光村印刷は光村図書とは別会社|評判・年収490万円と3事業の収益構造を有報で検証
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 別法人:証券コード7916の光村印刷と教科書の光村図書出版は別の会社
- 平均年収490万円:第124期有報の値。ただし提出会社285名ベース
- 2期連続の営業赤字:黒字セグメントは不動産賃貸等事業のみ
- GC注記なし:自己資本比率68.3%・現預金64億円と財務基盤は厚い
光村印刷株式会社(証券コード7916・東証スタンダード市場)について調べ始めると、多くの人が最初につまずくのが「教科書の光村図書と同じ会社なのか」という点です。そして次に出てくるのが、狭山工場・那須工場といった勤務地の情報と、最新の業績です。この記事では、第124期(2026年3月期)有価証券報告書と決算短信という一次情報を軸に、社名の混同を解いたうえで、年収・業績・セグメント構造・拠点・人員の実像を順番に整理します。良い面も厳しい面も、数字を丸めずにそのまま扱います。
光村印刷(7916)と光村図書出版は別法人|最初に押さえたい前提
結論から書きます。証券コード7916の光村印刷株式会社と、小中学校の国語教科書などで知られる光村図書出版株式会社は、別法人です。この記事が扱うのは前者、東証スタンダード市場に上場している印刷会社のほうです。
この確認を最初に置くのは、求人に応募してから「思っていた会社と違った」となる事故がもっとも起きやすいポイントだからです。両社は社名の頭に同じ「光村」を冠し、本社所在地もいずれも東京都品川区にあります。検索候補にも「光村印刷 光村図書」「光村印刷 教科書」といった語が並びます。混同が起きる条件がそろっています。
事実として書けることを整理します。公式情報として、光村印刷は1901年10月、光村利藻が神戸で「関西写真製版印刷合資会社」を設立したことに始まり、1936年12月21日に株式会社光村原色版印刷所として法人設立、1991年4月に現社名へ商号変更しています。一方、第124期(2026年3月期)有価証券報告書の大株主一覧・関係会社(連結子会社7社)・関連当事者のいずれにも、光村図書出版株式会社の名称は記載されていません。
したがってこの記事では、両社の資本関係の有無について踏み込んだ断定はしません。「グループ会社である」とも「まったく無関係である」とも書かず、有価証券報告書から読み取れる「別法人である」という事実の範囲にとどめます。転職検討者として押さえるべきなのは、次の3点です。
- 7916は印刷会社であり、教科書の編集・出版を行う会社ではない
- 採用の窓口・待遇・勤務地は、当然ながら光村図書出版のものとは別
- 求人票や会社概要を見るときは、必ず証券コード7916/東京都品川区大崎一丁目15番9号で照合する

教科書の会社だと思って調べていたのですが、別の会社なんですね。では7916の光村印刷はどんな会社なんですか?
光村印刷とはどんな会社か|創業125年・3セグメントの全体像
光村印刷は、創業125年目を迎えた中堅の総合印刷会社です。読者にとっての実利は、この会社が「何で売上を立て、どこで人を雇っているか」を先に押さえておくと、求人票の職種名から実態を推測しやすくなる点にあります。
公式情報として、第124期有価証券報告書によると、当社および子会社7社で構成されるグループのセグメントは次の3つです。
- 印刷事業:出版印刷物・宣伝用印刷物・業務用印刷物・伝票類・証券類・連続伝票・包装/パッケージ・新聞・ショッピングバッグ・映像制作物など。第124期の連結売上高の約94%を占める主力
- 産業資材・電子部品製造事業:那須工場(栃木県大田原市)でのスクリーン印刷製品(半導体加工テープ等)と、エッチング精密製品(水晶振動子向け治具等)
- 不動産賃貸等事業:品川・大崎のオフィスビル、旧北品川棟の底地賃貸、那須工場敷地の太陽光発電
会社が掲げる原点は「“美の再現”を原点にした印刷技術」であり、美術印刷・色再現の品質が長年の強みとされています。加えて、証券類の偽造防止印刷や、2018年に子会社化した新村印刷株式会社が手がける医薬・OTC向けの包装資材/パッケージが、成長領域として位置づけられています。
ここで転職検討者に効いてくるのが、規模感です。連結従業員614名、提出会社単体285名、連結売上高141億円という規模は、印刷業界のなかでは中堅から小型の部類に入ります。数万人規模の総合印刷大手とは、任される仕事の幅も、社内異動の選択肢の数も、まったく別物になると考えたほうが実態に近いでしょう(推定情報)。
