円谷フィールズホールディングスの評判・年収|売上91%を遊技機が稼ぐ会社の実像
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:売上1,741億円の91%は遊技機事業で、ウルトラマンのIP事業は約8%です
- 年収:有報の776万円は持株会社110名の数字。フィールズ株式会社は747万円です
- 評判:口コミ総合は2.7〜3.0。大半が持株会社化前の投稿という点に注意が必要です
- 判断軸:規制産業への一極依存を受け入れられるかが最大の分かれ目になります
円谷フィールズホールディングス株式会社(証券コード2767・東証プライム市場)を検索する人の多くは、株価など投資目的でこの社名にたどり着きます。しかし本記事は投資判断のための記事ではなく、転職・就職判断のための記事です。ウルトラマンを保有する円谷プロダクションの親会社という知名度の高さに対して、「実際は何で稼いでいる会社なのか」「有価証券報告書に載っている平均年収776万円は誰の数字なのか」「口コミサイトの評価は今の会社の実態を映しているのか」という3点は、公開情報を丁寧に読まないと分かりません。この記事では第38期(2026年3月期)有価証券報告書の一次情報を軸に、ウルトラマンではなく遊技機が稼いでいるという収益構造から、評判・年収・組織の実態までを順に整理します。
円谷フィールズホールディングスの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数は、この会社の場合持株会社と主要子会社で別々に開示されている点が重要なので、まとめて掲載します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号・証券コード | 円谷フィールズホールディングス株式会社(2767) |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(2003年3月JASDAQ上場→2015年4月東証一部→2022年4月プライム移行) |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区南平台町16番17号(連絡場所は同住所「渋谷ガーデンタワー」) |
| 設立 | 1988年6月(愛知県名古屋市緑区に「株式会社東洋商事」として設立) |
| 代表者 | 代表取締役社長グループCEO 山本英俊 |
| 事業内容 | 純粋持株会社。アミューズメント機器事業(パチンコ・パチスロ機の企画開発販売)とコンテンツ&デジタル事業(ウルトラマン等のIPライセンス、CG・VFX制作)の2セグメント。子会社33社・関連会社9社 |
| 平均年間給与(提出会社) | 776万4千円(前事業年度比+6.7%/対象は持株会社所属110名) |
| 平均年間給与(フィールズ株式会社) | 747万6千円(+1.1%/従業員697名) |
| 平均年間給与(株式会社デジタル・フロンティア) | 530万4千円(+2.6%/従業員237名) |
| 平均年齢 | 提出会社43.4歳/フィールズ株式会社40.1歳/デジタル・フロンティア35.5歳 |
| 平均勤続年数 | 提出会社12.7年/フィールズ株式会社12.3年/デジタル・フロンティア8.0年 |
| 従業員数 | 連結1,774名〔ほか平均臨時雇用者564名〕/提出会社110名〔臨時13名〕(2026年3月31日現在) |
| 売上高 | 1,741億42百万円(連結・前期比+23.9%) |
| 営業利益 | 174億55百万円(前期比+14.1%/売上高営業利益率10.0%) |
| 経常利益・当期純利益 | 経常利益177億51百万円/親会社株主に帰属する当期純利益130億50百万円(+17.0%) |
| 財務指標 | 自己資本比率58.9%/ROE23.3%/現金及び現金同等物308億35百万円 |
| 継続企業の前提 | 注記・重要事象等の記載はいずれもなし |
| 労働組合 | 提出会社には未結成。一部の連結子会社に労働組合あり(労使関係は円満に推移と記載) |
| 円谷プロダクションの平均年間給与 | 有価証券報告書では開示されていない(記載対象は従業員数上位2社のみ) |
| 出典 | 第38期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書/2026年3月期決算概況(公式IR) |
円谷フィールズホールディングスは何の会社か|ウルトラマンと遊技機の二層構造
