揚羽の評判は?上場ブランディング専業の年収563万と働き方
この記事の結論
- 有価証券報告書(第25期・2025年9月期)によると、株式会社揚羽(AGEHA)の平均年間給与は約563万円(平均年齢36.7歳・平均勤続年数3.8年)。口コミ平均の460万円前後はやや低めだが、これは職種・役職・年代差と専門業務型裁量労働制の影響と考えられます。
- 東証グロース上場の「ブランディング専業」のピュアプレイ上場企業は希少。AGCの採用ブランディングや東京建物のインナーブランディングなど、大手の上流案件を手がける点が下請けにとどまらないやりがいにつながります。
- 2025年9月期は営業損益が約7,300万〜7,400万円の赤字に転落しましたが、原因は積極採用によるコスト先行。2026年9月期は黒字回復を会社が「予想」しており、自己資本比率68.75%と財務基盤は健全です。
- 時価総額わずか約12億円の超小型グロース株。成長余地と株価ボラティリティの両面を理解したうえで、クリエイティブと事業会社の本質課題解決の両方に関心がある人に向いています。
「揚羽(AGEHA)への転職を考えているが、上場しているブランディング会社って実際どうなの?」「年収563万円という数字は本当?口コミだともっと低く見えるけど」——この記事は、そんな疑問に正面から答えます。本記事は有価証券報告書という一次情報を主軸に、株式会社揚羽の年収・働き方・社風・将来性を、口コミ傾向や業界文脈と区別しながら整理しました。クリエイティブ職として働くリアル、超小型グロース株であるがゆえのチャンスとリスク、そして「どんな人に向いているか」までを、転職判断に必要な順序で解説します。読み終えるころには、揚羽が自分にとっての選択肢になり得るかを、客観的な材料をもとに判断できるはずです。
▼ 揚羽への転職を本気で考えているあなたへ
当社はユーザーから一切収益を得ない中立ポジションで、元転職エージェントが客観的に最適な転職先・サービスを案内します。「ブランディング業界で他にもっと向いている会社はないか」「クリエイティブ職の面接対策はどうすべきか」など、無料でキャリア相談が可能です。
株式会社揚羽(AGEHA)とはどんな会社か
まず結論として、株式会社揚羽は「ブランディング支援」を専業とする東証グロース上場企業(証券コード9330)です。転職検討者にとっての要点は、(1) 採用・インナー・サステナビリティといった企業の本質的な課題に踏み込む上流のクリエイティブ会社であること、(2) ブランディング専業で上場している企業は国内でも希少なこと、(3) 時価総額約12億円という超小型のフェーズにあること——この3点に集約されます。広告代理店の下請けで量産するのではなく、事業会社のブランド課題に直接向き合いたい人にとって、立ち位置が明確な会社だと言えます。
公式情報として基本プロフィールを整理します。設立は2001年8月、本社は東京都中央区八丁堀。代表取締役社長は湊剛宏氏で、創業者として株式の約56.5%を保有するオーナー系企業です。決算は9月期。2023年9月21日に東証グロースへ上場しました(公開価格1,400円・初値1,490円)。資本金は約2億3,540万円です。HR領域(採用ブランディング)を起点に、企業のブランド全般へ事業を広げてきた独立系という出自が、同社の社風や案件の性格を理解するうえでの鍵になります。
事業内容:採用・インナー・サステナビリティを束ねるブランディング
揚羽の事業を一言でいえば、「言語化しにくい企業の価値を、見える形にして社内外へ伝える」仕事です。具体的なサービス領域は多岐にわたります。
- コーポレートブランディング:企業理念・ビジョンの言語化、ブランドメッセージ設計。
- 採用ブランディング:採用サイト・採用ムービー・会社案内など、人材獲得のためのコミュニケーション設計(同社の出発点となった領域)。
- インナーブランディング:社員のエンゲージメント向上、理念浸透のための施策設計。
- サステナビリティ・ブランディング:統合報告書やESGストーリーブックの制作など、人的資本・非財務情報の開示支援。
- 映像・Web制作、Webマーケティング:ブランドムービーの制作からデジタル施策まで。
取引基盤は約920社にのぼり、継続顧客の比率は7割を超えるとされています。これは、一度きりの制作で終わらず、企業のブランド課題に伴走し続けるビジネスモデルであることを示します。主要実績としては、AGCの採用ブランディングや東京建物のインナーブランディングなど、誰もが知る大手企業の案件が並びます。クリエイティブ職としては、こうした上流の経営課題に直結する仕事に関われる点が、大きな魅力でありやりがいの源泉になります。