光村印刷の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。すべて第124期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の有価証券報告書および決算短信の実額です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 光村印刷株式会社(MITSUMURA PRINTING CO., LTD.) |
| 証券コード・市場 | 7916/東証スタンダード市場(業種:その他製品) |
| 本社 | 東京都品川区大崎一丁目15番9号 |
| 創業・設立 | 1901年10月創業/1936年12月21日法人設立 |
| 代表者 | 代表取締役社長 嶋山 芳夫 |
| 資本金 | 1億円(資本剰余金含め100億5,700万円) |
| 平均年間給与 | 4,902,324円(約490万円・提出会社285名/賞与・基準外賃金含む) |
| 平均年齢 | 47.2歳(提出会社) |
| 平均勤続年数 | 25.2年(提出会社) |
| 従業員数 | 連結614名/提出会社285名(2026年3月31日現在) |
| 売上高 | 連結141億3,316万円(前期比4.2%減) |
| 営業利益 | 連結営業損失△69百万円(2期連続の営業赤字) |
| 経常利益 | 23,385千円 |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 353,218千円 |
| 自己資本比率 | 68.3% |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 64億3,427万円 |
| 継続企業の前提に関する注記 | 記載なし(GC注記は付されていない) |
| 2027年3月期 会社予想 | 売上高135億円/営業損失△350百万円/当期純利益0円 |
| 出典 | 第124期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月25日提出)/2026年3月期決算短信(2026年5月13日) |
光村印刷の平均年収は490万円|「提出会社285名」の数字である点に注意
結論として、光村印刷の平均年間給与は4,902,324円(約490万円)です。これは第124期有価証券報告書「第4 提出会社の状況/5 従業員の状況」に記載された実額で、賞与および基準外賃金を含みます。前事業年度比では△1.4%(第123期は約497万円)と、わずかに減少しています。
ただし、この数字をそのまま「光村印刷で働く人の平均」と読むのは正確ではありません。公式情報として押さえるべき重要な注記があります。
光村印刷は2026年1月、長年の柱だった新聞印刷の生産機能を、連結子会社である光村高速オフセット株式会社(出資比率65.0%・埼玉県川越市)へ移管しました。これに伴い、提出会社の従業員は前期比129名減少しています。工場現場の従業員が子会社へ移った形です。つまり490万円という数字は、この移管後に残った提出会社285名(本社・営業・管理部門、狭山工場、那須工場が中心)の平均であり、連結614名やグループ子会社の現場実態を代表するものではありません。子会社7社それぞれの給与水準は、有価証券報告書では開示されていません。
転職検討者にとっての実務的な意味は明快です。応募先が提出会社なのか子会社なのかで、参照すべき数字が変わります。求人票を見るときは、雇用主となる法人名を必ず確認し、内定時の労働条件通知書で自分に提示される金額を確定させてください。有報の平均値は、あくまで会社全体の水準感をつかむための出発点です。
平均年齢47.2歳・平均勤続年数25.2年が示す人員構成
年収と並んで重要なのが、その年収を受け取っている人たちの属性です。第124期有報によると、提出会社の平均年齢は47.2歳、平均勤続年数は25.2年です。
勤続25.2年は、上場企業全体で見てもきわめて長い部類に入ります。これが意味するのは次のような構造です(推定情報を含みます)。
- 新卒で入社し定年近くまで勤める層が中核を占め、中途入社者の比率が相対的に低い可能性が高い
- 平均年収490万円は「40代後半・勤続25年前後の人が中心の平均」であり、若手層の実額はこれより低い水準にある可能性がある
- 裏返せば、離職が頻発する職場ではないと読める。定着そのものは長い
あわせて有報には、管理職に占める女性比率7.7%、男性の育児休業取得率は該当者なし(-)、男女の賃金差異は全労働者77.9%・正規雇用79.3%・パート有期100.5%と記載されています。労働組合は組織されており、一部連結子会社の組合を含め組合員数235人、労働協約を締結し「労使関係は概ね良好」と記載されています。
口コミに見る給与の傾向(母数が少ない点に注意)
ここからは口コミ傾向です。OpenWork・転職会議・エン カイシャの評判・就活会議・キャリコネなどに光村印刷のページは存在しますが、小型株企業のため投稿件数は多くありません。以下は二次的に確認できた投稿の傾向であり、断定的な一般化はできない点を先に断っておきます。