結論から言うと、この会社は「ウルトラマンの会社」であると同時に、収益のほぼ全てをパチンコ・パチスロ機で稼いでいる会社です。転職検討者にとって最初に押さえるべきなのはここで、志望動機の作り方も、入社後に配属される可能性が高い職場も、この構造から逆算して考える必要があります。
2つのセグメントと、実際に人が働いている場所
公式情報として、第38期有価証券報告書によると、同社は純粋持株会社であり、事業は次の2セグメントに分かれます。東証33業種の分類上は「卸売業」ですが、実態はIPライセンスと遊技機販売を組み合わせた複合エンターテインメント企業です。
- アミューズメント機器事業:フィールズ株式会社(議決権100%)を中核に、保有・取得したIPをもとに提携メーカー(SANKYOグループのビスティ、京楽産業グループ、Daiichiグループ等)へ企画・開発を提案し、商品化された遊技機を全国のパチンコホールへ販売。加えて株式会社ソフィアによるプライベートブランド遊技機の自社製造、株式会社エース電研によるホール周辺設備機器の販売・工事も行う
- コンテンツ&デジタル事業:株式会社円谷プロダクション(議決権51.00%)によるウルトラマンIPのグローバルライセンス、株式会社デジタル・フロンティアによるCG・VFX映像制作
従業員数の内訳も同じ方向を示しています。セグメント別の従業員数はアミューズメント機器事業1,059名〔臨時456名〕、コンテンツ&デジタル事業496名〔臨時73名〕、その他109名〔臨時22名〕、全社(共通)110名〔臨時13名〕。つまりグループ従業員の約6割が遊技機側に属しています。「ウルトラマンに関わりたい」という動機で応募しても、配属の多数派は遊技機側という構造は、数字で確認できる事実です。
売上の91%・営業利益のほぼ全てをアミューズメント機器事業が稼ぐ
第38期のセグメント別実績を並べると、収益の偏りは一目で分かります(公式情報・2026年3月期決算概況)。
| セグメント | 売上高 | 前期比 | 営業利益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| アミューズメント機器事業 | 1,590億69百万円 | +29.2% | 198億81百万円 | +30.1% |
| コンテンツ&デジタル事業 | 138億74百万円 | △15.4% | 9億34百万円 | △67.0% |
| その他 | 17億83百万円 | — | 0億39百万円 | — |
| 連結合計 | 1,741億42百万円 | +23.9% | 174億55百万円 | +14.1% |
売上構成比ではアミューズメント機器事業が91.4%、コンテンツ&デジタル事業は8.0%。営業利益に至っては、アミューズメント機器事業198億81百万円に対してコンテンツ&デジタル事業は9億34百万円で、グループの営業利益の実質全額を遊技機事業が生み出している計算になります。しかも看板であるコンテンツ&デジタル事業は、当期に売上△15.4%・営業利益△67.0%と大きく落ち込みました。会社は中国市場でのライセンス収入減を要因として説明しています。
「ウルトラマンの会社」というイメージとのギャップをどう受け止めるか

ウルトラマンが好きで応募を考えているのですが、実際はパチンコの会社なのでしょうか?
「パチンコの会社である」と一言で断じるのは正確ではありません。円谷プロダクションを連結子会社として保有し、映像・キャラクター商品・海外ライセンスを手がけているのは事実です。ただしグループの経済的な土台がアミューズメント機器事業であることも同時に事実です。推定情報として、この構造は転職者に次の影響を与える可能性があります。
- 採用ポジションの多くは遊技機の企画・営業・開発・製造まわりに集中しやすい
- 賞与や昇給の原資は遊技機事業の業績に強く連動しやすい
- IP側の職種(ライセンス、映像制作、CG)は募集数が限られる可能性がある
- 面接で「ウルトラマンが好きだから」だけを語ると、事業構造の理解不足と受け取られる可能性がある
逆に言えば、この構造を理解したうえで「IPを遊技機というチャネルで収益化するビジネスモデルに関心がある」と語れる人は、他の応募者と明確に差がつきます。売上高営業利益率10.0%は、後述する同業比較のとおり卸売業として極めて高い水準です。
円谷フィールズホールディングスの評判|口コミ4サイトの評価と、その母集団の注意点
先に注意点を述べます。この会社は口コミサイトの評価をそのまま読むと判断を誤りやすい企業です。総合評価は2.7〜3.0のレンジで東証プライム企業としては平均〜やや低めですが、その投稿がいつの、どの会社に対するものかを切り分けないと意味を持ちません。
