解したうえで自分に当てはまる帯を見極める必要があります。
1. 公式の平均年間給与と、その前提
有価証券報告書によると、第59期(2026年3月期)の提出会社の平均年間給与は5,066,831円(約507万円)、平均年齢41.0歳、平均勤続年数11.2年、従業員数81名です(公式情報)。前述の通り、これらはEDINET原本ではなく有報の転記値を複数ソースで突き合わせて確認した数値です。
ここで重要なのは、栄電子が持株会社ではなく事業会社そのものである点です。連結85名のうち81名が提出会社単体の従業員で、連結売上の約93%も提出会社が計上しています。持株会社形態の企業では「提出会社=本社管理部門数十名の給与」が有報に載り、現場の実態と乖離することがありますが、栄電子の場合は有報の507万円がほぼそのまま現場の平均を表していると読んでよい構造です。これは小型企業ならではの、データの読みやすさという利点です。
平均年齢41.0歳・平均勤続11.2年という組み合わせも見ておく価値があります。勤続11.2年は、平均年齢から逆算するとおおむね30歳前後で入社して定着している層が中核であることを示唆します(推定情報)。新卒一括採用で固めた組織というより、中途入社を含めて長く残る人が中心の構成と考えられます。
2. 口コミサイトの自己申告年収との乖離
口コミ傾向として公開されている自己申告ベースの数値は次の通りです。
| 情報源 | 年収の目安 | 母数・前提 |
|---|---|---|
| 有価証券報告書(第59期) | 約507万円 | 提出会社の従業員81名全体の平均・平均年齢41.0歳 |
| エン カイシャの評判 | 約395万円 | 自己申告・回答者の平均年齢34歳 |
| キャリコネ | 約280〜320万円 | 自己申告・全18件の投稿ベース |
| OpenWork | — | 年収データの登録は5件と極少 |
差の説明として、次の3つが考えられます(推定情報)。
- 年齢差:有報の平均年齢41.0歳に対し、エンの回答者平均は34歳。7歳分の差は、年功的な要素が残る企業であれば100万円前後の差になり得ます
- 職種の偏り:口コミ投稿は事務・若手営業に偏りやすく、管理職・ベテラン営業の水準が反映されにくい傾向があります
- 母数の極小さ:OpenWorkの年収データはわずか5件、キャリコネは全体で18件です。統計として扱える規模ではなく、1〜2人の投稿で平均が数十万円動きます
したがって、「本当の年収は280万円だ」とも「誰でも507万円もらえる」とも言えません。実務的な読み方は、「20代後半〜30代前半なら300万円台後半〜400万円台、40代前後・勤続10年超の中核層で500万円台が平均線」という推定情報としてのレンジ把握です。
3. 内定前に必ず確認したい年収の実務ポイント
小規模企業ほど、平均値より「自分に提示される条件」が全てです。以下は労働条件通知書と面接で確認しておきたい項目です。
- 賞与の算定根拠:業績連動の比率。営業利益が0.63億円→1.39億円と2倍以上動く会社なので、賞与の変動幅は事前に確認する価値があります
- みなし残業の有無と時間数:提示額に何時間分が含まれているか
- 営業所勤務時の手当:住宅補助・車両・出張規程
- 昇給の実績:調整局面だった2024〜2025年の昇給がどうだったか
- 株式給付信託の対象範囲:2026年8月に従業員向け株式給付信託が導入されており、対象・付与条件は待遇の一部として確認したいところです
評判・働き方の口コミ傾向|残業19.1時間の一方で、給与納得度は50%
結論として、口コミの傾向は「労働時間は同業他社より抑えめ、ただし給与水準と会社の方向性への不満が集まる」という一方向にまとまっています。ただし前提として、全サイト合わせても投稿は100件強、回答者は延べ数十名規模にとどまります。個別の意見をこの会社全体の実態として一般化することはできません。
3サイトのスコアと定量データ
口コミ傾向として公開されている数値は次の通りです。
| 項目 | OpenWork | エン カイシャの評判 | キャリコネ |
|---|---|---|---|
| 総合スコア | 2.42(回答11人・クチコミ64件) | 2.9(正社員12名回答・52件) | 2.4(18件) |
| 残業時間 | 月19.1時間 | 月31時間 | サービス残業1〜2時間との投稿あり |
