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ヘルメットのSHOEI(7839)年収550万円と評判|社員の9割が茨城・岩手の工場

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 正体:証券コード7839・東京都台東区の二輪用ヘルメット専業メーカー
  • 勤務地:正社員626名のうち547名が茨城工場・岩手工場、本社は79名
  • 年収:有報の平均年間給与は550.6万円。3期連続で減少している
  • 財務:営業利益率27.5%・自己資本比率85.1%だが海外売上82.5%依存

「SHOEI」で検索すると、ヘルメットの型番やサイズ感の情報が大量に出てきて、会社そのものの情報になかなかたどり着けません。さらに同じ読みの別会社も複数あるため、転職先として調べたい人ほど遠回りをしがちです。この記事では、東京証券取引所プライム市場に上場する株式会社SHOEI(証券コード7839)に絞り、第69期(2025年9月期)有価証券報告書の実額をもとに、年収・勤務地・業績・構造リスクを整理します。特にこの会社を検討するうえで最も重要なのは、正社員626名のうち547名が茨城県稲敷市と岩手県一関市の工場で働いているという事実です。求人票を見る前に、この構造を理解しておくと判断が速くなります。なお、ヘルメットの製品情報・サイズ選び・新作モデルをお探しの方は、この記事ではなくSHOEI公式サイトをご覧ください。

まず確認|この記事の「SHOEI」は証券コード7839の二輪ヘルメット専業メーカー

調べ始めの段階で最も時間を無駄にするのが、同名の別会社との取り違えです。最初にここを確定させておきます。本記事が扱うのは、株式会社SHOEI(証券コード7839・東京証券取引所プライム市場/業種はその他製品)、本社は東京都台東区台東一丁目31番7号(PMO秋葉原北8階)に置かれる二輪車用ヘルメットの専業メーカーです(公式情報)。持株会社ではなく、製造と販売を自ら行う事業会社そのものである点も、年収データを読むうえで重要になります。

有価証券報告書の「沿革」によると、同社は1954年創業の鎌田ポリエステル商会を改組して1959年3月に「昭栄化工株式会社」として設立され、1960年に一般用ヘルメット、1966年に二輪乗車用ヘルメットの生産を開始しました。その後1998年5月に「株式会社シヨウエイ」、同年12月に「株式会社SHOEI」へ商号変更しています。つまり「昭栄化工」という表記は同社の旧社名でもあり、同時に無関係の同名企業も存在するという、二重にややこしい状態になっています。

間違えやすい同名の会社・施設と、口コミサイトの落とし穴

実際の検索データを見ると、「SHOEI」という語には次のような無関係の対象が混ざり込んでいます。転職情報を集めるときは、次の点に注意してください。

  • 昭栄・翔栄・昭栄美術・昭栄化工など、読みが同じ、あるいは旧社名と同じ表記の別法人が複数存在します
  • 「SHOEI(業務請負)」という別会社が存在し、OpenWorkには「SHOEI(ヘルメット)」と「SHOEI(業務請負)」の2つの企業ページが並存しています。口コミを読む際は必ずページ名を確認してください
  • 宿泊施設の「湯野宿 昭栄」や、住宅系の「SHOEIの家」といった検索候補も上位に出ますが、いずれも本記事の会社とは無関係です
  • 「SHOEI チークパッド きつい」「SHOEI フィッティング きつい」といった候補が表示されますが、これはヘルメットの内装のサイズ感に関する製品の話であり、労働環境を指すものではありません

最後の点は特に誤解されやすいところです。「きつい」という語が検索候補に出るからといって、それが働き方の評価を表しているわけではありません。実際、企業としての同社について「やばい」「きつい」といった不安系の検索需要はほとんど見当たらず、リコール・行政処分・重大な不祥事も検索の範囲では見つかりませんでした。継続企業の前提に関する注記もありません。この記事で不安系の見出しを立てていないのは、そこに実需要がないためです。

SHOEIの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。以下はすべて第69期(2024年10月1日〜2025年9月30日)有価証券報告書および決算短信の実額です。