口コミの大半は持株会社化(2022年10月)以前の「フィールズ時代」の投稿
主要な口コミサイトでの登録名は「フィールズ(遊技機)」「円谷フィールズホールディングス(旧: フィールズ)」となっています。同社は2022年10月に持株会社体制へ移行し、遊技機事業を新設分割したフィールズ株式会社へ承継しました。つまり現在の提出会社は従業員110名の持株会社であり、口コミに書かれている労働環境の多くは、分割前の事業会社フィールズの体験談です。口コミ傾向を読む際は、「どの法人の話か」「いつの話か」を必ず意識してください。
| 口コミサイト | 件数・回答者 | 総合評価 | 口コミ上の平均年収 | 残業・有給 |
|---|---|---|---|---|
| OpenWork(フィールズ(遊技機)) | 回答者158人(年収は正社員64人回答) | 2.71/5.0 | 537万円(レンジ290万〜1,000万円) | 月間残業29.2時間/有給消化率50.0% |
| 転職会議 | 口コミ462件 | 2.89/5.0 | 497万円(平均年齢30.7歳) | 月平均残業36.3時間/有給消化率41% |
| エン カイシャの評判 | 口コミ398件(正社員60名回答) | 3.0/5.0 | 540万円(34歳) | 月残業39時間/休日休暇満足度71% |
| 就活会議 | 口コミ421件(うち退職理由・離職率カテゴリ53件) | — | — | — |
評価が高い項目と低い項目|4サイト横断で見えるテーマ
口コミ傾向として、項目別スコアには一貫した特徴があります。評価が割れているのではなく、「事業は強いが、育成と将来性への納得感が薄い」という同じ方向の声が複数サイトで重なっています。
- 相対的に高い項目:エン カイシャの評判の「事業の優位性」3.6、OpenWorkの「社員の相互尊重」3.3、休日休暇満足度71%、年収納得度65%。「部署によっては貴重な経験が得られる」「大手クライアントとのネットワークが充実している」「育休・時短勤務制度が整備されている」といった投稿が見られます
- 相対的に低い項目:OpenWorkの「人材の長期育成」2.1、エン カイシャの評判の「社会貢献」2.2・「成長性・将来性」2.5、OpenWorkの「待遇面の満足度」2.7・「風通しの良さ」2.9
- 属性による差:エン カイシャの評判では営業系2.9に対し企画・事務系3.2、新卒入社2.9に対し退職者3.2と、職種と立場で評価が分かれる傾向が見られます
低評価が集中しているのは「業界そのものの将来性」と「育成体制」です。推定情報ですが、パチンコ・パチスロという市場の縮小懸念が、個人の評価に投影されている面があると考えられます。転職会議の星分布が5★3%/4★16%/3★37%/2★23%/1★20%と、中央値付近に厚く、低評価側にも一定の裾野があるのはこの構図と整合します。
営業職の職務実態|有報が自ら開示している「30kg以上の遊技機」
この会社の口コミを読むうえで最も参考になる一次情報が、有価証券報告書の多様性指標の注記です。フィールズ株式会社の男女賃金差異は全労働者64.4%・正規雇用68.0%・パート有期51.2%と開示され、その理由として会社は次の趣旨を明記しています——女性労働基準規則第2条第1項により30kg以上の重量物を断続的に取り扱う業務に女性を就労させることが禁止されているため、営業職に女性を配置することが困難であり、営業手当・報奨金の支給機会がない、という説明です。
これは公式情報として、遊技機営業が「重量物運搬を伴う職務」であることを会社自身が認めている記述です。口コミで営業系の評価が企画・事務系より一貫して低い点とも整合します。体力的な負荷を伴う職務であることを前提に応募するかどうかは、入社後のミスマッチを避けるうえで重要な確認事項です。なお同社の男性育休取得率はフィールズ株式会社で40.0%と開示されており、制度面が整っていないわけではありません。ネガティブ面とポジティブ面の両方を並べて判断してください。
円谷フィールズホールディングスの年収|有報の776万円は「誰の」数字か
年収については、求人サイトや年収ランキングで見る数字をそのまま信じないことが最大のポイントです。この会社は持株会社であり、有価証券報告書に載る提出会社の平均年間給与は、グループのごく一部の数字にすぎません。ただし同社の有報は子会社2社の実額を併記しているという珍しいケースで、転職者にとって使える情報が揃っています。