| 休暇関連 | 有給消化率34% | 休日の納得度80% | 産休・育休への肯定的評価 |
| 給与関連 | 待遇満足度2.5 | 年収の納得度50% | 給与の低さを挙げる投稿が中心 |
| その他の項目 | 社員の士気2.1/風通し3.0/法令順守2.2/20代成長2.5 | 良い点=成長性・事業独自性・休みやすさ | 良い点=穏やかな雰囲気・女性の働きやすさ |
会社側の情報も併記しておきます。転職求人サイトに掲載された同社の求人票では、「ノルマなし」「既存顧客中心のルート営業」「未経験歓迎」「平均残業月10時間」が訴求されています(公式情報としての求人票記載=会社側が公表した条件)。OpenWorkの19.1時間、エンの31時間、求人票の10時間には開きがありますが、いずれも「電子部品商社の営業として突出して長い」とは言いにくい水準です。
良い評価に共通するテーマ
3サイトで重複して挙がっているのは次の3点です。
- 休みやすさ・時間の読みやすさ:既存顧客のルート営業が中心で、飛び込みや過大なノルマの言及がほとんど見られない
- 穏やかな職場の雰囲気:少人数組織で人間関係の摩擦に関する投稿が相対的に少ない
- 女性の働きやすさ・産休育休:キャリコネで明確に良い点として挙がっている。後述する役員の女性比率とも整合する
エンでは「成長性」「事業独自性」も良い点として挙がっています。半導体製造装置向けという明確なポジションを持つことが、社員側からも会社の特徴として認識されていると読めます。
気になる評価に共通するテーマ
一方、繰り返し挙がる懸念は次の通りです。いずれも口コミ傾向であり、事実として断定するものではありません。
- 給与水準への納得感:エンの年収納得度50%、OpenWorkの待遇満足度2.5、キャリコネの「給与の低さ」。3サイトすべてで一致している唯一のネガティブ項目です
- 有給の消化しづらさ:OpenWorkの有給消化率34%は、休日納得度80%という評価と一見矛盾します。「土日祝の休みは取りやすいが、有給は使いにくい」という状態である可能性が考えられます(推定情報)
- 社員の士気・法令順守スコアの低さ:OpenWorkの社員の士気2.1、法令順守2.2は同サイトの平均と比べても低い水準です。ただし回答者11人・年収データ5件という母数の小ささは重ねて留意が必要です
- 専門性・キャリアへの不安:キャリコネに「専門性が身につきにくい」「経営方針が不安定」という投稿があります
- 職場環境:エンで「古い建物」「活気不足」という指摘があります
なお、キャリコネに見られる「経営層の頻繁な交代」「サービス残業1〜2時間」といった記述については、投稿件数が少なく個人の主観にもとづくもので、公開情報からは事実確認ができていません。本記事ではこれらを事実として扱わず、そうした投稿が存在するという事実のみを記載しています。
あわせて、行政処分・訴訟・不祥事に関する情報は、適時開示・報道を含む公開情報の範囲では見当たりませんでした。存在しないことの証明ではありませんが、記事作成時点で該当する事実は把握していません。
株主構成と経営体制|創業家中心のオーナー企業、一方で役員の女性比率は37.5%
この章の結論は、「意思決定が速く安定している」と「少数株主・従業員から見た同族性のリスク」が同じ一つの構造から生まれているということです。転職判断では、この両面をセットで見る必要があります。
公式情報として、栄電子には親会社がなく独立系ですが、大株主は創業家の個人株主と関連会社で構成されています。上位株主の持分は、創業家個人が24.3%、関連会社が8.71%、創業家個人が7.59%、関連会社が7.28%、創業家個人2名がそれぞれ5.91%で、これらを合わせると議決権のおよそ6割に達します。社員持株会も0.92%を保有しています。個人株主の氏名は本記事では扱いません。
この構造の含意を両面で整理します。
| オーナー企業であることの含意(プラス面) | 同じ構造から生じる留意点(マイナス面) |
|---|---|
| 敵対的買収や短期投資家の圧力を受けにくく、方針が長期で一貫しやすい | 経営方針への社外からのチェック機能が働きにくい可能性がある |
| 意思決定が速く、少人数組織との相性がよい | 取締役会の構成上、少数株主の意向が反映されにくい構造になりやすい |
| 短期業績で人員を大きく増減させにくく、調整局面でも雇用が保たれやすい | 処遇制度・評価制度が経営陣の裁量に左右されやすいと感じる社員が出やすい |
