東陽テクニカはやばい?営業利益43%減の翌期に150%増、年収913万円の実像
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 「やばい」の実体:2025年9月期の営業利益43.1%減という1期の落ち込み
- 回復は数字で確認できる:2026年9月期3Q累計は営業利益150%増・進捗72.8%
- 平均年収913万円:単体524名/連結653名で、本体社員の実態に近い水準
- 最大の注意点:大型案件の期ズレで利益が数年おきに振れる事業構造
株式会社東陽テクニカ(証券コード8151・東証プライム市場/東京都中央区八重洲)は、計測・試験機器を扱う技術商社です。社名を検索すると「やばい」という候補が並びますが、その背景にあるのは2025年9月期(第73期)の連結営業利益19.1億円・前期比43.12%減という決算です。一方で、2026年8月5日に開示された2026年9月期第3四半期累計は営業利益が前年同期比150%増と急回復しています。この記事では、有価証券報告書と決算開示の実額だけを使って「落ち込み」と「回復」の両方を分解し、平均年間給与913万円という数字の意味と、転職先として見たときの判断材料を整理します。
東陽テクニカの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
まず、この記事で扱う数値の土台を一覧にします。以下はすべて公式情報で、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は第73期(2024年10月1日〜2025年9月30日)の有価証券報告書「従業員の状況」の実額です。同社の決算期は9月30日であり、3月期決算の企業と比較するときは対象期のズレに注意してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社東陽テクニカ(TOYO Corporation) |
| 証券コード・市場 | 8151/東京証券取引所プライム市場 |
| 本社 | 東京都中央区八重洲一丁目1番6号(ほかに大阪支店・名古屋支店・宇都宮営業所) |
| 設立 | 1953年9月4日 |
| 資本金 | 41億5,800万円 |
| 決算期 | 9月30日(本記事の基準は第73期=2025年9月期) |
| 平均年間給与 | 9,134,137円(約913万円)/第73期・提出会社(単体) |
| 平均年齢 | 42.5歳/第73期・提出会社 |
| 平均勤続年数 | 12.9年/第73期・提出会社 |
| 従業員数 | 連結653名/提出会社(単体)524名(2025年9月30日現在) |
| 売上高 | 連結326億円(第73期・前期比7.09%減) |
| 営業利益 | 連結19.1億円(第73期・前期比43.12%減/営業利益率5.88%) |
| 経常利益・当期純利益 | 経常19.9億円/当期純利益12.0億円(第73期) |
| 財務指標 | 自己資本比率70.1%/ROE4.27%/年間配当69円(第73期) |
| 労働組合 | なし(有価証券報告書に記載) |
| 出典 | 第73期 有価証券報告書(2025年12月18日提出)/決算短信・適時開示/公式サイト会社概要 |
この表で先に押さえておきたいのは、提出会社(単体)524名が連結653名の約80%を占めるという点です。純粋持株会社ではなく提出会社そのものが主力事業会社であるため、有報の平均年間給与913万円は「本体で働く社員の実態」をかなり素直に反映していると読めます。この構造は後の年収パートで詳しく扱います。
東陽テクニカは「やばい」のか|営業利益43%減の中身を有報で分解する
結論から書くと、東陽テクニカがやばい企業と断定できる根拠は、本記事が確認した公開情報の範囲では見当たりません。ただし「やばい」と検索されるだけの理由になる決算が、直近に1期だけ存在します。ここを曖昧にせず、落ち込みの大きさと回復の速さを両方とも数字で示します。転職検討者が知りたいのは「この会社の数字が今どこにあるのか」であり、印象論ではないからです。

「東陽テクニカ やばい」で出てくるのって、何がやばいんですか?