提出会社776万4千円は、連結1,774名のうち110名だけの数字
第38期有価証券報告書によると、提出会社(持株会社)の平均年間給与は776万4千円(前事業年度比+6.7%)、平均年齢43.4歳、平均勤続年数12.7年です。ただし対象となる従業員数はわずか110名で、これは連結従業員1,774名の6.2%にすぎません。持株会社に所属するのはグループ経営・管理・企画といった本社機能の人材が中心であり、この数字は現場実態を示すものではありません。
また、二次情報として単体平均年収の推移が2022年3月期669万円→2024年3月期728万円→2025年3月期728万円→2026年3月期776万円と紹介されることがありますが、この時系列比較は成立しません。2023年3月期の持株会社化によって単体の母集団が505名から104名へ激変しているためで、比較しているのは同じ集団ではありません。年収推移のグラフを根拠に「昇給が続いている会社」と評価するのは避けるべきです(二次ソースによる数値である点も含めて注意が必要です)。
有報に併記された子会社の実額|同じグループで年収差は217万円
第38期有価証券報告書の「従業員の状況」には、従業員数上位の子会社2社について実額が併記されています。これが転職判断に最も近い数字です(いずれも公式情報・賞与および基準外賃金を含む)。
| 会社 | 従業員数 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|---|
| 円谷フィールズホールディングス(提出会社・持株会社) | 110名〔臨時13名〕 | 776万4千円(+6.7%) | 43.4歳 | 12.7年 |
| フィールズ株式会社(遊技機事業の中核・従業員数最多) | 697名 | 747万6千円(+1.1%) | 40.1歳 | 12.3年 |
| 株式会社デジタル・フロンティア(CG・VFX制作) | 237名 | 530万4千円(+2.6%) | 35.5歳 | 8.0年 |
| 株式会社円谷プロダクション(ウルトラマンIP) | 有報に記載なし | 有価証券報告書では開示されていない | 記載なし | 記載なし |
ここから読み取れることは3つあります。第一に、持株会社776.4万円とフィールズ株式会社747.6万円の差は約29万円で、持株会社と事業会社の乖離としてはかなり小さい部類です。持株会社の数字だけが突出して高く見える企業も多いなか、この会社は事業会社の水準が近く、比較的読みやすい開示になっています。第二に、フィールズ747.6万円とデジタル・フロンティア530.4万円の差は約217万円で、同じグループでも「どの会社に入るか」で年収が200万円以上変わります。第三に、最も知名度の高い円谷プロダクションの給与水準は、有報の記載対象が従業員数上位2社に限られるため開示されていません。「ウルトラマンを作っている会社の給与は、有価証券報告書からは分からない」というのが正直な答えです。
賃上げについては、有報の人材戦略パートで各社の実績が開示されています(公式情報)。持株会社は2021年比+15.9%、フィールズ株式会社+11.6%(2025年に新卒初任給を職種に応じて19.2〜28.7%引き上げ)、円谷プロダクション+15.9%、デジタル・フロンティア+8.36%。金額水準は非開示でも、円谷プロダクションが賃上げを実施していること自体は確認できます。
口コミの497万〜540万円との差をどう読むか
有報のフィールズ株式会社747.6万円に対し、口コミサイトの平均年収は497万〜540万円と、200万円前後の開きがあります。この差は「有報の数字が実態と違う」という話ではなく、母集団の年齢が違うことで大半が説明できます(推定情報)。
- 転職会議の回答者の平均年齢は30.7歳、エン カイシャの評判は34歳。一方でフィールズ株式会社の平均年齢は40.1歳、平均勤続12.3年
- 口コミ投稿者には在籍が短い層・若手層・退職者が相対的に多く含まれやすい
- OpenWorkの年収レンジが290万〜1,000万円と広いことも、年齢・役職による幅の大きさを示している
したがって20代後半〜30代前半で入社する場合の実感値は500万円前後、40歳前後・勤続10年超で700万円台というのが、公式値と口コミを突き合わせた現実的な目安と考えられます。職種別では転職会議の集計で営業476万円・経営管理533万円・マーケティング企画488万円という口コミ傾向が出ています。実際の提示額は求人票と内定時の労働条件通知書で確認してください。
従業員数の推移で読む組織の実態|「人員削減」と「会社分割」を混同しない