項目内容
会社名株式会社SHOEI(証券コード7839・東証プライム市場)
本社所在地東京都台東区台東一丁目31番7号(PMO秋葉原北8階)
設立1959年3月17日(旧商号:昭栄化工株式会社)
代表者代表取締役社長 石田 健一郎
資本金14億2,100万円
平均年間給与5,506,145円(約550.6万円)/提出会社・賞与および基準外賃金を含む
平均年齢36.9歳(提出会社)
平均勤続年数12.8年(提出会社)
従業員数連結670名/提出会社単体626名(いずれも臨時雇用者を除く就業人員)
事業所別内訳本社79名/茨城工場255名/岩手工場292名
売上高連結323億6,362万円(前期比9.6%減)
営業利益連結88億9,915万円(前期比13.9%減/営業利益率約27.5%)
経常利益連結89億23万円(前期比15.3%減)
当期純利益連結63億1,836万円(前期比14.4%減)
自己資本比率85.1%(現金及び現金同等物199億円・実質無借金)
海外売上高比率82.5%
離職率・職種別年収・初任給の職種別内訳有価証券報告書では開示されていない
出典第69期(2025年9月期)有価証券報告書/2026年9月期第3四半期決算短信/公式IR

SHOEIは実質「工場の会社」|正社員626名のうち547名が茨城・岩手の工場勤務

この記事で最も伝えたい結論がここです。SHOEIへの転職を検討するということは、高い確率で茨城県稲敷市か岩手県一関市で働くことを検討するのと同義になります。求人票の勤務地欄を見て驚く前に、会社の人員構造を押さえておきましょう。

有価証券報告書の「主要な設備の状況」によると、提出会社の従業員626名の事業所別内訳は次のとおりです。

事業所所在地従業員数構成比の目安
本社東京都台東区台東一丁目31番7号79名約12.6%
茨城工場茨城県稲敷市羽賀1793番地1255名約40.7%
岩手工場岩手県一関市藤沢町徳田字野岡27-1292名約46.6%

工場勤務は255名+292名=547名で、全体の約87%にあたります。会社自身も有価証券報告書のサステナビリティに関する記載のなかで「全従業員の9割を占める工場」という表現を用いており、これは推測ではなく開示された事実です(公式情報)。東京本社に79名しかいない会社を、東京の会社としてイメージして応募すると、入口の段階で認識がずれます。

茨城工場(茨城県稲敷市)|最大拠点かつ労働組合のある現場

茨城工場は稲敷市羽賀に立地し、従業員255名を擁します。この拠点には「株式会社シヨウエイ茨城工場労働組合」(組合員235名・JEC連合加盟)が存在し、有価証券報告書は労使関係を「良好に推移している」と記載しています。組合員235名という数字は工場従業員255名のほとんどをカバーする規模で、現場側の労働条件について交渉主体が存在することを意味します(公式情報)。

また、同社は茨城エリアに来場者向けの施設「SHOEI HELMET PARK」を設けており、「工場見学」「ヘルメット工場」といった検索がされるのはこの流れです。企業として一般来訪者を受け入れる姿勢があること自体は、地元での認知度の高さを裏づける材料といえます(推定情報)。

岩手工場(岩手県一関市)|人数では最大規模の生産拠点

岩手工場は一関市藤沢町徳田に位置し、従業員292名と3拠点で最多です。検索データ上も「SHOEI 岩手工場」「岩手工場 求人」という組み合わせの検索が茨城工場より多く、地元求職者の関心が現実に存在することがうかがえます。一関市周辺で製造職を探している方にとって、300名規模の上場メーカー拠点は有力な選択肢の一つになり得ます(推定情報)。

なお岩手工場の労働組合については有価証券報告書に記載がありません。「記載がない=存在しない」とは限らないため、労働条件を確認したい場合は選考過程で直接質問するのが確実です。