右列はいずれも推定情報であり、栄電子で実際にそうした運用がなされていると断定するものではありません。ただし、キャリコネで「経営方針の不安定」という投稿が見られる点と、株主構成上の同族性は、面接で経営方針・中期計画の継続性を確認する動機にはなります。
もう一つ、小型上場企業としては特徴的な事実があります。2020年10月に女性が社長に就任しており、役員8名中3名(37.5%)が女性です(公式情報)。従業員規模81名の東証スタンダード企業でこの比率は高い部類に入ります。キャリコネの口コミで「女性の働きやすさ」「産休・育休」が良い点として挙がっていることとも、方向性は整合します。加えて2025年3月には健康経営優良法人の認定を受けています。これらは制度面での取り組みが一定程度あることを示す公式情報です。
電子部品商社としての将来性|台湾法人・EMS・付加価値シフトをどう評価するか
結論として、栄電子の将来性は「半導体サイクルに乗れるか」ではなく、「サイクルの振れ幅を、付加価値と地域分散でどれだけ均せるか」で評価するのが妥当だと考えられます。会社が打っている手は、まさにその方向に揃っています。
打ち手1:台湾拠点の法人化
同社は2025年4月に台北駐在員事務所を開設し、2026年4月に台湾法人を設立しています(公式情報)。半導体のサプライチェーンは装置・部材ともに台湾・東南アジアへの広がりが続き、日本の装置メーカーの現地生産・現地調達に商社が追随する形になります。従業員81名の企業が海外法人を立ち上げるのは相応の投資判断で、語学や海外取引実務の経験を持つ人には、少人数だからこそ関与できるポジションが生まれうる局面と考えられます(推定情報)。
打ち手2:EMS・新商材による粗利改善
前述のEMS/アッセンブリ、Raspberry Pi・センサ等の新商材、通販は、いずれも「部品を右から左に流す」以外の収益源です。営業利益率1.9%を引き上げるには、この付加価値領域の構成比を上げるしかありません。面接でこの領域の売上・粗利構成比を質問すれば、構造転換への本気度を測る材料になります(推定情報)。
打ち手3:地方拠点による需要の取り込み
半導体新工場の立ち上げが進む九州(熊本)をはじめ、東北・甲信の産業集積地に営業所を持つことは、顧客の設備投資に近い位置で商機を拾える体制です。一方で拠点の固定費は調整局面では利益を圧迫します。9営業所体制は好況期の増幅装置であり、不況期の重石でもあると両面で理解するのが正確です。
電子部品・半導体商社の業界は、連結売上が数千億円から1兆円規模に達する大手と、数十億〜数百億円規模の中堅・独立系に二極化しています。栄電子は明確に後者に属し、規模で戦う企業ではありません。独立系である強みは特定メーカーの意向に縛られず商材を組み合わせられること、リスクは代理店契約の見直しやメーカーの直販化が起きたときに売上基盤が揺らぎうることです。この非対称なリスクは業界共通の論点であり、栄電子固有の問題ではありませんが、規模が小さいほど影響は相対的に大きくなると考えられます(推定情報)。
上場卸売企業の中での立ち位置|売上・利益率・年収の数値比較
栄電子の数値を単体で見ても実感が湧きにくいため、同時期に有価証券報告書を提出した上場卸売企業と並べて位置づけを確認します。公式情報(各社の有価証券報告書・決算短信)にもとづく数値ですが、業態が異なるため優劣の比較ではなく構造の違いを見るための表としてご覧ください。決算期が異なる企業を含みます。
| 企業名(コード) | 連結売上高 | 営業利益率 | 有報の平均年間給与 | 従業員数(単体) | 対象決算期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 栄電子(7567) | 73.30億円 | 1.9% | 約506.7万円 | 81名 | 2026年3月期 |
| 萬世電機(7565) | 269.92億円 | 5.8% | 約690.2万円 | 181名 | 2026年3月期 |
| 日本ライフライン(7575) | 591.87億円 | 21.3% | 約955万円 | 1,085名 | 2026年3月期 |
| 橋本総業ホールディングス(7570) | 1,724.62億円 | 1.5% | 約590万円(最大人員会社) | 808名(最大人員会社) | 2026年3月期 |