この会社は従業員数の増減が激しく見えるため、誤読されやすい企業です。結論を先に言うと、直近5期の連結従業員数は増加が続いており、単体従業員数の激減は会社分割による転籍が理由です。人員削減と読み替えないことが重要です。
連結は4期連続増加、ただし増加の中身はM&A
公式情報として、連結従業員数の推移は1,193名(2022年3月期)→1,259名→1,423名→1,664名→1,774名(2026年3月期)と4期連続で増加しています。ただしこれは自然増ではなく、2024年3月の株式会社ソフィア(群馬県太田市)の株式取得によって同社および株式会社エース電研等を子会社化したことが大きく寄与しています。遊技機の自社製造(プライベートブランド)とホール設備の内製化を進めた結果としての増加であり、推定情報としては、製造・技術系の職種がグループ内で増えている可能性があります。
単体505名→104名の激減は、2022年10月の会社分割による転籍
2023年3月期に提出会社の単体従業員数が505名から104名へ激減していますが、これは2022年10月の持株会社移行にともなう新設分割で、遊技機事業がフィールズ株式会社へ承継され、従業員がそちらへ転籍したことによるものです。人員削減ではありません。求人サイトや年収サイトで「従業員数110名」と表示されるのは持株会社単体の数字であり、グループで働く人は連結1,774名(ほか平均臨時雇用者564名)です。この読み替えができていないと、会社規模を10分の1以下に誤認することになります。
持株会社化前の6期で650名超減少という事実も併せて見る
一方で、ポジティブな事実だけを見るのも適切ではありません。持株会社化前の連結従業員数は2016年3月期1,845名から2022年3月期1,193名へ、6期で650名超減少しています。単体でも2018年3月期728名から2019年3月期535名へ193名減少しました。2019年3月期には「4つの中核会社を軸とする大規模な経営改革」「経営コスト最適化」を実施した旨がIR資料に記載されています。ただし、希望退職・早期退職の募集人数や応募者数を会社が公表した事実は確認できなかったため、削減の内訳を断定することはできません。事実として言えるのは「後述する赤字期を含む時期に、6期で従業員数が3分の2程度まで縮小した局面があった」という点までです。
業績の推移と収益構造|5期の実績、赤字期の履歴、規制産業のリスク
転職先としての安定性を見るなら、直近の好調さだけでなく、過去に業績が沈んだ局面とその理由まで確認しておくべきです。この会社は直近5期はすべて黒字で最終利益が右肩上がりの一方、8年前には2期連続の営業赤字を経験しています。
直近5期の連結売上高と当期純利益
公式情報として、有価証券報告書の主要な経営指標等の推移は次のとおりです(単位:百万円)。
| 決算期 | 連結売上高 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|
| 第34期(2022年3月期) | 94,900 | 2,471 |
| 第35期(2023年3月期) | 117,125 | 8,221 |
| 第36期(2024年3月期) | 141,923 | 11,695 |
| 第37期(2025年3月期) | 140,581 | 11,158 |
| 第38期(2026年3月期) | 174,142 | 13,050 |
4年で売上高は約1.8倍、当期純利益は約5.3倍になっています。第37期は売上・利益ともわずかに前期を下回りましたが、第38期に大きく伸長しました。2027年3月期の会社予想は連結売上高1,870億円・営業利益190億円(内訳はアミューズメント機器200億円、コンテンツ&デジタル30億円)で、会社としてはIP側の立て直しを見込んでいます。
2018年3月期・2019年3月期の営業赤字と、その原因
過去には赤字期があります。2018年3月期・2019年3月期は営業赤字で、2019年3月期は売上516億39百万円・営業損失13億63百万円・最終損失2億98百万円でした。この減収・赤字の要因として説明されているのが、新規則への型式試験の申請件数が急増し、一部新機種の販売を延期したという事情です。
ここが業界構造の核心です。パチンコ・パチスロは風営法および遊技機規則に基づく規制産業であり、新規則機への移行スケジュールや、保安通信協会(保通協)の型式試験の適合率が、そのまま業績を直撃します。会社側の努力ではコントロールしきれない外部要因で、売上が数百億円単位で振れる産業だということです。推定情報として、転職検討者は「今が好調でも、規制サイクルによって数年単位で環境が変わりうる」という前提を持っておく必要があります。