2025年9月期に起きたこと|売上7.1%減・営業利益43.1%減
有価証券報告書によると、第73期(2025年9月期)の連結業績は売上高326億円(前期比7.09%減)、営業利益19.1億円(同43.12%減)、経常利益19.9億円、当期純利益12.0億円でした。前期にあたる2024年9月期は売上高350億円・営業利益33.7億円・当期純利益25.2億円で、売上・利益ともに過去最高水準だった期です。つまり過去最高の翌期に、営業利益が約14.6億円失われたことになります。
減益率が売上の減少率より大きく出ている点が重要です。売上は7.1%しか減っていないのに営業利益は43.1%減っており、営業利益率は9.61%から5.88%へ約3.7ポイント低下しました。推定情報として述べると、これは固定費(人件費・拠点費用)が先に積み上がっている状態で売上が落ちたことを示唆します。売上の絶対額が減るより、利益率が3ポイント以上動くほうが人事評価や賞与原資には効きやすく、この1期を経験した社員の体感が検索行動につながっている可能性があります。
2026年9月期3Qは営業利益150%増|落ち込みは1期で反転している
ここを見ずに判断すると誤ります。2026年8月5日に発表された2026年9月期第3四半期累計(連結)は、以下の通りです。
| 項目 | 2026年9月期 3Q累計 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 284億円 | +21.2% |
| 営業利益 | 27億円 | +150% |
| 経常利益 | 32億円 | +161% |
| 四半期純利益 | 21億円 | +245% |
| 通期会社予想に対する売上進捗率 | 72.8% | — |
通期の会社予想は売上高390億円(前期比19.78%増)・営業利益36億円(同88.02%増)・経常利益37億円・当期純利益26億円です。3Q時点で営業利益は前年同期の2.5倍に達しており、2025年9月期の落ち込みは1期で反転していると見るのが公開情報に沿った読み方です。公式情報としては「回復基調にある」と言え、直近1期の決算だけを取り出して「業績が悪い会社」と評価するのは事実に反します。
「増収でも利益がぶれる」体質は構造的なもの
とはいえ、これで安心と結論づけるのも早計です。過去の営業利益率を並べると、この会社の性質が見えてきます。公式情報ベースで、営業利益率が5%台に落ちた期は2017年9月期5.92%、2023年9月期5.23%、2025年9月期5.88%と、数年おきに繰り返し発生しています。売上高も2016年9月期217億円→2019年9月期255億円→2020年9月期231億円(新型コロナの影響)→2022年9月期265億円→2023年9月期282億円→2024年9月期350億円→2025年9月期326億円と、長期では成長しつつ単年では上下します。
| 決算期 | 連結売上高 | 連結営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2016年9月期 | 217億円 | — | — |
| 2017年9月期 | — | — | 5.92% |
| 2019年9月期 | 255億円 | — | — |
| 2020年9月期 | 231億円 | — | — |
| 2022年9月期 | 265億円 | — | — |
| 2023年9月期 | 282億円 | — | 5.23% |
| 2024年9月期(第72期) | 350億円 | 33.7億円 | 9.61% |
| 2025年9月期(第73期) | 326億円 | 19.1億円 | 5.88% |
| 2026年9月期(会社予想) | 390億円 | 36億円 | 約9.2% |