本社79名と直営ショールーム|東京勤務の枠は極めて限られる

本社79名という数字は、管理・経理・人事・商品企画・デザイン・海外営業といった機能をすべて含んだ人数です。単純に考えれば、各職種の在籍者は一桁から十数名規模ということになります。実際、2026年8月時点の公式採用ページを確認すると、中途採用は「国内営業職」と直営ショールームのパート・アルバイトのみで、管理部門・商品企画・商品デザイン・生産管理はいずれも募集が出ていません。新卒採用も生産技術職とインダストリアルデザイナー職が中心です。

一方で、同社は国内6ヶ所(東京・大阪・横浜・京都・福岡・札幌)に加えパリ・バルセロナに直営ショールームを展開し、株式会社SHOEI SALES JAPANが運営しています。メーカーでありながら小売接客職の採用枠が存在するのは、この直営体制があるためです。

まとめると、ポジションの空き自体が構造的に少なく、募集が出るタイミングを逃さないことが実務上いちばん重要になります(推定情報)。求人の網を張っておく価値が高いタイプの企業です。

SHOEIの平均年収は550.6万円|3期連続の減少と「7歳若返った」平均年齢

結論から言うと、SHOEIの平均年間給与は5,506,145円(約550.6万円)です。ただしこの数字は、そのまま「入社したら550万円もらえる」という意味ではありません。読み方に二つの注意点があります。

有価証券報告書の実額と、4期分の推移

有価証券報告書「従業員の状況(提出会社の状況)」によると、第69期(2025年9月30日現在)の平均年間給与は5,506,145円、対象は提出会社の従業員626名(臨時雇用者145名を除く)で、賞与および基準外賃金を含みます(公式情報)。過去4期の推移は次のとおりです。

決算期平均年間給与前期比
2022年9月期約620万円—
2023年9月期約580万円約40万円の減
2024年9月期約570万円約10万円の減
2025年9月期約550.6万円約19万円の減

3期で約70万円、率にして約11%の減少です。これは開示された事実として押さえておくべき数字ですが、減少の原因を有価証券報告書から特定することはできません。想定される要因は複数あり、たとえば業績連動の賞与が2025年9月期の減益(営業利益13.9%減)を反映した可能性、平均年齢の低下による人員構成の変化、工場採用の拡大による構成比の変化などが考えられます(推定情報)。単一の理由に断定できる材料はありません。

注意点①|この550.6万円は「9割が工場勤務」の全社平均である。前章で見たとおり、提出会社626名のうち約87%は茨城工場・岩手工場の勤務者です。つまりこの平均年間給与は、工場の技能職を主体とする全社平均であり、本社の総合職や海外営業職の水準を示すものではありません(推定情報)。一般に製造業では、本社の企画・管理職と工場の技能職とでは賃金カーブが異なるため、職種によって実感値は上下にぶれ得ます。求人票の提示レンジがこの平均と食い違っていても、それだけで不自然とは限りません。

注意点②|平均年齢36.9歳・勤続12.8年が示す珍しい「若返り」

もう一つ、この会社の年収データには珍しい特徴があります。平均年齢と平均勤続年数の長期推移です。

決算期平均年齢平均勤続年数
2014年9月期44.0歳16.8年
2025年9月期36.9歳12.8年

11年間で平均年齢が7歳以上若返り、平均勤続年数は4年短くなっています。日本の上場メーカーでは平均年齢が年々上がっていく企業のほうが一般的なので、この動きはかなり珍しい部類に入ります。背景として考えられるのは、工場採用の拡大と、臨時雇用者(有報上145名)の正社員登用による人員構成の入れ替わりです(推定情報)。会社が理由を明示しているわけではないため断定はできません。

転職検討者にとって重要なのは、この「若返り」が平均年収の低下と同時に起きているという点です。平均年齢が7歳下がれば、年功的な要素がある賃金体系のもとでは平均給与が下がるのは自然な帰結でもあります。年収の推移だけを切り出して「待遇が悪化した」と読むのは早計で、人員構成の変化とセットで見る必要があります。

口コミ上の年収傾向と、選考時に必ず確認したいこと

二次情報にはなりますが、口コミ傾向として、エン カイシャの評判では平均年収448万円(回答者の平均年齢36歳・35件ベース)という集計値が示されています。有報の550.6万円との差は、回答者の職種・年次の偏り、賞与や基準外賃金の扱いの違いなどが要因と考えられます(推定情報)。口コミ集計は母数が小さく、自己申告に基づくため、公式値の代替にはなりません。

求職者
求職者

平均550万円と口コミ448万円、どちらを信じればいいの?