財務は健全|自己資本比率58.9%・ROE23.3%・手元資金308億円
足元の財務基盤は堅固です。公式情報として、自己資本比率58.9%、ROE23.3%、現金及び現金同等物の期末残高308億35百万円、純資産661億87百万円、総資産1,033億60百万円。営業キャッシュ・フローは74億77百万円のプラスです。継続企業の前提に関する注記も「重要事象等」の記載も存在しません。株主還元も厚く、1株配当70円・配当性向74.3%(提出会社ベース)となっています。
一方で、推定情報として押さえておきたいのは資本構成です。代表取締役社長グループCEOの山本英俊氏が個人で24.50%、山本剛史氏が11.61%、有限会社ミントが5.14%を保有し、上位3者で41.25%、上位10名で65.67%とオーナー色の強い株主構成です。経営の意思決定が速い一方で、経営方針が創業家の判断に強く左右される構造でもあります。なお会計監査人は三優監査法人(大手4大監査法人ではない中堅監査法人)です。
同じ東証33業種「卸売業」4社との比較|規模はまるで違うが収益性は最高水準
同社は東証33業種では「卸売業」に分類されます。ここでは同分類の上場企業4社と、直近本決算の実額で比較します。ただし決算期・会計基準・規模がまったく異なるため、順位付けではなく「立ち位置の把握」として読んでください。5社の売上規模は279億円〜3兆1,040億円と約111倍、従業員数も83名〜26,789名と約323倍の開きがあります。また双日はIFRS適用で「収益」表記のため、日本基準の4社と単純比較できません。
| 企業名(コード) | 決算期 | 連結売上高(収益) | 営業利益・利益率 | 従業員数(連結/提出会社) | 有報の平均年間給与 |
|---|---|---|---|---|---|
| 円谷フィールズHD(2767) | 2026年3月期 | 1,741.42億円(+23.9%) | 174.55億円(+14.1%・10.0%) | 1,774名/110名 | 776.4万円=持株会社110名のみ(フィールズ株式会社747.6万円) |
| アルフレッサHD(2784) | 2026年3月期 | 3兆1,040.64億円(+4.8%) | 361.64億円(△5.0%・1.2%) | 12,525名/67名 | 838.7万円=持株会社67名のみ(アルフレッサ株式会社569.3万円) |
| 双日(2768) | 2026年3月期 | 2兆7,573.50億円(+9.9%・IFRS収益) | IFRSのため単純比較不可(売上総利益3,674.89億円/当期利益1,036.11億円・△6.3%) | 26,789名/2,519名 | 1,257.2万円 |
| アップルインターナショナル(2788) | 2025年12月期 | 408.09億円(△6.8%) | 5.68億円(1.4%) | 83名/20名 | 812.1万円 |
| 新都ホールディングス(2776) | 2026年1月期 | 279.39億円(+127.21%) | 5.93億円(2.1%) | 121名/10名 | 429.8万円 |
この表から読み取れる、円谷フィールズホールディングスの位置づけは次のとおりです。
- 収益性はこの5社で最も高い:売上高営業利益率10.0%。医薬品卸のアルフレッサHD1.2%、新都HD2.1%、アップルインターナショナル1.4%と比べて桁が違う。仕入れて売るだけの卸ではなく、IPを起点に企画・開発から関与するビジネスモデルであることが利益率に表れている
- 売上規模は中位:3兆円規模の2社とは比較にならないが、数百億円規模の2社の4〜6倍。連結1,774名は「中堅規模の専門企業」という位置づけ
- 有報の平均年間給与が持株会社だけの数字という点はアルフレッサHDと同じ構図。ただし同社が持株会社838.7万円に対し事業会社569.3万円と約269万円の差があるのに対し、円谷フィールズHDは約29万円差にとどまる(推定情報として、事業会社の水準を推し量りやすい)
- 成長率は最も高い:+23.9%は5社中トップ。ただし遊技機の販売台数と新機種の当たり外れに依存するため、持続性は規制環境次第
転職先としての将来性|IP事業の立て直しと、遊技機一極依存の行方
将来性を評価する軸は2つに絞れます。「遊技機事業がいつまで稼げるか」と「IP事業を第2の柱に育てられるか」です。口コミで「成長性・将来性」が2.5と低めに評価されているのも、この2点への不安の裏返しと考えられます。