| 大水(7538) | 1,057.70億円 | 0.85% | 約668.9万円 | 325名 | 2026年3月期 |
| ハピネット(7552) | 4,390.52億円 | 3.6% | 約768.9万円 | 512名 | 2026年3月期 |
この表から読み取れることを3点にまとめます。
- 年収差は「メーカー機能を持つか」で説明できる部分が大きい:営業利益率21.3%の日本ライフライン(自社開発の医療機器を持つ)と、純粋な卸である栄電子・橋本総業・大水では利益率に10倍以上の開きがあります。卸売業の中で年収を上げるには、粗利の源泉が仕入差益以外にあるかが効きます
- 栄電子と最も業態が近いのは萬世電機:同じ電機・電子系の商社ですが、売上規模で約3.7倍、営業利益率で約3倍、平均年間給与で約1.4倍の差があります。同じ「電子部品を売る仕事」でも、扱う商材と取引先で待遇の水準が変わることを示す実例です
- 売上規模と年収は必ずしも比例しない:橋本総業HDは栄電子の23倍の売上ですが、平均年間給与の差は約1.2倍です。転職検討時に「大きい会社ほど給料が高い」と単純化すると判断を誤ります
なお、電子部品商社業界の大手(連結売上数千億円〜1兆円規模)はこの表よりさらに上の階層に位置します。栄電子から見た同業転職の選択肢としては、大手商社の営業・仕入職、電子部品メーカー(電源・コネクタ・受動部品)の営業・代理店管理職、あるいは半導体製造装置メーカーや産業機器メーカーの調達・資材・生産管理職などが現実的な行き先になると考えられます(推定情報)。
栄電子への転職で確認しておきたいこと|判断軸の整理
ここまでの内容を、転職判断の軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と労働条件通知書、そして自分の経験・志向を含めて確認してください。
| 判断軸 | 公式情報・口コミ傾向にもとづく評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報平均は約507万円(平均年齢41.0歳)。口コミ自己申告は280〜395万円で、若手層はこの帯に近い可能性がある(推定情報) |
| 労働時間 | OpenWorkで月19.1時間、求人票は平均残業10時間。長時間労働の訴えは相対的に少ない。ただし有給消化率34%は低めの水準 |
| 業績の安定性 | 売上は108億→64億→73億円と大きく変動。ただし直近10期に赤字期はなく、自己資本比率65.5%と財務は安定 |
| 事業の独自性 | 納品先の50%超が半導体製造装置向けという明確なポジション。独立系で商材選択の自由度がある |
| 組織規模とキャリア | 従業員81名・9営業所。裁量は大きいが、専門性が身につきにくいという口コミ傾向もある |
| ガバナンス | 創業家と関連会社で議決権約6割のオーナー企業。一方で役員8名中3名が女性(37.5%) |
| 将来性の論点 | 台湾法人設立・EMS/新商材による粗利改善が、サイクル変動を均せるかどうか |
| コンプライアンス | 行政処分・訴訟・不祥事は公開情報の範囲で見当たらなかった |
向いていると考えられる人/慎重に検討したい人
以下は推定情報を含む適性整理です。断定ではなく、確認すべき論点として使ってください。
| 向いていると考えられる人 | 慎重に検討したい人 |
|---|---|
| 少人数組織で、営業から在庫・納期調整まで幅広く担うことに前向きな人 | 職務範囲が明確に切り分けられた環境で専門性を深めたい人 |
| 半導体・産業機器の設備投資サイクルを理解し、数年単位でキャリアを設計できる人 | 毎年の安定した昇給・賞与の伸びを重視する人 |
| 秋葉原本社または地方営業所でのルート営業に腰を据えて取り組みたい人 | 大手企業水準の教育制度・福利厚生・年収を前提にしたい人 |
| 電源・コネクタなど特定商材の技術知識を武器にしたい人 | 短期間で年収を大きく引き上げることを最優先する人 |
| 海外(台湾・アジア)取引の立ち上げ局面に関わってみたい人 | オーナー色の強い経営体制に不安を感じる人 |
栄電子への転職|編集部の見解
編集部の見解として、栄電子は「小さいが芯のある会社」を探している人にとって検討する価値のある企業だと考えられます。従業員81名で東証スタンダードに上場し、半導体製造装置という明確な顧客領域を持ち、直近10期赤字なし・自己資本比率65.5%という財務を維持している事実は、規模の小ささを補って余りある材料です。