2026年9月期からの事業再編と生成AIシフト
転職を検討するなら、会社が今どこへ向かおうとしているかを知っておくことが重要です。揚羽は2026年9月期より、従来の「コーポレートブランディング+サステナビリティ」を「コーポレートコミュニケーション」へ再編すると公表しています。あわせて、生成AIを活用した最適化(LLMO/AIO=大規模言語モデル最適化・AI最適化)型のマーケティング新サービスを開始する方針です。
これは、クリエイティブ会社がAI時代にどう価値を出すかという問いへの同社なりの回答であり、推定情報として捉えるなら、入社後に身につくスキルセットが従来の「制作」中心から「AIを使いこなす設計・編集」へと広がっていく過渡期にあると考えられます。変化の渦中にある会社で新しい型づくりに関わりたい人にはチャンス、安定した既存業務をこなしたい人には負荷、という両面がある局面です。
揚羽の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、中核となる年収・年齢・勤続・従業員数はすべて有価証券報告書「従業員の状況」に基づく実額です。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,628,000円(約563万円) |
| 平均年齢 | 36.7歳 |
| 平均勤続年数 | 3.8年 |
| 従業員数 | 141名(単体・非連結開示) |
| 売上高 | 1,547百万円(約15.5億円・2025年9月期/単体) |
| 営業利益 | △73〜74百万円(2025年9月期/単体・赤字) |
| 出典 | 第25期 有価証券報告書「従業員の状況」/公式IR資料(証券コード9330・EDINET E38849) |
注意点として、揚羽は小型のグロース企業のため、連結ではなく単体(非連結)での開示が基本です。したがって従業員数141名は「単体」の人数であり、「連結◯名」という表現は当てはまりません。前期(第24期・2024年9月期)は平均給与約517.7万円・平均年齢35.6歳・従業員133名でしたので、直近1年で年収・人員ともに増加しており、人材確保フェーズにあることが数字からも読み取れます。
揚羽の年収はいくら?公式563万円と口コミ460万円前後の差を読み解く
結論から言うと、揚羽の年収は「全社平均で約563万円(公式)/口コミでは400万円台後半が中心」という二層構造で理解するのが正確です。なぜ数字が割れるのか、その理由まで含めて、年収パートを公式→年齢/勤続→口コミ→職種別推定→確認ポイントの順で整理します。転職検討者が最も気にする部分なので、ここは丁寧に見ていきましょう。
公式平均年収:約563万円(有報実額)
有価証券報告書(第25期・2025年9月期)によると、揚羽の平均年間給与は5,628,000円(約563万円)です。これは賞与を含む全社平均であり、二次的なアグリゲータの集計ではなく一次情報の実額です。前期の約517.7万円から約45万円増えており、業績が一時的に悪化した期でも給与水準はむしろ上昇しています。これは後述するように、優秀な人材を積極的に採用してコストが先行したことと整合します。タイトルに掲げた「563万円」はこの有報実額であり、本記事ではこれを年収の主たる基準値として扱います。
平均年齢36.7歳・平均勤続年数3.8年が示すもの
同じく有価証券報告書によると、平均年齢は36.7歳、平均勤続年数は3.8年です。設立2001年という社歴に対して勤続3.8年は短めに見えますが、これは近年の積極採用で新しいメンバーが多く加わっていることの表れと考えられます(前期の従業員133名から141名へ増加)。平均年齢が30代後半である点は、ある程度の実務経験者を中途で迎え入れている構成を示唆します。つまり、未経験の若手だけで構成された会社ではなく、各領域のプロフェッショナルが中途で集まりやすい組織だと、推定情報として読み取れます。
口コミ年収・職種別推定レンジと確認すべきポイント
口コミ傾向として年収を見ると、公式平均とは印象がやや異なります。OpenWork系の集計では平均約467万円、別の集計では約407万円という数字が見られ、いずれも公式平均の563万円より低めです。投稿の内訳としては、担当者クラスで400万円前後、営業課長クラスで600万円前後という声が見られます。昇給は年2回(4月・10月)、賞与は決算賞与が中心という投稿傾向も確認できます。