まず遊技機側。パチンコ・パチスロ市場は長期的には縮小傾向にあり、風営法・遊技機規則という規制の枠内でしか商品を出せません。有価証券報告書の「事業等のリスク」でも、グループ戦略/IP戦略/ガバナンス/ブランド/商品開発・販売/サプライチェーン/AI・DX/サイバー/人的資本/事業継続の10項目が列挙され、なかでも商品開発・販売リスクとして「ヒット機の継続的な創出」と「販売台数達成」の不確実性が明示されています。1機種の当たり外れが業績を左右する構造は、そのまま賞与の変動幅にもつながる可能性があります(推定情報)。
次にIP側。コンテンツ&デジタル事業は第38期に営業利益△67.0%と縮小しましたが、会社は2027年3月期に同セグメント営業利益30億円(第38期比で約3.2倍)を計画しています。IPビジネスの定石は、一つのIPを映像・商品・ライセンス・ライブへ多面展開し、海外売上比率を引き上げることです。ウルトラマンは海外での認知度が高く、米国・シンガポール・韓国・台湾に現地法人を置いている点は、この定石に沿った布陣といえます。また、ウルトラマン初期シリーズの海外利用権を巡る約30年の紛争について、2026年5月14日に東京地方裁判所が円谷プロダクションの請求を全面的に認める判決を出したことを同社が公表しています。長年の権利リスクが一つ決着した直後というタイミングです。
ただし推定情報として、IP事業が売上138億円・営業利益9億円の規模から、遊技機事業(売上1,590億円・営業利益198億円)に匹敵する柱へ育つには相当の時間を要すると考えられます。転職判断としては、「当面はアミューズメント機器事業で働く会社」という前提で選ぶのが現実的です。IPの成長を信じて入るのであれば、その果実が出るまでのタイムラインを自分の中で長めに見積もっておく必要があります。
円谷フィールズホールディングスへの転職が向いている人・向いていない人
これまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。ここまで見てきたとおり、判断の分かれ目は「規制産業への一極依存を受け入れられるか」と「入社する法人がどこか」の2点です。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| IPを収益化するビジネスモデルそのものに関心があり、遊技機というチャネルを前向きに捉えられる人 | 「ウルトラマンの会社」というイメージだけで応募し、遊技機事業に抵抗がある人 |
| 規制や市場環境で数年単位の波があることを理解し、好況期に成果を出しきる働き方ができる人 | 景気・規制に左右されにくい安定した事業基盤を最優先する人 |
| ホールやメーカーとの折衝など、対人・現場型の営業に手応えを感じる人 | 重量物の取り扱いを含む現場業務に体力面の不安がある人 |
| 体系的な研修より、現場で経験を積みながら自走してスキルを獲得したい人 | 長期的な育成プログラムや明確なキャリアラダーを重視する人(口コミで「人材の長期育成」2.1) |
| オーナー色の強い意思決定の速さをメリットと感じる人 | 合議による意思決定や、上場企業らしい分権的なガバナンスを求める人 |
円谷フィールズホールディングスに関するよくある質問
転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。数値はいずれも第38期(2026年3月期)有価証券報告書および公式IR、口コミサイトの集計にもとづきます。
ウルトラマンの会社と考えてよいのでしょうか。
ウルトラマンIPを保有する株式会社円谷プロダクション(議決権51.00%)を子会社に持つのは事実です。ただし第38期の売上構成はアミューズメント機器事業91.4%・コンテンツ&デジタル事業8.0%で、営業利益はほぼ全額が遊技機事業から生まれています。公式情報としては「ウルトラマンを保有しつつ、遊技機で稼ぐ持株会社」が正確な説明です。
平均年収776万円はグループ全体の水準ですか。
いいえ。776万4千円は提出会社(持株会社)の従業員110名を対象とした数字で、連結1,774名の6.2%しかカバーしていません。同じ有価証券報告書に、従業員数最多のフィールズ株式会社697名で747万6千円、株式会社デジタル・フロンティア237名で530万4千円と併記されています。応募先の法人がどこかで水準が変わります。
円谷プロダクションの年収は分かりますか。