この振れ幅の原因として、同社は大型計測システム案件の検収期ズレの影響を受けやすい事業構造を持っています。官公庁・研究機関向けのEMC試験設備や大型パラボラアンテナ地上系、海洋調査システムなどは案件が大型・長納期になりやすく、納入・検収が期をまたぐと当期の売上と利益が丸ごと翌期にずれます。計測機器・技術商社業界に共通する論点でもあり、顧客側の設備投資サイクルに業績が左右されやすい点は業界全体の懸念事項として語られます。
推定情報として整理すると、転職検討者が本当に確認すべきなのは「業績が悪いかどうか」ではなく、この振れ幅が賞与や評価にどう反映される設計になっているかです。ただし賞与月数・評価制度の具体的な仕組みは、有価証券報告書でも公式採用サイトでも数値としては開示されておらず、本記事では特定できていません。面接・オファー面談で必ず個別に確認すべき項目です。
平均年収913万円はなぜ実現するのか|有報一次データの読み方
東陽テクニカを検討する読者にとって、最も具体的な判断材料が年収です。ここでは推定レンジの前に、まず有価証券報告書の実額を置きます。
有報が示す3つの数字|913万円・42.5歳・12.9年
有価証券報告書(第73期)によると、提出会社の平均年間給与は9,134,137円(約913万円)、平均年齢42.5歳、平均勤続年数12.9年です。従業員数は提出会社524名。これらはすべて2025年9月30日現在の数値で、公式情報として断言できます。
この913万円という水準は、従業員524名規模の非有名BtoB企業としては相当高い部類に入ります。平均年齢42.5歳という前提を差し引いても、同規模の商社・卸売業の水準からは明確に上振れています。参考までに、同じ時期に有価証券報告書を提出した商社・卸売セクターの企業では平均年間給与が450万〜810万円台に分布するケースが多く、900万円台に届く企業は限られます。
ただし注意点があります。2025年9月期は営業利益が43%減った期であり、この913万円はその期の支給実績です。推定情報として言えば、賞与が業績連動している場合、業績が回復する2026年9月期の実額はこれと異なる可能性があります(上振れ・下振れの方向は、賞与制度が未確認のため断定できません)。
単体比率80.2%|この913万円は「本体社員の実態」に近い
有報の平均年収は、企業の形態によって実態との距離が大きく変わります。純粋持株会社の場合、有報に載るのは本社機能の数十名の給与であり、グループの大多数が働く事業会社の水準とは無関係になってしまうことがあります。
東陽テクニカはこの点で読みやすい会社です。提出会社524名/連結653名で、単体比率は約80.2%。純粋持株会社ではなく提出会社そのものが主力事業会社であるため、913万円は日本国内の本体社員の実態をかなり素直に反映していると読めます。
一方で、残る約129名は913万円の母数に含まれません。内訳は海外子会社(東揚精測系統(上海)、台湾、米国のTOYOTech LLC、スウェーデンのRototest International AB等)と、国内子会社(株式会社東陽EMCエンジニアリング、株式会社レキシー等)の従業員です。連結子会社11社・持分法適用関連会社1社を抱えており、これらの会社に所属する場合の待遇は有報からは読み取れません。応募先が本体(株式会社東陽テクニカ)なのかグループ会社なのかは、求人票の雇用主名で必ず確認してください。
内定前に必ず確認したい賞与・評価の条件
年収の話を推定レンジで膨らませても意味がないので、代わりに「確認すべき項目」を具体化します。推定情報を含む整理です。
- 年収の内訳:913万円は賞与込みの平均年間給与。基本給と賞与の比率、賞与の業績連動幅を確認する
- 業績連動の単位:全社業績連動か、セグメント(先進モビリティ、海洋/防衛など)単位か。案件の期ズレが起きた年にどう扱われるか
- 職種による差:セールスエンジニアとサポートエンジニアで給与テーブルが分かれているか
- 手当:顧客先での試験立ち会いや出張が発生する職種のため、出張・時間外の扱い
- 母集団の影響:平均年齢42.5歳・勤続12.9年という母集団の平均値であり、中途入社直後の提示額とは別物である前提を持つ