この公式563万円と口コミ460万円前後の差は、不正確というよりも母集団の違いで説明できます。第一に、口コミは担当者・若手層の投稿が相対的に多く、役職者を含む全社平均より低く出やすいこと。第二に、後述する専門業務型裁量労働制のもとでは残業代の概念が一般的な時間給とは異なり、年収の見え方に影響すること。第三に、職種(制作・営業・ディレクター等)や年代による分散が大きいことです。したがって、口コミの数字だけを真に受けて「思ったより低い」と判断するのは早計で、自分の職種・役職・経験で提示される条件を内定時に確認することが肝心です。クリエイティブ業界では「同じ会社でも担当領域や経験年数で年収が大きく動く」ことが珍しくなく、揚羽もその例外ではないと考えられます。
続いて職種・役職別のレンジです。公式平均と口コミ傾向を突き合わせると、推定情報として以下のようなレンジが考えられます(あくまで目安であり、断定ではありません)。
- 担当者・若手クラス:おおむね350万〜450万円程度の可能性。
- 中堅・ディレクター/プランナークラス:おおむね450万〜600万円程度の可能性。
- 課長・マネージャークラス:おおむね600万円前後〜それ以上の可能性。
全社平均が563万円であることを踏まえると、中堅以上で評価されれば平均を上回る水準も十分に射程に入ると考えられます。クリエイティブ職・広告業界の中では、突出して高くも低くもない標準的なレンジに位置づけられる、というのが妥当な見立てです。逆に言えば、「役職に就いて裁量を持つほど、平均を押し上げる側に回りやすい」構造であり、入社後にどう評価され、どのポジションを目指すかが年収の伸びを左右します。
そのうえで、年収面で後悔しないために、選考・内定の過程で必ず確認したい点を挙げます。これらは口コミだけでは分からない「自分のケース」の部分であり、労働条件通知書で必ず文面を確認しましょう。
- 裁量労働制の適用範囲とみなし時間:専門業務型裁量労働制の場合、想定される労働時間と固定的に支払われる手当の内訳を確認する。
- 賞与の構成:決算賞与が中心とされるため、業績連動でどの程度変動し得るかを把握する。
- 昇給の実態:年2回(4月・10月)の改定で、評価がどう反映されるか(後述の評価制度とあわせて確認)。
- 提示額の前提:自分の職種・役職で提示される金額が、上記レンジのどこに位置するか。さらに、提示額が固定残業(みなし)を含むのか別途支給なのかも要確認。
揚羽の働き方・残業・休日のリアル
働き方について先に結論を言うと、「クリエイティブ業界としては極端に重くはないが、繁忙期は負荷が高まる。裁量労働制とハイブリッド勤務が前提」というのが口コミから見える実像です。広告・制作という業種特性を踏まえたうえで、残業・勤務形態・休日の観点から整理します。
残業時間:月平均約50時間という投稿傾向
口コミ傾向として、残業は月平均で約50時間という投稿が見られます。この水準について、投稿の中には「制作・広告業界の中では重すぎる水準ではない」という評価もある一方、「繁忙期には残業が慢性化する」という声も確認できます。つまり、業界平均と比べて突出して長いわけではないものの、案件の納期が重なる時期には負荷が上がる、という二面性があると推定されます。クリエイティブ職は成果物の質と締め切りの両立が常に求められるため、この点は業種共通の特性として理解しておくとよいでしょう。
裁量労働制とハイブリッド勤務
勤務形態については、専門業務型裁量労働制が多く採用されているという投稿傾向があります。裁量労働制は、働く時間を自分でコントロールしやすい反面、成果へのコミットが前提となるため、自走できる人に向いた制度です。また、リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッド型の働き方が定着しているとされ、コロナ禍以降の柔軟な勤務スタイルが一定程度根づいていることがうかがえます。子育て中の人や、集中作業と打ち合わせを使い分けたい人にとっては、働きやすさにつながる要素です。
ただし注意点として、口コミでは「部署によって労働環境に差がある」という声も見られます。同じ会社でも、配属されるチームや担当する案件の性質によって繁忙度が変わり得るため、面接の際に「配属予定の部署の働き方」を具体的に質問しておくことをおすすめします。
休日・福利厚生で確認しておきたいこと
休日・福利厚生については、推定情報として捉える前提で整理します。揚羽の年間休日数や個別の福利厚生制度の詳細は、有価証券報告書では開示されていない項目であり、公式採用サイトや内定時の労働条件で確認すべき領域です。一般に、クリエイティブ業界では「カレンダー通りの土日祝休みを基本としつつ、繁忙期や納期前には稼働が伸びることがある」という働き方が多く、揚羽もハイブリッド勤務・裁量労働制を前提にした柔軟な運用がなされていると考えられます。