- 基本給の伸びについて「給料はほとんど上がらない」という趣旨の指摘が見られる
- 一方で「残業代や夜勤手当はやった分はしっかり出る」という、手当支給の運用を評価する声もある
- 学歴による基本給の差が長く残るという趣旨の投稿がある
- 年収例として、在籍3〜5年の営業職で400万円前後(基本給・残業代・賞与の合計)、入社1〜3年目で300万円前後という記載が挙がっている
この口コミ上の水準感と、有報の平均490万円は矛盾しません。平均年齢47.2歳という構成を踏まえれば、若手層が300万円台〜400万円台で、40代後半の中核層が平均を押し上げている、という読み方が自然です(推定情報)。「入社直後から490万円が出る」と読み違えないことが、この会社の年収情報を扱ううえで最大の注意点です。
印刷業界5社との比較|規模と収益力で見る位置づけ
年収の水準は、同じ業界のどのポジションにいるかで意味が変わります。公表されている有価証券報告書の数値をもとに、印刷・情報関連の主要各社と並べます。年収はいずれも各社有報の平均年間給与(提出会社ベース)です。
| 企業名 | 連結売上高 | 営業利益 | 有報の平均年間給与 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 光村印刷(7916) | 141億円 | 営業損失△0.69億円 | 約490万円 | 美術印刷・証券印刷。不動産賃貸等が唯一の黒字セグメント |
| 野崎印刷紙業(7919) | 140億円 | 5.16億円(利益率3.7%) | 約523.9万円 | ほぼ同規模。直近5期はいずれも黒字 |
| 共同印刷(7914) | 982億円 | 21.3億円(利益率2.2%) | 約671万円 | 包装・生活資材へ多角化した中堅上位 |
| TAKARA & COMPANY(7921) | 311億円 | 44.2億円(利益率14.2%) | 約893万円 | ディスクロージャー関連。利益率が突出 |
| TOPPANホールディングス(7911) | 1兆8,050億円 | 671億円(利益率3.7%) | 約868万円 | 総合印刷最大手。事業多角化の規模が別次元 |
この表からは、読者にとって実用的な事実が2つ読み取れます。
ひとつは、売上規模がほぼ同じ野崎印刷紙業(140億円)と比べても、光村印刷の平均年収は約34万円低く、営業損益は赤字と黒字で分かれていることです。「印刷業界だから」ではなく、同規模同士でも差が出ているという事実は、企業選びの判断材料になります。
もうひとつは、同じ「印刷」でも、開示書類の制作という規制産業に近い領域を持つTAKARA & COMPANYの営業利益率が14.2%と一桁違うことです。印刷というカテゴリ内で、どの需要に接続している印刷会社なのかで収益構造がまったく変わる。この観点は、印刷業界内で転職先を比較する際にそのまま使えます(推定情報を含みます)。
業績を数字で見る|5期の売上推移と2期連続の営業赤字
ここが本記事のもっとも重要なパートです。結論を先に書きます。光村印刷は第123期・第124期と2期連続で連結営業赤字を計上しており、2027年3月期も会社予想の段階で営業損失を見込んでいます。一方で、継続企業の前提に関する注記(GC注記)は付されておらず、自己資本比率68.3%・現金及び現金同等物64億3,427万円と、財務基盤そのものは厚い状態にあります。この2つは同時に成立する事実であり、どちらか一方だけを見ると判断を誤ります。
公式情報として、有価証券報告書に記載された連結業績の5期推移は次のとおりです。
| 決算期 | 連結売上高 | 経常利益 | 連結従業員数 |
|---|---|---|---|
| 第120期(2022年3月期) | 154億1,255万円 | 4億1,649万円 | 705名 |
| 第121期(2023年3月期) | 147億9,132万円 | △2,846万円 | 677名 |
| 第122期(2024年3月期) | 147億87万円 | 5,676万円 | 661名 |
| 第123期(2025年3月期) | 147億5,650万円 | △4,902万円 | 638名 |
| 第124期(2026年3月期) | 141億3,316万円 | 2,338万円 | 614名 |
売上高は5期で154億円から141億円へ、およそ13億円(8.4%)縮小しています。経常利益は黒字と赤字を行き来しており、安定した利益の積み上げには至っていません。営業損益で見ると、第123期△158百万円、第124期△69百万円と、2期連続の営業赤字です。赤字幅は縮小しましたが、黒字化には届いていません。
会社自身も有価証券報告書のなかで「早期に営業利益の黒字化を実現することが最重要課題」「V字回復のシナリオ」と明記しています。課題認識を隠していない開示姿勢そのものは、判断材料として評価できる部分です。
