クオンツ総研HDに「平均年間給与」の開示がない理由|連結690名の内訳で将来性を見る
※本記事にはプロモーションを含みます。
クオンツ総研ホールディングスの有価証券報告書には、平均年間給与の記載がありません。理由は明確です。有報にこう書かれています。
提出会社は純粋持株会社であり、業務を委託しているため、従業員はおりません。
提出会社に従業員がいないので、平均年間給与という項目自体が成立しません。「クオンツ総研HDの年収は◯◯万円」という検索結果を見た方は、まずこの前提を知ってください。この記事では、開示されている連結従業員690名の内訳と、グループ各社の位置づけから、「働く場所として続くか」を確認します。
結論|平均年間給与の開示はない。ただし連結690名の内訳は確認できる
| 確認項目 | 結果 | 根拠 |
|---|---|---|
| 提出会社の従業員数 | 0人(「従業員はおりません」) | 有価証券報告書「従業員の状況」 |
| 提出会社の平均年間給与 | 開示なし | 同上 |
| 連結従業員数 | 690名(2025年9月30日現在) | 有価証券報告書 |
| 連結の内訳 | M&A仲介484名・コンサルティング146名・その他2名・全社58名 | 同上 |
| 提出会社の事業内容 | 純粋持株会社 | 有価証券報告書の記載 |
| グループ会社(公表分) | 5社(下記に一覧) | 会社の公表情報 |
| 継続企業の前提に関する注記 | 確認できず | 本記事の抽出範囲 |
向いている人:応募先がグループのどの事業会社かを自分で確かめてから動ける人。M&A仲介・コンサルティングという分野で長く働くつもりの人。
慎重に考えたい人:検索で出てくる年収の推定値を自分の想定年収として計算に入れている人。この会社では、有報から平均年間給与を確認する方法がそもそもありません。
この記事の調査条件
- 主軸:第7期(2024年10月1日〜2025年9月30日)有価証券報告書。書類管理番号 S100XDNQ
- 抽出箇所:同報告書「第5 従業員の状況」の提出会社の状況(14ページ目付近)と連結従業員の内訳、「主要な経営指標等の推移」
- 併用:会社の公表情報(グループ会社の一覧)
- 有価証券報告書の数値は、編集部が2026年9月21日にEDINETから取得した原本(PDF)の該当ページから抽出しました
- 会社の公表情報は、編集部が2026年9月22日に確認しています
- 決算期は9月です
「主要な経営指標等の推移」の表について、1点お断りがあります。有報の「従業員の状況」には「当社は従業員はおりません」と明記されている一方、「主要な経営指標等の推移」の従業員数の行には数値が記載されており、単体の数字なのか連結の数字なのかを、本記事の確認範囲(抜粋)だけでは断定できませんでした。さらに、この行には202.40人・175.60人という小数を含む数値があり、読み取りの誤りである可能性が高いと判断しています。したがって本記事では、この表の従業員数の行は使いません。財務数値(売上高・利益等)についても、単体・連結いずれの呼称も付けずに、有報の記載どおりの数値として示します。
口コミサイトの体験談・評点・推定年収は、根拠に使っていません。この会社では、有報から平均年間給与を確認する方法がそもそも無いため、口コミの推定値で埋めることは特に避けるべきだと判断しています。この記事は、会社を投資の対象としては評価しません。当サイトは転職メディアであり、その分野の専門性も登録も持っていないためです。
持株会社の数字を事業会社の待遇と混ぜないための考え方は、持株会社の従業員ゼロと、グループで働く人の待遇を分けて読むにまとめています。

なぜ平均年間給与が開示されないのか
有価証券報告書の「従業員の状況」の記載は次のとおりです。
提出会社は純粋持株会社であり、業務を委託しているため、従業員はおりません。
有価証券報告書の「従業員の状況」は、本来「提出会社」の従業員数・平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与を載せる欄です。しかし、この会社の提出会社には従業員が1人もいません。業務を(おそらくグループ会社に)委託する形を取っているためで、これは持株会社に特有の事情です。従業員がいない以上、平均年間給与という項目そのものが存在しません。
これは、この会社の情報開示が不十分だという意味ではありません。制度上、存在しない項目は書きようがないというだけです。「クオンツ総研HDの年収は◯◯万円」という検索結果を見かけたら、それは有価証券報告書に基づく数字ではなく、口コミサイトの推定値である可能性が高いと考えてください。当サイトはそうした推定値を根拠に使いません。
連結従業員690名の内訳
有価証券報告書には、連結ベースの従業員数の内訳が記載されています(2025年9月30日現在)。
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| M&A仲介 | 484名 |
| コンサルティング | 146名 |
| その他 | 2名 |
| 全社(共通) | 58名 |
| 合計 | 690名 |