結論としては、全社の水準感は有報の550.6万円、自分の着地点は求人票と労働条件通知書で見るのが正解です。そのうえで、選考の場では次の点を確認しておくと判断を誤りにくくなります。

  • 賞与の算定方式:業績連動の比率が高いほど、円安・円高や販売数量の変動で年収が振れます
  • 住宅関連の手当:口コミでは住宅手当や社宅が手厚くないという声があり、勤務地が工場所在地になる場合は生活コストへの影響が大きくなります
  • 等級と昇給の刻み:昇給が緩やかという口コミがあるため、5年後・10年後のレンジを具体的に聞いておくと精度が上がります
  • 譲渡制限付株式報酬の対象範囲:同社は2026年7月31日決議で従業員66名に13,200株(総額2,614万円・3年間の譲渡制限付き)を割り当てています。上場メーカーで一般従業員に株式報酬が及ぶ例は多くないため、対象条件を確認する価値があります

業績と財務|減収でも営業利益率27.5%、自己資本比率85.1%の無借金体質

「直近が減収減益」と聞くと身構えますが、SHOEIの数字を見ると評価は単純ではありません。減収でありながら利益率と財務健全性は製造業として突出して高い、というのがこの会社の実像です。

決算短信および有価証券報告書によると、2025年9月期(第69期)の連結業績は次のとおりです。

項目2025年9月期実績前期比
売上高323億6,362万円9.6%減
営業利益88億9,915万円13.9%減
経常利益89億23万円15.3%減
当期純利益63億1,836万円14.4%減

減収の要因は販売数量11.9%減、なかでも日本市場が25.4%減

減収の直接要因は販売数量の減少です。前年度比で全体11.9%減、地域別では欧州12.4%減・北米3.1%減・アジア5.2%減・日本25.4%減と、国内の落ち込みが際立ちます(公式情報)。コロナ期に世界的に高まった二輪需要の反動と、流通在庫の調整局面が重なったタイミングと考えられます(推定情報)。

それでも営業利益率は約27.5%を維持しています。売上300億円規模の製造業で営業利益率が20%台後半に乗る例は多くありません。加えて自己資本比率85.1%、現金及び現金同等物199億円で実質無借金、2025年9月期のROEは20.5%です。減益局面でも財務が痛まない体質であり、雇用の安定という観点ではプラス材料になります(推定情報)。

2026年9月期は増収増益に転じ、Q3時点で通期予想の約88%

直近の四半期はすでに回復基調です。2026年9月期第3四半期累計(2025年10月〜2026年6月)は、売上高243億48百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益73億29百万円(同9.3%増)、経常利益75億58百万円(同14.0%増)、純利益52億円(同12.4%増)と、いずれも前年同期を上回りました(公式情報)。

通期の会社予想は売上高339億50百万円(前期比4.9%増)、営業利益83億70百万円(同5.9%減)です。第3四半期時点で営業利益は通期予想の約88%に到達しており、会社予想が保守的に置かれている可能性があります(推定情報)。年間配当は60円で据え置きの予想です。転職の面接で業績について聞かれた際は、「2025年9月期は反動減、2026年9月期は回復局面」という時系列で語れると理解の深さが伝わります。

SHOEIの将来性|会社自身が有報で挙げる5つの構造リスク

将来性の評価にあたって、外部の推測より価値があるのは会社自身の開示です。SHOEIは有価証券報告書「事業等のリスク」で、発生可能性の高さまで含めてリスクを明示しています。ここでは転職判断に直結する5点を整理します(公式情報)。