純利益3億53百万円の中身|本業の利益ではない
第124期の親会社株主に帰属する当期純利益は3億5,321万円で、前期比400.4%増と表示されます。数字だけ見ると好転したように見えますが、中身を分解すると評価は変わります。
- 特別利益12億23百万円(うち投資有価証券売却益11億49百万円)
- 特別損失11億43百万円(うち減損損失9億17百万円)
つまり純利益3億53百万円は、保有していた投資有価証券を売却して得た利益と、資産の減損を計上した損失の差引きによって残った数字です。本業の稼ぐ力を示す数字ではありません。転職判断でこの会社の収益力を見るなら、参照すべきは純利益ではなく営業損益(△69百万円)のほうです。
2027年3月期の会社予想と第1四半期の実績
先行きについても、公表されている数字をそのまま示します。公式情報として、2027年3月期の会社予想は以下のとおりです。
- 売上高135億円(前期比4.5%減)
- 営業損失△350百万円
- 経常損失△300百万円
- 親会社株主に帰属する当期純利益0円(1株当たり0.00円)
- 第2四半期累計予想:売上6,300百万円、営業損失△300百万円
さらに2026年7月30日に開示された2027年3月期第1四半期は、売上高約32億円(前年同期比3.4%減)、営業損失約1億62百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失約1億92百万円となっています。
読み方を整理します。第124期に△69百万円まで縮小した営業損失が、会社予想では△350百万円へ拡大する見通しです。これは業績が急に悪化したというより、新聞印刷の生産機能を子会社へ移管したことによる売上構成の変化と、再構築のための費用が同時に効いている局面と読むのが自然です(推定情報)。いずれにせよ、「入社時点で会社が増益局面にある」という状況ではないことは、応募前に理解しておくべき前提です。
セグメント別に見ると|黒字は不動産賃貸等事業だけ
光村印刷の状況を一枚の絵で理解するなら、このセグメント別損益がもっとも雄弁です。第124期のセグメント別の売上と利益は次のとおりです。
| セグメント | 売上高(前期比) | セグメント利益 | 従業員数 |
|---|---|---|---|
| 印刷事業 | 132億78百万円(5.6%減) | △3億71百万円 | 566名 |
| 産業資材・電子部品製造事業 | 3億72百万円(22.3%増) | △58百万円 | 21名 |
| 不動産賃貸等事業 | 6億45百万円(18.8%増) | +3億59百万円 | 0名 |
この表が示すのは、売上の約94%を占める本業の印刷事業が3億71百万円の赤字で、従業員0名の不動産賃貸等事業が3億59百万円の黒字を出し、グループ全体の損益を支えているという構造です。
転職検討者にとっての含意は3つあります。
- 収益の源泉と、雇用の所在がずれている:566名が働く印刷事業は赤字、利益を出しているのは大崎の自社不動産と旧北品川棟の底地賃貸。人が働く場所と、お金が生まれる場所が一致していない
- 産業資材・電子部品製造事業は伸び率が高いが規模が小さい:前期比22.3%増と3セグメント中もっとも伸びているものの、売上3億72百万円・従業員21名。全社を支えるにはまだ小さい
- 不動産の位置づけが今後の論点になる:有価証券報告書には「大崎地区再開発計画を見据えた不動産賃貸等事業の見直し」という記載があり、この黒字セグメントの扱い自体が経営判断の対象になっている
「印刷会社に転職するつもりで応募したが、実態としては不動産収益に支えられた会社だった」というギャップは、応募前に自覚しておく価値があります。逆に言えば、不動産という安定収益源を持っているからこそ、印刷事業の再構築に時間をかけられるという見方も成り立ちます(推定情報)。
拠点と人員の再編|新聞印刷の生産機能移管と勤務地の実像
光村印刷に関する検索候補では、狭山工場・那須工場・川越・坂戸事業所といった勤務地に関する語がもっとも多く並びます。工場勤務・現場職を検討している人にとって、どこに何の機能があるかは最重要の情報です。ここは有価証券報告書の「設備の状況」に記載された事実だけで整理します。
2026年1月:新聞印刷の生産機能を子会社へ移管
光村印刷にとって、読売新聞の印刷は長年の事業の柱でした。公式情報として、2026年1月、この新聞印刷の生産機能を連結子会社の光村高速オフセット株式会社へ移管し、提出会社としての新聞印刷生産は終了しています。
光村高速オフセットは、読売新聞東京本社との共同出資会社で、光村印刷の出資比率は65.0%、所在地は埼玉県川越市、資本金80,000千円です。第124期の同社業績は売上1,850,353千円・経常利益31,228千円・当期純利益24,815千円と、黒字を計上しています。