M&A仲介が484名と、連結全体の約70.1%を占めています(編集部の算出)。この会社のグループにおいて、実際に働く人の大半はM&A仲介業務に関わっていると考えられます。「全社(共通)」の58名は、経営管理やバックオフィスなど特定のセグメントに属さない人員と考えられますが、具体的な業務内容までは開示から確認できませんでした。
グループ会社
会社の公表情報にもとづくグループ会社の一覧です。
| 会社名 | 想定される事業領域 |
|---|---|
| 株式会社M&A総合研究所 | M&A仲介 |
| 株式会社クオンツ・コンサルティング | コンサルティング |
| 株式会社総研リース | リース |
| 株式会社M&Aエグゼクティブパートナーズ | M&A仲介 |
| 株式会社M&Aプライムグループ | M&A仲介 |
社名からM&A仲介を担う会社が複数あることが分かりますが、各社の従業員数・平均年収は、本記事が確認した資料には記載がありませんでした。応募を検討する場合は、グループ会社の一覧のうち、求人票に記載された法人名がどの会社に当たるかを、応募前に確認してください。
「主要な経営指標等の推移」の数値(単体・連結いずれの呼称も付けずに示します)
有価証券報告書に記載された5期分の数値です。繰り返しますが、この表が提出会社単体の数字か連結の数字かを、本記事の確認範囲だけでは断定できていません。したがって、以下は有報の記載どおりの数値として示し、単体・連結いずれの呼称も付けません。従業員数の行は、小数を含む値(202.40人・175.60人)があり読み取りの誤りである可能性が高いため、掲載していません。
| 期 | 第3期 | 第4期 | 第5期 | 第6期 | 第7期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 決算年月 | 2021年9月 | 2022年9月 | 2023年9月 | 2024年9月 | 2025年9月 |
| 売上高(千円) | 1,328,039 | 3,911,607 | 3,131,600 | 872,254 | 8,693,976 |
| 経常利益(千円) | 557,932 | 2,082,579 | 1,343,125 | 199,990 | 7,733,458 |
| 当期純利益(千円) | 368,164 | 1,326,616 | 842,168 | 133,147 | 6,444,963 |
| 純資産額(千円) | 777,777 | 2,929,901 | 3,794,936 | 1,558,955 | 1,408,319 |
| 総資産額(千円) | 1,353,586 | 4,228,663 | 4,664,687 | 3,639,267 | 4,334,978 |
| 自己資本比率(%) | 57.50 | 69.30 | 81.30 | 42.70 | 31.30 |
読み取れることが2つあります。
1つ目。売上高・経常利益・当期純利益は、第6期に落ち込んだあと、第7期に急回復しています。特に第7期の売上高8,693,976千円は、第6期の872,254千円から約9.97倍(編集部の算出)という大きな伸びです。この期にグループ再編(持株会社体制への移行)があったと考えられ、数値の性質が期によって変わっている可能性があります。内訳は本記事が用いた資料からは確認していません。
2つ目。自己資本比率は第5期の81.30%から第7期の31.30%へ、50.0ポイント低下しています(編集部の算出)。純資産額も第5期の3,794,936千円から第7期の1,408,319千円へ大きく減っています。この変化についても、持株会社体制への移行に伴う会計上の処理が影響している可能性がありますが、推測で内訳を書くことはしません。
この表の数字の急激な変動は、事業の急成長・急悪化というより、会社の組織構造そのものが変わった(事業会社から持株会社へ)ことを反映している可能性が高いと編集部は考えています。ただし、これはあくまで編集部の読み方であり、有価証券報告書がそう説明しているわけではありません。
東京証券取引所プライム市場への上場は、開示の水準が一定以上であることを意味します。持株会社化によって提出会社の従業員データが「無し」になっても、有価証券報告書自体は毎期提出され続けており、連結の従業員内訳(セグメント別690名)のように、単体では読めない情報を補う開示は続いています。この点は、非上場の会社と比較したときの違いとして押さえておく価値があります。
抽出範囲に、継続企業の前提の注記の記載は見当たらない
本記事が抽出した範囲には、継続企業の前提に関する注記の記載を見つけられませんでした。見つからなかったことは、注記が無いことの証明ではありません。
M&A仲介484名が支える主力事業|将来性をどう読むか
ここが、「クオンツ総研HD 将来性」というKWで検索してきた方の問いに正面から答える部分です。当サイトが見るのは、働く場所として続くかどうかだけで、その判断を開示されている材料だけで組み立てます。
材料1:事業が何か。M&A仲介とコンサルティングが中心です。連結従業員690名のうちM&A仲介が484名(約70.1%)を占めており、この会社の主力事業がM&A仲介であることは、従業員の配分から読み取れます。