  • ①海外売上高比率82.5%による為替感応度(発生可能性:大)。売上の8割超が海外という構造上、為替相場が業績に直結します。会社は円建て輸出取引の拡大や円高時の値上げで対応すると記載しています
  • ②日米欧のライダー高齢化による顧客数の減少(発生可能性:大/中期)。主要市場のライダー平均年齢が50歳代半ばに達しているとされ、市場そのものの構造的な縮小を会社が認めています
  • ③二輪ヘルメット単一事業への依存。単一セグメント「ヘルメット関連事業」のうち二輪乗車用が売上の約90%を占め、パラダイムシフトが起きた場合に壊滅的な影響があり得ると会社自身が記載しています
  • ④原材料価格の変動(発生可能性:大)。製造原価に占める原材料費の比率は43.2%で、樹脂・塗料などの価格上昇が利益を直撃する構造です
  • ⑤製造物責任(PL)訴訟リスク。北米を中心に直近5年で3件が発生しており、2025年9月期末時点の未解決件数は0件です。人命に関わる保護具を扱う以上、恒常的に抱える性質のリスクといえます

加えて、生産拠点が国内2工場のみに集中しているため、自然災害が起きた場合の供給リスクも開示されています。

一方、会社は手を打っていないわけではありません。2024年9月にBMX競技用ヘルメット、2025年10月にカーボン製ヘルメットを国内投入し、2026年1月にはヘルメット以外で初となるキャリーケース事業を開始しました。また、サンバイザー付かつインターコム対応モデルが2025年9月期の販売個数の約41%を占めており、電装との融合が実質的な主力になりつつあります。業界全体でもスマートヘルメット領域の開発が進んでおり、複合材成形・電装・ブランドライセンスといった新しい技術領域が広がる局面です。

転職検討者にとっての意味は明快です。「安定した高収益企業」と「単一事業・海外依存の一本足構造」は、この会社では同じコインの裏表です。プレミアム帯に集中しているからこそ営業利益率27.5%が成立し、同時に市場が縮めば逃げ場が少ない。どちらか一方だけを見て判断しないことをおすすめします。

「Made in Japanで勝負します」|1992年の会社更生から現在までの経営姿勢

この会社を語るうえで外せないのが、経営方針の独自性です。SHOEIは「Made in Japanで勝負します」を経営方針に明記し、コストダウンを目的とした生産の海外移転を明確に否定しています。有価証券報告書では「いずれのミッションが海外に移転しても現在のブランドを維持できない」という趣旨まで踏み込んで記載しており、上場メーカーの開示としてはかなり踏み込んだ表現です(公式情報)。

実際、連結子会社7社(ドイツ・フランス・イタリア・タイ・中国・国内1社)はいずれも販売とマーケティングを担う機能で、製造は茨城工場・岩手工場の国内2拠点に限定されています。シェル成形から塗装・内装・組立までを自社で行う垂直統合型で、高付加価値帯ゆえに手作業の比重が高いことが競争力の源泉になっています。

この方針は、ものづくり職の求職者にとって二つの意味を持ちます。ポジティブに見れば、生産技術・設備設計・品質保証といった仕事が国内に残り続ける可能性が高いということ。ネガティブに見れば、勤務地の選択肢が茨城・岩手にほぼ固定されるということです(推定情報)。ライフイベントに応じた勤務地の柔軟性を重視する方は、この点を選考の早い段階で確認しておくべきです。

1992年の会社更生手続申立てと、現在の超健全財務

意外に知られていませんが、SHOEIは1992年5月に東京地方裁判所へ会社更生手続開始を申し立て、1998年3月に手続が終結しています。これは有価証券報告書の「沿革」に明記されている事実です(公式情報)。商号が「株式会社シヨウエイ」「株式会社SHOEI」へと変わったのも、手続終結直後の1998年のことです。

そこから約30年を経た現在の姿が、自己資本比率85.1%・現預金199億円・実質無借金という財務です。一度倒れた会社が、財務の安全性を極端に重視する体質へ振れているとも読めます(推定情報)。