初任給・賞与月数・残業時間の実数・在宅勤務制度・離職率の実数値は、有価証券報告書には開示されておらず、公式採用サイトでも数値が画像として掲載されているため、本記事ではテキストとして取得できていません。これらを推測値で書くことはしません。
東陽テクニカとは|7つの技術領域を持つ「技術商社」の正体
年収の高さの背景を理解するには、この会社が何を売っているのかを知る必要があります。公式サイトによると、東陽テクニカは1953年設立で、海外先端メーカーの計測器を輸入販売し、自社のセールスエンジニア/サポートエンジニアが技術サポートからシステム構築まで一貫して担う「技術商社(測定ソリューション企業)」です。単に商品を仕入れて流すのではなく、顧客の測定課題を設計する部分に人が入るビジネスモデルであり、これが人件費水準の高さと結びついています。
セグメント別人員が示す配属の現実
有価証券報告書によると、連結のセグメントは7区分です。人員配置を見ると、この会社が今どこに人を張っているかが分かります。
| セグメント | 連結人員(第73期) | 主な対象領域 |
|---|---|---|
| 先進モビリティ | 137名 | 自動車・EV・自動運転・eVTOLの性能試験、VILS/HILS |
| 脱炭素/エネルギー | 105名 | 二次電池・水素/燃料電池・パワー半導体(SiC/GaN)の評価 |
| 情報通信/情報セキュリティ | 97名 | ネットワーク性能試験、セキュリティ |
| EMC/大型アンテナ | 93名 | 5G・OTA計測、パラボラアンテナ地上系設備 |
| 海洋/防衛 | 32名 | 海中・海底調査機器(防衛・洋上風力・水産) |
| ソフトウェア開発支援 | 22名 | 開発支援ツール・ソリューション |
| その他 | 52名 | — |
| 全社(共通) | 115名 | 管理部門等 |
提出会社(単体)で見ると先進モビリティ125名、脱炭素/エネルギー83名が上位です。推定情報として読み解くと、中途採用の受け皿として最も枚数が多いのは自動車・モビリティ計測と電池/エネルギー評価の2領域である可能性が高く、この分野の実務経験(自動車OEM・Tier1の評価部門、電機・化学メーカーの研究開発など)を持つ人は接続しやすいと考えられます。逆に海洋/防衛は32名、ソフトウェア開発支援は22名と小所帯で、募集の頻度そのものが限られる可能性があります。
セールスエンジニア/サポートエンジニアという職種設計
同社の職種名は「セールスエンジニア」「サポートエンジニア」で、営業と技術が分離していません。理系出身者が製品提案も技術サポートもシステム構築も担う設計であり、これは転職検討者にとって最大の分岐点になります。
- プラス側:顧客(自動車OEM、電機・素材メーカー、大学・研究機関、官公庁)の最先端の開発現場に直接入る。測定手法と評価ノウハウは業界外にも持ち出せる
- マイナス側:自分で製品を設計・開発する経験は積みにくい。「他社製品を使いこなす技術者」に留まるのではないかという懸念は、計測機器・技術商社業界で共通して語られる論点です
「商社に行きたいのか、技術者として手を動かしたいのか」がはっきりしていない状態で入社すると、ミスマッチが起きやすい職種構成だと考えられます。
東陽テクニカの将来性|3つのドライバーと3つのリスク
「将来性」は東陽テクニカの検索需要の中でも上位に来るテーマです。結論を先に書くと、成長ドライバーは明確に存在する一方、業績の振れ幅を生む構造的リスクも同時に残っています。片方だけを見て判断すべきではありません。
公式情報として、同社は中期経営計画「TY2027」(2025年9月期〜2027年9月期)を掲げ、リカーリング収益の拡大・自社開発製品の事業化・海外拡大とM&Aを重点戦略としています。目標は2027年9月期に連結売上高450億円(M&A合算で500億円以上)・営業利益45億円・ROE11.0%。2025年9月期実績(売上326億円・営業利益19.1億円・ROE4.27%)とのギャップは小さくありませんが、2026年9月期予想(売上390億円・営業利益36億円)が達成されれば、最終年度への道筋は現実的な射程に入ります。