材料2:グループの構成。提出会社(純粋持株会社)の下に、M&A総合研究所・クオンツ・コンサルティング・総研リース・M&Aエグゼクティブパートナーズ・M&Aプライムグループという5社が公表されています。複数の法人でM&A仲介を担う構成になっており、事業の集中度が高いことがうかがえます。
材料3:規模。連結従業員690名(2025年9月30日現在)。上場市場は東京証券取引所プライム市場、証券コードは9552です(編集部が2026年9月22日に確認)。
材料4:財務の変動。「主要な経営指標等の推移」の数字は5期で大きく変動していますが、その変動が事業の実態を示すものか、持株会社体制への移行に伴う会計上の変化かを、本記事は判別しきれていません。
そのうえでの編集部の読みです。連結従業員690名のうち約7割がM&A仲介という主力事業に配置されている点は、事業として一定の規模と集中度を持っていることを示しています。一方で、財務数値の急激な変動の理由が確認できていないこと、提出会社の従業員数がゼロで平均年間給与という指標そのものが使えないことは、この会社の将来性を判断するうえでの弱点です。従業員数の増減で将来性を見るという当サイトのやり方が、この会社では一番効きにくい形になっています。
グループ各社の年収も、財務数値の単体・連結の別も見当たらない
答えられないものを、はっきり書きます。次の項目は、本記事が確認した資料のどこにも記載がありませんでした。
- 提出会社の平均年間給与(制度上、開示自体が存在しない)
- グループ各社ごとの平均年収
- グループ各社ごとの従業員数の内訳
- 離職率(3年以内離職率を含む)
- 月平均の残業時間
- 年次有給休暇の取得率
当サイトは、この6項目について推定値を書きません。当サイトが開示のない項目を推定で埋めない理由は、開示がない項目を推定で埋めない当サイトの姿勢にまとめています。「非上場だから開示がない」わけではなく、この会社は上場企業として有価証券報告書を提出していますが、制度上、純粋持株会社には従業員に関する開示項目がそもそも存在しないという構造です。
「配属先はどの法人か」|持株会社グループの面接で私が確かめてきたこと
中途の選考で面接官を務めていたころ、持株会社グループの求人を受ける人の多くが、有価証券報告書に載っている会社全体の数字を自分の待遇だと思い込んでいました。この会社の場合、その数字自体が最初から存在しません。検索して出てくる年収の推定値を鵜呑みにせず、応募先の法人名を求人票で確認することが、他のどの会社よりも重要になります。
面接で確認する価値があるのは、「配属予定はグループのどの法人になりますか。その法人の平均年収や賞与制度について教えてください」という質問です。求人票には賃金の額を記載する義務があります(職業安定法5条の3第1項、同条4項の委任を受けた同法施行規則4条の2第3項5号)。
従業員0人、連結690名の7割がM&A仲介|応募前に確認したいこと
すすめられる人
- 応募先の法人を自分で確かめてから動ける人。提出会社(持株会社)とグループ会社は別法人です
- M&A仲介・コンサルティングという分野で長く働くつもりの人。連結従業員の約7割がM&A仲介に配置されています
- 有価証券報告書の実文を自分で読んで判断できる人
先に確認が要る人
- 検索で出てくる年収の推定値を自分の想定年収として計算に入れている人。この会社には、有報から確認できる平均年間給与という数字がそもそもありません
- 財務の安定性を数値で確認してから動きたい人。5期の数値の変動が大きく、その理由が本記事では確認できていません
- 離職率や残業時間の実績値で比較したい人。開示がありません
提出会社に従業員がいない持株会社は、この会社だけではありません。平均年間給与が開示されていても、それが持株会社の少人数の数字にすぎない例もあります(参考:アジアパイルの平均年間給与が持株会社11人の数字だった記事)。この会社はその一歩先で、開示そのものが存在しないケースです。
編集部の結論です。この会社について最も重要な事実は、提出会社が純粋持株会社であり、従業員も平均年間給与の開示も存在しないことです。「年収の情報が無い」ことは怠慢ではなく、この会社の組織構造そのものによるものです。働く場所として見るなら、連結690名のうち約7割がM&A仲介という主力事業に配置されている点を手がかりに、応募先の具体的な法人まで確認してください。
そのうえで、まず自分の市場価値を測っておくことをおすすめします。提示された額が高いのか低いのかは、相場を知らないと判断できません。
よくある質問
クオンツ総研HDの平均年収はいくらですか
開示がありません。有価証券報告書には「提出会社は純粋持株会社であり、業務を委託しているため、従業員はおりません」と明記されており、平均年間給与という項目自体が存在しません。当サイトは推定値を書きません。求人票または応募先で確認してください。
なぜクオンツ総研HDには従業員がいないのですか
純粋持株会社だからです。純粋持株会社は自ら事業を行わず、グループ各社の株式を保有・管理する法人です。この会社は業務を(グループ会社等に)委託する形を取っており、提出会社自体には従業員がいません。