転職検討者が確認しておくとよい福利厚生の論点は、次の通りです。これらは制作・広告系の会社を比較するうえで満足度を左右しやすいポイントです。
- 年間休日数と休暇の取りやすさ:制度上の日数だけでなく、繁忙期に実際に取得できるか。
- リモート勤務の運用ルール:出社頻度の目安、在宅手当や通信費補助の有無。
- スキル開発支援:書籍・セミナー・ツール費用の補助など、クリエイターの学習を後押しする制度の有無。
- 評価と報酬の連動:後述の評価制度とあわせ、頑張りが処遇にどう反映されるか。
福利厚生は「あるかないか」だけでなく「実際に使えるか」が重要です。面接で具体的な運用実態まで踏み込んで確認することで、入社後のギャップを防げます。
▼ 「自分のケースだと働き方はどうなる?」を相談したいあなたへ
「同業他社と比べてどう判断すべきか」「自分の経歴で受かるか」「裁量労働制の会社で後悔しないか」など、転職判断の細かい疑問は記事だけでは解消しきれません。当社では元転職エージェントが中立の立場で、あなたに最も適した企業・エージェント・キャリア戦略を無料でアドバイスします。
揚羽の社風・評価制度・キャリアパス
社風について結論を述べると、「クリエイティブ好きが集まり士気が高く、風通しが良い。一方で評価基準には曖昧さが残る」というのが口コミから浮かび上がる像です。カルチャーフィットは転職の満足度を大きく左右するため、ポジティブな面と留意点の両方を見ていきます。
社風:クリエイティブ志向と「抱え込ませない」文化
口コミ傾向として、社風に関しては以下のような肯定的な投稿が目立ちます。
- 「クリエイティブが好きな人が多く、士気が高い」
- 「風通しが良く、意見を言いやすい」
- 「会社のバリュー(価値観)がしっかり言語化されている」
- 「一人で仕事を抱え込ませない雰囲気がある」
ブランディングという「企業の価値観を言語化する」事業を生業にしているだけあって、自社のカルチャーやバリューの言語化にも力を入れている様子がうかがえます。クリエイティブに前向きで、チームで協力しながら進めたい人にとっては、居心地のよさを感じやすい環境だと推定されます。
評価制度:半期1回・基準の曖昧さという留意点
一方で、口コミ傾向として留意すべき声もあります。評価については「半期に1回の評価だが、基準が曖昧で上司に依存しがち」という投稿が見られます。これは成長企業やクリエイティブ系の組織で比較的よく聞かれる課題で、定量化しにくい仕事の性質上、評価が定性的・属人的になりやすい構造が背景にあると考えられます。
転職時の対策としては、面接で「評価のプロセスと、昇給・昇格の判断基準」を具体的に確認することが有効です。どんな成果がどう評価につながるのかを入社前にすり合わせておくことで、入社後のミスマッチを減らせます。これは揚羽に限らず、評価制度が発展途上の成長企業全般に共通する確認ポイントです。
クリエイティブ職のキャリアパス
推定情報として、揚羽でのキャリアの広がり方を考えてみます。出発点が採用ブランディングであり、そこからコーポレート・インナー・サステナビリティへと領域を拡大してきた会社であるため、一つの専門に閉じず、複数のブランディング領域を横断的に経験できる可能性があります。たとえば採用領域のディレクターが、統合報告書のプロジェクトに関わることで非財務情報開示の知見を得る、といった越境です。
さらに2026年9月期からの生成AI活用サービスの立ち上げを踏まえると、AIを活用したコンテンツ設計・編集という新しいスキル軸が加わっていくと考えられます。クリエイティブの専門性に、事業課題解決力とAIリテラシーを掛け合わせたキャリアを志向する人にとっては、市場価値を高めやすいフィールドになり得ます。
揚羽の業績と将来性:2025年赤字→2026年黒字回復「予想」をどう見るか
将来性を判断するうえで避けて通れないのが、2025年9月期の営業赤字です。結論を先に言えば、「赤字は事実だが、優秀人材の一気採用によるコスト先行という先行投資型の一時的悪化であり、2026年9月期は黒字回復を会社が『予想』している。財務基盤も健全」という両面で捉えるのが妥当です。数字に基づいて冷静に見ていきましょう。
業績推移:赤字転落の中身
公式情報(単体・百万円・9月期)として、業績の推移は以下の通りです。
- 2023年9月期:売上1,736/営業利益113/純利益74(上場の年・好調)
- 2024年9月期:売上1,560/営業利益1(ほぼ均衡)/純利益27