この移管によって、提出会社の従業員は前期比129名減少しました。先に述べた「平均年収490万円は移管後に残った285名の平均」という注記は、この事象に由来します。会社が縮小しただけでなく、雇用の器がグループ内で移動した、という理解が正確です。
2026年3月31日現在の事業所・工場
有価証券報告書「設備の状況」に記載された提出会社の主要拠点は次のとおりです。
| 拠点 | 所在地 | 役割 | 従業員数 |
|---|---|---|---|
| 本社 | 東京都品川区大崎 | 全社機能・不動産賃貸等 | 118名 |
| 狭山工場 | 埼玉県狭山市 | 印刷 | 111名 |
| 那須工場 | 栃木県大田原市 | 産業資材・電子部品製造 | 10名 |
| 関西支社 | 大阪 | 営業 | — |
| 坂戸事業所 | 埼玉県 | — | — |
| 川越事業所 | 埼玉県川越市(土地24,588.21㎡) | 遊休資産 | — |
ここで正確に押さえるべき点を3つ挙げます。
- 那須工場は現存する拠点です。2026年3月期時点で従業員10名が在籍し、産業資材・電子部品製造事業(半導体加工テープ等のスクリーン印刷製品、水晶振動子向け治具等のエッチング精密製品)を担当しています
- 川越事業所は2026年3月期末時点で遊休資産として有価証券報告書に記載されています(土地24,588.21㎡、帳簿価額50,988千円)
- 第124期には減損損失9億17百万円が計上されています
拠点に関する検索候補には、事実として確認されていない内容を含む語も並びます。本記事では、有価証券報告書に記載がある上記の事実のみを扱い、それ以外の推測は記載しません。勤務地の見通しについて確度の高い情報が必要な場合は、選考過程で人事に直接確認するのが唯一の確実な方法です。
なお拠点の集約は継続的に行われてきました。川越工場の商業印刷部門は2023年8月に狭山工場へ移転、那須工場は2022年3月に従来の生産を停止し、2025年1月から半導体加工テープの産業資材製造を開始しています。勤務地としては本社(品川区大崎)・狭山工場・那須工場・関西支社に集約されているのが現在の姿です。
従業員数は5期連続減少|2021年の希望退職という事実
人員の推移も、そのまま数字で示します。公式情報として、連結従業員数は第120期705名 → 第121期677名 → 第122期661名 → 第123期638名 → 第124期614名と、5期連続で減少しています。5期で91名、率にして12.9%の減少です。
その背景として押さえておくべき事実が、2021年7月に実施された希望退職です。二次ソース(M&A Online 2021年7月2日記事)によれば、募集対象は子会社を含む40歳以上(一部事業所は年齢制限なし)、募集期間は2021年8月6日〜31日で、約80名(当時の全従業員の約15%)が対象規模とされています。コロナ禍でチラシ・パンフレット需要が急減し、2021年3月期は売上12%減の159億円、営業赤字5億4,200万円という状況にありました。
この事実をどう受け止めるかを整理します。
- 厳しく読むなら:直近5年で大規模な人員削減を一度実施しており、その後も従業員数は減り続けている。事業環境が改善したとは言い切れない
- 冷静に読むなら:減少の一部は2026年1月の子会社移管による転籍であり、すべてが雇用の消失を意味するわけではない。連結ベースでの減少は、印刷業界全体の需要縮小と歩調が合っている
- 実務的に読むなら:採用人数が多い会社ではないため、ポジションが限定的で、募集職種と自分の経験が合致するかが選考の実質になる(推定情報)
一方で、平均勤続年数25.2年という数字は、いま在籍している人たちが長く働き続けていることも示しています。人員削減の履歴と、長期勤続の実態は矛盾なく併存します。どちらか一方だけを取り上げて評価しないことが重要です。
取引先と株主の構造|読売新聞・ヤマト運輸で連結売上の約4割
この会社を理解するうえで欠かせないのが、取引先と株主の構造です。ここには他社では見られない特徴があります。
まず取引先です。公式情報として、有価証券報告書の「事業等のリスク」において、読売新聞東京本社とヤマト運輸の2社で連結売上高の約4割を占めるという特定取引先への依存を、会社自身が明記しています。
次に株主構成です。2026年3月31日現在の大株主上位は以下のとおりです(発行済株式・自己株式除くベース)。
| 株主名 | 持株数 | 比率 | 関係 |
|---|---|---|---|
| 三菱製紙株式会社 | 511千株 | 16.70% | 用紙メーカー |
| DIC株式会社 | 457千株 | 14.91% | インキメーカー |
| 株式会社読売新聞グループ本社 | 224千株 | 7.33% | 主要取引先 |