3つの成長ドライバー
- 先進モビリティ:自動車のCASE化で、実車走行試験に加えてVILS(Vehicle in the Loop Simulation)やHILS、ADAS/自動運転のシナリオ評価、車載ネットワークやOTA通信の試験需要が拡大。eVTOL(空飛ぶクルマ)も新しい試験領域として立ち上がりつつあります
- 脱炭素/エネルギー:二次電池(リチウムイオン・全固体)の充放電特性やインピーダンス評価、水素・燃料電池、パワー半導体の電力損失評価。装置単体ではなく「測定手法+治具+解析ソフト+立ち上げ支援」をセットで求められるため、技術商社が入り込みやすい領域です
- 海洋/防衛と量子:防衛費増額を背景に装備品向け計測や海中・海底調査機器の需要が伸び、洋上風力の海底地形調査という民需の広がりもあります。加えてフィンランドIQM社製の量子コンピューターや量子センシングを「量子ソリューション」として立ち上げ中で、日本量子コンピューティング協会にも参画しています
3つのリスク(いずれも事実と、事実にもとづく推定を分けて記載します)
- 案件の期ズレによる利益変動:既述の通り、営業利益率が数年おきに5%台へ落ちる実績があります(事実)。官公庁・研究機関向けは入札や年度予算の影響を受け、期ずれによる売上変動が起きやすい構造です
- 輸出管理・安全保障貿易管理の規制:海洋/防衛セグメントを持つ以上、この業態は輸出管理上の規制リスクを内包します(推定情報としての一般論であり、同社の具体的な違反事例を確認したという意味ではありません)
- 為替と仕入元との関係:売上の相当部分が海外製品の輸入販売と考えられるため為替感応度は高いと推定されますが、感応度の定量的な記載は本記事では特定できていません。また代理店契約の見直しやメーカーの直販化は、計測機器・技術商社業界に共通する構造的懸念です
- 量子など新規事業の先行投資:市場が立ち上がる前の領域に関われる面白さがある一方、短期で売上に直結しにくい先行投資フェーズであり、収益貢献の時期は公表されていません
財務面は安定しています。公式情報として自己資本比率70.1%(第73期)で、過去10年一貫して70%台以上を維持。2026年8月には自己株式取得の完了と消却を開示しており、上場維持を前提とした株主還元の強化フェーズにあります。TOBや非公開化の動きは、本記事が確認した公開情報の範囲では見当たりませんでした。「潰れにくさ」を重視する読者にとっては安心材料と言えます。
働き方と定着|勤続12.9年・労働組合なしをどう読むか
離職率や「ホワイト企業かどうか」を知りたい読者に向けて、最初に前提を明確にします。口コミ傾向について、本記事の調査時点ではOpenWork・転職会議・エン カイシャの評判の各ページから口コミ件数・総合スコア・投稿傾向のいずれも取得できていません。したがって「口コミ○件」「総合評価○点」といった数値は、この記事には一切記載していません。他社の記事で見かける数値と比べたい場合は、各サイトを直接開いて件数と投稿日を確認してください。
代わりに、有価証券報告書の一次データから読める客観指標を置きます。
- 平均勤続年数12.9年(第73期・提出会社):平均年齢42.5歳との組み合わせから、20代後半〜30歳前後で入社した人が長く在籍している構造が推定されます
- 平均年齢42.5歳:若年層が大量採用され続けている会社ではなく、経験を積んだ層が中核を占める構成です
- 労働組合はなし(有価証券報告書に明記):労使関係は円滑と記載されています
勤続12.9年という数字は、離職率の実数が開示されていない中では最も信頼できる代替指標です。推定情報として、定着は高い部類にあると考えられます。ただし平均勤続年数は退職者の動きを直接示す指標ではないため、離職率が高いという評価も低いという評価も、この数字だけでは断定できません。