- 2025年9月期:売上1,547/営業利益△73〜74/経常△76/純利益△63(赤字転落)
- 2026年9月期(会社予想):売上1,850(過去最高水準)/営業利益50(黒字回復)/純利益約32
2025年9月期の営業赤字約7,300万〜7,400万円は事実として正確に受け止める必要があります。ただし、その原因は事業の構造的な失速ではなく、優秀な人材を一気に採用したことによる人件費の先行と、新体制の稼働が立ち上がりきらなかったこととされています。前期に従業員が133名から141名へ増え、平均給与も上昇していることは、この「先行投資」の説明と整合します。
財務の健全性と「予想」であることの留意
赤字というと不安に感じるかもしれませんが、財務基盤は健全です。公式情報として、自己資本比率は68.75%と高く、借入に過度に依存していない財務構造です。配当は無配で、利益を成長投資に回す方針と考えられます。創業者の湊剛宏氏が約56.5%を保有するオーナー企業であるため、意思決定のスピードが速い反面、ガバナンスの観点では創業者の影響が大きいという特性も併せ持ちます。
ここで重要なのは、2026年9月期の黒字回復はあくまで会社の「予想」だという点です。計画通りに進むとは限らないため、将来性を楽観的に断定することも、悲観的に決めつけることもできません。推定情報として言えるのは、サステナビリティ開示・人的資本開示の需要拡大という構造的な追い風があり、継続顧客7割という安定した取引基盤を持つ会社が、先行投資の刈り取りに向かおうとしている局面だ、ということです。リスクとリターンの両面を理解したうえで判断するのが賢明です。
超小型グロース株であることの意味
転職検討者が見落としがちな視点として、株式市場での立ち位置があります。公式情報・市場データとして、揚羽の時価総額は約12.1億円と、上場企業の中でも超小型の部類です。株価は847円前後で、公開価格1,400円を下回って推移しています。PBRは1.28、ROE(予想)は3.28%程度です。
これが意味するのは、成長余地が大きい反面、株価のボラティリティ(変動)も大きいということです。ストックオプション等で報われる可能性がある一方、業績や市場環境次第で評価は揺れやすい段階にあります。安定した大企業の看板を求める人には不向きですが、「小さい会社が伸びていく過程に当事者として関わりたい」という人にとっては、希少な機会になり得ます。
揚羽と同業他社の比較表
揚羽の立ち位置を相対的に理解するため、同業・近接領域の企業と比較します。年収・働きやすさ・将来性・転職難易度・向いている人の5観点で整理しました。年収には推定情報を含むため、最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください。なお、ブランディング専業で上場しているピュアプレイは揚羽が希少であり、完全な同条件の比較対象は存在しない点に留意が必要です。
| 企業名 | 平均年収(目安) | 働きやすさ | 将来性 | 転職難易度 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 揚羽(9330・上場) | 約563万円(有報実額) | 裁量労働・ハイブリッド/繁忙期に負荷 | 先行投資から黒字回復を計画(予想)/構造的追い風 | 中程度(専門性と志望動機を重視) | 上流のブランド課題に関わりたいクリエイティブ志向の人 |
| パラドックス(PARADOX・非上場) | 非公開(採用・理念ブランディング大手) | 理念共感型の文化 | 採用・理念領域で高い知名度 | 中〜高(カルチャーフィット重視) | 理念・採用ブランディングを深く追求したい人 |
| ベイジ(baigie・非上場) | 非公開(BtoB Web制作) | 情報発信・働き方の整備に積極的 | BtoBデジタル領域で評価 | 中〜高(Web専門性重視) | BtoBのWeb制作・戦略設計を極めたい人 |
| ベクトル(6058・上場) | 大手PR/ブランディングで相対的に高め傾向 | 事業規模が大きく分業が進む | PR大手として安定基盤 | 中〜高(PR・広報の実績重視) | 大手の規模感でPR・ブランディングに携わりたい人 |
この表から読み取れる揚羽の特徴は、「上場による情報開示の透明性(年収が有報で分かる)」と「ブランディング専業の希少性」を併せ持つ唯一に近いポジションでありながら、企業規模・時価総額は最小級だという点です。安定した規模を取るならベクトルのような大手PR企業、特定領域の専門性を取るならパラドックスやベイジ、そして「上場の透明性×専業×成長フェーズ」を取るなら揚羽、という整理ができます。