クオンツ総研HDで実際に働くのはどの会社ですか
会社が公表しているグループ会社は、株式会社M&A総合研究所・株式会社クオンツ・コンサルティング・株式会社総研リース・株式会社M&Aエグゼクティブパートナーズ・株式会社M&Aプライムグループの5社です。連結従業員690名のうち484名(約70.1%)がM&A仲介セグメントに属しています。
クオンツ総研HDの将来性はどうですか
「働く場所として続くか」で見ると、連結従業員の約7割がM&A仲介という主力事業に配置されており、一定の事業規模を持っています。一方で、5期の財務数値には大きな変動があり、その理由(持株会社体制への移行の影響かどうか)は本記事では確認できていません。投資の対象としての評価は、当サイトでは行いません。
クオンツ総研HDの離職率や残業時間はどれくらいですか
有価証券報告書にも会社の公表情報にも開示がありません。当サイトは推定値を書きません。
M&A総合研究所の年収はいくらですか
開示がありません。有価証券報告書の従業員に関する開示は提出会社(クオンツ総研HD)の欄のみで、グループ各社ごとの年収は会社の公表情報にも記載がありませんでした。求人票または応募先で確認してください。
クオンツ総研HDはどこに上場していますか
東京証券取引所プライム市場に上場しています。証券コードは9552です(編集部が2026年9月22日に確認)。本社は東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館17階です。
まとめ
- 提出会社(クオンツ総研HD)には従業員がおらず、平均年間給与の開示がない(有報「従業員の状況」の記載どおり)
- 理由は純粋持株会社であるため。業務は委託する形を取っている
- 連結従業員数は690名(2025年9月30日現在)。内訳はM&A仲介484名・コンサルティング146名・その他2名・全社58名
- グループ会社としてM&A総合研究所・クオンツ・コンサルティング・総研リース・M&Aエグゼクティブパートナーズ・M&Aプライムグループの5社が公表されている
- 「主要な経営指標等の推移」の従業員数の行は小数(202.40人・175.60人)を含み読み取りの誤りの可能性が高いため使用していない
- 財務数値(売上高等)も単体・連結いずれの呼称も断定せずに、有報の記載どおりの数値として示した
- 5期で自己資本比率が81.30%から31.30%へ低下するなど大きな変動があるが、持株会社体制への移行の影響かどうかは確認できていない
- グループ各社ごとの年収・従業員数、離職率、残業時間は、いずれも開示がない。当サイトは推定値を書かない
- この記事の「将来性」は、働く場所として続くかの意味。会社を投資の対象として評価してはいない
この会社に応募するなら、年収の数字より先に「配属先の法人名」を確認してください。有価証券報告書には、その手がかりとなる数字がそもそも載っていない会社だからです。その前に、まず自分の市場価値を測っておいてください。
※本記事の数値は、2026年9月21日に取得した第7期有価証券報告書と、2026年9月22日に確認した会社の公表情報に基づきます。最新の情報は必ず公式のIR資料と採用情報でご確認ください。
※法令に関する記述は一般的な情報です。個別の労働条件の適否については、労働基準監督署・都道府県労働局・社会保険労務士などの専門家・公的機関にご確認ください。
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参考・出典
- クオンツ総研ホールディングス株式会社 第7期(2024年10月1日〜2025年9月30日)有価証券報告書(EDINET書類管理番号 S100XDNQ)。本記事が用いたのは「第5 従業員の状況」(提出会社の従業員に関する記載・連結従業員の内訳)および「主要な経営指標等の推移」:https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100XDNQ.pdf
- 金融庁 EDINET(有価証券報告書等の電子開示システム):https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/
- 日本経済新聞 会社情報「クオンツ総研ホールディングス[9552]」(2026年9月22日に編集部が確認。上場市場・証券コード・本社所在地の出典。有価証券報告書原本での裏取りは次回リライト時に行う):https://www.nikkei.com/nkd/company/?scode=9552
- e-Gov法令検索 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)5条の3:https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141
- e-Gov法令検索 職業安定法施行規則(昭和二十二年労働省令第十二号)4条の2第3項:https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012