「労働組合なし+高年収」という組み合わせについては、両面から見る必要があります。組合がないこと自体は違法でも異常でもなく、この規模のBtoB企業では珍しくありません。ただし処遇の交渉が個別・制度依存になるため、評価制度と昇給ルールの説明を、面接段階で具体的に受けられるかどうかは確認したいポイントです。なお、公式採用サイトには有給取得率・育児休業復帰率・男性育休取得率・法定外労働時間・直近3年入社社員の離職率が数値公開されていますが、本記事ではこれらが画像として掲載されているためテキストとして数値を取得できていません。応募前に採用サイトで直接ご確認ください。数字を出しているスタンス自体は、情報開示に前向きな企業であることの一つの手がかりになります。
東陽テクニカの就職難易度・転職難易度|求められる経験と学歴の考え方
「就職難易度」「採用大学」「学歴」といった検索も一定数あります。ここでは推定情報であることを明示したうえで、公開情報から言えることだけを書きます。まず前提として、採用大学の一覧や採用倍率、学歴フィルターの有無について、同社が公表しているデータを本記事では取得していません。ランキングサイトの偏差値表は出典が不明瞭なため、根拠として採用しません。
そのうえで、難易度を構成する要素を分解します。
- 母数の小ささ:提出会社524名・連結653名という規模です。新卒・中途とも1年あたりの採用枠は限定的と推定され、単純な倍率という意味では易しくない可能性があります
- 職種の性質:セールスエンジニア/サポートエンジニアが中核であり、電気・電子・機械・情報・物理などの理系素養が前提になりやすい職種構成です。文系出身で技術営業に進む道が完全に閉じているとは限りませんが、求人票の必須要件を必ず確認してください
- 中途で評価されやすい経験(推定):自動車OEM・Tier1の評価/実験部門、電池・パワー半導体・材料の評価、ネットワーク/セキュリティの検証、EMC試験、計測器メーカーのフィールドアプリケーションエンジニア、といった「測る側」の経験。セグメント人員の厚みから見て、先進モビリティと脱炭素/エネルギーは接続機会が相対的に多いと考えられます
- 年収水準からの逆算:平均913万円という水準は、求められる専門性の高さと表裏一体です。年収だけを目当てにした志望動機は、面接で技術の解像度を問われた時点で厳しくなると考えられます
応募経路については、公式採用サイト(キャリア採用エントリーページ)が用意されています。求人票に記載された職種・必須要件・勤務地(本社は東京駅八重洲口至近、ほかに大阪・名古屋・宇都宮)を確認し、自分の経験と照合するのが最短です。
計測・試験関連4社との比較|どこと迷うべきか
東陽テクニカを検討する人が実際に併願・比較しやすい企業を、性格の違いで整理します。推定情報を含みます。なお、比較対象各社の平均年間給与については、本記事では有価証券報告書の実額を個別に取得していないため、金額を記載していません。数値を比較したい場合は各社のIRで直接ご確認ください。
| 企業名 | 位置づけ | 東陽テクニカとの違い | 比較する意味 |
|---|---|---|---|
| 東陽テクニカ(8151・東証プライム) | 計測・試験機器の技術商社。7セグメント | 平均年間給与913万円(第73期・有報)、単体524名/連結653名、独立系で親会社なし | — |
| 日本電計(9908・東証スタンダード) | 計測器商社の直接競合 | 売上規模は東陽テクニカを上回る。商社色がより強い | 「計測器を扱う商社」という同じ土俵での利益率・処遇の対比 |
| 堀場製作所(6856・東証プライム) | 自動車計測・環境計測のメーカー | 自社で開発・製造する側。先進モビリティ領域では競合かつパートナー | 「使いこなす側」か「作る側」かというキャリアの分岐 |
| アンリツ(6754・東証プライム) | 通信計測器メーカー | 情報通信の計測を自社開発。グローバル売上比率が高い | 情報通信/情報セキュリティ志望なら直接の比較先 |