ブランディング業界の文脈と揚羽の立ち位置
揚羽の将来性を判断するには、ブランディング業界そのものの追い風と逆風を理解しておくと役立ちます。結論として、「人的資本・サステナビリティ開示の義務化という構造的な追い風がある一方、生成AIの普及で制作の付加価値が問い直されている」のが今の業界環境です。揚羽はこの両方に正面から向き合おうとしている会社だと位置づけられます。
人的資本・サステナビリティ開示という構造的な追い風
推定情報として、揚羽が手がけるサステナビリティ・ブランディング(統合報告書やESGストーリーブックの制作)には、制度面の追い風があります。上場企業に対する人的資本・非財務情報の開示要請が年々強まっており、企業は「自社の価値や取り組みをどう言語化し、投資家・求職者・社員に伝えるか」という課題に直面しています。これはまさに揚羽の専門領域であり、需要が構造的に拡大しやすいと考えられます。採用難が続く中で、採用ブランディングのニーズも底堅く推移すると見込まれます。クリエイティブのスキルが、こうした経営・人事の重要テーマと直結する点は、仕事のやりがいと市場価値の両面でプラスに働くでしょう。
生成AI時代に「制作会社」の価値はどう変わるか
一方で逆風として、生成AIの普及があります。文章・画像・動画の生成コストが下がる中で、単なる「制作の代行」の付加価値は相対的に下がっていくと推定されます。揚羽が2026年9月期から生成AI最適化(LLMO/AIO)型のマーケティング新サービスを始めるのは、この変化への能動的な対応と読めます。つまり、AIに置き換えられる作業ではなく、「企業の本質を捉え、戦略を設計し、AIを使いこなして価値に変える」上流の役割へ重心を移そうとしているわけです。転職検討者にとっては、入社後に身につくスキルが「手を動かす制作」から「設計・編集・AI活用」へと広がる過渡期にあり、変化を学びの機会と捉えられる人ほど恩恵を受けやすいと考えられます。
揚羽の採用・選考フローと面接対策
採用について結論を言うと、「専門性とカルチャーフィット、そして『なぜ揚羽か』の言語化が重視される」と考えられます。ブランディング会社の選考では、自分自身を一つのブランドとしてどう伝えるかが問われやすい、という点が特徴です。推定情報を含みますが、実務的な準備の方向性を示します。
選考で重視されやすいポイント
ブランディング専業という事業特性から、選考では以下が重視されやすいと推定されます。
- 志望動機の解像度:「クリエイティブがやりたい」だけでなく、「なぜ広告制作ではなくブランディングか」「なぜ揚羽か」を、同社の実績や事業再編の方向性と結びつけて語れるか。
- ポートフォリオ・実績:制作・ディレクション系であれば、過去の成果物とそこでの役割・成果。
- 言語化能力:企業の価値を言語化する仕事であるため、自分の考えを構造的に伝えられるか。
- カルチャーフィット:チームで協力し、抱え込まずに進める社風に合うか。
面接で逆に確認しておきたいこと
面接は相互理解の場です。これまで述べた留意点を踏まえ、応募者側からも以下を確認しておくことを強くおすすめします。
- 配属予定の部署の繁忙度・残業の実態(部署で差があるとの口コミがあるため)。
- 裁量労働制のみなし時間と手当の内訳。
- 評価のプロセスと昇給・昇格の判断基準(基準の曖昧さが指摘されているため)。
- 2026年9月期からの新体制・新サービスで、自分の職種がどう関わるか。
これらを質問することは、入社後のミスマッチを防ぐだけでなく、「事業を理解したうえで応募している」という姿勢を示すことにもつながります。
編集部の見解・おすすめ度
ここからは、これまで整理した公式情報・口コミ傾向・業界文脈をもとにした編集部の見解です。事実と区別したうえで、「揚羽への入社はおすすめか」「おすすめできるのはどんな人か」を、条件つき・両面で率直に述べます。なお、これは断定ではなく、取得情報から論理的に導いた意見である点をあらかじめお断りします。
総合評価:おすすめできる人には強くおすすめできる「尖った選択肢」
編集部の見解として、揚羽は万人向けではないものの、合う人にとっては希少価値の高い選択肢だと考えられます。その根拠は3点です。
第一に、上場ブランディング専業というポジションの希少性です。年収が有価証券報告書で約563万円と透明に開示され、ブランディングを専業としながら上場している企業はほとんどありません。非上場の有力ブランディング会社が多い中で、「事業の透明性」と「専門性」を両取りできるのは大きな魅力です。これは論理的に見て、入社後のキャリアの説明可能性(どんな会社で何をしてきたかを語りやすい)にもつながります。