同じく会社更生手続を経て復活した上場企業としては、永大産業(1978年に会社更生法適用、1993年に更生計画完遂、2007年に再上場)があります。ただし現在の財務体質は対照的で、永大産業が自己資本比率51.3%・有利子負債208億円であるのに対し、SHOEIは85.1%・実質無借金です。「更生を経験した会社」と一括りにせず、その後どのような体質を選んだかを見ることが、転職先としての評価では重要になります。

SHOEIの評判・口コミ傾向|まず「口コミ件数が少ない」ことを知っておく

口コミを読む前に、必ず押さえてほしい前提があります。SHOEIは口コミの母数が非常に少ない企業です。正社員626名という規模、かつ中途採用の間口が狭いことを考えれば当然ではありますが、この前提を無視すると評価を読み違えます。

サイト口コミ件数総合評価主な指標
OpenWork「SHOEI(ヘルメット)」11件2.99/5.0待遇面2.9/士気3.0/風通し2.9/人事評価3.2、月間残業3.9時間、有給消化率90.3%
エン カイシャの評判35件3.4/5.0平均年収448万円(平均36歳)、月間残業約13時間、休暇満足度84%

OpenWorkの11件という母数では、投稿1件が総合評価に約9%の影響を与えます。つまり、たまたま不満を持った1名の投稿が全体の印象を大きく動かし得るということです。さらに回答者は塗装部門・製造部門の女性など工場側に偏っている傾向があり、本社総合職の実態を代表しているとは限りません。ここを踏まえたうえで、傾向として読み取れる内容を整理します(すべて口コミ傾向であり、断定できるものではありません)。

プラス評価として挙がりやすい点

  • 休みが取りやすく残業が少ない:OpenWorkでは月間残業3.9時間・有給消化率90.3%、エン カイシャの評判では休暇満足度84%と、いずれも働く時間の面での評価が高く出ています。求人媒体側でも年間休日125日、フレックスタイム制(2020年10月導入)、残業月10時間程度といった条件が訴求されています
  • ブランド力への誇り:世界最高峰レースで採用されるプレミアムブランドであることに対し、自社製品への愛着や誇りを挙げる声が見られます
  • 若手が育ちやすい環境:教育はOJT中心で、工場では毎月のJIT(ジャストインタイム)会議で中堅社員が改善提案を起案・実行・発表する仕組みがあると開示されています。平均年齢36.9歳という数字とも整合します
  • 設備環境:求人媒体では工場の空調完備や社員食堂の存在が訴求されています

マイナス評価として挙がりやすい点

  • 給与水準への物足りなさと昇給の緩やかさ:待遇面の満足度2.9という数字にも表れており、大幅な昇給を期待する層とは相性が良くない可能性があります
  • 住宅手当・社宅が薄い:勤務地が工場所在地になる可能性が高いことを考えると、生活設計への影響を事前に見積もっておく必要があります
  • 風通し・革新性は中庸:風通しの良さ2.9、社員の士気3.0と、いずれも突出した高評価ではありません
  • 管理職までのキャリアが見えにくい:ポジションの絶対数が少ない少数精鋭の専業メーカーであるため、昇格や役割転換の機会が巡ってきにくいという構造的な事情が背景にあると考えられます(推定情報)

なお、人的資本KPIとしては女性管理職比率3.1%(2025年10月1日付で6.1%)、男性育休取得率73.3%(2027年9月までに70%という目標を達成済み)、男女の賃金差異は全労働者79.0%・正規雇用80.1%と開示されており、女性管理職比率は2028年3月までに8%という目標が設定されています。離職率と月平均残業時間の公式値は、有価証券報告書では開示されていません。

SHOEIと近接する企業の比較|二輪業界で転職先を並べて考える

同じ二輪関連でも、会社の性格はかなり違います。実際に比較検討されやすい企業を、推定情報を含む形で並べます。最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください。