| 東京エレクトロン デバイス(2760・東証プライム) | 技術商社の代表格 | 半導体・ICT寄りの技術商社。扱う領域が異なる | 「商社なのに技術職」というキャリア像と処遇水準の比較 |
比較の軸として最も本質的なのは、メーカー(作る側)と技術商社(選び、組み合わせ、立ち上げる側)のどちらに自分の価値を置くかです。堀場製作所やアンリツは自社製品を設計・製造する側であり、深く狭い専門性が育ちます。東陽テクニカは複数メーカーの製品から最適解を組み、顧客の測定課題に対する解決策を設計する側で、扱う技術領域の幅は圧倒的に広くなります。一方で「自分で設計する」経験は積みにくい。この違いは10年後のキャリアの形を大きく分けます。
東陽テクニカに向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報と、そこから導ける推定を踏まえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 理系の素養があり、顧客の測定課題を一緒に設計する仕事に面白さを感じる人 | 自分の手で製品を設計・開発したい人。技術商社では設計経験は積みにくい |
| 自動車・電池・半導体・通信・海洋など、対象領域が数年単位で変わることを歓迎できる人 | 一つの技術領域を10年かけて深掘りしたい人。守備範囲の広さは異動の可能性でもある |
| 単年の業績変動より、長期の事業ポートフォリオと財務の安定性を重視する人 | 年ごとの業績変動が処遇に反映される可能性を許容できない人 |
| 顧客先での試験立ち会いや出張、海外拠点との連携に前向きな人 | 移動や現場対応を避け、内勤に固定されたい人 |
| 組合に頼らず、制度と個別交渉で処遇を確認・調整していける人 | 組合を通じた集団的な処遇交渉の仕組みを重視する人 |
| 知名度より、専門領域での実績と待遇水準を優先する人 | BtoCの知名度や社名でのわかりやすさを求める人 |
編集部の見解|「やばい」の答えと、それでも残る確認事項
編集部の見解として、東陽テクニカを「やばい会社」と表現するのは、公開情報に照らして正確ではないと考えます。検索候補に「やばい」が並ぶ理由は特定できており、それは2025年9月期の営業利益43.1%減という1期の決算です。そして同じ公開情報の中に、2026年9月期3Q累計で営業利益150%増・進捗72.8%という回復の事実が並んでいます。落ち込みだけを切り取るのも、回復だけを強調するのも、判断材料としては不十分です。
総合すると、「長期では伸びているが、単年では大きく振れる会社」という理解が最も実態に近いと考えられます。売上高は2016年9月期の217億円から2026年9月期予想の390億円へ、10年で約1.8倍。その途中に営業利益率が5%台へ落ちる年が3回ある。この形を許容できるかどうかが、この会社を選ぶかどうかの本質的な分かれ目です。
そのうえで、次のような人にはおすすめできる会社だと考えます。理系の専門性を、製品開発ではなく「顧客の測定課題を解く」方向で活かしたい人。自己資本比率70.1%という財務の厚みを評価する人。そして、平均年間給与913万円という水準に見合う専門性を、すでに持っているか、今後数年で積み上げる覚悟がある人です。
逆に、この記事だけでは埋まらない情報も明確に残っています。賞与制度の具体、評価と業績連動の設計、離職率と残業時間の実数、中途入社後の配属セグメント。これらはいずれも公開情報からは特定できず、面接とオファー面談で個別に確認するしかありません。なお不祥事・行政処分・重大訴訟については、本記事の調査では網羅的な検索が行えておらず、該当事案の有無について結論を出せる状態にありません。「存在しない」と確認したわけではない点を明記しておきます。
東陽テクニカに関するよくある質問(FAQ)
東陽テクニカへの転職・就職を検討する人からよくある質問と、公開情報にもとづく回答をまとめました。
東陽テクニカは「やばい」会社なのですか?