第二に、仕事の上流性とやりがいです。AGCや東京建物といった大手の本質的なブランド課題に、下請けではなくパートナーとして向き合えること。継続顧客7割という数字は、一過性の制作ではなく企業に伴走する仕事であることを裏づけます。クリエイティブを「作って終わり」にせず、事業成果に結びつけたい人にとって、感情面でも実利面でも満たされやすい環境だと考えられます。
第三に、成長フェーズに当事者として関われる未来像です。時価総額12億円の超小型から、先行投資の刈り取りと生成AIシフトに挑む局面。サステナビリティ・人的資本開示という構造的な追い風もあります。会社の成長を「自分ごと」として体験したい人には、大企業では得がたい手応えがあるはずです。
慎重に検討すべき人とその理由
一方で、編集部の見解として、次のような人は慎重に検討したほうがよいと考えられます。
- 安定した規模・知名度・年収の高さを最優先する人:時価総額12億円の超小型で、2025年9月期は営業赤字。2026年9月期の黒字回復は「予想」であり、確約ではありません。大手の安定を求めるなら、ベクトルのような上場PR大手や事業会社の広報部門のほうが合う可能性があります。
- 明確で定量的な評価制度を重視する人:評価基準の曖昧さや上司依存という口コミがあり、定量的なフィードバックを強く求める人にはストレスになり得ます。
- 残業をできるだけ抑えたい人:月平均約50時間という投稿傾向があり、繁忙期はさらに上振れする可能性があります。業界特性として、ワークライフバランス最優先の人には負荷が高い局面があり得ます。
- 指示された業務を安定的にこなしたい人:裁量労働制と変化の多い事業環境は、自走力のある人には追い風ですが、受け身の働き方を好む人には合いにくいでしょう。
おすすめ度の結論
総合すると、「クリエイティブの専門性を、事業会社の本質課題解決へと広げたい人」「小さく尖った会社の成長に当事者として関わりたい人」には強くおすすめでき、「安定・高年収・明確な評価制度を最優先する人」には慎重な検討をおすすめする、というのが編集部の結論です。給与の絶対水準(約563万円)は業界標準的で突出はしませんが、得られる経験の希少性と説明可能性を重視するなら、十分に検討に値する会社だと考えられます。最終的には、自分が「何を最優先にするか」を明確にしたうえで、内定時の条件と照らして判断してください。
揚羽に向いている人・向かない人
これまでの内容を、転職判断に直結する形で「向いている人/向かない人」に整理します。自分がどちらに近いかをチェックしてみてください。
向いている人
- 広告制作の量産ではなく、企業の本質的なブランド課題(採用・理念・サステナビリティ)に上流から関わりたい人。
- クリエイティブと事業成果の両方に関心があり、「作って終わり」にしたくない人。
- 裁量労働制・ハイブリッド勤務のもとで自走できる人。
- 超小型グロース企業の成長フェーズに当事者として関わりたい人。
- 生成AIなど新しいスキル軸の獲得に前向きな人。
- 上場企業の情報開示の透明性を重視する人。
向かない人
- 大企業の安定・知名度・高年収を最優先する人。
- 定量的で明確な評価制度が整っていないと不安な人。
- 残業を最小限に抑え、ワークライフバランスを最優先したい人。
- 指示された範囲の業務を安定的にこなす働き方を好む人。
- 赤字や株価変動などの不確実性を許容しにくい人。
もし「向いている人」の項目に多く当てはまるなら、揚羽は前向きに検討する価値があります。逆に「向かない人」に多く当てはまる場合でも、同じブランディング・PR業界には規模や文化の異なる選択肢があるため、視野を広げて比較するのがおすすめです。
揚羽に関するよくある質問(FAQ)
最後に、揚羽への転職を検討する人からよく挙がる質問に、公式情報・口コミ傾向・推定情報を区別しながら回答します。判断の総仕上げとしてご活用ください。
揚羽の平均年収は本当に563万円ですか?
公式情報として、約563万円は正確です。有価証券報告書(第25期・2025年9月期)によると、平均年間給与は5,628,000円で、これは賞与を含む全社平均の実額です。一方、口コミ傾向ではOpenWork系で平均約467万円、別集計で約407万円と低めの数字も見られますが、これは担当者・若手層の投稿が多いことや、職種・役職・年代の違い、専門業務型裁量労働制の影響によるものと考えられます。全社平均としての公式値が563万円であり、自分の職種・役職での提示額は内定時に確認することをおすすめします。
揚羽は東証グロース上場ですが、規模はどのくらいですか?