企業名平均年収の目安事業構造主な勤務地比較検討時のポイント
SHOEI(7839)約550.6万円(有報実額)二輪ヘルメット専業・海外売上82.5%・営業利益率27.5%茨城県稲敷市/岩手県一関市/東京本社高収益・高財務健全性の一方、単一事業依存。勤務地は工場が中心
アライヘルメット(非上場)非上場のため公式開示なしプレミアム二輪ヘルメットの最大の直接競合埼玉県さいたま市ほかSHOEIと並ぶ日本発の高級ブランド2強。開示情報が限られる点に注意
オージーケーカブト(非上場)非上場のため公式開示なし二輪・自転車ヘルメットの国内大手。価格帯はSHOEIより下大阪府東大阪市ほか自転車用も含む幅広いレンジ。国内市場の比重が相対的に高い
デイトナ(7228・東証スタンダード)公式IRで要確認バイク用品の企画・開発・卸売静岡県ほか製造そのものより企画・流通寄り。二輪好きの受け皿として比較されやすい
ヤマハ発動機(7272・東証プライム)公式IRで要確認二輪車本体メーカー。事業領域は多角的静岡県磐田市ほか国内外多数規模・待遇・キャリアの幅は大きいが、選考の競争環境も異なる

この表から読み取れるのは、SHOEIが「規模の大きさ」ではなく「利益率とブランド」で勝負している会社だということです。売上300億円規模ながら営業利益89億円を出す構造は、大手二輪メーカーとはまったく別の経済圏にあります。年収の絶対額で大手と比べるより、「少数精鋭の高収益ブランド企業で働くこと」に価値を感じられるかどうかが判断軸になります(推定情報)。

SHOEIへの転職が向いている人・向いていない人

これまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。

向いている人向いていない人
茨城県稲敷市・岩手県一関市での勤務を前向きに選べる、または地元で腰を据えて働きたい都市圏勤務が譲れない、転居を伴う勤務地変更を避けたい
量的拡大より、ブランド価値と単価を上げていく仕事に手応えを感じられる市場規模の大きい領域で、事業のスケール自体を伸ばす経験を積みたい
成形・塗装・組立まで自社で行う垂直統合の現場で、工程改善や品質保証を深めたい短期間で職種転換やジョブローテーションを重ねてキャリアを広げたい
ECE22.06・SG・JIS・DOTなど安全規格対応の知見を専門性として磨きたい年功的でない急峻な昇給・昇格スピードを重視する
残業が少なく有給を取りやすい環境を重視し、生活リズムを保ちたい裁量労働的な働き方で成果に応じた高い報酬を得たい
海外現地法人とのやり取りや英語を使う業務に前向きに取り組める為替や通商政策など外部要因で業績が振れる環境にストレスを感じる

なお、二輪への個人的な興味は必須条件ではありませんが、趣味性の高い嗜好品を扱う業界である以上、製品への理解がコミュニケーションを円滑にする場面は多いと考えられます(推定情報)。未経験からのキャッチアップが不可能ということではありません。

SHOEIへの転職|編集部の見解

編集部の見解として、SHOEIは「勤務地の条件を受け入れられるかどうか」で評価が真っ二つに分かれる会社だと考えられます。

財務面だけを見れば、自己資本比率85.1%・実質無借金・営業利益率27.5%という数字は、上場メーカーのなかでも上位に入る安定感です。残業3.9〜13時間程度・有給消化率90.3%という口コミ傾向も、働く時間の面では魅力的に映るでしょう。一方で、平均年間給与が3期連続で減少していること、単一事業依存とライダー高齢化という構造リスクを会社自身が「発生可能性:大」として開示していること、そして正社員の約87%が工場勤務であることは、いずれも冷静に受け止める必要があります。

総合すると、茨城・岩手での勤務を積極的に選べる製造・生産技術系の方にとっては、財務の安定と時間的な余裕を両立できる有力な選択肢と考えられます。逆に、都市圏勤務と急速な年収上昇の両方を求める方には、マッチしにくい可能性が高いでしょう。中途の募集枠自体が狭いため、興味があるなら求人が出た瞬間に動ける準備をしておくことをおすすめします。

SHOEIに関するよくある質問(FAQ)

SHOEIへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。

SHOEIの工場はどこにありますか?勤務地は選べますか?