一方で率直に整理すべき点もあります。3つの口コミサイトすべてで一致して挙がるネガティブ項目が「給与水準への納得感」であること、有報平均507万円が同業の萬世電機(約690万円)より低い位置にあることは、待遇を最優先する人には無視できない事実です。営業利益率1.9%という構造も、短期間で処遇が大きく改善する余地が限られることを示します。
総合すると、「電子部品商社としての実務経験を、少人数の裁量ある環境で積みたい」「秋葉原または地方拠点で長く働きたい」「サイクル変動を理解したうえで腰を据えたい」という人には合理的な選択肢であり、「年収の絶対額」「制度の整った大手環境」を第一に置く人には他社との比較検討をおすすめします。いずれの場合も、内定時には賞与の算定根拠と昇給実績を必ず確認してください。
栄電子に関するよくある質問
検索されている疑問のうち、転職・就職判断に直接関わるものに絞って回答します。
Q. 栄電子はなんの会社ですか?
A. 東京都千代田区外神田(秋葉原)に本社を置く、独立系の電子部品専門商社です(証券コード7567・東証スタンダード市場)。スイッチング電源やコネクタ、抵抗・コンデンサなどを産業機器メーカーに販売しており、納品先の50%超が半導体製造装置メーカーとそのサプライヤーとされています。部品販売に加えて、ボード・ケーブル・ユニットのEMS/アッセンブリや通販も手がけています。
Q. 「三栄電子」「栄電子工業」などと同じ会社ですか?
A. いずれも別法人です。三栄電子、共栄電子、協栄電子株式会社、栄電子工業株式会社、松栄電子研究所、山栄電子、東海神栄電子工業などは、証券コード7567の株式会社栄電子とは資本関係がありません。求人・口コミを調べる際は、証券コード7567または本社所在地(東京都千代田区外神田2-9-10)で特定してください。
Q. 平均年収はいくらですか?
A. 有価証券報告書によると、第59期(2026年3月期)の平均年間給与は5,066,831円(約507万円)、平均年齢41.0歳、平均勤続年数11.2年です(公式情報)。口コミサイトの自己申告平均は280〜395万円と幅がありますが、回答者の平均年齢が34歳と若く、投稿件数も18〜52件と少ないため、有報の数値と単純比較はできません。
Q. 残業は多いですか?
A. 口コミ傾向としては、OpenWorkが月19.1時間、エン カイシャの評判が月31時間と公開しています。会社側の求人票では「平均残業月10時間」「ノルマなし」「既存顧客中心のルート営業」と記載されています。数値には開きがありますが、いずれも突出して長時間という水準ではありません。一方でOpenWorkの有給消化率は34%と低めに出ています。
Q. 業績が大きく変動しているようですが、経営は安定していますか?
A. 売上高は2023年3月期の108.0億円から2025年3月期の64.3億円まで約40%減少し、2026年3月期は73.3億円へ回復しました。変動は確かに大きいものの、直近10期(2017年3月期〜2026年3月期)に営業赤字・最終赤字の期はなく、2026年3月期末の自己資本比率は65.5%です(公式情報)。財務の安定性と業績の変動性は分けて評価するのが適切です。
Q. 勤務地はどこになりますか?
A. 秋葉原の本社に加え、宮城・長野・山梨・埼玉・西東京・神奈川・大阪・熊本などに営業所を持つ9営業所体制で、公式採用サイトではU・Iターン採用の受け皿としても紹介されています。応募時には配属先候補と転勤の有無を確認してください。
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数は有価証券報告書「従業員の状況」の数値ですが、本記事では有報転記型データベースおよび日経電子版の企業概要を突き合わせて確認しています。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として扱い、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。同名・類似名の他法人に関する評判・年収・事業内容は本記事の対象外としており、実在の個人に関する評価も扱いません。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