| 江口弘尚 | 130千株 | 4.24% | 個人 |
| 株式会社三菱UFJ銀行 | 102千株 | 3.35% | 金融機関 |
| 株式会社SCREENホールディングス | 100千株 | 3.26% | 印刷機器メーカー |
特徴的なのは、上位株主が同業の印刷会社ではなく、用紙・インキの資材メーカーと受注先である点です。原材料もDICグラフィックス株式会社・三菱王子紙販売株式会社(いずれも関連当事者)から仕入れており、資本と取引が一体化した構造になっています。なお筆頭株主の三菱製紙も持分16.70%にとどまり、親会社は存在しません。
この構造の両面を整理します(推定情報を含みます)。
- 安定性の面:長期の取引関係と資本関係が結びついており、受注が短期間で消えにくい。新規開拓の重圧が比較的小さい営業環境である可能性がある
- リスクの面:2社で売上の約4割という集中度は、その2社の方針変更が業績に直撃する構造でもある。会社自身がリスクとして開示している以上、応募者もそれを前提に考えるべき
- キャリアの面:既存の大口顧客への深耕が中心となるため、幅広い新規開拓の経験を積みたい営業職には物足りなさが生じうる
あわせて、資本金1億円という点にも触れておきます。2022年8月2日の減資により資本金をその他資本剰余金へ振り替えた結果で、資本剰余金を含めれば100億5,700万円です。売上141億円の上場企業でありながら資本金は1億円という状態で、これは経営が縮小したという意味ではなく、税務・資本政策上の選択です。
将来性をどう評価するか|印刷技術の応用先という論点
将来性については、一般論ではなく、この会社の数字と業界構造の両方から評価します。結論は「印刷事業単体での回復は容易ではないが、印刷技術を別の需要へ接続する道筋は具体的に存在する」です(推定情報)。
前提となる業界構造から。印刷技術を保有する企業は近年、紙媒体そのものの需要縮小に対して、蓄積した薄膜形成・パターニング・色再現の技術を機能材料やデバイスへ応用する方向で活路を探ってきました。成形同時加飾(IMD)市場は2025年の約37億ドルから2032年に約72億ドルへ年平均約10%の成長が見込まれ、医療機器の受託開発製造(CDMO)市場も2025年で1,300億ドル規模、年率13%前後の成長が予測される領域です。印刷会社が電子部品・機能材料・医療関連へシフトする動きは、業界全体の潮流として続いています。
この文脈に光村印刷を置くと、次のように見えます。
- 産業資材・電子部品製造事業:那須工場での半導体加工テープ(スクリーン印刷製品)と水晶振動子向け治具(エッチング精密製品)は、まさに印刷技術の応用領域。第124期は前期比22.3%増と3セグメント中もっとも高い伸びを示した。ただし売上3億72百万円・従業員21名と規模は小さく、△58百万円の赤字段階にある
- 医薬・OTC向けパッケージ:連結子会社の新村印刷(2018年子会社化)が担う成長領域。ただし第124期の同社は売上1,999,630千円に対し経常損失△45,541千円・当期純損失△380,435千円と、まだ収益化には至っていない
- 証券類の偽造防止印刷:規制・信頼性が参入障壁になる領域で、価格競争に巻き込まれにくい性質を持つ
- 不動産賃貸等事業:大崎地区再開発計画を見据えた見直しが有報に明記されており、資産価値の実現という選択肢を持つ
厳しい面も明確です。売上の約94%を占める印刷事業が赤字で、2027年3月期も会社予想の段階で営業損失を見込んでいます。成長領域として挙げられる産業資材・医薬パッケージはいずれも規模が小さく、現時点で全社の損益を反転させる力は持っていません。回復の道筋は描かれているが、まだ数字として現れていない段階というのが、公表数値から言える正確な評価です。
キャリアの観点で補足すると、この業界では「特定製品」ではなく「生産技術・工程設計」として持ち運べるスキルを蓄えられるかが、長期的な市場価値を左右します。印刷機のオペレーションだけでなく、材料・工程・品質管理の設計に関与できるポジションであれば、電子部品メーカーやパッケージメーカーへの横展開が視野に入ります。逆に、特定設備の操作に閉じた経験のみが積み上がる配置では、社外での通用性は限定的になりやすい点に注意が必要です(推定情報)。
口コミ傾向の読み方|母数が少ない点に注意
ここまで一次情報を中心に見てきましたが、働き方の実感は口コミからしか得られない部分もあります。ただし前提として、光村印刷は連結614名の企業であり、口コミサイトへの投稿件数は多くありません。以下はすべて口コミ傾向であり、断定ではありません。
OpenWorkでは総合スコア2.60、残業時間は月14.0時間、有給休暇消化率32.3%と表示されています(いずれも検索結果由来の二次情報で、集計時点・回答者数は明示されていません)。就活会議には全96件、転職会議には年収関連17件などのページが存在しますが、いずれも大企業ほどの母数ではありません。