有価証券報告書では開示されていません。「従業員の状況」で平均年間給与が記載されているのは従業員数上位2社(フィールズ株式会社、株式会社デジタル・フロンティア)に限られるためです。賃上げ実績としては2021年比+15.9%(2022年に人事制度変更)と記載されていますが、金額水準は非開示です。選考時に確認するのが確実です。
口コミの評価はどのくらいですか。信用してよいですか。
総合評価はOpenWork2.71、転職会議2.89、エン カイシャの評判3.0で、東証プライム企業としては平均〜やや低めの水準です。ただし主要サイトの登録名が「フィールズ(遊技機)」等となっており、投稿の大半は2022年10月の持株会社化以前、事業会社フィールズ時代のものです。口コミ傾向としては参考になりますが、現在の組織体制の評価としてはそのまま当てはめられません。
残業時間や有給消化率はどのくらいですか。
口コミ傾向として、月間残業はOpenWork29.2時間・転職会議36.3時間・エン カイシャの評判39時間。有給消化率はOpenWork50.0%・転職会議41%です。残業は突出して長いわけではありませんが、有給消化率は高いとは言えない水準です。エン カイシャの評判では休日休暇満足度71%と、休日そのものへの満足度は比較的高い結果が出ています。
過去に業績が悪化したことはありますか。
あります。2018年3月期・2019年3月期は営業赤字で、2019年3月期は売上516億39百万円・営業損失13億63百万円・最終損失2億98百万円でした。新規則への型式試験の申請件数が急増し、一部新機種の販売を延期したことが要因と説明されています。直近5期(第34〜38期)はすべて黒字で、最終利益は右肩上がりです。
円谷フィールズホールディングスへの転職判断まとめ|編集部の見解
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | フィールズ株式会社747.6万円(40.1歳)は中堅規模の企業として高めの水準。ただし持株会社110名の776.4万円と混同しないこと |
| 収益性・財務 | 売上高営業利益率10.0%、自己資本比率58.9%、ROE23.3%と良好。継続企業の前提に関する注記はなし |
| 事業の安定性 | 売上の91%が規制産業に依存。過去に2期連続営業赤字の履歴があり、規制サイクルの影響を受けやすい |
| 将来性 | 2027年3月期はコンテンツ&デジタル営業利益30億円を計画。ただし現状は遊技機依存が続く前提で見るのが現実的 |
| 働き方 | 残業29〜39時間で突出はしない一方、有給消化率41〜50%は高くない。営業職は重量物取り扱いを伴う |
| 育成体制 | 口コミで「人材の長期育成」2.1と最も低い評価。自走できる人向きと考えられる |
| 組織の読み方 | 入社先が持株会社・フィールズ・デジタル・フロンティア・円谷プロダクションのどれかで、年収も職務も大きく異なる |
編集部の見解として、この会社は「イメージと実態のギャップが大きいが、数字で見れば十分に評価できる企業」です。売上高営業利益率10.0%は同じ東証33業種の卸売業のなかで際立って高く、自己資本比率58.9%・ROE23.3%という財務も健全です。有報が子会社別の給与実額を併記しているおかげで、応募前に「自分が入る会社の水準」を確認できるという点でも、情報開示に誠実な部類に入ります。
一方で、おすすめできない条件も明確です。売上の91%を風営法・遊技機規則の枠内にある事業に依存しており、過去には型式試験の集中で2期連続の営業赤字に沈んだ実績があります。ウルトラマンのIP事業は当期に営業利益が3分の1へ縮小しました。「ウルトラマンに関わりたい」という動機だけで応募すると、実態と大きく違う可能性が高い——これがこの記事で最も伝えたい点です。逆に、IPを起点にした企画・営業のビジネスモデルに面白さを感じ、規制環境の波を織り込んだうえで働けるなら、収益性・年収水準・財務のいずれの面でも検討に値する会社と考えられます。
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは第38期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書「従業員の状況」および主要な経営指標等の推移を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。単体平均年収の推移など二次情報にもとづく数値は、本文中でその旨を明記しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