製造拠点は茨城工場(茨城県稲敷市羽賀1793番地1)と岩手工場(岩手県一関市藤沢町徳田字野岡27-1)の2拠点です(公式情報)。従業員数は茨城工場255名、岩手工場292名で、本社79名を大きく上回ります。勤務地の選択可否や転勤の有無について公式な開示はないため、応募時に募集要項と選考過程で確認してください。

SHOEIの求人はどこで確認できますか?中途採用はありますか?

公式採用ページで確認できます。2026年8月時点では、中途採用は国内営業職と直営ショールームのパート・アルバイトが中心で、管理・商品企画・商品デザイン・生産管理の募集は出ていませんでした。新卒は生産技術職・インダストリアルデザイナー職が中心です。募集枠の絶対数が少ないため、公式採用ページを定期的に確認するのが現実的な方法です。

SHOEIの平均年収はいくらですか?

第69期(2025年9月期)有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は5,506,145円(約550.6万円)です(公式情報)。ただし対象626名のうち約87%が工場勤務であるため、本社総合職の水準を示すものではありません。また2022年9月期の約620万円から3期連続で減少しています。

口コミサイトに「SHOEI」が2つあるのはなぜですか?

OpenWorkには「SHOEI(ヘルメット)」と「SHOEI(業務請負)」という2つの別会社のページが存在します。本記事が扱う証券コード7839の企業は前者です。後者は業務請負を営む別法人であり、口コミの内容も当然異なります。評判を調べる際は必ずページ名と所在地を確認してください。

SHOEIの業績は悪化しているのですか?

2025年9月期は売上高9.6%減・営業利益13.9%減と減収減益でしたが、赤字ではなく営業利益率は約27.5%を維持しています。2026年9月期第3四半期累計は売上高6.2%増・営業利益9.3%増と増収増益に転じており、通期営業利益はQ3時点で会社予想の約88%に到達しています(公式情報)。

SHOEIは海外勤務の可能性がありますか?

連結子会社はドイツ・フランス・イタリア・タイ・中国と国内1社の計7社ありますが、いずれも販売・マーケティング機能で、製造は国内2工場に限定されています。海外駐在の運用について公式な開示はありません。ただし海外売上高比率82.5%という構造上、本社の営業・商品企画職では現地法人との日常的なやり取りや英語を使う業務が発生しやすいと考えられます(推定情報)。

SHOEIへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
勤務地正社員の約87%が茨城工場・岩手工場勤務。東京本社は79名のみで枠が狭い
年収水準有報実額550.6万円(全社平均)。3期連続で減少しているが、平均年齢の7歳低下と同時進行
働き方口コミでは残業3.9〜13時間程度・有給消化率90.3%。年間休日125日・フレックス制
財務安定性自己資本比率85.1%・現預金199億円・実質無借金。営業利益率27.5%と高収益
将来性2026年9月期は増収増益に回復。一方で単一事業依存・ライダー高齢化を会社自身がリスク開示
採用の間口中途は国内営業職と店舗職が中心。ポジションの空きが構造的に少ない
キャリアの広がり安全規格対応・複合材成形の知見は自動車部品や保護具メーカーへ横展開しやすい
情報の確度公式データは有報で明確。一方、口コミは11〜35件と母数が小さく参考程度に留めるべき

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

数値の主たる出典は、第69期(2024年10月1日〜2025年9月30日)有価証券報告書(2025年12月22日関東財務局長へ提出)および2026年9月期第3四半期決算短信(2026年7月31日開示)です。過去期の平均年間給与の推移は各期の有価証券報告書の転記値を参照しています。

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。口コミサイトの集計値は二次情報であり、母数が小さい場合はその旨を本文中に明記しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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