投稿から読み取れる傾向を整理します。
- 時間面の二面性:「残業は少ない」という声がある一方で、「有給が取りにくい」という指摘も見られる。総労働時間は抑えられているが、休暇取得の運用には課題があるという構図
- 給与の伸び:「給料はほとんど上がらない」という基本給の伸び悩みへの指摘と、「残業代や夜勤手当はやった分はしっかり出る」という手当の運用への評価が併存する
- 処遇の決まり方:学歴による基本給の差が長期間残るという趣旨の投稿がある
- 部門差:営業職の負荷を指摘する声があり、部門によって働き方の実感が異なる可能性を示唆している
これらは投稿者個人の体験であり、全社の実態を代表するものではありません。特に投稿件数が少ない企業では、一部の強い意見が全体の印象を左右しやすくなります。口コミは「確認すべき質問リスト」として使い、事実確認は面接で行う——これが母数の少ない企業に対する正しい向き合い方です。
面接で確認する価値が高い項目を挙げておきます。
- 応募ポジションの雇用主が提出会社か、光村高速オフセット等の子会社か
- 配属予定のセグメント(印刷/産業資材・電子部品製造/不動産賃貸等)と、その部門の直近の位置づけ
- 勤務地と、将来的な異動・転勤の可能性
- 賞与の支給実績と、基本給の改定ルール
- 有給休暇の取得実績(部署単位)
光村印刷への転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。数字が示す会社の性格と、自分の志向が噛み合うかを確認してください。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 長期勤続の文化に馴染める人(平均勤続25.2年) | 短期間で昇格・昇給を実現したい人 |
| 美術印刷・色再現など、品質そのものに価値を感じられる人 | 成長市場で規模拡大を経験したい人 |
| 既存の大口顧客との関係を深く育てる営業スタイルを好む人 | 新規開拓の量とスピードで評価されたい人 |
| 残業時間が抑えられた環境を重視する人 | 年収の絶対額を最優先で引き上げたい人 |
| 印刷技術を産業資材・電子部品へ応用する挑戦に関心がある人 | 会社が黒字基調で安定していることを必須条件にする人 |
| 財務基盤(自己資本比率68.3%)を評価軸に入れられる人 | 教科書・出版の編集に携わりたい人(同社の事業領域ではない) |
最後の行は、この会社に特有の項目です。冒頭で述べたとおり、7916の光村印刷は印刷会社であり、教科書出版を志望しているなら、応募先そのものを見直す必要があります。
光村印刷への転職|編集部の見解
編集部の見解として、光村印刷は「条件つきで検討に値するが、業績の現状を理解したうえで応募すべき会社」と考えられます。総合すると、次のように評価できます。
評価できる点は、まず財務の厚みです。2期連続の営業赤字にもかかわらず、自己資本比率68.3%・現金及び現金同等物64億3,427万円を保持し、継続企業の前提に関する注記も付されていません。加えて、不動産賃貸等事業という安定収益源を持ち、大崎地区再開発という選択肢も残しています。「赤字=ただちに危険」ではないことは、貸借対照表が示しています。平均勤続25.2年という定着の長さ、残業時間の抑制についても、働き方の安定を求める人には合致しうる要素です。
慎重に考えるべき点は、収益構造そのものです。売上の94%を占める印刷事業が赤字で、2027年3月期は会社予想の段階で営業損失△350百万円、第1四半期も営業損失約1億62百万円と推移しています。従業員数は5期連続で減少し、2021年には希望退職も実施されました。平均年収490万円は、同規模の野崎印刷紙業(約523.9万円)と比べても高い水準ではありません。「入社後に給与が大きく伸びる」前提を置くのは、現時点の数字からは慎重であるべきです。
したがって、次のような人にはおすすめできます。
- 年収の絶対額よりも、労働時間の安定と長期就業を優先したい人
- 印刷技術を産業資材・電子部品へ応用する再構築フェーズに、自分の専門性で関与したい人
- 財務諸表を自分で読み、リスクを理解したうえで意思決定できる人
逆に、成長企業で報酬を引き上げたい人や、事業の拡大局面を経験したい人には、印刷業界内でも別の選択肢(開示関連や包装分野など、利益率の高い領域を持つ企業)を並行して検討することをおすすめします。1社だけを見て判断しないことが、この規模・この局面の企業を検討する際にはとりわけ重要です。
光村印刷に関するよくある質問(FAQ)
光村印刷への転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。いずれも公表情報にもとづいて回答しています。
光村印刷の読み方は?