公式情報・市場データとして、揚羽は東証グロース上場(証券コード9330)で、時価総額は約12.1億円と上場企業の中では超小型の部類です。従業員数は有価証券報告書によると141名(単体・非連結開示)です。小型のグロース企業のため連結ではなく単体での開示が基本で、「連結◯名」という表現は当てはまりません。規模は小さいものの、ブランディング専業で上場している点は希少です。安定した大企業を求めるか、成長フェーズの小型企業に関わりたいかで評価が分かれるところです。
2025年に赤字だったと聞きましたが、将来性は大丈夫ですか?
公式情報として、2025年9月期は営業損益が約7,300万〜7,400万円の赤字でした。ただし原因は事業の失速ではなく、優秀な人材を一気に採用したことによるコスト先行とされ、先行投資型の一時的な悪化と説明されています。2026年9月期は売上1,850百万円・営業利益50百万円という黒字回復を会社が「予想」しています。自己資本比率は68.75%と健全です。推定情報として、サステナビリティ・人的資本開示の需要拡大という追い風はありますが、黒字回復は予想であり確約ではないため、将来性は「ある」とも「ない」とも断定せず、リスクとリターンの両面で捉えるのが適切です。
揚羽の残業時間はどのくらいですか?
口コミ傾向として、残業は月平均で約50時間という投稿が見られます。投稿の中には「制作・広告業界の中では重すぎる水準ではない」という評価もある一方、「繁忙期は残業が慢性化する」という声もあります。また、専門業務型裁量労働制が多く採用されており、リモートと出社を組み合わせたハイブリッド勤務が定着しているとされます。「部署によって労働環境に差がある」という投稿もあるため、面接で配属予定部署の働き方を具体的に確認することをおすすめします。
揚羽の社風・カルチャーはどんな感じですか?
口コミ傾向として、「クリエイティブが好きな人が多く士気が高い」「風通しが良い」「会社のバリューがしっかり言語化されている」「一人で抱え込ませない雰囲気」といった肯定的な投稿が目立ちます。ブランディングを生業とする会社らしく、自社のカルチャー言語化にも力を入れている様子がうかがえます。一方で、評価が半期1回で基準が曖昧、上司に依存しがちという留意点を挙げる声もあります。クリエイティブに前向きでチーム協働を好む人には合いやすい環境だと推定されます。
揚羽の選考・面接ではどんな準備が必要ですか?
推定情報として、ブランディング専業という特性上、選考では「なぜ広告制作ではなくブランディングか」「なぜ揚羽か」という志望動機の解像度、ポートフォリオや実績、自分の考えを構造的に伝える言語化能力、そしてカルチャーフィットが重視されやすいと考えられます。自分自身を一つのブランドとしてどう伝えるかが問われる場面もあり得ます。応募者側からも、配属部署の繁忙度・裁量労働制のみなし時間・評価基準・新サービスでの自分の役割などを確認しておくと、ミスマッチを防げます。
揚羽の競合・比較対象にはどんな会社がありますか?
推定情報を含みますが、最も近い直接競合は採用・理念ブランディング大手のパラドックス(PARADOX・非上場)とされます。ほかに、BtoB Web制作のベイジ(baigie・非上場)、上場系のPR・ブランディング大手ベクトル(6058)などが比較対象になります。ただし、ブランディング専業で上場しているピュアプレイは揚羽が希少であり、完全に同条件の比較対象は存在しません。安定規模ならベクトル、特定領域の専門性ならパラドックスやベイジ、上場の透明性×専業×成長フェーズなら揚羽、という整理が分かりやすいでしょう。
▼ 最後に:転職判断の壁打ちは無料で可能です
ここまでお読みいただきありがとうございました。記事だけでは判断しきれない「自分のケース」「揚羽と他のブランディング・PR企業の比較」「クリエイティブ職の面接対策」などは、当社の無料相談でじっくり整理できます。当社はユーザーから費用を取らず、客観的な視点で最適なエージェント・企業・キャリアパスを案内する中立サービスです。元転職エージェントが、あなたのキャリアを丁寧にサポートします。
本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。中核となる年収・年齢・勤続・従業員数は有価証券報告書「従業員の状況」に基づく実額であり、口コミ傾向・推定情報とは明確に区別しています。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
- OpenWork
- 転職会議
- エン カイシャの評判
- キャリコネ
- 就活会議
- Career Theory(キャリアセオリー)ほか年収・転職情報メディア
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。2026年9月期の黒字回復は会社による「予想」であり、確約ではありません。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