やばい会社と断定できる根拠は、本記事が確認した公開情報の範囲では見当たりませんでした。検索候補に「やばい」が出る背景は、2025年9月期(第73期)の連結営業利益が19.1億円・前期比43.12%減となったことにあると考えられます。ただし2026年9月期第3四半期累計では営業利益が前年同期比150%増、通期進捗72.8%と回復しており、直近1期だけで評価するのは正確ではありません。
平均年収913万円は本当に本体社員の水準ですか?
有価証券報告書(第73期)の提出会社(単体)の平均年間給与が9,134,137円で、これは公式情報です。提出会社524名が連結653名の約80%を占め、純粋持株会社ではなく提出会社自体が主力事業会社であるため、本体社員の実態に近い水準と読めます。ただし海外子会社・国内子会社の約129名はこの母数に含まれていません。
離職率は公開されていますか?
離職率の実数は有価証券報告書には開示されていません。公式採用サイトには直近3年入社社員の離職率が掲載されていますが、画像形式のため本記事では数値を取得していません。代替指標として、有報の平均勤続年数12.9年・平均年齢42.5歳(第73期)が公表されており、推定情報として定着は高い部類にあると考えられます。
就職難易度・転職難易度は高いですか?学歴フィルターはありますか?
採用大学の一覧や採用倍率、学歴の基準について同社が公表しているデータは、本記事では取得していません。推定情報として、提出会社524名という規模から年間の採用枠は限定的と考えられ、またセールスエンジニア/サポートエンジニアという職種構成上、電気・電子・機械・情報・物理などの理系素養が求められやすい点は難易度に影響します。最終的には求人票の必須要件との照合が最も確実です。
将来性はどう評価すべきですか?
中期経営計画「TY2027」で2027年9月期に連結売上高450億円・営業利益45億円・ROE11.0%を目標に掲げています。先進モビリティ(EV・自動運転・eVTOL)、脱炭素/エネルギー(二次電池・水素・パワー半導体)、海洋/防衛と量子ソリューションが成長ドライバーです。一方で、大型案件の期ズレによる業績変動、為替、代理店契約の見直しといった構造的リスクも残ります。両面を見て判断するのが妥当です。
ホワイト企業と言えますか?
「ホワイト企業」の定義は人によって異なるため断定はできません。公式情報として言えるのは、平均年間給与913万円・平均勤続年数12.9年・自己資本比率70.1%(いずれも第73期)という数字です。一方で労働組合は存在せず、残業時間や有給取得率の実数は本記事ではテキストとして取得していません。数字が公開されている項目と、そうでない項目を分けて確認することをおすすめします。
東陽テクニカへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と労働条件通知書、そして自分の経験・適性を含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報実額913万円(第73期・提出会社)。単体比率80.2%で実態への近さは高い |
| 直近業績 | 2025年9月期は営業利益43.1%減。2026年9月期3Q累計は同150%増で回復 |
| 業績の安定性 | 長期では成長。ただし営業利益率が数年おきに5%台へ落ちる振れ幅あり |
| 財務の安全性 | 自己資本比率70.1%。上場維持前提の株主還元強化フェーズ |
| 定着 | 平均勤続12.9年・平均年齢42.5歳。離職率の実数は非開示 |
| キャリアの広がり | 7セグメントで技術領域は広い。設計・開発経験は積みにくい |
| 難易度 | 採用枠は限定的と推定。理系素養と測定・評価の実務経験が接続点 |
| 要確認事項 | 賞与制度と業績連動の設計、配属セグメント、残業実態、応募先が本体かグループ会社か |
どのサービスを使えばいいか決められないとき
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は、第73期(2024年10月1日〜2025年9月30日)有価証券報告書「従業員の状況」(2025年12月18日提出)の実額です。売上高・利益は同期の有価証券報告書および決算短信・四半期開示にもとづきます。
口コミ・評判の参照元
上記の口コミサイトについては、本記事の調査時点で件数・スコア等のデータを取得しておらず、記事中に口コミの数値は一切記載していません。閲覧される場合は投稿件数と投稿日をあわせてご確認ください。
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