「みつむらいんさつ」です。英文社名はMITSUMURA PRINTING CO., LTD.で、創業者・光村利藻の姓に由来します。証券コードは7916、東証スタンダード市場に上場しています。
光村印刷は光村図書出版のグループ会社ですか?
証券コード7916の光村印刷株式会社と、教科書出版の光村図書出版株式会社は別法人です。第124期有価証券報告書の大株主一覧・関係会社・関連当事者のいずれにも光村図書出版の名称は記載されていません。本記事では両社の資本関係の有無について断定を避け、「別法人である」という事実の範囲で整理しています。教科書の編集・出版に携わりたい場合、7916は応募先として適合しません。
光村印刷の平均年収は本当に490万円ですか?
公式情報として、第124期有価証券報告書に記載された平均年間給与は4,902,324円(賞与・基準外賃金含む)です。ただしこれは提出会社285名の平均であり、2026年1月に新聞印刷の生産機能を子会社へ移管して提出会社の従業員が129名減った後の数字です。連結614名やグループ子会社の給与水準を示すものではなく、子会社の水準は有価証券報告書では開示されていません。
資本金が1億円なのは経営が縮小したからですか?
いいえ。2022年8月2日の減資により資本金をその他資本剰余金へ振り替えた結果で、資本剰余金を含めれば100億5,700万円です。売上141億円の上場企業でありながら資本金1億円という構成になっていますが、これは資本政策上の選択であり、事業規模の縮小を直接示すものではありません。
狭山工場・那須工場ではどんな仕事をしていますか?
第124期有価証券報告書の設備の状況によると、狭山工場(埼玉県狭山市)は印刷事業を担当し従業員111名、那須工場(栃木県大田原市)は産業資材・電子部品製造事業を担当し従業員10名です。那須工場では半導体加工テープなどのスクリーン印刷製品と、水晶振動子向け治具などのエッチング精密製品を製造しています。なお川越事業所(埼玉県川越市、土地24,588.21㎡)は2026年3月期末時点で遊休資産として記載されています。
中途採用は行っていますか?
公式採用サイトでは、新卒はマイナビ経由、中途は問い合わせフォームで随時受け付ける形が案内されており、2026年時点では関西支社の営業職採用を強化中と記載されています。従業員285名(連結614名)規模のため募集枠は限定的と考えられます(推定情報)。応募前に、雇用主となる法人名・配属セグメント・勤務地を必ず確認してください。
光村印刷への転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 社名の混同 | 7916は印刷会社。教科書出版の光村図書出版とは別法人 |
| 年収水準 | 有報490万円(提出会社285名)。同規模の野崎印刷紙業523.9万円より低い |
| 収益力 | 2期連続の営業赤字。2027年3月期も営業損失△350百万円を予想 |
| 事業構造 | 売上94%の印刷事業が赤字、黒字は不動産賃貸等事業のみ |
| 財務の安全性 | 自己資本比率68.3%・現預金64億円。GC注記は付されていない |
| 雇用の安定 | 連結従業員は5期連続減少。2021年に希望退職を実施した履歴あり |
| 働き方 | 平均勤続25.2年と定着は長い。残業は少なめ、有給取得には指摘あり(口コミ傾向) |
| 勤務地 | 本社(品川区大崎)・狭山工場・那須工場・関西支社に集約 |
| 成長領域 | 産業資材・電子部品は前期比22.3%増だが売上3億72百万円と小規模 |
| 顧客構造 | 読売新聞東京本社・ヤマト運輸の2社で連結売上の約4割(有報が明記) |
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。2021年の希望退職および2027年3月期第1四半期の実績は二次ソースを参照しており、その旨を本文中に明記しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは第124期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。拠点の状況についても、有価証券報告書「設備の状況」に記載された事実のみを扱い、確認されていない事象については記載していません。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
